スーパーロボット大戦Z 魔王の降臨   作:有頂天皇帝

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まえがき
前回投稿していた『スーパーロボット大戦Z 魔王が進む覇道』のリメイク作品となります。一部のキャラたちの名前変更や追加参戦したキャラもおりますが楽しんでもらえるとありがたいです。



再世編
プロローグ 魔王の降臨


────ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。彼の人生は嘘で出来ていた。

 

この『多元世界』と呼ばれる数多の世界が交差したことで生まれた地球において2つに別れた日本の片方を含め世界の大半をその手中に収めた超大国にして地球を統べる巨大組織『地球連邦』の代表国である『神聖ブリタニア帝国』の第11王子にして第17位皇位継承者。

 

宝石の様に美しい漆黒の髪に紫水晶を思わせるような瞳を持ち、容姿端麗、頭脳明晰に非常に優れた才覚を有しており、一部の兄や姉妹たちとも交友を築いており、平民でありながらその力だけで騎士にまで上り詰めルルーシュの父である第98代皇帝シャルル・ジ・ブリタニアの寵愛を受け王妃の1人となったマリアンヌ・ヴィ・ブリタニアのおかげでルルーシュと妹のナナリー・ヴィ・ブリタニアは何不自由なく暮らすことができていた。

 

しかしある時、何者かによる襲撃を受けてマリアンヌが暗殺され、さらにナナリーもその巻き添えで歩行能力と視力を失った。

その後、警備が手薄だったなどの不審点を見つけ、シャルルに母の死の真相の追求を懇願するも

 

『弱者に用はない!!ルルーシュよ────ナナリーと共に日本へ渡れ!!』

 

と、一蹴され、ナナリーと共に外交手段として日本の枢木ゲンブ首相の下へと送られた。

そこでゲンブの息子である枢木スザクと出会い、最初は反目していたが、次第に交流を深めて親友となっていったが、間もなくブリタニアの日本侵攻が起きてスザクとも離ればなれとなり、自分の名前すらも失ってしまう。

 

それらの出来事がブリタニア、そしてその侵攻を指揮したシャルルに対する憎悪と復讐心を芽生えさせる。

ルルーシュ・ランペルージという新しい名前でナナリーの世話をしながらブリタニアと戦うための準備を進めていた時、テロに巻き込まれあと少しで命を落とす。そんな時に謎の少女───C.C.から『ギアス』と呼ばれる異能の力を得たことがきっかけに、素顔を隠したテロリスト『ゼロ』を名乗り、私設軍隊『黒の騎士団』を結成してブリタニアに対して反逆を引き起こす。

 

さらにゼロとしての名を上げるために当時の国連平和理事委員会代表である『エルガン・ローディック』が発足した国連救助隊『ZEXIS』に加入し、互いに思惑を隠し合いながらも仲間として互いに協力し合い多くの強敵たちを倒し人々を守ってきた。

 

しかし事はそう単純に進む事などなく、自らが指揮した作戦によって友人の家族を殺し、ギアスの暴走によってユーフェミア・リ・ブリタニアの意思を捻じ曲げ多くの日本人を虐殺させ、親友であったスザクと何度も激しい対峙などこれまでの道のりの間に数多くの業を背負ってきたルルーシュの足場は気づけば多くの骸たちと血溜まりによって埋まっていた。

 

そして多くの罪を背負いながらもルルーシュはブリタニアに対抗するための巨大連合国家『超合衆国』の建国に成功し、その第一作戦として旧日本であるエリア11の奪還をZEXISと共に実行した。しかし、あと少しまで追い詰めたところで皇卓の騎士>(ナイトオブラウンズ)が1人にしてかつての親友であった第七席(ナイトオブセブン)枢木スザクが放った新型核兵器『フレイヤ』によって10万もの犠牲を出しエリア11のトウキョウ租界は壊滅した。その犠牲者の中にはエリア11総督となっていたナナリーもいた事で絶望したルルーシュの心は今までの積み重ねもあり折れてしまった。そんな時にブリタニアの宰相を務める第2皇子シュナイゼル・エル・ブリタニアの奸計によって自身の正体を暴露され、黒の騎士団の叛乱を受けてしまう。

 

多くのものを失い、世界に対して絶望したルルーシュはせめて自分たちから多くのものを奪った元凶である父・シャルルとの決着を望み、彼の元へと辿り着いた。

 

『このぉっ────賢しき愚か者がああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!善意と悪意は所詮1枚のカードの表裏・・・善悪を問う者に世界を治める力はない!!!それでも貴様はぁ────!!!』

 

『それでも────俺はお前の世界を拒絶するっ!!! 消え失せろっ!!!』

 

『ぬううううああああああああああっっっ!!!』

 

ルルーシュはC.C.とこの僕・ライと共にシャルルに戦いを挑み、ギアスの力を持ってこれを消滅させ、復讐を完遂する。

その1ヶ月後、ルルーシュと僕たちは、思わぬ形で舞台への再登場を果たすことになる。

僕たちの運命を狂わせたこの世界の終章を開くために・・・。

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

神聖ブリタニア帝国・帝都ペンドラゴン。

皇宮内・控え室。

 

 

『────あのフレイヤ弾頭の被災から1ヶ月が経ちました。本日はシャルル皇帝陛下から重大な発表があるとの事で、ペンドラゴン皇宮より国際生中継にてお伝えします』

 

《多元世界》と呼ばれる数ある世界のひとつにある地球を統べる巨大組織《地球連邦》の代表国の中枢の一角にある、ソファやテーブルはもちろん、花瓶や食器棚などこの部屋にあるありとあらゆる家具が皇室御用達だけあって豪華絢爛なこの部屋に、一同は集まっていた。

彼らの視線の先にある大きなモニターの中では女性キャスターが、これまでの状況を喋っている。

 

『1ヶ月もの間、公の場にお出ましにならなかった皇帝陛下ですが────』

 

「────公の場にお出ましにならなかった、ねえ・・・」

 

長いテーブルを囲むソファの1つに座る灰がかった銀髪に腕や胴など体の一部を黒い甲冑で覆ったボロボロで炎を思わせるように赤く染まっている黒いドレスを思わせる衣装姿の女性───セレス・アルカディアは頬杖をつきながら呆れたように鼻で笑う。

 

「あの愚帝サマなら この世からとっくに>(・・・・・・・・・)消えてなくなってる(・・・・・・・・・ )っていうのに、本当に滑稽ね」

 

「別にいいんじゃねぇか?どうせこの後バカな貴族や皇族たちの慌てふためくなんていうもっと滑稽な姿を見ることになるんだ。多少は多めに見てやってもいいだろ」

 

セレスの斜め右隣に腰かけた、黒と赤の騎士礼装に身を包んだナイフの手入れをしている黒髪の青年───ベイル・ヴォルフガングは薄らと笑みを浮かべる。その隣にいる黒の改造セーラー服に身を包んだ黒髪の少女───クロノアは机の上に並んでいる料理の中からクッキーを手に取って食べながらセレスとベイルに視線を向ける。

 

「────で? トレーズとマリーベルはともかく・・・『閃光の伯爵>(ライトニング・カウント)』はまだ来ていないのか」

 

チーズくんのぬいぐるみを抱いて、右側のストレートソファに退屈そうに寝そべった白い拘束衣の少女────C.C.が言った。

それに答えたのは、セレスが腰掛けている向かいのソファに座っている、白の騎士礼装に身を包んだ、清楚で穏やかな雰囲気を漂わせる金髪の女性───モニカ・クルシェフスキーが答えた。

 

「・・・あの方なら陛下の至高の剣たる彼(・・・・・・・ )と共にこちらへ向かっていると聞いています。ですがあの方は私やそこにいる彼と同じように名が知られすぎているために、他の陣営に気づかれぬよう慎重に動いているため少し遅れると仰っていました」

 

「ふ、仕方あるまい。かつては我々は敵として何度も刃を交えた関係。その1人でもある彼が動いているのだから慎重になるのも当然のことだ」

 

モニカの右隣に腰掛けている陣羽織を着た和風の仮面の男────グラハム・エーカーが言うと、C.C.はそうか、と退屈そうに頷きながら自分の向かい側のロングソファに座っている2人の女性たちに問いかける。

 

「それで・・・そっちはどうなんだ?」

 

「今のところ我々の動きを察しているものはいません。ですがシュナイゼルを始めとしたいくつかの勢力が裏でなにやら動き始めているようです」

 

「まぁ連中がどう足掻こうが私たちが敗北することないだろう。精々無駄な足掻きを見せてもらおうじゃないか」

 

1人は上半身に羽織った黒いロングコート。その下には年不相応に育った巨乳を強調する白の騎士礼装。そして下半身のミニスカートからはムチッとした太い太腿の美脚を晒す長い金髪と青い瞳の美少女──アリシア・ヴィエルジェ。もう1人は黒と白の軍服を身に纏い、アリシアより大きな爆乳と大胆に半開きした胸元、ロングブーツに包まれたムチッとした太い太腿の美脚で脚組みをしている長い青髪の水色の瞳の美女──エスデス・フリューゲルは愉快そうに笑いながらそう答える。それにC.C.は少し間を置いた後、別の方向に目をやった。

 

「・・・本当に、始めるのか」

 

そう問いを投げかけた先の、部屋の奥のデスク向こうで、一人掛けの大きな椅子に腰かけた紫水晶の瞳を持った黒髪の少年───ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアは手元に握っている黒のキングの駒を弄りながらここにいる全員に聞こえるように話し始める。

 

「・・・何度も話したはずだC.C.。俺達には成さねばならぬ目的がある。そのための『ゼロ・レクイエム』だ。俺の命はそのために使うためにあるようなものだ」

 

ルルーシュのその一言にC.C.は何も言えず誤魔化すようにぬいぐるみに顔を埋める。それに対してセレス、ベイル、クロノア、モニカ、グラハム、アリシア、エスデスはルルーシュをじっと見つめる。

 

「───俺の、じゃなくて僕たちのだろ?ここにいるみんな、君のために戦うためにいるんだからさ」

 

そう言いながらドアを開けて部屋に入ってきたのは黒の学生服の上に白のマントを羽織った銀髪の少年──元黒の騎士団作戦参謀にしてルルーシュの最強の剣・ライ。その彼の後ろについているのは赤いロングコートを纏っている銀髪に黄色い瞳の青年──ゼハート・ガレット、紺色の軍服に素顔を兜と麺頬に似せた厳めしい鉄仮面で口部を除いて覆い隠されている青年──ウォーダン・ユミル、そしてOZの貴族風の赤い軍服を纏った長い金髪の青年──ゼクス・マーキスだ。

 

「ここにいるみんなが君の目的に共感し、その目的を果たすために、または自らの目的を果たすために君に剣を捧げる覚悟を持っている。君はいつも通り僕たちを駒の1つとして使えばいいんだよ」

 

人を駒として扱う。それはかつてルルーシュが黒の騎士団たちを相手にその考えを持って接していたことで離反の原因となった1つの要素。しかし指揮官であるならば作戦を果たすために

、そして部隊の被害を抑えるためにも感情的になることは許されるはずもなく、感情を切り捨て冷静に対処する必要がある。故に人を駒として扱うのはルルーシュに限った話ではなく、ブリタニア宰相であるシュナイゼル・エル・ブリタニアやソレスタルビーイングの戦術予報士であるスメラギ・李・ノリエガなどの優秀な指揮官に共通する考えの1つでもある。その事を理解しているからこそライを含めたここにいる全員がルルーシュの駒になることを受け入れている。

 

「ふっ、全く酔狂な連中だ。しかしその中にあなたもいるとは驚きだな。OZのエースパイロット、ゼクス・マーキス。いや、サンクキングダム王国王子ミリアルド・ピースクラフトと言った方がいいかな?」

 

ルルーシュはゼクス───ミリアルド・ピースクラフトに笑みを浮かべながらそう尋ねるとミリアルドもまた笑みを浮かべながら返答する。

 

「────かつて私はなき祖国のサンクキングダム王国の提唱した完全平和主義に一抹の疑問を感じていました」

 

ミリアルドは昔のことを懐かしむように話しながらも祖国に対して感じていた疑問を語り始める。

 

「完全平和主義。確かにその考えは立派であり誰もが心に抱く思いでしょう。しかし現実は様々な思惑によってその優しい願いは踏みにじられている」

 

ミリアルドが思い浮かべるのは平和を願う生き別れの妹にしてサンクキングダム王国の女王であるリリーナ・ピースクラフトとイノベイターの策略によって滅んだアザディスタン王国の女王マリナ・イスマイール。そしてそんな彼女たちの存在を疎ましく思い彼女達の願いを踏み躙るかのように彼女たち平和を願うものたちに対して残虐なことをしてきたイノベイターやそれに賛同するアロウズ。それらの薄汚い者た

によって2つの国は戦火の火に巻き込まれてしまった。

 

「故にその願いを果たすためにもその障害となる悪は徹底的に潰さねばなりません。例えこの身が多くのものたちの血肉によって赤く染まり、世界から憎悪を向けられようと私は躊躇わない」

 

ミリアルドは確固たる強い意志を持ってそう宣言をするとルルーシュに向かって片膝をついた。

 

「ルルーシュ陛下────あなたには世界を破壊する力とその覚悟があると私はあの計画を聞き確信致しました。私はこの場にいる貴方の騎士同様地獄だろうと共に進む覚悟を持っております」

 

ミリアルドの誓いと言うべき宣言を聞き終えたルルーシュは手元で弄っていた黒のキングの駒をコツン、と机の上に置いてから静かに言った。

 

「・・・お前たちがどう思おうがお前たちの勝手で、そして何度でも言うようだが、俺は、俺のやりたいようにやっただけだ。ライも含めたここにいる連中と同じように、ギアスを使う以前にお前たち自身で、お前たちの意志で決めたのであれば、俺はおろか、他に問おうとするなど無駄なことだ。それを忘れるな、ミリアルド・ピースクラフト」

 

ルルーシュの返答は素っ気ないものだったが、それでもミリアルドの表情と思いに揺らぎはなかった。

 

「失敬。あなたは無駄を好まない御方でしたね。そうです、私は自らの意志で、あなたに仕えることを選びました。あなたの征く手を阻むものがあるのなら、必ずや我が剣で砕いてみせましょう」

 

ゆっくりと立ち上がり、再びルルーシュに向かってミリアルドがそう一礼する。そして話が終えたタイミングを見計らったかのように扉が開くとそこにはルルーシュの最後の騎士たちである腰まで伸びている金のロングヘアに軽装の鎧の上に白のロングコートを纏っている赤い瞳の青年───アレン・フォルネウスと長い白髪をポニーテールに纏めた黒と青、そして白を基調とした肌の露出の多いドレスをした水色の瞳をした美女───ティア・ハーゲンティルが立っておりその後ろには綺麗に畳まれた計13枚の色とりどりのマントを持っているメイド服姿の茶色のショートヘアの緑色の瞳の美少女───マリーカ・ソレイシィと金髪の後ろ髪を短いポニーテールに纏めた紫色の瞳の美少女───シャルロット・デュノアが佇んでいた。

 

「お待たせしました陛下。トレーズ閣下とマリーベル皇女を含め全ての準備が整った報告が上がりました」

 

「王座の間にも予定通り殆どの皇族と有力貴族たちが揃っております」

 

「そうか」

 

アレンとティアからの報告を聞いたルルーシュは短く答えるとゆっくりと立ち上がり、ライとミリアルドたちを見回して、一呼吸置いた後、ライに問うた。

 

「ライ。俺とお前、そしてミリアルドたちがいれば・・・」

 

「ああ。できないことなんて、ない」

 

ミリアルドたちと同じく、その表情に一切の後悔や困惑の色を見せず、ライは頷く。

 

「では、行こうか────ブリタニア皇帝、そして地球連邦代表への即位に!」

 


「「「イエス・ユア・マジェスティ!!!」」」

 

待合室の扉に向かい、高々と宣言するルルーシュ。
ライ、セレス、ベイル、クロノア、モニカ、グラハム、アリシア、エスデス、ゼハート、ミリアルド、アレン、ティア────《ゼロ・レクイエム》に協力する13人の同志たちは、一斉に敬礼。扉を開け、どこかへ向かって歩いていくルルーシュに、13人はマリーカとシャルロットからそれぞれにルルーシュから与えられていたマントを受け取りながら足並みを揃えて臣下のように続いた。
C.C.はソファから身を起こし、その後ろ姿を見送るだけだった。

 

 

そして、彼らの姿は、王宮の奥の暗闇にまぎれて消えていった。

 

 

これより、最後の章の幕を開けるために────。

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

帝都ペンドラゴン・神聖ブリタニア帝国皇宮、玉座の間。
思い思いに着飾り、天井の高いその室内に集まった人間は、まさにブリタニアの中枢に座る者たち────ブリタニア皇族、ブリタニアでも有数の高級官僚たち、政府首脳が、この豪華な装飾が施された広間に集まり、ざわめいていた。

 

「陛下は行方不明という話では・・・」

 


「報告してきたビスマルク本人が不在とあってはなんとも・・・」

 


「そんなことより、シュナイゼルたちの姿が見えないね」

 


「マリーベルも・・・だけど?」

 


「さあ。カンボジアからの連絡も・・・」

 

そんなどよめきに包まれる謁見の間の最奥にある玉座の近くで、白と紫を基調とした軍服と黒いマントを優雅に着こなしたひとりの青年が、どよめき続けるブリタニアの首脳たちに呼びかけた。

 


「────それでは、こちらにお集まり頂いた皇族の方々、そして世界中の皆さんに、連邦軍総司令官に就任した私から新たな地球連邦代表を紹介させていただきます」

 


彼の名は、トレーズ・クシュリナーダ。自分でも公言した通り、地球連邦軍の総司令官に新たに就任して間もない人物だ。
そのトレーズの言葉で、ざわめきは収まった。人々が神妙にかしこまり、その人物の登場を待つ。トレーズは玉座の背後にある通路を振り返り、こう声高に呼びかけた。

 


「お入りを・・・ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア皇帝」

 


そのトレーズの言葉と同時に、人々が驚きの声を発した。
無理もない。そこに姿を現したのは、白い皇族の服と帽子に身を包んだひとりの黒髪の少年だったのだ。艶やかな黒髪をなびかせ、堂々とした態度で人前に出ると、そのまま玉座に腰を下ろす。
そして、不敵さと威厳とを絶妙にブレンドさせた声で、少年はこう宣言した。

 


「私が、第3代地球連邦代表に就任した────ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアです。同時に今日を以ちまして、第99代ブリタニア皇帝に就きます」

 


数瞬の静寂が、謁見の間を包み込む。
が、すぐにそれは蜂の巣をつついたような騒ぎになってかわった。

 

「なんと・・・」

 


「ルルーシュ・・・」

 

エリア11の神根島のブリタニア軍基地にてモニター越しに見ていた《皇卓の騎士 (ナイトオブラウンズ )》の《第一席(ナイトオブワン )》ビスマルク・ヴァルトシュタイン、《第七席(ナイトオブセブン )》枢木スザクが唸る。その傍にいる《 第三席(ナイトオブスリー )》ジノ・ヴァインベルク、《第四席(ナイトオブフォー )》ドロテア・エルンスト、《第六席(ナイトオブシックス )》アーニャ・アールストレイムも揃って険しい表情になった。

 

「えっ・・・ホントに!?」

 


「お前、生きていたのか!?」

 

真っ先に人々の列の先頭にいた第5皇女カリーヌ・ネ・ブリタニアが驚き、第1皇女ギネヴィア・ド・ブリタニアが飛び出した。

それに対し、玉座の少年は冷笑と共に告げた。

 

「そうです、姉上。這い上がってきましたよ。・・・父上に突き落とされた、地獄の底からね」

 

ギネヴィアの横から、第1皇子オデュッセウス・ウ・ブリタニアも一歩前に出た。
戸惑いながら、それでも騒然とする周囲の人々と違って笑みを浮かべてみせた。

 

「よかったよ、ルルーシュ。ナナリーが見つかった時にもしかしたらと思ったけど。しかし、いささか冗談が過ぎるんじゃないか? そこは父上の・・・」

 


「兄上、静粛にして頂きたい。その消息不明の前代表にして・・・」

 

オデュッセウスがそこまで言いかけたところで、ルルーシュはその兄とざわめき続ける大勢に向かい、冷然とした言葉を投げつけた。

 


「私を地獄へと突き落とした実父で、帝国を、地球連邦を、世界を歪めた暗君────第98代皇帝シャルル・ジ・ブリタニアは、私が粛清(ころ )した」

 


ルルーシュのその宣言に、皇族たちが一瞬無表情となった。それをさらに冷たく一瞥してから、ルルーシュはさらに声高に言い放った。

 


「よって、次の皇帝は私となり、同時に地球連邦の統治者である代表の座も私が継ごう。皇族や騎士(ラウンズ )などの力を独占し、私腹を肥やし、その挙句に臣民や同じ血族ですら使い捨てにし合う・・・。このブリタニアはおろか、地球連邦を、そして地球をもそうした醜い争いの舞台に作り替えたシャルル・ジ・ブリタニアは、まさに暗君に他ならない。そして、その愚かなる暗君によって腐敗し、堕落に満ちたブリタニア・ユニオンの全てを、今こそこの手で変えるのだ!!」

 


高々と宙に右手をかざしながらの、ルルーシュのその挑発的な宣言。
そして、「私腹を肥やす」というフレーズに、カリーヌをはじめとした数人の皇族たちが色めき立った。

 

「堕落に満ちた、ですって・・・!?何言ってんの、ありえないっ!」

 


「あの痴れ者を排除しなさい! 皇帝陛下を弑逆した大罪人です!!」

 


「「「イエス・ユア・ハイネス!!!」」」

 

ギネヴィアのヒステリックな声と共に、彼らの周囲にいた警備兵たちが一斉に動いた。玉座のルルーシュに向かって走る。だが、そこに────。

 

「うぐぁっ!?」

 


「ぐああっ!!」

 

謁見の間の天井から、1人の影が落雷のように飛び降りてきた。
玉座に近づこうとした警備兵たちの前に立ち塞がると、その影は数人を華麗な体技で一瞬にして薙ぎ払う。

 

「き、貴様っ!!」

 


「貴様、一体────があっ!?」

 


「ぐわああっ!!」

 

生き残りの兵士たちが影に襲いかかるが、続けて天井から次々と飛び降りてきた新たな13人の影に襲い掛かられる。持っていた槍は蹴りと武器でへし折られ、剣で真っ二つにされ、顎を拳と武器で砕かれてみぞおちを突かれ、瞬く間に気絶させられてしまう。

 

「なっ!?」

 


「あ、あんたたちは────!!」

 

ギネヴィアとカリーヌたち、そして映像を見ていたラウンズも、寄り添うようにして玉座の周りに集まった13人を見て驚いた。

 

「ほう・・・これはこれは、さすがは新たなる皇帝騎士(ラウンズ )だ」

 

トレーズが愉快そうに笑い、心からの拍手を送る中、ルルーシュは自分とトレーズのいる玉座を中心にしてずらりと整列した13人を見て、同じく愉快そうにしながらこう言った。

 

「紹介しよう。我が美しき最強の騎士たちを。まずはそこの、お前からだ」

 

ルルーシュは、自分の座る玉座の両側を守るようにして並んだ、ルルーシュは、左端にいる騎士のひとりを指差した。盾の紋様が刻まれた白のマントを羽織り、騎士礼装に身を纏った長い金髪に左右の髪を赤いリボンでまとめた少女が、前へと進みでる。

 

「第三機甲師団師団長《女帝の騎士(ナイトオブエンプレス)》───モニカ・クルシェフスキー。御身の前に」

 

 

─────モニカ・クルシェフスキー。

かつて《 皇卓の騎士(ナイトオブラウンズ )》の《第十二席(ナイトオブトゥエルブ)》として名を馳せた彼女だが、今ではルルーシュの騎士となっている。

彼女はブリタニア貴族としてブリタニアに忠誠を誓っていたが、貴族としての務めも果たさず己の欲望を満たすためだけに他者を乏しめるだけの存在となっている貴族たち。そしてそれらに対して何もしないブリタニア皇帝であるシャルルに対する忠義が揺れていた。

そんな時、シャルルを殺害したルルーシュと出会った。最初はシャルルを殺害したルルーシュをナイトオブラウンズとして処断しようとしたが、ルルーシュのほかの貴族や皇族からは感じられなかった皇帝の素質と皇族としての理想の姿を見せつけられた。

そしてルルーシュの目的を教えられ、シャルルによって歪められた世界を正すべく、ルルーシュの剣の1つとなることを誓った。

ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアを護り、その行く手を阻む愚者を断罪するために───。

 

塔の紋様が刻まれた緑のマントを羽織り、赤い軍服に身を包んだ白髪の青年が一歩前へ進み出た。

 

「第一機甲師団師団長《塔の騎士(ナイトオブタワー)》───ゼハート・ガレット。御身の前に」

 

────ゼハート・ガレット。

この世界とは別の次元の世界で死んだはずの彼だったが、目が覚めた時にはこの世界に存在していた。そしてこの世界について知り、ルルーシュがかつてゼハートが仕えていた主と同じようにある目的を実現するためにその力を振るうことを覚悟しているのを聞いたゼハートはその目的を成し遂げるためにその力を振るうことを誓った。

それがかつての友と戦うことになると分かっていても、ゼハートの意思は固く、不変なものだった。

ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが望む世界を実現するために───。

 

車輪の紋様が刻まれた赤のマントを羽織り、赤と黒の騎士礼装に身を包んだ左目に眼帯をつけた黒髪の青年が一歩前へ進み出た。

 

「第二機獣師団師団長《戦車の騎士(ナイトオブチャリオット)》────ベイル・ヴォルフガング。御身の前に」

 

 

─────ベイル・ヴォルフガング。

地球から遠く離れた星である《惑星Zi》のソラシティの住人でありディガルドによって最愛の恋人とたった1人の妹を実験体として意識不明の重体にされたことからディガルドを滅ぼそうとしたが失敗し、その結果ソラシティの人間たちによって大罪人の無実の罪をきせられ幽閉されていた。

ソラシティの独房の中で胸に復讐の怨嗟を抱き続けていたある日、次元震に巻き込まれ多元世界へとやって来た。そしてルルーシュに出会い、彼の目的と彼の王としての姿に魅入られ、彼に忠誠を従うことを決意した。

ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの障害となる存在全てを、破壊し尽くすために───

 

笛が刻まれた青のマントを羽織り、軽装の鎧を身に纏った長い金髪の男が一歩前へ進み出た。

 

「第二機甲師団師団長《審判の騎士(ナイトオブジャッジメント)》────アレン・フォルネウス。御身の前に」

 

─────アレン・フォルネウス。

かつては最もラウンズに近い騎士として非常に優れた素質を持っていたことから多くのブリタニア兵たちの憧れとして戦場を駆けていた。

しかし、婚約者であった同じ騎士であった女性をとある皇族がその地位を使って無理矢理手篭めにすると陵辱し、ゴミのように捨てたことからが彼の凋落のきっかけとなった。

愛した女性を殺されたアレンは戦場から帰った足でそのままその皇族とその配下の貴族たちを皆殺しにした。その結果、皇族殺しの大罪人として騎士として築きあげたものを全て失い、絶望に心を落としていたところをルルーシュに出会った。

そして自分と同じ絶望の底から這い上がるほどの闘志と執念、愚かな皇族の頂点たるシャルルを滅ぼしたその力と志に魅入られ、傘下へと入る。

自分の絶望に光を当てたルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの行く道を、その剣で切り砕くために────。

 

星の紋様が刻まれた青のマントを羽織り、その下に白の騎士礼装を身に纏った、長い金髪の少女が前に出る。

 

「第三混成師団師団長《星の騎士(ナイトオブスター)》──。アリシア・ヴィエルジュ。御身の前に」

 

────アリシア・ヴィエルジュ。

とあるブリタニア貴族の一人娘だったが、男爵である父がとある貴族の汚職の罪を擦り付けられ処刑されたことをきっかけに親戚たちに財産を全て奪われ平民であった母とアリシアは家を追い出されてしまった。

それからの生活は悲惨なもので母は娘であるアリシアを育てるために身体を酷使した結果アリサが幼い頃に死んでしまった。母が死んでからアリシアは家族を奪ったブリタニアという国に憎悪を抱きながらいつか復讐を果たすことを胸に誓いスラム街で1人生きのびていた。

しかし、自分のようにブリタニアに家族を奪われたルルーシュと出会い、ブリタニアを破壊し新たに想像するために戦っていたことを知った時から、絶望の中で唯一の光を見つけたようだった。

前皇帝であるシャルルを殺し新たな皇帝となった少年の理想に敬服し忠誠を誓った彼女は、ルルーシュの為にその全てを捧げる。

自分に(希望)を与えてくれたルルーシュを護り、刃向かう愚かなもの達を滅ぼすために────。

 

 

花の紋様が刻まれた紫のマントを羽織り、その下に陣羽織を着た和風な仮面の男が、前へと進み出る。

 

「第二独立師団師団長《愚者の騎士(ナイトオブフール)》───グラハム・エーカー!!御身の前に!!」

 

────グラハム・エーカー。またの名をミスター・ブシドー。

かつてはブリタニア・ユニオンのフラッグファイターとしてその名を馳せていたが、ガンダムによって敬愛する師を、戦友を、全てを奪われたことで地獄に堕ちるも、執念にも似た闘志と意地をもってその地獄を生き抜いた若き勇士。

ガンダムの使い手である刹那・F・セイエイとの激闘によって顔や脇腹、背中に傷を負い、それを仮面と陣羽織で隠して《ミスター・ブシドー》としてアロウズに所属し戦っていた。

ソレスタルビーイングのガンダムマイスターである刹那・F・セイエイのガンダムダブルオーライザーに敗北してからは彼に勝利するために1人修行をしていたところ、ルルーシュの筆頭騎士の少年と出会ったことで転機が得る。

その後、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが語った真の目的に共感し、自らの[[rb:宿願>願い]]と引替えに彼の敵を倒す《剣》の1人として仮面を外し、再びグラハム・エーカーとして表舞台にたった。

全ては刹那・F・セイエイとガンダムとの、愛も憎しみも宿命も超越した戦い。ただそれひとつのために────。

 

茨の紋様が刻まれた白いマントを羽織り、赤い軍服を身に纏った長い金髪の男性が前へと進みでる。

 

「第一混成師団師団長《隠者の騎士(ナイトオブハーミット)》───ミリアルド・ピースクラフト。御身の前に」

 

────ミリアルド・ピースクラフト。

かつて一度滅ぼされた完全平和主義を唱えたサンクキングダム王国の王子にして、復讐のために仮面を被り、ゼクス・マーキスとしてOZの軍人となっていた。

コロニーのガンダムパイロットの1人であるヒイロ・ユイとは何度も戦い、そしてヒイロを含めたZEXISと何度も戦っているうちに彼らの生き方に影響を受け、自らの戦士としての有り様に疑問を持つようになっていた。

そんな心に迷いを抱えながら戦場をかけていたある日、ルルーシュとトレーズに出会ったことをきっかけに彼もまた自らの進むべき道を定めるようになった。

その後、ルルーシュとトレーズの目的を知ったミリアルドはOZの軍人であるゼクス・マーキスとしての仮面を捨て、グラハムと同じようにミリアルド・ピースクラフトとして表舞台に姿を現す。

死んでいった部下たちと彼と思いを同じくするものたちの願いを叶えるために、その剣を振るうのだった────。

 

悪魔の顔が刻まれた青のマントを羽織り、その下に白と黒の軍服を身に纏った長い青髪の女性が前に進みでる。

 

「第一機獣師団師団長《悪魔の騎士(ナイトオブデビル)》エスデス・フリューゲル。御身の前に」

 

────エスデス・フリューゲル。

その武力と才能だけで平民から騎士に成り上がった女傑。その出自故にブリタニア貴族や皇族からは疎まれているがそんな他者(弱者)の事など気にすることなく彼女は戦うことに生きがいのようなものを感じていた。

故に貴族や皇族という地位だけで自らを強者だと勘違いしているブリタニアという国家に見切りをつけていたが全てを奪われながら自らの力のみでブリタニアと対等に戦える戦力を築き上げたルルーシュの存在を知り、どんな人物なのかと興味を持ち探していた時にルルーシュからコンタクトがあり実際に会合した。

その時、ルルーシュが話した目的を知り、彼の見せたふたつの笑顔を見て初めて自分のためではなく他人のために戦おうと彼に従うことを選んだ。

自らの戦いを求める本能とルルーシュへの想いの2つを抱きながらルルーシュに歯向かう敵を蹂躙するのだった───。

 

鎌が刻まれた赤のマントを羽織り、その下に黒いセーラー服を身に纏った長い黒髪の女性が前に進みでる。

 

「第三独立師団師団長《死神の騎士(ナイトオブデス)》───クロノア。御身の前に」

 

────クロノア。

両親に酒代の足しとして幼い頃に売られブリタニア軍の暗部に買われた。その後は暗殺者として過酷な訓練を施され何十人もの犠牲の上に生まれた暗殺者。暗部に命じられるままに多くの人間を殺してきた。

しかし暗部のトップであった人間が殺されたことをきっかけに暗部は解体。暗部に秘密を握られていた一部のブリタニア貴族たちは秘密裏に処分しようとKMF部隊を投入したがルルーシュの率いる部隊によってブリタニア貴族の部隊を壊滅させられ生き残ったクロノアを含めた暗部の人間はそのままルルーシュに拾われた。

クロノアは暗部に拾われてから常に死と隣り合わせで安らぎを感じる時など一度もなく暗闇で生きてきたがルルーシュに助けられたことで陽の光のある場所に歩むことができたことをクロノアは感謝し、ルルーシュのためにその命を捧げても構わないと感じた。

ルルーシュの影として生き、彼に牙を剥く愚かな敵を斬り捨てるのだった───。

 

月が刻まれた緑のマントを羽織り、黒と青、白を基調とした露出の多いドレスを身に纏った長い銀髪をポニーテールに纏めた女性が前に進みでる。

 

「第二混成師団師団長《月の騎士(ナイトオブムーン)》───ティア・ハーゲンティル。御身の前に」

 

────ティア・ハーゲンティル

とあるブリタニア貴族と平民の間で生まれ、自分の中に貴族の血があることを知らずに母と2人で暮らしていた。そんなある日、ブリタニア貴族である父の実家に跡取りがいないことから政略結婚の道具として呼び出された。それに抵抗しようとした母を目の前で殺され、ティアは無理やり父の実家に連れていかれた。

それからの生活は地獄のようなものだった。親戚から使用人にいたる全ての人間から嫌がらせを受け、心休まる日もないことから軍に逃げるように入隊した。軍に入隊してからは才能があったのかみるみる頭角を表したが上官や貴族の子息たちからのやっかみによって一般兵でしかなかった。

そんな弱い自分に嫌気がさしていたある日、優秀な人材を探していたルルーシュの目にとまった。今まで他者から否定されてばかりだったティアは自らを一人の人間として認め、ティアの力を求めてくれた。

自分の存在を認めてくれたルルーシュのために立ちはだかる敵を、そして人類の敵となる存在を殲滅するのだった───。

 

天秤の紋様が刻まれた黒のマントを羽織り、その下に腕や胴元など体の一部を黒い甲冑で覆っている長い白髪の女性が前に進みでる。

 

「第四機甲師団師団長《正義の騎士(ナイトオブジャスティス)》───セレス・アルカディア。御身の前に」

 

────セレス・アルカディア

かつては反ブリタニア勢力の一つであるレジスタンスの象徴的存在として戦っていたが《第四席(ナイトオブフォー )》ドロテア・エルンスト率いるブリタニア軍との戦いに敗れ生き残った部隊と共に敗走していたがそこを別のレジスタンス組織の裏切りにあいセレスを除いた部隊のメンバーは全滅し、生き残ったセレスは命からがら逃げ延びたがアジトに戻った彼女に待っていたのは味方からの裏切りだった。

アジトに残っていた人間はブリタニア軍からセレスを差し出せば命だけは助けてやるという甘言に騙され逃げ帰って来たセレスを捕まえそのままブリタニア軍に引き渡した。

捕まったセレスは牢の中でブリタニアを、自分を裏切ったかつての仲間たちを、この世への憎悪を抱きながら日々を過ごしていた。

トレーズからセレスの存在を知った彼女に会いに来たルルーシュ。自分と同じように仲間に裏切れ、この理不尽な世界に憎悪を抱くルルーシュに興味を抱き、ルルーシュの目的を知った上で自らの復讐にも協力してくれるルルーシュに力を貸すことを誓った。

憎悪を胸に抱きながらルルーシュが自ら進むと決めた地獄のような道を共に進み、立ちはだかる敵と裏切り者たちを焼き尽くすのだった────。

 

剣の紋様が刻まれた黒のマントを羽織り、その下に紺色の軍服を身に纏った素顔を兜と麺頬に似せた厳めしい鉄仮面で口部を除いて覆い隠されている男が前に進みでる。

 

「第一独立師団師団長《皇帝の騎士(ナイトオブエンペラー)》───ウォーダン・ユミル!!御身の前に!!」

 

────ウォーダン・ユミル。

この世界とはまた別の次元の世界に存在する組織《シャドウミラー》がある敵を倒すために創り上げた人造人間《Wシリーズ》の一人、W15(ダブリュー・ワン・ファイブ)。ゼンガー・ゾンボルトという一人の武人の人格を元に作られた。

本物のゼンガーと戦い倒すことで自らの存在を掴もうとゼンガー・ゾンボルトと一騎打ちを行い、敗北し命を落とした。

そしてウォーダンは気がつけばこの多元世界で目を覚まし、ルルーシュの筆頭騎士である少年と出会ったことでこの多元世界のことを知った。

ウォーダンは再びかの人物と刃を混じえる日に備えて鍛え、そして自分に新たなる力を与えてくれたルルーシュと筆頭騎士の力になるためにその力を振るうことを誓った。

全てはゼンガー・ゾンボルトに勝利し、自らが唯一無二の存在となるためにその剣を振るうのだった────。

 

そして12人の騎士たちを代表するかのようにギアスの紋様が刻まれた白色のマントを羽織り、黒い学生服を着た銀髪の少年が騎士たちの前に進みでる。

 

「筆頭騎士統括にして第零騎士団師団長《終焉の騎士(ナイトオブゼロ)》────ライ。御身の前に」

 

────ライ。

元黒の騎士団参謀にして紅月カレンと双璧を成すエースパイロットで、同じギアスの力を持つものとしてルルーシュと深い絆を結んだ少年。

神根島でルルーシュと共に枢木スザクに捕らえられ、シャルル・ジ・ブリタニアの気まぐれによって記憶を改竄されブリタニアの騎士として一時期ルルーシュたちZEXISの敵として立ちはだかった。

アザディスタン王国での戦いの時にルルーシュとの再会とガンダムダブルオーライザーのちからによってシャルルのギアスの呪縛が解かれ、再び黒の騎士団参謀としてその力を振るうのだった。

第二次ブラックリベリオンの戦いの後、シュナイゼルの策略によってルルーシュが囚われそうになった所をロロと協力して脱出した。

そしてCの世界にてルルーシュがシャルル皇帝たちを打ち倒した後、新たな決意を持って皇帝となったルルーシュの目的を果たすためにその障害となる全てを斬り伏せる覚悟を持って最強の騎士として再び表舞台に姿を表わす。

 

ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアと共に、この世全ての罪と悪、そして戦いと争いをなくす《鎮魂歌(レクイエム)》を奏で、全てを終わらせるために────

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「ライとこの12人───── セレス、ベイル、クロノア、モニカ、グラハム、アリシア、エスデス、ゼハート、ミリアルド、アレン、ティアにはそれぞれ 騎士(ラウンズ )を超える騎士(ラウンズ )の称号を与えた。それが《終焉の騎士>(ナイトオブゼロ)》と《神殺の英傑( エインヘリアル)》十二騎士だ」

 

ライを中心にして目の前に並んだ13人の騎士の名乗りが終わったところでルルーシュは冷たく目を細めながら言った。

 

「今この瞬間、《終焉の騎士(ナイトオブゼロ )》ライと、彼に次ぐ《 神殺の英傑(エインヘリアル )》が、無能なる先帝シャルル・ジ・ブリタニアに仕えた紛い物の騎士団に代わる存在となる。そう────ここにいる13人の我が騎士たちが、新たなる帝国と、地球連邦の象徴にして守護者となるのだ」

 

それから、ライたち13人の騎士が左右に退いて視界を開けた後、ルルーシュは玉座から立ち上がった。

 

「全ての民は我に従え。世界は────我と共にある! オール・ハイル・ブリタニア! オール・ハイル・ルルーシュ!」

 


「「「オール・ハイル・ブリタニア!  オール・ハイル・ルルーシュ!!」」」

 


拳を高く掲げ、ルルーシュは高らかに叫び、トレーズ、ライ、そしてミリアルドたち十二騎士が復唱した。
その気迫にして剣幕は、ギネヴィアやカリーヌたち皇族はもちろん、映像越しで見ているビスマルクらナイトオブラウンズでさえも思わず一歩下がりそうになった。そこで、呆然としていたオデュッセウスが我にかえり、ルルーシュとトレーズたちの前に出た。

 

「い、いけないよ、ルルーシュ、トレーズ司令。ライ卿にクルシェフスキー卿たちも。国際中継でこんな度が過ぎた悪ふざけを・・・」

 


「フッ・・・悪ふざけか。本当に状況の見えない方だ」

 

トレーズは、オデュッセウスの言葉を一笑に付した。

 

「あなたのその平凡さには呆れさせられる。それ以外には、何も言いようがありませんな」

 


「ああ、御尤もだトレーズ司令。では兄上、わかりやすくお話ししましょう」

 

トレーズに調子を合わせて冷笑した後、ルルーシュは右手を高く上げるとパチンっ!!と王宮に響くように指を鳴らした。その音が聞こえたのと同時にバタン、バタン─────!と、謁見の間の扉という扉が開き、それらの扉からそれらの扉からおびただしい数の銃創や剣創を体につけ、血まみれになった数人の警備兵が現れた。皇族たちの何人かが驚き、悲鳴をあげると、警備兵たちは助けを求める、もしくは皇族たちに危険を知らせるように手を伸ばした後、次々とその場に倒れこんだ。

そして、その後から現れたのは、

 

「────あなた方の命運は既にルルーシュお兄様が握っております。命が惜しくば大人しくしていなさい」

 

真紅のブリタニア騎士礼装とマントを身にまとい、目元を仮面(バイザー )で覆い隠した、または漆黒のブリタニア騎士礼装とマントを身にまとい、目元をギアスの紋様が描かれた白い仮面で多い隠している15〜20歳前後の少女たちとヴェロキラプトルや蠍、蟷螂などの姿をした機械仕掛けの獣、そしてそんな彼女らの前に立っているのは第88皇女マリーベル・メル・ブリタニアだった。まさかの彼女の登場にカリーヌがさらに驚きの大声を挙げた。

 

「なんのつもりなの!?なんであんたまでそんなところに・・・冗談が過ぎるわよ、マリ────」

 

「────お静かに!!」

 

鋭く浴びせられるマリーベルの一喝。それにはカリーヌはもちろん、ギネヴィアやオデュッセウスたち皇族、貴族たちもびくりと肩を震わせるほどの気迫が感じられた。

 

「言葉を慎みなさい。あなたたちは今、ブリタニアの新皇帝の御前にいるのです。これ以上の無礼を働こうというのなら・・・」

 

ルルーシュとライたちのそばまでやってきたところで、マリーベルがゆっくりと手を挙げた。

それに合わせてマリーベルの近くに控えていた少女騎士たちは皇族たちを取り囲むように謁見の間の壁沿いに展開し、無言でその硝煙を口元から吐いているライフルと、血を滴らせる騎士剣や銃剣などの武器を構え、機械仕掛けの獣たちは血の滴るその牙や棘、鎌、さらには背中や脚の側面にある機銃を構える。

 

「私のこの美しい殺戮人形(リドール・ナイツ )とルルーシュお兄様の深淵騎士団(アビス・パラディン )、そしてゾイドたちによってあなたたちを叛逆者という名の贄としてルルーシュ陛下に捧げるまでです」

 

カリーヌたちは目元を銀色のバイザーで覆い隠し、唇はおろか、頬をピクリとも動かさないことから、まるで静かに獲物を狙う猟犬や狼のようにさえ感じられるリドール・ナイツとアビス・パラディン、まるで獲物を今すぐにでも狩ろうと狙う捕食者のようにこちらを睨む機械仕掛けの獣───ゾイドたちが自分たちを取り囲んでいるという事実にギネヴィアもカリーヌも、皇族と貴族たちは戦々恐々としていた。

 

────リドール・ナイツ。

マリーベルの《絶対服従》のギアスによって自我を奪われた88人の騎士たちによって結成されたマリーベルの親衛隊。その戦い方は、圧倒的な戦力に物を言わせた虐殺に等しいやり方で、敵を恐怖で威圧するために殺した仲間の無残な死体を晒し者にして見せ付けるなど、残忍非道な行いも厭わないマリーベルの負の内面そのものを体現したかのような凄惨さを見せている。かつてエリア24、元スペインにてスペインでの反ブリタニア組織《マドリードの星》との戦いで猛威を振るって以来、黒の騎士団などのブリタニアに敵対する組織はもちろん、カタロンなどの反連邦組織、人革連やAEUなどの他国、さらにはアロウズやオズらそしてブリタニアでも《赤い死神》の異名で恐れられていた。

 

─────深淵騎士団《アビス・パラディン》

神殺の英傑(エインヘリアル )》を選ぶ中、ライからの進言によって結成されたルルーシュのための親衛隊。厳しい審査の元選び抜かれた精鋭たちはルルーシュのためにその命を捨てることを躊躇わず、その身を捧げることを誓ったもの達で造られ、ルルーシュのギアスの力がなくともルルーシュの手駒として操られる騎士として重宝されている。

 

────ゾイド。

それは動物や恐竜などの姿を模した金属生命体であり、地球より遥か彼方に存在する惑星Ziに存在するものと、宇宙より飛来したゾイドの種としての基本生体が凝縮された生命体の核《ゾイドコア》より地球で誕生したものに別れており、その力は一般量産機を上回り、中にはスーパーロボット級の力を所持しているものも存在している。

 

「今、このブリタニアはもちろん、この世界そのものには憎しみと悲しみが満ち溢れている。これらの状況を生み出したのは、[[陛下(お父様)────否、シャルル・ジ・ブリタニアに他ならない」

 

演説でも始めるかのように、マリーベルは皇族たちを見据えながら語りかけた。

 

「『競い、奪い、獲得し、支配しろ。その果てに未来がある』────文字通りの『競争』を掲げるシャルル・ジ・ブリタニアと、その『競争』を尊ぶ者たちの煽りを受け、常に苦しみを背負わされ続けているのは、わたくしや陛下のような『弱者』と差別され続けてきた人間だった。わたくしたちが黙っているのをいいことに、この国の人間のような驕れる強者たちは増長していった。

そしてシャルル・ジ・ブリタニアがこの状況に見向きもせず、挙句に政務も放棄したことで、この国も腐敗に腐敗し、堕落に満ちていった。愚か者たちの目を覚まし、再び平和な故郷を取り戻すため、もはや陛下の即位と改革 ( 戦い)は避けられないものとなった。

同じ血を引く一族であるわたくしたちでさえも、弱者や踏み台という理由だけでこれでもかとばかりに虐げ、勢力を伸ばしつつある傲慢なる敵に────『競争』という不平等を尊ぶ者たちに、宣戦布告ができる。わたくしは恐れてはいない。戦うのは、望むところだ。もう二度と、わたくしを殴らせはしないし、奪わせもしない、と────!!!」

 

マリーベルは、両手を大きく広げ、ミュージカルスターのように朗々としながらも、気迫を込めて、高らかに、魂の底から叫んだ。

 

「故に、わたくしは今日ここで、ルルーシュ皇帝陛下と、ここにいる彼らと共に再び立ち上がる! 奪われたわたくしの魂と尊厳を、この手で取り戻すために!! ────オール・ハイル・ルルーシュ!!」

 

「「「オール・ハイル・ルルーシュ!!」」」

 

マリーベルの魂の叫びに呼応し、リドール・ナイツ、アビス・ナイツたちも高らかに復唱する。それに合わせてゾイドたちも咆哮を上げる。

その気迫にして剣幕は、ギネヴィアやカリーヌたち皇族はもちろん、貴族たちも思わず一歩下がりそうになった。

 

「さて、どうしますか?私を新たな皇帝と認め忠誠を誓いますか?それとも私を新皇帝と認めず反逆いたしますか?」

 

ルルーシュはオデュッセウスたちを見下ろしながら最後通告のように告げる。絶対的強者として君臨してきたこの場にいる皇族や貴族たちにとってルルーシュの宣言は到底受け入れるはずがないと今までの彼らならば声を荒らげながら否定をしていただろう。だが、今の彼らはルルーシュに対抗するための力などなく抵抗する姿勢すら見せずにいた。その姿はまさに彼らが今まで見下してきた弱者そのものでありそんな彼らが取れる選択は限られていた。

 

「お、オールハイルルルーシュ・・・」

 

1人の貴族が震えた声で声を上げる。それを皮切りに波紋のように広がり貴族、皇族たちの中から賛同するように賛歌を唱える。それはルルーシュたちに対する恐怖から逃れるために従うことを選んだ者、ルルーシュのお零れに与り今までのように甘い蜜をすすろうとする者、ルルーシュの圧倒的な力に屈したまたは魅了された者たち、そして事前にルルーシュの[[rb: 魔眼>ギアス ]]によって支配された者たちだった。

 

「「「オール・ハイル・ルルーシュ!オール・ハイル・ルルーシュ!」」」

 

「「「オール・ハイル・ルルーシュ!!オール・ハイル・ルルーシュ!!」」」

 

「「「オール・ハイル・ルルーシュ!!!オール・ハイル・ルルーシュ!!!」」」

 

ルルーシュに対して賛歌の声を上げるもの達をオデュッセウス、ギネヴィア、カリーヌたちルルーシュに賛同できないでいる皇族、貴族たちはルルーシュに従うことを選んだものたちを理解できないものを見るような怯えた目で見ていた。

 

(見ているかZEXIS、ドライクロイツ、黒の騎士団よ。これが今の俺の力だ)

 

賛歌が響き渡る中、玉座で冷たく残忍な笑いを浮かべながら、ルルーシュは脳裏でかつて共に戦ってきた仲間たちと配下たちのことを思い浮かべていた。

 

(さぁ、始めよう。世界の命運を賭けた・・・地球を、いや宇宙を含めた人類の守護者たる剣を決める、俺たちの決戦を・・・!!)

 

その拍手喝采を、奥の両端にひとつずつある舞台袖から観衆として見ている者たちがいた。

 

「ルルーシュ・・・」

 

「これから始まるんだな。俺たちの世界への復讐が」

 

右の舞台袖でルルーシュの力の一端を見てマーヤ・ディゼルとマリオ・ディゼルはこれから始まるルルーシュとの戦いに改めて決意を高めるのだった。

 

「これが、ギアス・・・いえ、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの力ですか」

 

同じく右の舞台袖でそう呟いた元AEU所属のレイラ・マルカル、そして日向アキト、佐山リョウ、香坂アヤノ、成瀬ユキヤ、アシュレイ・アシュレイは揃って息を呑んでルルーシュを見つめていた。

 

「我らが母星を守るための剣。果たしてそれは我々か彼らか」

 

「ビアン総帥・・・」

 

「ふふ・・・」

 

左の舞台袖でルルーシュを品定めするかのようにこれから先の戦いを見据えるビアン・ゾルダークと彼に付き従うバン・バ・チュン、シュウ・シラカワもまたビアンが選んだルルーシュを見つめていた。

 

「オルガ・・・本当にアイツについていって大丈夫なのかよ?」

 

「下手したら僕たちだって・・・」

 

「そんなことはわかってる。だけどアイツにはデカい借りがある。それに俺たちの目指す場所に辿り着くためにもアイツの力は必要だ」

 

同じ左の舞台袖で不安そうにユージン・セブンスタークとビスケット・グリフォンはルルーシュと傍らにいる彼らのリーダーであるオルガ・イツカを交互に見るが、オルガは覚悟を決めた目でルルーシュを睨むように見ていた。

 

そしてこの場にはいないがそれぞれ映像越しにルルーシュに狂信する者、心酔する者、利用しようと企む者などそれぞれ異なる思惑を持つ者たちが、ZEXISやドライクロイツ、黒の騎士団などかつての仲間たち、そしてルルーシュたちにとって敵であるイノベイターやディガルド武国などの敵対勢力たちも見ていた。

 

─────この日、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアはその名を世界に知らしめた。それは果たしてこの世界にどのような影響を与えるのか、この時はまだ誰も知りえぬことであった。

 





あとがき
いかがでしたでしょうか?ある程度今後の流れが決まりプロローグも完成したので投稿しました。お待ちしていた方々には申し訳ない気持ちで一杯です・・・今回登場した騎士たちは名前の変更のほか、今後搭乗させる機体も前作とは違う機体に変更する予定です。今のところルルーシュの予定は決まっているのですが黒の騎士団をどうするかで悩んでいます。ルルーシュを賢帝にするならあまり徹底的に追い詰めない方がいいと思うのですが、ルルーシュがいなかったらろくにブリタニアに抵抗も出来なかったのにあっさりと手のひら返ししたのが許せないので多少痛い目に合わせようかと考えてしまいます。
前作とは異なる展開で進めていく予定ですのでどうかほかの小説共々よろしくお願いします。
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