国家再生政府の復讐   作:島田愛里寿

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ユーロ・ブリタニアとの戦闘のお話です。


第五話

ユーロ・ブリタニア。

 

それは神聖ブリタニア帝国に臣従する、その傍流の国家で、市民革命によりブリタニアに亡命した貴族の末裔が建国した国家である。

 

基本的にはロシア全域とコーカサス地方を有していたが先の黒色連盟軍による決起によってロシア全土を失い、コーカサス地方とオランダ、アフリカの勢力圏下に引きこもっている状況である。

 

 

とはいえこれはユーロ・ブリタニアにとって憂慮するべき事案でもあった。

 

 

基本的に対EUの意思を持っていたユーロ・ブリタニアであったがロシア決起によってサンクトペテルブルク郊外にあるイェカチェリーナ宮殿を戦車師団による砲撃によって破壊され、面子丸つぶれになった上に本国からの介入も本格化してきているユーロ・ブリタニアからすればここで何かしらの戦果を挙げておきたい。

 

しかしロシアとユーロ・ブリタニアの国境の間には西側にジョージアが存在しており、双方の戦略上、目の上のたんこぶになっていた。しかし、ロシアとしてはそれでよかったのだ。

 

 

なんせ再独立を各国に認めさせたとは言え軍備は国土に相応するほどに回復しておらず、コーカサス地方方面に回せる戦力は歩兵戦闘車や戦術機一個大隊のみと言った有様であったからだ。

 

 

とはいえ相手はこちらの都合には合わせてくれない。

 

 

 

 

皇歴2015年 12月1日 ロシア・EU(ジョージア)・ユーロブリタニア国境線付近

 

 

「ふぁぁぁ、もうすぐ交代か~。半年間の監視任務も楽じゃないね~」

 

「年末には休暇取れるかなぁ…」

 

ロシア国家再生政府陸軍の警備部隊の国境監視部隊の将兵らがそんなことを言っているその時…

 

ヒュルルルルル!!

 

 

ドガァアアン!!!

 

「「ビャ!?」」

 

 

ロシアの南部戦線の火蓋が切って落とされた瞬間であった。

 

 

ユーロ・ブリタニア軍は保有する四つの騎士団のうち二つを投入してロシア国境部を電撃的に打通してモスクワ・サンクトペテルブルク方面に進撃する計画であった。

 

 

とはいえロシア軍もそのことを想定しており国境部には堅牢な大要塞を建築しており、ユーロ・ブリタニア軍のKMF部隊を足止めしつつ、対戦車・対KMF誘導弾と戦術機MiG-21バラライカを用いて徹底的な漸減作戦を取った。

 

 

そして要塞司令官は直ちに現状をガングートに連絡した。

 

 

「ふむ…ユーロ・ブリタニアがコーカサス地方から我がロシア領内に侵攻を開始したか。大方イェカチェリーナ宮殿の奪還が主な目的だろうな」

 

「先代の大公とは違って今代のオーガスタ・ヘンリ・ハイランド大公は理性的かつ騎士道を尊ぶ、高潔な人柄の持ち主と聞いております。先代のような悪逆非道なふるまいはさせないでしょう」

 

「しかし、すでにあの宮殿があるサンクトペテルブルク地方一帯は我がロシアのもであるぞ?というかそもそも我がロシア民族の地でもあるのだが…」

 

 

オムスクの国家再生政府総司令部でその急報を聞いたガングートは緊急会議を行われていたのだが、どう対処するかで各方面で混乱が生じていたのだ。

 

なんせコーカサス地方近郊にはロシア国家再生政府内でも一部の者にしか閲覧が許可されていない大審判計画第四計画にて用いることを検討されている人類のメギドの火ともいえる兵器の研究・開発拠点がいくつかあるので何が何でも防衛しなければならないのだ。

 

 

とはいえこのことは最高機密なのでガングートやタシュケント、実行開発部隊しか知らず表に出せない。

 

 

そのため何とか隠しつつ防衛しなければならなくなった。

 

 

 

さて、KMFと戦車の戦いは戦車の敗北になると皆さんはお考えでしょう。

 

 

確かにそれは正しい。KMFの速度に戦車の砲塔は追いつけず、その間に別方向から銃撃を受けて撃破されてしまう。

 

しかしそれは接近されてしまったらの話…

 

 

『ぐわぁあ!』

 

『HQ!セントラル卿がやられた!』

 

 

「なんだと!一体どうなっているんだ!!」

 

 

ユーロ・ブリタニア軍は要塞攻略に手を焼いている現状を一気に覆そうと要塞近郊の平原に進撃して浸透戦術を行おうとしたのだが、そこには再建されたロシア国家再生政府陸軍の精鋭機甲師団が配置されていたのだ。

 

 

対KMF戦術を練りに練った彼らは戦術機部隊をおとりにしたのだ。

 

 

飛行能力を備えた戦術機を警戒していたユーロ・ブリタニア軍はそちらに気を取られて地を這う戦車に気づいていなかったのだ。(赤外線センサーに感知されないように開発された隠蔽用のカバーで戦車を覆っていたのもあるが…)

 

 

そして射程内に入ったところでT-72Bを主力にした戦車部隊による一斉砲撃によってKMF部隊は次々に撃破されていった。

 

いくらKMFが機動力に勝り優秀な兵器であっても装甲は戦車に比べれば脆弱、遠距離から125㎜滑空砲による狙撃に徹すれば戦車師団にも勝機はあったのだ。

 

 

この防戦の勝利によってロシア軍は体制を立て直し、わずか二日後に三個師団もの兵力を援軍として派遣することを決定した。

 

 

そしてガングートは国民皆兵を決断。これ以降、ユーロ・ブリタニアとロシアは小競り合いを続けることとなる。




次回 原作開始
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