ロシア国家再生政府として再独立を果たしたロシアであったが、問題は山積みであった。
「おい!ウラル以西の工業地帯の復旧はどうなっている!!」
「駄目です!残骸しか残ってないので復旧まで半年はかかります!!」
そう。ブリタニア皇族による統治の際に気まぐれで街や工業地帯を攻撃された影響で満足なインフラ・工業基盤が完全に瓦解しており、その復旧に追われて軍の再建や経済復旧の暇がないのだ。
幸い独立は世界各国から認められているので何とか外交でEUから資源を輸入しているがいつまでも頼ってはいられない。
「さて、これより会議を始める。議題としてはどうやって経済を復興させるかと軍の再編についてだが‥‥」
ガングートはぼろぼろの旧オムスク統治府、現ロシア国家再生政府臨時最高拠点内にとりあえず掃除して用意された会議室で会議を始めた。
「まずは諸外国の状況だな?バリス・シティクラ外務大臣?説明を」
「はい。まず中華連邦についてですが足並みが相変わらずまったくそろっていない状況ですね」
「なに?あの国とはサクラダイトの取引でやっていくと合意したはずだが?」
「いえ、問題はインド軍区でして‥‥」
そう言ってシティクラは説明を始めた。
元々ロシア国家再生政府は再独立後に有り余っていた戦車を大規模輸出することで整備費などを賄おうとして兵器市場に大規模参入をしていた。
そこではT-72戦車やT-80戦車、果てにはT-64戦車などの旧式も含まれていたのだが…
「インド軍区からはT-72戦車やT-80戦車を大規模に輸出してほしいと言ってきまして…」
「はぁ?あれの輸出は小規模しか対応できないと言っておいたばかりでしょ!どうしてそんなことになるんだい!?」
それに反応したのは現陸軍大将兼海軍再建委員会副委員長を兼任しつつさらにロシア国家再生政府副最高司令官をも務めているタシュケントであった。
「は、はぁ。それが整備性の高さゆえに悪条件でも運用がしやすいとバイヤーが宣伝していたのを真に受けてしまったようでして…」
「…あとでそのバイヤーを叱りつけておく」
T-72戦車はともかくT-80戦車のガスタービンエンジンは故障が頻発することで有名なので輸出は最低限度にしておこうという方針が決められていたのだ。
「ではその件についてはT-72戦車で納得してもらえないか?と打診しておいてくれ」
「分かりました。あとモンゴル軍区からも似たような要望があったので同じく対処しておきますね」
「うん。それで他には?」
「はいEUからサクラダイトの輸出をしてくれるのであれば経済復興を支援すると言ってきており…」
「‥‥わかったインフラや市街地の復興にだけ協力してもらえ。軍事施設や工場群などには機密の観点から許可できない」
「分かりました、そう伝えますね」
そう言ってシティクラは着席した。
「次になにかあるものは?」
そうガングートが言うとタシュケントが立った。
「同志、海軍の再建で困ったことが出てきたんだよ」
「なんだ?」
「今満足に戦力って言えるのが記念艦にされてブリタニアにも放置されていたのを修理して無理やり現役復帰させたスヴェドロフ級巡洋艦数隻だけなんだ。後はミサイル艇数十隻に哨戒艇数隻、あとは極秘ドックに隠匿されていたタイフーン級が四隻だけなんだよ‥‥」
「おおう…まったく、もう‥‥」
そう。EUがブリタニアにロシア管区を渡して休戦した際に海軍艦艇の大半が自沈するか接収されて解体されてしまっていたのだ。
「分かった。予算を優先的に回すから何とかしてくれ…。で、陸軍は?」
「一応採用されたのにも関わらず満足に生産されなかったT-90やT-72の改修型を主力にする予定だよ。そして新型兵器の試作・試験も順調に進行中、まったく問題ないね」
「分かった試作兵器のリストの中にある新型戦車も気になるがKMFに真っ向から対抗できるのであれば正直なんでもいい。自走砲や対空車両の増産も急がせろよ?」
「了解」
そして議題がすべて終わり、会議が解散した後、ガングートはとある少女を自室に呼んだ。
「それでどうだ?日本のレジスタンス組織に接触はできたか?」
「なかなか難しいね。あのクロヴィス・ラ・ブリタニアの統治がお粗末とはいえ純潔派っていう強硬派の弾圧が強くてね。でも日本解放戦線の人員に接触はできたから手紙は渡しておいたよ」
「さすがだ。これなら連動して作戦を展開させることはまだ気が早すぎるとしても夢ではないな。新兵器の製造もいい具合に進んでいるというし」
「まったくだね。‥‥これで姉たちや親の仇も…!」
そう言うのはガングートの腹心の一人、ヴェールヌイである。
「それでその新兵器の分類は決まったのかい?」
「ああ、戦術歩行戦闘機・攻撃機…戦術機だそうだ」
次回 第二話
次回に戦術機が出てきます!