日本解放戦線による勝利。
この事実はロシア国家再生政府にもすぐさま伝えられた。
「おお!勝利したと!!大変喜ばしいことじゃないか!!」
「タシュケント。そうは言うがな?連中は日本解放の大本のキョウトから見捨てられたのだぞ?そうも言ってられん」
ガングートはそう言いながらタシュケントをなだめる。
そう。日本解放戦線はキョウトという旧財閥系が集まって日本解放を指導している組織から見捨てられたのだ。
先日のホテル占拠事件でキョウトは黒の騎士団への投資を行った方が理に適うと判断し、情報をブリタニア軍に売り渡して見捨てたのだ。
なんとかロシアの支援によって組織は存続し、避難民も脱出できた上に要塞も死守したのだがナリタ要塞は情報漏れの観点から放棄せざるを得なくなったのだった。
「タシュケント。現在日本解放戦線の生き残り…。藤堂率いる四聖剣以外の者達は我が義勇ロシア軍の護衛の下、北方へと避退中だ。至急輸送艦を動員し、脱出の手配を頼む」
「…それは構わないけれど一体どこに護送するんだい?本土は諸般の事情から無理だよ?」
そう。ロシア本土は今だ復興と各都市の地下要塞建設に手一杯で他の民族や難民を受け入れる余力などないのだ。
「分かっている。だが、見捨てるわけにもいかんのだ。‥‥樺太は今だ領土未確定地域だったな?」
「あ、ああ。っ!!まさか!!」
「気づいたようだなタシュケント?」
それから数週間後、黒の騎士団がキョウトからの正式な支援を受けられることが決まった直後に全世界を驚かせる報道が飛び込んできた。
『私は片瀬帯刀少将である!!日本解放戦線はナリタ要塞を放棄することとなったが、決してブリタニアの報道のように壊滅したわけではない!この地…樺太にて存続していること!そして新国家『日本国家再生政府』の樹立を宣言する!!』
そう。ガングートの策は新たな日本の樹立を宣言させることであった。
今はまだ正面切ってブリタニアと対決するほどの余力はロシア国家再生政府も日本解放戦線もう有していない。
ならば多少の時間稼ぎも含めてロシア国家再生政府の保護下かつ安保関係を結んだ状態の新国家を樺太に樹立させたのだ。
この取引では日本本土を解放した暁には日本解放戦線主体の新政権をロシア国家再生政府は正当な政府であると承認して外交関係を行っていくこととロシアに多数いてなおかつこれから増えてくるであろう日本人亡命者の日本国家再生政府が受け皿となることが条件となっていた。
とはいえ日本再独立後は樺太の領有権については再度協議を行うと明言されたが…。
この動きはブリタニアは驚愕し、即座にテロリスト共を引き渡すようにロシア国家再生政府へと迫ったが、
『彼らは独立国家だよ?彼らに言ってくれないかい?』
とヴェールヌイにあっさりと追い返されてしまった。
キョウトも慌てて接触を図ったが、一度見捨てられた日本国家再生政府は無視を決め込んだ。
新国家樹立に伴う世界情勢は加速度的に変化していく。
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