国家再生政府の復讐   作:島田愛里寿

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お待たせ致しましたぁ


第十話

ナリタ連山要塞。

 

 

日本占領より日本解放戦線の根拠地である山脈内に築かれていた大要塞である。

 

 

とはいえ兵力は一個連隊から一個師団に届けばいい方で兵器もKMF登場以前の旧来の兵器が大半。

 

 

そのため、日本占領軍のブリタニア軍に本気で進行されれば原作通り陥落しかねない。

 

 

‥‥なのでガングートからの厳命もあってこの世界ではロシア軍からのテコ入れで日本解放戦線の根拠地ナリタ連山要塞はかなり強化されていた。

 

 

 

 

 

「この地に日本解放戦線の根拠地があるのは確実です。総督の指示に基づき四個大隊を七つに分け布陣も完了しているとのこと。そして総督の指示に合わせて一気に包囲を縮めていきます」

 

「包囲網の外から敵が来るということはないのですか?」

 

 

 

ブリタニア軍総指揮所となっているG-1ベース艦橋ではダールトンがエリア11副総督のユーフェミアに状況の説明を行っていた。

 

 

完全に日本解放戦線の根拠地ナリタ要塞は包囲されているのでご安心をと言いたげであったがユーフェミアも一応軍事強国であるブリタニアの皇族。戦闘理論を多少学んでいたので背後からの襲撃を警戒していた。

 

 

それはつい先日創設が宣言され、日に日に活動の規模を増してきている黒の騎士団…いやその指導者、『ゼロ』への警戒心のようなものでもあった。

 

 

「ゼロか?」

 

「はい‥」

 

 

「ご安心ください。作戦開始と同時に周辺一帯の道や山道を封鎖、さらに遊兵も配置します」

 

 

コーネリアの質問を肯定したユーフェミアにダールトンは万が一奴らが来ても包囲網の外で抑える用意があるので心配無用と言い切っていた。

 

 

 

ナリタ連山要塞司令部

 

 

その頃、ナリタ連山要塞司令部では…

 

 

「なんですと!」

 

 

『連絡が遅れてすまないね。こっちも通信回線の確保に手間取って…とにかくもう一度伝えるよ。コーネリア直属の部隊四個大隊がトウキョウ租界を出撃、君たちを包囲している』

 

 

「し、しかしレーダーにはそのような反応は…!」

 

 

『恐らく君たちの探知範囲を彼らは知っているんだよ』

 

 

「なんだと!ここの情報はあなた方ロシアやキョウトにしか…。っ!まさか!!」

 

 

『ああ。おそらくキョウトが流したんだろうね。こっちとしては既に特別大使館の撤収を完了させている。とはいえ君たちの基地にある資料や戦術機が調査されれば我がロシアが関与していたとバレる』

 

 

「まさか我らを見捨てる気か!」

 

 

『そうはいってないさ。君たちには第666戦術機中隊とヴォルフバルテ中隊というわが軍切っての精鋭部隊を教導部隊として送ったはずだろう?彼女たちの指揮権を一時譲渡する。存分に戦ってくれ、供与した兵器類も使ってね?』

 

 

「無論だ。感謝する」

 

 

『そろそろ回線の秘匿が厳しい。それでは…ご武運を祈るよ』ザザッ!!

 

 

 

大使館を急ぎ引き払って本国に帰還中だった大使館特務武官のヴェールヌイからの緊急連絡で原作よりも早く事態を察知していた日本解放戦線は急ぎ戦闘態勢に移行していた。

 

 

「戦車第五小隊は既に展開済みです」

 

「藤堂は!藤堂はどうした!!」

 

「キョ、キョウトに無頼改を受け取りに四聖剣と共に…そろそろ戻るはずですが…」

 

「いや!藤堂らは間に合わんだろう」

 

 

「草壁…」

 

 

「雷光の準備をさせろ!西側の防衛陣地で私が直接指揮をとる!」

 

「分かりました!直ちに!!」

 

 

ロシア軍の好意によって救助された草壁は再度自身を見つめなおしていたために落ち着いていたが彼は本来、前線指揮をとる方が似合っていた性格だったので今の状況は彼にうってつけの状況でもあった。

 

 

そのため、彼は前線で指揮をとることにした。

 

 

「少将閣下!すでに包囲されたのでしたら籠城戦か脱出を図るしかありませんが我が基地には多くの同胞が避難しております!彼らを逃がす時間も必要です!」

 

 

「うむ、避難民を巻き込むわけにもいかんか‥」

 

 

「か、閣下!市街地に配置していた監視拠点との通信が途絶えました!さらに敵将コーネリアから投降せよと通信が…」

 

 

 

「やむを得ん!無頼、出撃準備!!持久しつつ頃合いを見計らって反転攻勢に移る!!日本の誇りを維持を見せよ!回天の時である!!

 

 

 

「「「「「はっ!!!!」」」」

 

 

 

 

そうして日本解放戦線はブリタニア側に気づかれぬように急ぎ反撃体制に移行していた。

 

 

ここでこの世界線での日本解放戦線の総戦力を再度おさらいしておこう。

 

・T-72M3J×59両

 

・BMP-2MJ×98両

 

・BR-2 152mmカノン砲×12

 

・90式戦車×39両

 

・89式装甲戦闘車×18両

 

・多脚砲台 雷光×4機

 

・Mi-24攻撃ヘリ×3機

 

・BM-21 グラート×156両

 

 

というそうそうたるものである上記に加えて無頼50機、供与型Mig-21バラライカ20機、要塞砲多数に義勇ロシア軍として二個戦術機中隊もいるのだ。

 

 

勝てるかはともかくとしても負けないに徹すれば原作よりもはるかに勝機はあると言えよう。

 

 

ちなみに何故ここまでの兵器の融通をロシアが…いやガングートが行ったのかと言うと兵器市場へのパフォーマンスもあったが万が一極東方面の反ブリタニア勢力が瓦解し、日本が完全にエリア11となればただでさえ頼りにならない中華連邦がブリタニアに寄り添って完全に極東方面の守りがなくなるうえに欧州方面ではEUもブリタニアとは休戦中であったがユーロ・ブリタニアと名乗るブリタニア軍が攻勢を仕掛けてきたのでロシアが後方支援を行ってテコ入れしている現状…。おまけにコーカサス地方はいまだに三つ巴状態と来ている。

 

 

とにかくコーカサス地方やEUへの後方支援でただでさえ手一杯なのにこれ以上複数の戦線を抱えるのはブリタニアへの復讐を掲げる第四計画の遂行どころか国防上非常にまずいのでなんとか持ちこたえてほしいというガングートの願いもあってここまでの支援をしていたのだ。

 

 

 

「敵軍は三方向から侵攻してきます!」

 

 

「総員!露西亜の盟友らから教わった戦術を行うぞ!回転木馬戦術だ!」

 

 

まずブリタニア軍の先方を務めているダールトン隊と接敵したのはT-72M3Jを主力とする第五戦車小隊であった。

 

 

彼らはこれまでの戦訓からKMF相手に戦車で接近戦を挑むのは危険であると理解していたがかといって要塞砲のように運用しても各個撃破されてしまうと頭を悩ませていた。

 

 

そんな時、ロシア国家再生政府陸軍第一戦車軍団軍団長の『カチューシャ』という少女からある戦法を教わったのだ。

 

 

それが…

 

 

バム!ドガム‼ドン‼

 

 

『くっ!敵の戦車隊だ撃破するぞ!』

 

 

『は!』

 

 

当然これまで戦車相手に全勝してきたKMF部隊も対処しようとするが‥‥

 

 

『なんだ!あの機動は!』

 

 

『な!右にいたはずなのに…ぐわぁ!?』

 

 

変幻自在にどこからともなく戦車が砲塔や砲身のみを出して砲撃を加えてくるのだ。さすがのKMFでも対処しきれず次々と撃破されていった。

 

 

『くっ!まさかこれほどとはな…』

 

 

ここで彼らが使った回転木馬戦術を説明しよう。

 

 

正式名称は戦車回転木馬戦術(タンクカルーセル戦術)、現実のロシア連邦軍が21世紀初頭に研究・実践した戦術である。

 

 

単純にその場で撃つのではなく、各戦車が射撃と離脱と補給を循環的に行う。まさに回転木馬(メリーゴーランド)のように…!*1

 

 

ここで日本解放戦線戦車隊は後退速度が遅いロシア戦車の欠点を補うべく前進のみを行いつつ側面に砲塔を向けて置き、射線に入り次第次々と砲撃、相手が反撃しようとする隙を後続の戦車が撃破、最初に砲撃した戦車は山の斜面に沿って反対側に撤退し、補給を受け、再び戦列に復帰する…!この戦法を使って友軍のKMFの到着や戦術機発進の時間を稼いでいた。

 

 

 

 

 

 

その混戦状態の中、ブリタニア軍の一部隊が内部への通路を発見し、先走って突入するが…

 

 

『な、なんだと!?』

 

 

『ば、馬鹿な!ただのアンチライフルではないのか‥ぐわぁぁぁ!』

 

 

 

「やった!やりましたよ中佐!」

 

 

「馬鹿もん!喜ぶには早いわ!」

 

「は!申し訳ありません!急ぎ再充填を開始します!」

 

 

そこには雷光に乗った草壁中佐が展開しており、一瞬でブリタニア軍のKMF部隊はハチの巣になった。

 

 

更にブリタニア軍の展開していないナリタ連山要塞北側からはBM-21グラート122mm自走多連装ロケット砲による砲撃がブリタニア軍のG-1ベース付近に降り注いでいた。

 

戦線は一気に膠着状態に陥っていった。

*1
シリア内戦でアサド政府軍戦車隊がロシア軍から指導を受けた前例あり

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