人見知りの魔法使いと気弱な剣士くん   作:SS好きのヨーソロー

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第1話 新しい交流

家に帰ってしばらく。シャワーを浴び、コーヒーを飲みながらパソコンを開くと、ゲームを開く。

 

先ほど述べた、NeoFantasyOnlineだ。

VRではないのにやる理由、それは・・・

『あ、レコン!ログインしてるー!』

知り合いがそこにいるからだった。

「おー、姫さんどもども。今日も捗ってる?」

『うん!ねーりんりん!』

そう声をかけるのはあこ姫、紫髪が似合う可愛らしい子だ。

『うん、レアなアイテムもたくさん手に入ったし、魔法も試せたからラッキー』

嬉しそうなチャットを打つこの子はRinRin。黒髪の、例えるなら大和撫子って雰囲気だ

『ねえねえレコン!今日も一緒にやろーよ!』

「もちのろんよ。今日もこの刀のサビにしてやるぜー」

こちらもつい乗り気になる。そうして、楽しいゲームの時間が続くのだった。

 

 

それからしばらく、敵を倒したりアイテム収集をしていく。

『えへへ、やっぱりレコンとするのたのしーや!今度現実でも会ってみたいなぁー』

「こらこら、そんなことをあんまり簡単に言っちゃダメだぞー?僕の得体がしれないんだから。もしかしたら極悪人かも・・・」

『なにそれなにそれ!カッコ良さそう!』

「おーっと、まさかのそっちだったか。余計だめですね、はい」

『れ、レコンさんのいうとおりだよあこちゃん。ネットって危ないから・・・』

『そーだけど・・・あ、そろそろ時間だから落ちるね!二人ともありがとー!!』

全く、最後まで元気な様子だった。

そろそろお暇だろうか。

すると、横のRinRinの様子が変だった。

「・・・どしたのりんちゃん」

『へ!?あ、いや・・・なんでも。さっきはごめんなさい、言う通りって・・・レコンさんはいい人なのに』

「・・・言ったろ?ほんとのことはわからんって。ちゃんと警戒をすると言うか、線を引くのはいいことじゃないか。むしろ偉いと誉めたいくらいさ。

・・・どうする?もうお暇にする?」

『・・・もう少しだけ、こうしててもいいですか?』

「・・・はは、わかったよ」

無自覚かも知らないですけど、ダメですその上目遣い。死ぬ。可愛さで死ぬ。

死因 尊死ってか?

 

・・・割とありだな、それ。

 

 

 

『・・・そろそろ、落ちますね』

「あぁ、わかったよ」

『・・・あこちゃんの気持ち、わかるな』

「・・・へ?」

その一言を言われ、気がついたらログアウトしていた。

・・・おいおい、その発言は多少勘違いしても、悪くはないよな?

 

やれやれ、と頭を抱えながらも自身もログアウトしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・んー、お前それ脈ありそうじゃね?」

「・・・自惚れ、じゃないよな?これ」

「これで自惚れなら世界どうなるんだよ、基準バグるぞ」

朝、学校が同じであるユウ、こと今井悠真と学校へ登校していた。

「しっかし、ALOの一件から塞ぎがちだったお前がこうも明るくなってくれたからなぁ」

「・・・そんときは本当に世話になったよ」

そう、こいつはALOからの知り合いである。

ALO事件終了後、悩みを聞いてくれたのがこいつだった。

 

そこから、こいつはさまざまなことで僕やキリトさんの助けをしてくれたのだ。

「しっかし、お前と知り合ってからとんでもないことがたくさん起きたぜ。死銃事件やらなんやら」

「そりゃこっちのセリフだ。悩みを抱えた子を助けたらまさかの当人の弟と出た。まあ、そのおかげで和人くんも被害か少なくて済んだようだけどな」

「ああ、あいつとあと朝田さんだったかな、二人にすごい感謝されたよ」

「無理もない。恭二は朝田さんの友達だったろ?だから感謝したくなるんだろうさ」

「いやぁ、あんときは助かったぜ、お前に情報提供してマスターキー解除を想定してくれたおかげで事件防げたからな」

「そりゃあそこの家庭が特殊だからな。医療従事者なら無理ない話だ。つかその家でマスターキーの管理が甘いのがよくないんだけどね?」

 

死銃事件。簡単に説明すると、GGOというゲームを巡って起きた殺人事件だ。

犯人の新川昌一(別名死銃、赤目のザザ)の凶行を止めるべく、僕と悠真、そして弟である新川恭二が奮闘した話だ。

奮闘といっても、活躍したのは桐ヶ谷和人(キリト)。僕たちはそれのサポートをしたに過ぎない。

「・・・ま、恭二の場合手を汚したくない理由があったからな」

「五人組だっけ」

「あぁ、いつも通りの日々を過ごしていた五人組。彼女たちと仲が良かった。それを崩したくなかったって言ってたしな」

「写真見せてもらったけど、みんな可愛かったもんなぁ」

「だよなぁ。あの赤メッシュの髪は気になったけど」

「・・・派手だよな。恭二はすごく優しいって言ってたな。人は見た目によらないとは、このことか」

 

しばらく歩いていると、またもや美人を見かけた。

茶髪の美人だ。というかあの人は知ってる人だ。

「・・・リサちゃんか?朝からどしたの」

「あ、伸一、おはよー。悠真が弁当忘れてたからわざわざ来てあげたのさー」

「あっ!!忘れてた!リビングの机の上ぇ!!」

「ほんと、なにしてんのよもう・・・」

「おいおいユウ、お前来年から二年だろ?」

「う、うるさい!そこで年齢出すなー!」

「ったく・・・おー、友希那ちゃんもおはよー」

「ええ、おはよう。全く相変わらずね悠真は」

「うっ、勘弁してくれよ友希姉!」

「ははは・・・あ、そうそう友希那ちゃん。のど飴余ったんだけどいる?はちみつのやつ」

「あら、いいの?」

「いいのいいの、最近バンド頑張ってるんでしょ?ならいくつあっても悪くないさ!はい」

「ありがたく貰うわね、ありがとう」

「いやぁ、すごいよね、伸一。友希那って他人には滅多に心開かないのに」

「そうなのかい?」

「そうそう、友希姉は無言ばっかだったから・・・ひ、ひゃめろ!ほっへはひっぱふはぁ!!」

「全く、余計なことを言わなくていいの。・・・行きましょ、リサ」

「ハハハー・・・弟よ、今のは仕方がない。気をつけていくんだよー」

「ってて・・・はーい」

「相変わらず、姉弟の仲がいいな君たちは」

「さっきまでニコニコ話してたお前が言うな人畜無害」

「人に向かってその言い方はなんだ全く。人畜無害言うな・・・さっさといくぞ」

「あー!待てよー!」

全く朝から騒がしい限りだ。

まあ、悪い気はしないが・・・・・・

 

 

学校に着くと、フロアがわかれる、それもそのはず悠真は一個下の年下だからだ。

と言ってもゲームを通じて知り合ったわけだから年下年上なんて考えたこともないけど。

「あ、伸一。おはよー」

「おー、ツッキー。おはよう」

こいつはツッキーこと松原月。同級生であり、絡んでいる友達だ

「今日のテスト、日本史らしいよ?」

「お、日本史か。範囲は?」

「えーっと、室町だったかな」

「はい死刑。なんだよ室町かよ。江戸もってこい江戸」

「それも江戸末期」

「倒幕運動あたり」

「るろうに剣心だもんね」

「ははは、よくご存知で」

「そりゃまあ、二時間も語られたら覚えるよ」

「・・・それに関してはすまん。つかお前、今日はやけに機嫌いいのな」

「ふっふーん、今日のはなかなかの力作だからね。弁当」

「おー、そうなんか」

「姉さんが感動してたよ。作りがいあるわー」

「ってことは、あれか?クラゲを再現したの?」

「うん、可愛らしいくらげ。シャッターがすごかった」

「仕方がない仕方がない。クラゲ好きなんだろ?」

そう、こいつには双子の姉がいる。その姉が大のクラゲ好きだというのだ。

「あ、前のクラゲのぬいぐるみのお土産ありがとうね。めっちゃ喜んでた。むしろぜひお礼させてくれってさ」

「・・・その子、人見知りって言ってなかった?」

「クラゲパワーでしょ」

「クラゲパワー侮れないな!?いや僕も綺麗な女の人に会えるのは嬉しOKわかった冗談だから落ち着け落ち着いてくださいごめんない。・・・・・・殺意のこもった目で見るのやめよ?その顔人泣かせるよ?」

「HAHAHA、急に面白いジョークが聞こえたからね」

「こっわ、まじでこっわ。圧しかねえ」

「と言うか弟の前で口説くなよ?」

「安心しろ、僕如きが釣り合うわけ・・・うんごめんね?自己否定もしないから。それで睨むのやめようね?怖いから」

「だってまた自己否定してたし」

「はいはい、ったく・・・・・・ちゃんと本人と話したよ。キリトさんと」

「お、そうなの?」

「仲間の一人のクラインって人には説教されたよ。自分だけでも自分のことを認めてやれって。あんなこと言われ慣れてないから驚いたけどね」

「ちゃんと見てくれている人はいるってことじゃないか」

「ま、そう言うことだな」

照れくさくなってしまうが、嫌な気はしない。

「じゃ、またあとでねー!」

「あぁ、また後で」

ツッキーが自分の机に戻って暫く。チャイムがなりひびき授業が始まる。

 

 

 

 

そして、放課後である。

え?授業はどうしたって?そんなもの知りたい奴いないだろう。お昼だって僕とツッキー、ユウの3人で食べていただけだ。

そういえば、相変わらずリサちゃんのおかずは美味い。家庭的な味というかなんというか。

今度マジで何か作ってもらおうかな・・・・・・

後ツッキーの言う通り、弁当のクオリティがすごかった。ゼリーのクラゲが入っていたがとても可愛かった。あいつ女子力高いんだよなマジで・・・・・・

「今日も何もなかったなー」

「まあなー。学校だるいし」

「の割には、問題サクサク解いてるよね」

「余裕が欲しいんだよ余裕が。サボりたいしバイトしたい」

「それ理由で勉強するやつって珍しくね」

「だってその分自由な時間ができるしなー。けど、そろそろ別のこともしたいしなぁ」

「今何で稼いでんの?」

「GGO。恭二と一緒に荒稼ぎしてる」

「あぁ、お前らスピードだけで敵倒すもんな」

「弾丸?回避あるのみ。銃口?視力で予言するのみだっけ。バカじゃん」

「ツッキー口悪い口悪い。事実稼げてるんだし」

「・・・で、どうしてバイトしたいって?」

「・・・・・・楽しそうじゃん」

「不純の極みだな」

「だって君たちが楽しそうにしてるの見てて羨ましいんだもん」

「・・・俺たち、ねぇ。いちおう言ってもらおうか?うち、募集してるみたいだし」

「お、まじで!?」

「おう。恭二にも連絡取っとけよ。2人くらいは採用してもらえそうだし」

「・・・人手不足?」

「多いに越したことはない、ってさ。前々から知り合いがいたら声かけてくれって頼まれてたんだ。だからそのついでにな」

「そかー。一応恭二にLINEするわ」

ピピっ、と素早くメッセージを送る。

 

ものの数秒できた。

『あ、ごめん。僕今知り合いの店で働いてるんだー』

「・・・みたいですわ」

「なんだろーな。わかるような分からんような」

「・・・十中八九あそこだよなー」

「今度行ってみるか・・・」

「で、今からどうするよ?」

「僕やることねえし・・・」

「僕も今日は暇だなー。姉ちゃんはバンドの練習らしいし」

 

どうしようかなー、なんて考えていると女の子らの声が聞こえた。

「あー!ユウ兄!月兄!」

「ユウくん!ツッキー!」

「おー、あこ!」

「お、はぐみちゃん。やっほー」

突如2人に話しかけられたのだ。ユウとツッキーが。

何これ、一気に疎外感レベル100になったんだけど。なんならカンストできるレベル。

困ったなぁ、と頭を抱えているとその2人の後ろにいる、1人の女の子に目が止まった。

 

綺麗な黒髪で、宝石のように輝く紫の瞳。

その姿を表すなら、そう・・・大和撫子

 

って僕は初対面の人に向かって何思ってんだ!?

バカか!?暑さで頭やられたか!?

「うぇっ、と・・・・・・こ、こんにちは」

「あ、は・・・はい・・・こんにちは・・・」

・・・終了。秒数おそらく2秒

 

いや僕緊張するにも程がある!!流石にそれはないって!せめていい天気ですねくらいはあぁダメだッスー・・・いい天気・・・すねー、となる未来しか見えないッ!!

 

「・・・と。この子ら、知り合いなんですか?

あ、僕は長田伸一と言います。こいつらのクラスメートで」

「あ、はい。今井くんと松原くんはよく仲良くしてくれるそうで・・・私、白金燐子です」

「白金さんですね、よろしくお願いします」

「はい、よろしくお願いします、長田くん」

かつてこんな響きのいい長田くんがあっただろうか。こんな嬉しい長田くんがあっただろうか!!

全国の長田くんには申し訳ないがこの喜びは僕だけが噛み締めようそうしよう。

「おいおい伸一ぃ〜、俺らが目を離したすきに」

「ちょっ、いきなりなんだよユウ!?」

「ほんと名前で呼ばれた時嬉しそうだったねぇ〜」

「ツッキーまで!揶揄うのはやめてくれ!ったく。そもそも君たちが話し始めるからどうすればいいか悩んでたんだぞ?

白金さんに聞いたが、この子らと仲がいいんだってな」

「仲良い、ってのもそうだが1番はバイト関係だなー」

「バイト・・・お前たち、CiRCLEってところだったよな?もしかしてこの子達はバンドをしてるのか?」

「そーだよー!はぐみは北沢はぐみ!ハロー、ハッピーワールド!ってところでベースをしてるよーん!」

「あこは宇田川あこ!Roseliaでドラムを叩いてるのだ!」

「・・・ちなみに、私もあこちゃんと同じでRoseliaです。キーボードを担当しています」

「・・・お前たち、すげえ知り合いがいるんだな」

「だろ、ライブハウスならではの出会いだぜ」

「・・・一応。僕は長田伸一、この2人とは同じ学校でね。よろしく頼むよ」

「ならしーくんだね!よろしく!」

「じゃあしん兄だ!」

「あぁ、二人ともよろしく頼むよ」

「ねーねー、しーくんたちはなにしてたの?」

「ああ、これからなにしようかなーってね。ノープランだったから」

「あ、じゃあじゃあはぐみのところのコロッケ食べにこない?美味しいよ!」

「お、そりゃ名案だな!」

「うんうん!あこちんも燐子先輩も!みんなで食べたら美味しいよ!」

その言葉に甘え、歩きだす。

しばらくすると確かに香ばしい香りがしてくる。

 

北沢精肉店、そのポスターが見えたと言うことはここが彼女の実家兼精肉店ということだろう。

「待ってて、今持ってくるねー!」

そう言うと、彼女は奥へ入っていく。

「・・・暖かいな」

「ん?」

「・・・こっちは、こんなにあったかいのか」

「・・・こっちの方、あんま来てなかったもんな。この街の人たちはみんな優しいぜ?」

「はは、それは周囲を見れば簡単にわかるさ」

 

 

持ってきてくれたコロッケを受け取る。温もりを感じながらも、口へ運ぶ。

 

そこで食べたコロッケは、これまで食べたものよりも何倍も美味しいものだった。

「・・・すげえ美味しい」

「ええ、そうですよね。ついつい食べちゃいます」

「ああ、わかるなぁそれ・・・あ、白金さん。ストップ」

「・・・へ?」

 

「付いてましたよ、ほっぺ」

「・・・あ、ありがとう・・・ございます」

 

 

「あー!りんりんに手出しちゃダメなんだぞー!」

「あ、あこちゃん!?」

「おい伸一!惚気た顔してんじゃねーぞ!」

「ばっ、ち、ちがうってば!」

 

一気に、味なんてわからなくなってしまいましたとさ。

 

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