スーパーロボット大戦Z 魔王の降臨   作:有頂天皇帝

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まえがき
今回『スーパーロボット大戦OG』シリーズよりシャドウミラー、ハガネ、ヒリュウ改のメンバーが登場します。原作と異なり一部キャラが生存していますがそういう世界線もあるということでご了承ください。ダイテツ艦長かっこいいですよね・・・


第二話 フラスコの世界の住人

エリア18の砂漠地帯の一角にて。次元震によってフラスコの世界からこの多元世界に飛ばされたハガネとヒリュウ改を母艦としたPT(パーソナルトルーパー)]、AM(アーマードモジュール)、特機などを中心に結成された部隊とフラスコの世界とは極めて近く限りなく遠い世界からやって来た地球連邦軍特殊任務実行部隊《シャドウミラー》が戦闘を繰り広げていた。

 

『決着をつけるぞ!ベーオウルフ!!』

 

『来い!アクセル!!』

 

シャドウミラーのエースパイロット《アクセル・アルマー》の操る格闘戦に特化した青い特機《ソウルゲイン》とATXチームのリーダー《キョウスケ・ナンブ》の操る一点突破をコンセプトに開発された赤い準特機《アルトアイゼンリーゼ》が激しい応酬を繰り返す。ソウルゲインが高速回転する両拳《玄武金剛弾》をアルトアイゼンリーゼの胴体に叩きつけようとするのをキョウスケはアルトアイゼンリーゼの胴体を捻ることで回避し、カウンターのように右腕のパイルバンカー《リボルビングバンカー》をソウルゲインの胴体に叩き込もうとするが、ソウルゲインはアルトアイゼンリーゼの胴体を蹴り、距離をとってかわす。

 

『はっ!以前の機体より随分と頑丈だな!!これがな!!』

 

『ここで貴様との決着をつける!!』

 

ソウルゲインの拳と蹴りが、アルトアイゼンリーゼのリボルビングバンカーと両肩の《アヴァランチクレイモア》が互いの装甲を抉り、砕き合う。何度も戦った2人にとって既に互いの動きを読むことは容易くそれ故に決定打を与えられず膠着状態が続いていた。

それは他の場所でシャドウミラーの部隊と戦っているハガネとヒリュウ改の機動部隊全員に言えることであり、苦戦を強いられていた。

 

『くらえ!ザイン・ナッコォ!!』

 

リュウセイ・ダテ、ライディース・F・ブランシュタイン、アヤ・コバヤシのSRXチームが操る3機のパーソナルトルーパーが合体した特機《SRX》はその右拳に念動フィールドを纏わせるとシャドウミラーの構成員である人造人間《量産型Wシリーズ》の操る移動砲台のような姿をしている青のカラーリングの特機型の大型機動兵器《量産型ジガンスパーダ》の頭部を殴り砕き爆散させるが、直ぐにその穴を埋めるように青のカラーリングのパーソナルトルーパー《ゲシュペンストMk-II》と白のカラーリングのパーソナルトルーパー《エルアインス》たちが牽制するようにニュートロンビームとG・リボルヴァーがSRXに向かって放たれ、リュウセイは咄嗟にSRXの両腕を交差させて防御するが砲撃が止むとSRXの前に躍り出たゲシュペンストMk-IIのプラズマステークがSRXの顔面を殴り、全重量をかけたゲシュペンストMk-IIのプラズマステークによる一撃にSRXも数歩下がってしまう。

 

『くそっ!ガウン・ジェノサイダー!!』

 

しかしリュウセイたちも負けじと仰け反る反撃し、SRXの頭部をゲシュペンストMk-IIに向け頭部のゴーグルから放たれる光線がゲシュペンストMk-IIを消し飛ばす。一騎当千のパイロットたちが揃っているハガネとヒリュウ改に対して優れたエースパイロットの数は少ないものの圧倒的な数の暴力で攻めるシャドウミラー。どちらも決め手にかけており戦いは長引くかと思われたその時、ハガネのブリッジのオペレーターの1人であるエイタ・ナガタが顔を青ざめながら艦長であるダイテツ・ミナセに報告する。

 

「は、8時の方角よりシロガネを先頭にストーク級3隻、ライノセラス2隻が接近中!!」

 

「シロガネだと!?」

 

エイタからの報告に副艦長であるテツヤ・オノデラは思わず驚きの声を上げる。シロガネとはこのハガネと同じエクストラ・オーバー・テクノロジー。通称《EOT》の技術を用いて開発された大気圏内の飛行、水中潜行、外宇宙航行をもこなす戦艦としての戦闘力と機動兵器の母艦としての能力を併せ持つ万能戦艦であり、行方知らずの参番艦であるクロガネを除いてダイテツたちの世界の地球連邦軍が管理している2隻の内の1隻であるシロガネがテロリストであるノイエ・DC(ディバインクルセイダーズ)が運用する母艦であるストーク級とライノセラスと共に行動を共にしていることから強奪されたのではないかとブリッジにいる誰もがその考えを頭に過ぎらせる中、モニターに映った映像に今度こそ全員が絶句した。

 

「‎グ、グランゾンにヴァルシオンだと・・・」

 

テツヤはモニターに映るシロガネの艦首部付近にいる蒼き重力の魔神《グランゾン》とDCの総帥であるビアン・ゾルダーク自らが開発したDCのフラッグ機にして究極ロボの称号を持つ《ヴァルシオン》の姿に顔を青ざめていると、突如グランゾンからこの戦場にいる全員に対してオープンチャンネルでシュウ・シラカワから通信が入った。

 

『お久しぶりですね。ハガネとヒリュウ改の皆さん』

 

『シュウ!テメェ、何しに来やがった!?』

 

シュウ・シラカワの登場に誰よりも先に反応したマサキ・アンドーはサイバスターのディスカッターの剣先をグランゾンに向けながら叫ぶ。それに対してシュウはフフっと笑みを浮かべながら答える。

 

『我々は次元震の反応を確認してここへ来たのですよ。まさかあなた方がやってくるとは思いませんでしたがね・・・』

 

『次元震、だと・・・!?』

 

シュウの言葉にゲシュペンスト・タイプRのパイロットであるギリアム・イェーガーは次元震という言葉を聞いて驚愕に目を見開かせた。そんなギリアムのことを無視してシュウはさらに話を続ける。

 

『私の口から語るのもいいですが、ここは彼に語ってもらうとしましょうか』

 

シュウはそう言いながらオープンチャンネルを切ったのと同時にシロガネの艦首部の上を歩きながらそれはハガネとヒリュウ改、シャドウミラーたちこの場にいる全員にその姿を見せつけた。

 

『なっ!?』

 

『《ダイゼンガー》、だと・・・!?』

 

そこにはヒリュウ改のメンバーの一人であるゼンガー・ゾンボルトの操る特殊な特機《ダイゼンガー》とほぼ瓜二つの姿をした白・青のカラーリングの特機が《斬艦刀》をその手に握って立っていた。異なるところは背部にドリル型のブースターが接続され、両肩が西洋の騎士の甲冑のようなものに変更されていた。

 

『────久しいな、ゼンガー。そしてハガネとヒリュウ改のもの達よ』

 

『その声はウォーダン!?何故貴様が生きている!?』

 

白いダイゼンガー───《シュヴェルトクリーガー》から響くウォーダンの声に《ヴァイサーガ》のコックピットの中でラミア・ラヴレスは驚きのあまり声を上げる。

 

W15(ダブリューワンファイブ):ウォーダン・ユミル。ハガネにいるW17(ダブリューワンセブン):ラミア・ラヴレスとシャドウミラーに所属するW16(ダブリューワンシックス):エキドナ・イーサッキと同じシャドウミラーのレモン・ブロウニングが造り上げた人造人間《Wシリーズ》の1人であり、向こうの世界でのアースクレイドルでのゼンガーと一騎打ちに敗北し死亡したことが確認されたウォーダンが生きていることに誰もが動揺している中、ウォーダンは斬艦刀をシロガネの艦首部に剣先を軽く刺し構えて声高らかに宣言する。

 

『我はウォーダン!ウォーダン・ユミル!!偉大なる皇帝ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア皇帝陛下に仕えし13人の騎士が1人、《皇帝の騎士(ナイトオブエンペラー)》のウォーダン・ユミルである!!』

 

ウォーダンの力強い宣言と共にシュヴェルトクリーガーの機体越しから放たれる圧倒的なプレッシャーが歴戦の戦士であるこの場にいる全員に重くのしかかった。

 

『聞け!歴戦の戦士たるハガネとヒリュウ改の強者(もののふ)たちよ!お前たちには2つの選択肢がある!!』

 

『2つの選択肢、だと?』

 

『一体何のつもりなの?』

 

ウォーダンからのいきなり発言に虎龍王のパイロットであるブルックリン・ラックフィールドことブリットとクスハ・ミズハは困惑している中、ウォーダンは構わず発言を続ける。

 

『1つは我らが陛下の軍門に下り、この星を守る戦士となり共に戦う道。もう1つは我らの軍門に下らず我らと戦う道。その何れかの道だけをお前たちは選択できる』

 

ウォーダンから放たれた服従か、闘争。その二択の選択肢にハガネとヒリュウ改に所属する全員が困惑している中、シャドウミラーの指導者であるヴィンデル・マウザーは人形風情でしかないウォーダンが自分たちを無視しているという事実に苛立ちを感じながらもウォーダンにハガネとヒリュウ改を破壊するよう命じようとする。

 

『W15よ、そのような下らぬ問答をするな。早くベーオウルフ共々奴らを『黙れ!!』なっ!?』

 

ヴィンデルがウォーダンに命令を下そうとするがその言葉はウォーダン地震によって遮られヴィンデルは目を見開く。それはアクセルとウォーダンたちの開発者であるレモン・ブロウニングも同様であったが唯一レモンだけは誰にも見えない形で小さな笑みを浮かべていた。

 

『シャドウミラーのW15はあの日、アースクレイドルでのゼンガーとの闘いで死んだ。故にここにいるのは高みを目指す一人の男、ウォーダン・ユミル。貴様如き負け犬の指示を聞く道理などない!!』

 

『ま、負け犬だと!?人形風情がこの私を愚弄するかっ!!』

 

ヴィンデルは人形と下に見ていたウォーダンに負け犬と言われたことに怒りを抱き、シャドウミラーの旗艦である《ギャンランド》のブリッジにてその顔を歪ませていた。

 

『事実だ。あの世界でアインストたちに敗北し多くの仲間を犠牲にしながらも別世界に飛び超えておきながらその世界でかつての敵であるインスペクターと手を組み永遠の闘争などという世迷言を実現させようと真に地球を守るハガネやヒリュウ改たちと敵対する。このような愚者を負け犬と呼ばずなんと呼ぶ』

 

『き、貴様ぁ・・・!!』

 

ウォーダンの容赦ない言葉にヴィンデルは人形如きが自分に逆らい、あまつさえ見下すような発言をしていることにアームレストを砕かんばかりに強く握りながらモニター越しにウォーダンを睨む。それはそのまま互いの部隊にも影響されたのかアクセルのソウルゲインとエキドナの黒い天使型の特機《アンジュルグ・ノワール》を筆頭に、シャドウミラーの戦力であるエルアインス、ゲシュペンストMk-II、ランドグリーズ、量産型アシュセイヴァー、量産型ジガンスパーダ、グラビリオン、アースゲインたちが展開し、それに合わせて第一独立師団もまたシロガネやグレイストーク、ライノセラスのカタパルトデッキから量産型グルンガスト弐式、カラーリングがダークブルーのジガンスクード、翡翠色の量産型ヴァルシオン《ヴァルシオーブ》、アーマリオン、バレリオン、ガーリオン、ゲシュペンストMk-III、ヒュッケバインMk-IIIたちが発進していき互いに部隊を展開させていく。

 

『シャドウミラーよ。レモン・ブロウニングの身柄とソウルゲインとツヴァイザーゲインの譲渡。以上のことを速やかに行うならば命までは取らぬと陛下からの恩情を受けている』

 

ウォーダンからの通告。それはどこまでもヴィンデルたちシャドウミラーを見下しているものであった。そうでなければシャドウミラーの最大戦力であるソウルゲインとツヴァイザーゲインの譲渡と唯一の技術者であるレモンの身柄。例えこの提案を受けいれ、この場をしのげたとしても組織としてこの先ヴィンデルたちの未来はないと言っても過言ではないだろう。そもそもウォーダンやラミアたちWシリーズを人形として見下していたヴィンデルにとってそのウォーダンの一言で完全にキレてしまった。

 

『人形風情がどこまでも調子に乗るな!!全機、W15とその配下共を蹂躙せよ!!』

 

『了解』

 

ヴィンデルが叫ぶようにそう指示を出すとシャドウミラーの機体のパイロットである人造人間のバイオロイドである《量産型Wシリーズ》は機械音声で答えながら一斉射撃を開始する。激しい豪雨の如きミサイルや銃弾などがシュヴェルトクリーガーたちに迫る。それは全て当たれば頑丈な特機て自己再生能力を所持しているシュヴェルトクリーガーでも大破は免れないだろう。だが、それもまともに喰らえばの話だ。

 

『その程度の攻撃で、俺の首が取れると思うな!!』

 

ウォーダンはそう叫びながら斬艦刀を横薙ぎに振るう。それによって斬艦刀の刀身から放たれる斬撃の衝撃波と剣圧によってミサイルを迎撃及び剣圧によって軌道が乱れ互いに衝突し合い、空に爆炎が広がる。

 

『W15!貴様もレモン様たちを裏切るか!!』

 

『エキドナか!』

 

爆炎の中をアンジェルグ・ノワールが駆け抜けながらミラージュ・ソードを構えるとシュヴェルトクリーガーに斬りかかる。それをウォーダンは斬艦刀で受け止め、そのまま弾き飛ばすとその細い胴体に回し蹴りを決め蹴り飛ばす。

 

『くぅっ!?』

 

エキドナはシュヴェルトクリーガーの蹴りの衝撃に苦痛の声を漏らしながら体勢を立て直し距離をとるとミラージュ・ソードをしまい、イリュージョン・アローを展開するとビームの矢を5本同時に撃ち込む。それはシュヴェルトクリーガーの関節に向けて放たれたがウォーダンは斬艦刀を両手で回転させることで防ぐ。そして腰から三本の投擲ナイフ《シヤルフエッジ》を右手の指の間に挟み、マシンガンを構えながら接近するゲシュペンストMk-II3機のコックピットに向かって投擲すると寸分たがわず貫き、墜落する。

 

『くっ!やはり強いな・・・!!』

 

エキドナはミラージュ・アローで牽制するように攻撃を続けながら量産型Wシリーズをウォーダンにけしかけるが、今の所こちらの攻撃はシュヴェルトクリーガーに届いていなかった。シャドウミラーの中でトップクラスのパイロットであるウォーダンを前に決して油断や慢心などなかったエキドナであるが、それでもこうまでこちらの攻撃が阻まれるとは思っていなかった。

エキドナの予想外はウォーダンだけでなく彼が率いている部隊にもあった。今の所グランゾンとヴァルシオンはシロガネの周囲で滞空しているため攻撃に参加していないが、それでも量産型グルンガスト弐式やヴァルシオーブたちの前に追い詰められていた。

 

『なんだよアイツら・・・』

 

『か、カチーナ中尉・・・自分たちはどうすれば・・・』

 

オクト小隊の小隊長であるカチーナ・タラスクとその部下であるラッセル・バーグマンはそれぞれ《量産型ゲシュペンストMk-II》のコックピットの中で困惑していた。シャドウミラーとウォーダン、どちらも敵ではあるがそれぞれ目の前の相手に集中しているのかこちらへ積極的に攻撃する様子はなく消極的だった。故にハガネとヒリュウ改のメンバーは迂闊に動けないでいた。

 

『だったら、私たちと遊ぼうじゃない!!』

 

膠着しているハガネとヒリュウ改のメンバーに対して少女の声がオープンチャンネル越しに響いたと同時にキョウスケのアルトアイゼン・リーゼに黒い閃光が迫る。それにギリギリのところで気づいたキョウスケはアルトアイゼン・リーゼのスラスターを噴かせて上昇してかわす。

 

『アハっ!流石はオリジナル!!今の攻撃をかわすだなんて!!』

 

『黒い、アルトだとっ!?』

 

少女の歓喜に震える声が聞こえるがそれよりもキョウスケたちは目の前の機体に驚いていた。そこにいたのは身の丈ほどあるリボルバーを組み込んだハルバードをその手に握る黒のカラーリングのアルトアイゼン・リーゼ──《アルトアイゼン・クリンゲ》だった。

 

『────姉さん、勝手に先行しないでください』

 

さらにアルトアイゼン・クリンゲの傍にのは青いカラーリングの鳥の羽根の形をしたビット兵器をその翼に持つヴァイスリッター───《アズールリッター》と巨大な両刃の戦斧を構える黒のカラーリングのグルンガスト参式──《グルンガスト帝式》が並び立つ。そしてその3機の前に君臨するのはかつてリュウセイたちSRXチームが《L5戦役》と呼ばれる大戦で苦戦を強いられた強敵である《R-GUN・リヴァーレ》と酷似した黒い翼を生やした黒のカラーリングの機体──《R-GUN・ヴェヒター》だった。

 

(やはり俺たちの世界のリュウセイたちだったか)

 

R-GUN・ヴェヒターのコックピットの中でイングラムはSRXとガーバインMk-III、そしてR-GUNに視線を向けながら心の中でそう呟く。多くの世界の存在を知っているイングラムはハガネとヒリュウ改を最初確認した時は確信を持てていなかったがこうして対峙することで目の前の彼らがイングラムの知るフラスコの世界の住人であると確信できた。

 

(なら今の俺がやるべきは来るべき侵略者との戦いに備え、リュウセイたちを鍛えることだ)

 

この世界はリュウセイたちの世界の敵であるエアロゲイターやインスペクターとは比べ物にならない人類の敵が跋扈している。彼らが生き残るためにもより強くなってもらわなければならない。故にイングラムはリュウセイたちの敵として立ち塞がり鍛えることにした。

 

『イングラム少佐、姉さんがすみません・・・』

 

『構わない。元より素直にこちらの指示に従う連中では無い。寧ろこちらの世界の実力を奴ら自身が味わわせるのにちょうどいい』

 

アズールリッターのパイロットである赤いショートヘアの少女───リルカ・スカーレットは秘匿通信でイングラムに謝罪をするがイングラムは気にする必要はないと言ってからロシェ・ブレードを構える。

 

『それでは私は豊さんたちと姉さんの援護をしながらほかの方たちの相手をしますので、少佐はそちらの相手に集中してください』

 

『感謝する』

 

イングラムは羽根型のビット兵器《フェザーガンビット》を展開するアズールリッターが斬艦斧を肩に携えたグルンガスト帝式と共にガーリオン、ゲシュペンストMk-III、ヒュッケバインMk-IIIたちを引き連れリュウセイたちSRXチーム以外のハガネとヒリュウ改のメンバーに攻撃を仕掛ける。それを確認してからイングラムはR-GUN・ヴェヒターのブースターを噴かせてSRXに接近しながらロシェ・ブレードのビームの刀身を鞭のようにしならせ、その刀身をSRXに叩きつける。

 

『うぉっ!?』

 

咄嗟に両腕に念動フィールドを展開してロシェ・ブレードの鞭打を防ぐが、その威力までは抑えきれずたたらを踏む。当然その隙を見逃すイングラムではなく、SRXの懐に潜り込むと胴体を貫こうとロシェ・ブレードを突き刺そうとするが、横から放たれた銃弾によって足を止められすぐに後ろに下がって距離をとる。

 

『リュウセイたちをやらせない!!』

 

R-GUNのコックピットの中でマイ・コバヤシはそう叫びながらツイン・マグナライフルを連射してR-GUN・ヴェヒターを狙うが、R-GUN・ヴェヒターはロシェ・ブレードを回して迫る銃弾を防ぐ。

 

(レビ・トーラ、いや今はエアロゲイターの傀儡だった頃とは違いマイ・コバヤシとして戦っているか・・・)

 

イングラムはかつて自分と同じようにあのフラスコの世界で異星人であるエアロゲイターの傀儡として操られていた少女が自分の意思でこうして戦場に立って戦っている事実に少し驚きながらもその動きは寸分の乱れもない。

 

『くらえ!ハイフィンガー・ランチャー!!』

 

SRXの指先からビームが放たれるがR-GUN・ヴェヒターはその背中の翼を展開させることで発生した念動力が籠った羽根が周囲を舞い、迫るビームが羽根に当たるとビームが乱反射した。

 

『ビームが乱されただと!?』

 

『あの羽根よ!あの羽根のせいでビームが乱されたのよ!!』

 

(正解だ。だが、それだけでは無い)

 

緑色の羽根《T-LINKフェザー》はイングラムの意思でSRXとガーバインMk-III、R-GUNに向けて念動フィールドを纏った羽根は鋭い刃となって襲いかかる。リュウセイたちは各々の武装を用いて迫るT-LINKフェザーを迎撃するがその念動フィールドの強固さもあって全ては防ぎきれず、その装甲を傷つけていく。R-GUN・ヴェヒターに追い詰められていくSRXチーム。そしてそれは少し離れた場所で戦っているキョウスケたちも同じように追い詰められていた。

 

『そん首置いてけぇ!』

 

『くっ!?』

 

グルンガスト帝式のパイロットである島津豊人は獰猛な笑みを浮かべながら斬艦斧を振るい、その攻撃を虎龍王がソニック・ジャベリンで受け流すも一撃一撃が重いためコックピットの中でブルックリン・ラックフィールドことブリットは苦悶の表情を浮かべる。

 

『踏ん張れガンドロっ!!』

 

『硬いな。だが我が槍はその盾をも砕くっ!!』

 

タスク・シングウジはジガンスクード・ドゥロの展開するG・テリトリーで防御するが、ユーグ・レオニダスの操る青紫のカラーリングの準特機サイズにサイズアップしたゲシュペンスト──《ゲシュペンスト・シヴァ》の操るゲッター合金製の三又槍《トリシューラ》の激しい刺突によってバリアを今にも砕かれそうになっていた。

 

『ライン・ヴァイスリッター。ライ様から与えられたこのアズールリッターの力、見せてあげます』

 

『あら、ヴァイスちゃんの色違いがお相手?いいわ、エクセレンお姉さんが優しくお相手してあげちゃうわ♪』

 

『エクセ姉様・・・』

 

リルカはアズールリッターの元となったヴァイスリッターの発展機であるライン・ヴァイスリッターにライが自分に与えてくれたこの機体の方が優れているのだと証明すべくフェザーガンビットと《ハウリング・ランチャーG》による一斉射撃をライン・ヴァイスリッターとヴァイサーガに向けて放つ。それをライン・ヴァイスリッターのコックピットの中でエクセレン・ブロウニングが軽い調子で答えながら迫るビームをかわし、かわしきれないものは《ハウリング・ランチャー》で相殺することで防ぐ。その様子をラミアはヴァイサーガのマントで防御しながら呆れたようにため息をこぼす。

 

一部のパイロットたちがエース級のパイロットたちを相手している中、ほとんどのパイロットたちはシャドウミラーと第一独立師団の量産機の相手をしていた。三つ巴の戦いになって互いに少なくない被害が出ようとしたその時だった。

 

『っ!?この反応は!?』

 

『ほぅ、まさかこのような時に来るとは・・・』

 

その反応に真っ先に気づいたのはレモンとシュウの2人だった。戦場全体の空間が歪み始めたその現象はこの多元世界が誕生した原因である次元震であり、各艦のモニターに空間異常の警報が鳴り響いていた。

 

『シュウ!てめぇ一体何しやがった!!』

 

『なんでも私のせいにするのは感心しませんねマサキ。これは次元震。この多元世界を生み出した災害ですよ』

 

マサキはこの異常の原因がシュウにあると思ったのかサイバスターのディスカッターの剣先をグランゾンに向けようとするが、次元震の影響で互いに身動きが取れずにいた。それをわかっているシュウは次元震による空間の歪みのデータを取りながらマサキの言葉をそう否定する。

 

『互いにどこへ飛ばされるかは分かりせんが、そう遠くないうちに再会するでしょう。その時、あなた方が賢い選択をすることを願いますよ』

 

シュウがそうハガネとヒリュウ改の人達にそう告げたのと同時にこの戦場にいた勢力はそれぞれ別の場所へと次元震によって飛ばされたのだった。それは偶然にも今現在この地球で強大な力を所持している三勢力であるルルーシュ率いるルルーシュ皇帝軍、シュナイゼル率いる反乱軍、そして裏で何度も地球を守ってきたZEXISとドライクロイツの元へと飛ばされたのだった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

ウォーダンがシャドウミラー・ハガネ・ヒリュウ改と戦闘を行っている頃、神聖ブリタニア帝国首都・ペンドラゴンの王座の間にてルルーシュはある人物と対面していた。

 

「・・・まさか貴様がこうして俺の前に現れるとはな」

 

『そう警戒しないで欲しいものだね。今の私は君たちと敵対する気はないのだから』

 

ルルーシュは目の前の人物を睨みながらそう言うが、それに対してルルーシュの前に立っている人物──否、かつてルルーシュがゼロとしてZEXISとドライクロイツと共に戦っていた頃に倒したはずの存在である黒い仮面と鎧を纏った怪人《アレクシス・ケリヴ》はルルーシュと彼の両隣に立っているライとジェレミアに睨まれながらもそんなことを気にせず愉快そうに笑っていた。

 

「それで、本気なのか?貴様が俺たちに力を貸すというのは」

 

『無論だとも。君たちに協力すれば自ずとグリッドマンと戦うことになるだろう?その時こちらとしてもドライクロイツやZEXISに邪魔されては堪らないのでね』

 

ルルーシュはアレクシスの一見理屈が通りそうな話を聞くが、その程度の理由でこちらに着くはずがないと考えながらその思惑を読み取ろうとする。

 

「それならばシュナイゼルの元でも良かったのではないか?少なくとも敵対していた私よりも良い待遇を得られるのでは無いか」

 

『それもありかと思ったんだがね、あちらにも興味深い御仁がいるのでね。こちらにいた方が何かと都合がいいのだよ』

 

ルルーシュはなんとなくアレクシスの興味を持っている対象が誰であるのか予想がつくのか言及はしないが、その人物と対面することがアレクシスにとって何の意味があるのか情報が少ないため確証を持てないでいた。故にここはアレクシスをこちら側に迎え入れたメリットとデメリットを計りにかける。

 

「・・・いいだろう。貴様の申し出を受けいれよう。だが、こちらにとって不都合な存在だと判断した時点で処分する。構わないな」

 

『寛大な処置、感謝の意たりだね』

 

ルルーシュはアレクシスにそう告げるとアレクシスは愉快そうに笑みを浮かべながら感謝の言葉を述べるがそれが本心からの言葉でないことは誰の目から見ても明らかであった。その後アレクシスは2、3個ほどルルーシュと話し合ってからその姿を消したのだった。

 

「・・・いいのかいルルーシュ。彼の危険性は戦ってきた僕らが一番わかっていることだよ」

 

「だからこそだ。奴が何か企みを持ってこちらに来たのは明らかだ。故に奴の目的を探るためにも手元に置くのが一番だ」

 

ライがアレクシスがいなくなったのを確認してからルルーシュにアレクシスと同盟を組んだことに関して確認するが、ルルーシュとしてはアレクシスが危険だと理解しているからこそ下手に目を離せばシュナイゼルの元あるいはほかの勢力と手を組み敵となった時の危険性を考えれば多少のリスクをとっても手元に置いた方が危険性は多少減ると考えてのことだ。

 

「最低限の監視はつけている。それに何か異常があった場合は対応できるよう対策は用意してある」

 

ルルーシュはそう言うもその顔はアレクシスという危険分子を内に入れたことに対して苦悶の表情を浮かべていた。ライもルルーシュがアレクシスの危険性を理解した上で対策を考えているのならばこれ以上こちらから言うことはないと考え、もし何か予想不能の事態があったとしてもこちらで対処しようと心の中で決めたのだった。

 

「陛下、先程暗黒大陸で活動しているフリューゲル卿とヴォルフガング卿から連絡がありました。現在ディガルド武国が支配している貿易都市《ボルボーグ》への進行準備が完了したとの事です」

 

「そうか。援軍の用意は必要か?」

 

「問題ないそうです。都市内部の勢力は既に把握済みで乱入する可能性のあるジーン討伐軍の勢力を合わせても対処するだけの策と戦力は準備できているそうです」

 

ジェレミアからの報告を聞きながらルルーシュは手元にある資料を確認する。エスデスとベイルがそれぞれ率いる第一・第二機獣師団の主な戦力は地球から遠く離れた星《惑星Zi》に生息する金属生命体《ゾイド》であり、これまで小規模な戦闘を繰り返しその性能を理解したルルーシュであるが、今回の大規模作戦ではエスデスとベイルの2人に《神殺の英傑》に相応しい強力なゾイドの実戦配備が決まっている。そのゾイドの性能を考えれば確かに現在確認されている暗黒大陸に潜む勢力ではその2体のゾイドたちを打破するのは厳しいことが分かる。だが、ゼロとして多くの戦場を経験したルルーシュはこれまで何度もイレギュラーによって作戦が台無しにされてきた。

 

「念の為例のゾイドを派遣しておけ。ZEXISやドライクロイツが乱入してくる可能性も少なからずあるからな」

 

「承知しました。そのように手配いたします」

 

ルルーシュの言う例のゾイドが何であるか知っているジェレミアは一瞬固まるもすぐに指示に従い、礼をしてから離れる。

 

「・・・そろそろ決戦の日が近づいて来たね」

 

「あぁ、既に《神殺の英傑》たちの専用機は完成し、それぞれの騎士団の戦力も整いつつある。後は俺とお前の機体を完成を待つだけだ」

 

ルルーシュとライだけとなった王座の間にてライは確認するようにルルーシュに尋ねるとルルーシュは険しい顔をしながら答える。彼の頭に浮かぶのは現在シュウ・シラカワ、ビアン・ゾルダーク、ロイド・アスプルンド、ビリー・カタギリ等優秀な技術者たちが結集して開発しているルルーシュとライのそれぞれの専用機の姿と、これから先立ちはだかるであろうシュナイゼルら反乱軍とそれに協力する勢力、第三勢力となるであろうZEXISとドライクロイツたちの姿であった。

 

「既に俺たちは立ち止まることが出来ない所まで足を進めた。後はゼロ・レクイエムを完遂するまで立ちはだかる者は全て殲滅する」

 

ルルーシュは覚悟の籠った目でそう告げるのを聞きながらライはルルーシュに気づかれない位の小さな悲しみの顔を浮かべていた。その視線の先には悲しそうにそしてどこか辛そうに柱の影でルルーシュを見つめるC.C.の姿があった。

 

────かつて亡き妹が願った優しい世界を創り出すため、嘘つきの優しい魔王はその内に悲しみや絶望などの感情を封じ込め、本心を人々の憎悪を集める悪逆皇帝という仮面で隠しながら優しい世界にその命を捧げるその日まで、魔王は歩むことを止めない。その事を理解しているからこそ魔女と騎士は魔王の歩みを止めることが出来ないでいた。故に魔女は優しい魔王の事を想うからこそこのような残酷な未来を迎えなくてはならないことに悲しみ、騎士は魔王と魔女のことを理解し思っているからこそもっといい選択肢があるのではないかと考えてしまう。それが果たして本当に彼らにとって正しい選択であるのか、それはその時になるまで誰も分からないのであった・・・





あとがき
はい久しぶりの更新ですがどうでしょうか?リメイク前のキャラだけでなくイングラムなど新しいキャラも新たに仲間に加わってルルーシュ軍はより強くなったと思いますが、他の勢力もちゃんと勢力を整える予定ですのでよろしくお願いします。今回登場したオリジナル機体であるR-GUN・ヴェヒターやヴァルシオーブなどは今後機体設定を投稿する予定ですのでその時に設定を乗せてもらいます。次回は暗黒大陸を舞台にゾイドたちが暴れる予定です。先日ゾイド展に行ったのですが色んなゾイドが展示されてとても楽しかったです。皆さんはゾイドならどんなのが好きですか?自分はジェノスピノとオメガレックス、ゼログライジスですかね。
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