腐り目海兵になる。   作:甘味の皇帝

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【プロローグ】

富、名声、力、かつてこの世の全てを手に入れた男"海賊王"ゴールド・ロジャー。

 

彼の死に際に放った一言は全世界の人々を海へ駆り立てた。

 

『おれの財宝か?欲しけりゃくれてやる…探してみろ。この世のすべてをそこに置いてきた』

 

 

世は大海賊時代を迎える─────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいまー」

 

「あ、お帰りお兄ちゃん」

 

 

俺の名はヒキガヤ・ハチマン。ソウブ島に妹と二人で暮らす15歳だ。

 

両親は俺たちが幼い頃に海賊に殺された。今も幼いといえば幼いのかもしれないが…まぁ、コマチなんかはあまり覚えてないくらいの時のことだ。

 

両親のことを聞いてからは俺とコマチで協力しあってどうにかこうにか生活している。基本的に家事はコマチがやって、俺は生活費を稼ぐために色々やってる。なんならやらかしてる。

 

一昨年くらいまでは島民の人の手伝いなんかをして少しお金を貰って生活をしていたが、それじゃあ満足に生活はできない。何よりコマチに不憫な生活を送らせたくなかったから、俺はついに窃盗に手を出した。

 

窃盗って聞くと聞こえは悪いが襲っているのは海賊船だ。両親に小さい時から鍛えられてたり両親がいなくなった後も日頃の修行を続けていたからだろう。俺は二人が言ってた"覇気"を習得して、それを用いて殆ど戦わずに金を奪う。

 

おかげでたまに贅沢ができるくらいには俺たちの生活は安定してきてる。

 

この島のログは1時間で溜まるから、海賊は立ち寄っても殆ど何もせずにすぐに次の島に行く。おかげで島自体は平和だし、海賊から金を奪いやすい。警戒心もクソもあったもんじゃないからな。

 

 

「そういえばお兄ちゃん。さっき"世経"が来たんだけど、これ見て」

 

「ん?」

 

 

そう言ってコマチは俺に一枚の新聞と数枚の手配書を渡してきた。

 

そこに載っているのは、最近偉大なる航路(グランドライン)で暴れ回ってるという海賊についてと、その船長や船員の手配書。

 

 

「ここの近くの島も襲われてるみたいだけど…お兄ちゃんも海賊の船乗り込むなら気をつけてよ?」

 

「…わかってるよ。こんなヤバい奴らの船は流石に襲わねーよ。だから安心しろ」ナデナデ

 

 

俺が海賊から金を盗むと言った時、コマチには反対された。そりゃそうだろう。なんせこの海賊の墓場とか呼ばれてる偉大なる航路(グランドライン)をほぼ半周してきてる奴らから金を取ろうと言ったんだ。

 

普通に考えて死ぬ。俺だって人がやると言い出したらやめとけって言うだろう。でも、それでも俺はやめれなかった。この島だって金持ちじゃない。

 

島民人それぞれが自分の生活を守るので精一杯。いつまでも手伝いだなんだで金を貰い続けるわけにもいかないんだ。だからより早く生活を安定させるために俺は行動に出た。

 

といっても、海賊船がソウブ島から出る前に乗り込んで隠れて、次の島に停泊したところで金品を奪って逃げる。そのあとソウブ島に立ち寄る船に乗り込んで帰る。

 

ソウブ島内で奪わないのは、いざ海賊が確認して宝だの金だのが無くなってるってわかった時には島民は皆殺し。それを防ぐために次の島で奪ってるわけだ。幸い次の島、シャボンディ諸島はうちみたいな人口の少ない小さな島と違って大量殺戮みたいな惨事にはなりようがないからな。海軍本部も近くて海賊は大事を起こせないはずだ。

 

 

 

だけどこの時の俺は知らなかった─────

 

俺の想定してる海賊は"ただの"海賊であり、想像もしないような悪魔がこの海にいることを。

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