人見知りの魔法使いと気弱な剣士くん   作:SS好きのヨーソロー

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第4話 リアルイベントと出会いの予感

今日も今日とて、NeoFantasyOnlineでのレベリングに打ち明けていた。

「・・・しかし、だいぶ強くなれたな。前のアップデートから使え始めたVRも使い勝手に慣れてきた。うん、やっぱりVRは一番だ」

手をにぎにぎと握りながら戦う。剣を握る感触、風を切る感覚、そして跳躍する動き。

全てが現実に限りなく近く、動き慣れている僕としては実家へ帰ってきた時のような、謎の安心感に包まれていた。

 

 

今日はフレンドであるあこ姫とRinRinさんと共にダンジョンを攻略していた。

基本あこ姫、僕がアタッカーを務めRinRinさんがサポートに回る。

 

今回はVRということもあり、魔法破壊、武器破壊など様々なことを試すことができた。

魔法破壊のコツはキリトさんに教えてもらっていたので比較的簡単にできた。武器破壊は・・・力を込めすぎて粉々にしてしまったのはいうまでもない。

規則的な動きの中に急に出てくる予想外の動きにシステムは一瞬ラグを起こすのでその間にラッシュ・・・剣戟を全部叩き込むという何と言っても脳筋的なプレイになった。

本当は敵の武器を捕獲してそれを用いる、って方法で戦いたかったのだが・・・・・・

ちなみに魔法破壊と武器破壊をした時の彼女らの反応はおかしかった。

『あるぇぇ???レコン、何をしてるの・・・???』

『システムを凌駕した・・・脳筋』

酷い言い草だ。言われてるぞキリトくん

 

オマエニイワレルホドジャネエヨ!

今何か聞こえたが気のせいだ。気のせいに決まってる。

まあ、そんなとんでもな出来事もあったが比較的楽に、そして楽しくダンジョンを攻略できた。お互いの必要だったアイテムも無事回収することができたし有意義なダンジョン攻略になったことだろう。

そして、ダンジョン攻略を終えた後にあこ姫が口を開いたのだ。

『リアルのNFOのイベント参加したい!』と。

 

 

 

 

 

朝、陽の光が部屋に入り込み僕はゆっくりと目を開ける。

睡眠を貪り幸せのような感覚を味わい、再びその感覚を味わおうと計画するも、頭に入り込んできた今日のスケジュールが眠気を嫌でも感じさせないとしていた。

「・・・リアルで出会う、か」

緊張?そんなもの当たり前にしている。というかしていないほうがおかしいだろこんなの。

万が一、ってこともあるが十中八九彼女らは女の子だ。いやマジで。

女の子二人に会うとか恥ずかしいというか緊張するに決まっている!!

 

ちなみに、ユウに具体的なことを伝えると無言のあとゲラゲラと爆笑していた。

その爆笑が怖い。後で報告しろよって言ってたけどいわゆるざまぁwwwがしたいのか?

ザマァされたら流石に泣いてしまうぞ僕。

・・・いや、別に期待してるわけじゃないんだけどね?

 

はあ、僕は一体誰に言い訳をしているんだろうか。恥ずかしくなってきた・・・・・・

「まあ、変に気負う必要もないか・・・僕のやるべきムーブは相手に最大限迷惑をかけないことだ。それさえ意識すればあとはまあ、なんとかなるだろ」

やれやれ、と頭をかきながらシャワーを浴び眠気をとる。

ご飯は喉を通る気がしなかったので缶コーヒーを買い、待ち合わせの駅前に向かう。

 

この時間帯の駅前は、比較的混雑しておらずチラホラ待ち合わせをしている人たちが見える。

一応連絡先からは黒い服、紫の服と色自体は教えてもらっている。

・・・これ、無事に出会えるのかねぇ。てかおいリア充多くない?呪われる?爆ぜる?世界樹の塔引きこもり鍛錬でもさせるぞ?

 

・・・そういや、あそこのダンジョンまた復活してたな。ガーディアンのポップ数と撃破時のユルド獲得数で結構いい稼ぎになるんだよな。

あとはそうそう、ヨツンヘイムのエンドレス耐久サバイバルもいい。

あそこでジェノサイドステップしてても何も言われないし注目も浴びない。もしみられてもそんなの気のせいだろ、ってなるからバレることもない。

マジであそこ穴場だよなぁ、なんであそこで鍛錬しないんだろう。あんなに魅力的なのにね・・・・・・。

そんなことを考えながら、コーヒーを飲んでいると偶然見知った顔を見かけた。

「・・・あれ、宇田川さんと白金さんだよなぁ」

まさか、こんな偶然あるんだなぁと思っているとどうやらあちらも気がついたようだ。目を見開いてこっちにきていた。

いや、待ち合わせとか大丈夫なの・・・?

「しん兄だー!すごーい、偶然だねー!」

「宇田川さん、それに白金さんも・・・エンカウント率やけに高くねえか・・・二人とも今日はどうしたのよ?」

「ふっふーん!今日はゲームのフレンドと会うんだー!」

「そうだったんだ、僕もフレンドと会うんだ。NFOってゲームでさ」

「え!?しん兄も!?」

「え、宇田川さんも?・・・まさか」

「・・・もしかして、レコンさん、ですか?」

「・・・と、いうことは宇田川さんがあこ姫、白金さんがRinRinってこと・・・になる、よな」

「えー!?レコンってしん兄だったの!?」

「僕だって驚いているさ。まさか二人がRoseliaのメンバーで、そしてリアルでも知り合いだったなんて・・・」

そりゃあ、リアルで知り合った時に雰囲気が似ているなとは何回か思ったけどまさか本当に知り合いだったとは予想していなかった。

「・・・はぁ、そういうことか。だからユウのやつやけにニヤニヤしてたのか」

「んー?ユウ兄がどうかしたの?」

「あぁ、今日のことをあいつに言ったらやけにニヤニヤしながら後で報告しろよって言ってて」

「今井くんもNFOやってるんですよ・・・」

「そうそう、かっこいいよねー!」

「・・・あの野郎、秘密にしてたのか。

まあいいか・・・、君たちなら緊張しなくて済むからよしとするか」

「緊張してたのー?」

「当然だろう?流石に見知らぬ異性と出会うってのは慣れないからね。まあ君たちは会話したことあったから良かった」

「ふふん!CiRCLEとRoselia経由で仲良くなれたよね!」

「うん・・・そうだね、あこちゃん。・・・いきましょうか、長田くん」

「あぁ。二人とも、今日はよろしく頼む」

NeoFantasyOnlineのリアルイベント。

彼女らのおかげで、今日は楽しめる気がする。

 

 

「・・・今回のイベントは戦闘体験型の謎解きです。ゲームの経験があれば有利だと」

「わかった。ならメンバー分けをしたほうがいいな。

戦闘は僕が前に出たほうがいいし」

「大丈夫・・・?頼りっぱなしになってしまうけど・・・」

「フッ・・・大丈夫さ宇田川さん。僕は逆に、こういうタイプが得意かもしれない」

「そう?ならいいんだけど・・・あ、そうそう!あこのことはあこでいいよ!せっかくゲームしにきたし!」

「ん、そうか・・・じゃああこって呼ぶよ」

「・・・あ、あの」

「ん?どうかしたかい?」

「あ、いえ・・・その・・・」

「もー!しん兄はダメダメだなー。りんりんもお名前で呼ばれたいんだって。ね!」

「えっ!?///あ、その・・・い、嫌だったら・・・///」

オドオドとする様子を見て、顔を逸らしてしまう。

だってすごい可愛いもん、天使か何か?女神か何か?

「んんっ!!・・・よければ、燐ちゃんって呼んでも、いいかな?」

「り、りんちゃん・・・ですか?」

「・・・ゲームでもそう呼んでるよね、僕・・・この呼び方が気に入っているんだ」

「・・・えへへ、そうですか。・・・はい、大丈夫ですよ・・・!!」

「・・・あこちゃん、前々から思っていたが彼女可愛いよな」

「あー!口説いちゃだめー!」

「っ・・・あこちゃん!///」

「く、口説いてなんか・・・!///

は、早く行こう!ゲームが僕たちを呼んでいる!ね!」

はぁ、まったく。・・・顔がものすごく熱い。

 

 

 

 

 

会場に着くと、目を奪われる。

「おいおいおいおい・・・これはテンション上がるぞ・・・!!」

どうやら遊園地の広い敷地を用いているようだ。

しかし、この遊園地どこかで・・・

「あ、ここって確かこころ達がやってた!」

「ハロハピの・・・」

「ハロー、ハッピーワールド・・・ツッキーのお姉ちゃんや北沢さんがいたところの。ここでやってるのか」

すると、そのバンドメンバーらしき子達を見かけた。

「あ、あこ!燐子!奇遇ね!」

「あ、こころー!」

「こんにちは弦巻さん」

「ええ、こんにちわ!・・・横のあなたは誰かしら?あ、私は弦巻こころよ!」

「初めまして。僕は長田伸一で彼女らの友人だ。・・・ハロー、ハッピーワールドのボーカルだよね?」

「ええそうよ!知ってくれてるのね!」

「あぁ。もし間違えでなければそこの水色の髪の子は松原花音さんじゃないかな」

「あら、そうよ?花音を知っているのかしら!」

「ふぇ・・・私?」

「彼女のことや君たちのことは彼女の双子の弟、松原月くんから聞いているんだ。彼とは友人でね」

「あー!ツッキーって呼んでる子ね!聞いたことあるわ!面白いって!」

「面白いかどうかはわからないが・・・まぁそうだね」

「あ、君が長田伸一くん?初めまして、松原花音です。・・・いつも月と仲良くしてくれてありがとう」

「いえいえ、こちらこそあいつには世話になりまくってますから」

「それと!クラゲのぬいぐるみありがとう!あれすごく可愛くて!いつも抱きながら寝てるんだ〜!」

「あー、ツッキーから聞きましたから。気に入ってもらえてよかったです。今度また何か手に入ったら差し入れしますよ」

「本当・・・?楽しみにしておくね!」

「それで三人は何をしにきたの?」

「今日はNFOのリアルイベントに参加しようと思ってね。君たちこそ何かあったのかい?」

「ふふん、今日はハロハピのイベントがあるのよ!えっと、なんだったかしら・・・」

「キラキラカーニバルイベントのコラボ、でしょ?」

「美咲ー!」

「全く・・・あ、初めまして。奥沢美咲です」

「長田伸一です。キラキラカーニバルのイベントがあるとは聞いてたけどまさか君たちだったなんて」

「今回はハロハピに合うイベントだってことで」

「えー、すごいすごーい!」

「あこちゃん、参加し終わったらこっちに行こうか?」

「うん!りんりんもそれでいい?」

「うん、いいよ・・・楽しみだね・・・」

「・・・ふむ。どうしたものか」

「どうかしたんですか?」

「あぁ、イベントをまわるならライブの方の情報を入れておかないといけないが、連絡できる奴がいないからさ」

流石に他の奴らもきていないだろうし・・・

「あー、よかったら送りましょうか?LINEで」

「え、いいのかい?」

「はい。長田さんのことは花音さんや月くんから聞いてますから」

「じゃあお言葉に甘えて・・・ありがとう」

「いえ。・・・あ、このスタンプ可愛いですよね」

「お、わかるかい?これずっと気に入ってるんだ」

「わかります、なんだかきもかわっていうか」

「そうそう、そこがいいんだよね。」

「ですね。・・・あ、じゃあ送っておきますね。イベント、頑張ってきてください」

「あぁ、ありがとう奥沢さん」

 

奥沢さんに教えてもらった情報を見ながら、イベント会場へ向かう。今回はゲームをVRで楽しむ参加イベントなのだ。

今回はバトルや謎解きを挑戦し、クリアを目指すものだ。協力もありらしい。

「中で強い人がいてくれたらいいけどねー」

「はは、そうだな。謎解きが苦手な人もいるかもね」

「その時はあこ達がババっと救っちゃうよ!闇夜に光る一筋の・・・一筋の」

「救光の導き・・・」

「ふふ、二人とも仲がいいね。それじゃあ行こうか!」

 

リンク・スタート!なんてね。

 

今回のイベントは、特設ステージで行われるのだ。

ログインできると、身体を動かす。

 

やはりVRは慣れなのだろう。スムーズにウォーミングアップができる。

「うわぁ、すごい!すごいよりんりん!まるでゲームの世界にいるみたいだよ!」

「うわぁ・・・・・・すごい・・・!!」

やはり、使ったことのない人から見れば画期的であり目を見開いている。

懐かしいな、この感覚。

「あこちゃん、りんちゃん。VRは基本想像だ。動きを想像するんだ。

歩くことをイメージして歩く。

走ることをイメージして走る。

飛ぶことをイメージして飛ぶ。

何、難しいことはないさ。君たちはNFOをやりこんでいる。それを踏まえて想像すれば簡単さ」

「うん・・・イメージしたら簡単だね!」

「そうだろうそうだろう。たとえダメージを喰らってもすぐに痛くないと、衝撃が気のせいだと考えれば痛覚はシャットダウンできるよ」

「・・・レコンが言うと、なんか脳筋みたいに聞こえるよ」

「おいあこちゃん、どういうことだそれは・・・・・・」

「あはは、ごめんごめん!」

 

 

そこから二人は素早く吸収し、活動する。飲み込みの早さはかなり早い。さすがゲームをやり尽くしているわけだ

「ふむ、二人とも飲み込みが早いね。流石だ」

「レコンの教え方が上手いからだよー!ねー!」

「うん、そうだねあこちゃん・・・」

すると二人は、困っているプレイヤーを見かけたようだ。

「あ、あそこの人たち困ってる!助けにいこ!」

「ちょ、ちょっと待ってあこちゃん!」

率先して動くあこちゃんについていくりんちゃん。

 

その先にいたプレイヤーは・・・またまた何かの奇遇か、見知った顔だったのだ。

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