スーパーロボット大戦Z 魔王の降臨   作:有頂天皇帝

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まえがき
今回はライたちによる日本解放戦線殲滅を始めますが、その前に冒頭にて黒の騎士団の現状を軽く説明させてもらいます


第四話 日本解放戦線殲滅作戦、開始

ゼロ───ルルーシュを追放した黒の騎士団は追い詰められていた。

 

元々黒の騎士団はルルーシュがブリタニア・ユニオンと対等に戦うための戦力として作り上げた組織でありその運営はルルーシュと彼の側近兼黒の騎士団参謀であるライを中心としてこれまで運営してきた。超合衆国の案が可決しエリア11を奪還した後は他国との連携とゼロに権力を集中しすぎると後に新たな戦いの火種となる可能性があるため徐々にその運営方針を改善していく予定であったが、敵であるはずのブリタニア・ユニオンの宰相にして第二皇子であるシュナイゼル・エル・ブリタニアの策略によってゼロが追放されたためちゃんとした組織の引き継ぎも無しな状態で組織を引き継いでしまった扇たちは何とか立て直そうと必死にやったことでギリギリ組織の体裁を保てていた。

 

しかしそんな彼らに届いたのはカレンに並ぶエースパイロットであるマーヤ・ディゼルとマリオ・ディゼルを筆頭にゼロに忠誠を誓っていた団員たちが黒の騎士団を脱退しルルーシュの元へ向かったという報告だった。その報告を聞いた扇たちはどういうことかと問いただすべくマーヤたちに何度も通信をかけた。そしえ何度目かの通信でようやく応えてくれたがその時マーヤたちは扇たちに対してかつての仲間としての目は向けず敵対心をあらわにし中には憎悪を隠さないものたちもいた。

 

『私たちは大切な人たちを奪ったブリタニアから日本を取り戻すためにルルーシュと戦ってきた。それなのにあなたたちは敵の宰相と取引をしてルルーシュを売り払った』

 

『敵国の皇子の言葉を簡単に鵜呑みにしてこれまで共に戦ってきたルルーシュを裏切ったあなたたちはもう俺たちの敵だ』

 

『日本のため?笑わせないでくれるかしら。日本人にとっての希望だったゼロを売り払って手に入れた日本に何の価値があるの?』

 

『あの人は何時だって自ら行動し結果を出して私たちの期待に応えてくれました。なのにあなたたちはそれを裏切った』

 

同じ日本人であるマリオ、マーヤ、楯無、箒からは扇たちに失望と怒りが混ざった言葉を吐かれ

 

『ルルーシュ様はブリタニアによって支配されたもの達にとって唯一の希望。それをあなたたちは自分たちの悲願を叶えるためだけに殺そうとした』

 

『僕やセシリアたちの故郷のようにブリタニアに支配された国は日本以外にもある。なのにあなたたちはその人たちを見捨てた』

 

『貴様ら豚に正義の文字を背負う資格はない。この手で始末してやらないだけありがたいと思え』

 

ゼロ──ルルーシュを崇拝・恋慕しているセシリア、シャルロット、ラウラはゼロ──ルルーシュを始末しようとした事と日本以外にもブリタニアに支配されている国はあるというのにそれらの国を見捨て自分たちの故郷である日本だけを救おうとする扇たちに憎悪と殺意の視線を向ける。

 

それ以外のマリオたちに同行している団員たちも言葉に発してはいないものの扇たちに対する思いは同じなのか映像越しからでもわかるほどハッキリとした敵意をむけていた。

 

扇たちは必死にマリオたちに戻ってきてもらおうと説得をするも、扇たちの口から出るのは『悪いのは全てゼロだ』、『君たちはあの男に騙されている』、『ゼロを信じてはいけない』などゼロに対する批判ばかりで自分たちにはまるで非がないと言わんばかりの態度を取り続けていた。マリオたちはそんな扇たちの自己愛(エゴイズム )に満ちた姿に失望を通り越して呆れ、もう彼らにもう未練は無いと言いたげに一方的に通信を切った。扇たちはその後も何度も通信をかけたが無意味に終わった。

 

マリオたちが黒の騎士団を脱退してしまったことは扇と藤堂たちによって緘口令が敷かれ団員たちに広まることは無かったものの、ゼロという希望がいなくなったことで団員たちの間には不安が広がっており、中には脱退を考えるものたちも少なからずいた。

 

さらにゼロが雇っていたアウストラス銀河のアーマードトルーパー乗りの傭兵を初めとした黒の騎士団に雇われた傭兵組織たちもゼロがいなくなったことで金払いが悪くなるのと傭兵ということでどこか下に見ていた扇たちに思うことがあるのか次の契約更新の時に黒の騎士団との雇用契約を破棄を考え始めていた。

 

────たった1人の仮面の英雄に支えられてきた黒の騎士団は彼を失ったことで薄氷の上に立たされてしまったことをこの時の彼らは理解することも出来ず、そしてその事を理解した時には取り返しがつかないところまで落ちていたのだった。

 

 

斑鳩のメインブリッジにて、扇や藤堂たち黒の騎士団幹部と黒の騎士団の協力者としてZEXISに合流せずこの場にとどまったヒイロ・ユイたちコロニーのガンダムのパイロットたち、ヴァンやプリシラ、ネロたちヨロイ乗りたち、キリコ・キュービーら凄腕アーマードトルーパー乗りたち、流竜馬らスーパーロボットのパイロットたちが揃っていた。

 

「扇副司令、先程また黒の騎士団への支援を打ち切るとの連絡が・・・」

 

「そう、か・・・」

 

オペレーターである水無瀬みつきからの報告に扇要は顔を歪ませギュッと力強く拳を握り締める。これで黒の騎士団の支援を打ち切る報告が上がったのは八件目である。しかもその殆どがこれまで黒の騎士団に多くの物資を提供してきた企業ないし組織であったために現在黒の騎士団は物資の補給の目処がたっていなかった。

 

「各地にあったアジトも既にルルーシュの手が回っているせいで物資を回収することも出来ない」

 

「おまけに新たな支援者を募ろうにもゼロがいない黒の騎士団に価値は無いと断られる始末・・・」

 

そしてさらに追い打ちをかけるかのように杉山賢人と南佳高が語る内容に扇たちの間に空気が重くのしかかり嫌な沈黙が流れる。彼らが知る由もないことであるが扇たちへの支援を打ち切ったもの達は全員ルルーシュがギアスで黒の騎士団に支援をするよう命令していた元は奴隷販売やリフレイン製造、イレブン狩りなどを行っていた悪徳貴族たちが運営していたものであり、ルルーシュが皇帝に即位した際に黒の騎士団への支援の打ち切りの命令と代表者の処分を行ったことで黒の騎士団に支援をする理由もなくなりこうして彼らに支援する組織が減っていった。

 

その事を知らない彼らは否が応にもゼロのいない黒の騎士団に価値などないと言い渡されているのを感じざるを得ず、そんな事実を認められないというちっぽけなプライドから扇たちは決して口には出さないものの、ヒイロたちはこのまま物資の補給の目処が立たなければルルーシュに戦いを挑む前に物資が尽き黒の騎士団は空中分解を起こしてしまうことは目に見えていた。

 

「物資の問題もあるがまずは目の前の問題から解決していくぞ」

 

ゲッターチームの1人である真ゲッター2のパイロット神隼人が代表してそう言うと、扇たちもがなり立てそうになるのを抑えその言葉に耳を向ける。

 

現在黒の騎士団は物資の補給という重要な問題に並ぶ問題として日本解放戦線との共同戦線があった。かつてコーネリアによって壊滅させられた日本解放戦線の生き残りとその協力が戦力を集め、日本解放を求め現在エリア11を治めているレイラ・ブライスガウと彼女の補佐を務める別次元からこの多元世界に飛ばされルルーシュに協力している戦士の1人である東方不敗・マスターアジアたちを打倒すべくトウキョウ租界への進撃の準備をしていると報告があった。

 

いくら戦力を整えたところで相手はこれまでブリタニア軍やアロウズ、OZ、インサウラムなど多くの敵をその知略と戦略で打破してきたゼロが揃えた精鋭たちだ。日本解放戦線がゼロたちのいた全盛期の黒の騎士団並の戦力を整えても勝利するイメージがわかないでいた。故に扇たちは日本解放戦線と共同戦線を取るべきだと考えているが、それに対して隼人たちZEXISのメンバーは否定的だった。

 

「なぁ扇さんよぉ。考え直す気はないか?確かに今の黒の騎士団の戦力は心許ない。だからといって・・・」

 

「しかしこれしかない。今の俺たちがルルーシュたちと戦うためには彼らと手を組むしかっ!!」

 

「はっ!そのためにあんなテロリスト連中と手を組むってか?随分とお前ら黒の騎士団も堕ちたもんだな」

 

「なんだとっ!!」

 

車弁慶が扇に対して日本解放戦線と手を組むことを止めるよう進言するが、ゼロたちがいなくなったことによる黒の騎士団の衰退を前に冷静さを無くし始めている扇は日本解放とルルーシュ討伐を成し遂げることしか頭にあらず、かつてのゼロが掲げた黒の騎士団の理念を忘れようとしていた。そんな扇たちを竜馬が鼻で笑い馬鹿にすると千葉凪沙が怒りをあらわにしながら噛みつき言葉に出さないものの朝比奈省吾や玉城真一郎たちも同じように竜馬を睨む。

 

新たな日本解放戦線は草壁除水の息子である草壁玄瑞を筆頭とした急進派によって結成されているためブリタニアに対する敵意が高く、ブリタニア人やハーフ、更には名誉ブリタニア人の存在を認めずこれまで多くのブリタニア人たちを始末してきた。その中には非戦闘員や民間人も多く含まれており、更には先日時空震によって浅間山に出現した早乙女研究所を調査していたルルーシュの配下である新生ブリタニア軍に所属する研究員たちを虐殺し更には早乙女研究所にあったプロトタイプのゲッターロボに生体ユニットとして組み込まれたことが知れ渡ったことで、かつて黒の騎士団が現れるまでは日本人にとって希望とも言える日本解放戦線は今では恐怖の対象としてブリタニア人だけでなく同じ日本人からも恐れられている。

 

故にルルーシュ皇帝軍だけでなく超合衆国、ZEXIS、ドライクロイツの間でも日本解放戦線の討伐の話が上がっており、そんな組織と手を組むなど竜馬たちZEXISに所属するもの達は断固反対だった。しかし扇たち黒の騎士団メンバーは今はなりふり構わず戦力を集めるべきだと考え多少の意見の食い違いは抑えるべきだと言いそれが余計に彼らの間に少なからずの溝を作っていた。

 

また意見の食い違いで竜馬たちと扇たちが衝突するかと思われたその時、パンっ!と勢いよく手を叩く音が聞こえ衝突しそうになった空気が霧散し竜馬たちが音が聞こえた方に顔を向けると、そこにいたのはダイターン3のパイロットであり黒の騎士団への支援も行っている波嵐万丈だった。

 

「今は身内同士で争っている場合ではないだろう。日本解放戦線との付き合いをどうするかはこの後に行われる彼らとの対談で決めるともう話し合ったはずだろ」

 

「・・・あぁ、そうだな」

 

「わかってるよ・・・」

 

万丈の言葉に冷静さを取り戻した扇と竜馬は衝突するのをやめる。それでも彼らの間には言いようがない空気ができているのは避けようがなかった。そして日本解放戦線との対談をどうすべきかの話し合いを始めようとしたのと同時にブリッジに警報が鳴り響く。

 

「どうした!なにがあった!?」

 

扇は突然の警報に慌てながらも何があったのか確認するように声を上げると、オペレーターのである双葉綾芽と日向いちじくが慌てながら報告をする。

 

「せ、先行部隊から入電です!浅間山に滞在している日本解放戦線に対してルルーシュ軍のW-Zero部隊、第二混成師団、第三混成師団、第四機甲師団、そして第零騎士団と深淵騎士団が部隊を展開しているとの事です!!」

 

「既に戦闘は開始されており、倒された日本解放戦線の兵士は全て死亡しているとの事です!!」

 

「な、なんだとっ!?」

 

双葉と日向の報告に藤堂鏡志朗が声を上げ、それに同意するようにその場にいる全員が驚愕で顔を歪ませていた。ルルーシュが日本解放戦線を打倒するために行動を仕掛けてくるだろうと予想は建ててはいたものの、予想より行動が早いのと一兵も見逃す気のない徹底的な殲滅に声も出ずにいた。

 

「くっ!まさかこのようなことになるとはっ!!全艦に通達!最大戦速で浅間山に向かい日本解放戦線の生き残りを助ける!!」

 

扇は斑鳩に同行している全艦に浅間山に進軍することを通達させ、藤堂たちパイロットたちもまたすぐに出撃できるよう機体がセッティングされている格納庫へと走っていった。

 

(ルルーシュ、ライ。あなたは一体何を考えているの?)

 

その中で紅月カレンは1人浅間山の日本解放戦線の殲滅を支持したであろうルルーシュとライが何を考えているのか理解出来ず、悲しみで顔を歪ませながら愛機である紅蓮聖天八極式へと走っていた。

 

◆◆◆◆

 

────日本解放戦線。それはかつてブリタニア・ユニオンに反抗するエリア11の最大規模のレジスタンス組織の名だった。

旧日本軍の残存戦力を中心にして構成され、ゼロが台頭するまではブリタニアも不用意に手が出せない相手として最大限の警戒をしていた。

しかしゼロが台頭したことと日本解放戦線のメンバーの1人である草壁除水中佐を中心とした急進派が起こしたカワグチ湖ホテルジャック事件をきっかけにその名は地に落ちていった。

人種や身分を問わず弱者と呼ばれる存在を助けるゼロと、ブリタニア人であれば一般人であろうとお構い無しに殺す草壁ら急進派。徐々に日本人、ブリタニア人問わず支配されてきた弱者に位置するもの達はブリタニア貴族たちによるハンティングゲームや無理難題をふっかけての強奪などの被害が減ってきたことからゼロに希望を見出し始め、反対に日本独立に拘るあまり苦しんでいる日本人たちのことを蔑ろにする日本解放戦線に期待するもの達はいなくなっていた。

 

そして極めつけが日本解放戦線の拠点であるナリタ連山での当時のエリア11総督コーネリア・リ・ブリタニア率いるブリタニア軍との戦いで大敗を決したことであろう。黒の騎士団の参戦があったことで壊滅は避けられたものの日本解放戦線はコーネリア軍に対してろくな抵抗も出来ず一方的にやられたことで全体の六割近くのメンバーが死亡した。

さらにブリタニア軍によって捕まっていた日本解放戦線の実質リーダーと言っても過言ではない《厳島の奇跡》としてその名を馳せた藤堂鏡志朗をゼロが救出したことにより藤堂と彼の直属配下である《四聖剣》を筆頭とした藤堂を慕う慎重派のメンバーが黒の騎士団に参加したことにより日本解放戦線の名は人々の間から過去のものへとなっていた。

 

しかしそれでもブリタニア人やハーフなどと協力する黒の騎士団の存在を認めず日本人だけの力で日本を取り戻すべきだと言う固定概念で練り固まっている草壁の息子である草壁玄瑞を筆頭とした急進派の生き残りは独自に活動を続けていた。

黒の騎士団が表立って活動している裏で玄瑞らは彼らと志を同じにするブリタニア人やハーフの存在を認めない真の日本人であるレジスタンス組織やゲットーの住人たちから勇姿を集い着々と戦力を集めていた。

さらに先の第2次ブラックリベリオン時では警備が手薄になっていた日本解放戦線のメンバーが捕らえられている各地の留置所を襲撃し多くの人員を確保するだけでなくブリタニア軍の所有するナイトメアやモビルスーツを始めとした機動兵器たちの強奪に成功した。

 

これにより十分戦力は整ったと玄瑞らは確信を持ち、いざ日本を取り戻そうと行動を起こそうとしたところでシャルル・ジ・ブリタニアの死亡と新たな皇帝としてルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの即位が報じられた。これにより当時の総督であったナナリー・ヴィ・ブリタニアが行方不明だったことで混乱状態だったエリア11に総督代理として派遣されたレイラ・ブライスガウによってある程度の落ち着きが生まれた。

 

いよいよ日本を悪しきブリタニアの豚共から解放できると勇んでいた所を出鼻をくじかれた玄瑞らは怒りで顔を赤く染めた。さらにレイラの手腕によって玄瑞の同士たちの拠点が次々と潰され決戦に向けて集めた同士たちは次々と捕縛あるいは殺された。このままでは日本を解放する前に全滅してしまうと誰もが焦りを見せ始めた時に彼らの前にエンブリオなる人物が現れた。

 

突然どこからともなく現れたエンブリオに玄瑞らは困惑したが、それよりも彼から与えられた情報を聞くとそんなことはどうでも良くなった。エンブリオ曰く先日の大時空震によってエリア11の浅間山に別次元の早乙女研究所が出現したこと。そこにはゲッターロボを始めとした強力な機動兵器たちが眠っていること、ブリタニアの最新鋭の設備にも負けず劣らずの兵器生産工場、さらに新品同然の防衛設備など今の玄瑞らにとって喉から手が出るほど欲しいものが揃っていると知った。

 

それからの玄瑞らの行動は早く残存戦力全てを浅間山の早乙女研究所に向かわせ、研究所を調査中だったルルーシュが派遣した調査隊を殺戮し現在はナイトメアやモビルスーツなどを大量生産しつつ来るべき決戦に向けて戦力を整えていた。

 

◆◆◆◆◆◆

 

「────全員揃ったようだな」

 

浅間山を囲うように展開しているルルーシュ皇帝軍の部隊の一角で待機している第零騎士団の母艦であるユグドラシル級戦艦《アトラス》のブリッジにいるライはモニター越しに聞いているこの戦場に集まっている第零騎士団、深淵騎士団、W-Zero部隊、第二、第三混成師団、第四機甲師団に今回の作戦内容を話始める。

 

「今回の第一目標として日本解放戦線残党の壊滅と早乙女研究所に保管されているデータの入手。データの方は最悪確保しなくて構わないがこの先のことを考え害となる日本解放戦線の残党は一人残らず殺せ」

 

ライは氷のように冷たい瞳でそう命令をくだす。かつて彼と共に戦場を駆けたことのあるZEXISやドライクロイツの面々が見ればあまりの変わりように言葉も出ないが、シャルルによって記憶を消され敵として立ちはだかった時にみせた冷血な騎士『アルジャン・リュージェ』としての姿を思い起こさせるものだった。

 

「現在判明している日本解放戦線の主な戦力は日本製ナイトメアである無頼、無頼改、暁などを中心としそこにブリタニア軍基地から強奪したモビルスーツやナイトメア、裏ルートで闇取引されていた機体。そして早乙女研究所に保管されていたプロトタイプのゲッターロボたち。他にも戦力を隠している可能性はあるだろうがそれを踏まえた上での作戦内容を伝える」

 

ライは右手を振るうと正面に複数のモニターが浮び上がる。そのモニターの1つには浅間山周辺の地図とライたち新生ブリタニア皇帝軍と日本解放戦線の戦力が細かく映し出されていた。

 

「主隊となるのはW-Zero部隊、第二混成師団、第三混成師団、そして第四機甲師団。それぞれ東西南北に別れ早乙女研究所の非常用脱出口を制圧しだい日本解放戦線の逃げ場を奪いながら中央に追い立てろ」

 

名前を挙げられたレイラ、ティア、アリシア、セレスたち各部隊の代表たちはライの言葉に頷きながら各自すぐに行動に移せるよう部隊編成を考えている中、名前を挙げられなかったライ直属の配下である第零騎士団とルルーシュ直属の親衛隊である深淵騎士団が自分たちのでは無いのかと不安で声を上げそうになるもライが一睨みすることで直ぐに静まりかえる。

 

「話は最後まで聞け。第零騎士団と深淵騎士団は後詰として日本解放戦線が想定外の戦力を出してきた時の対応もあるが、それ以上に戦闘中に現れるであろう黒の騎士団とZEXISの相手をしてもらう必要がある」

 

黒の騎士団とZEXISの名を聞いた瞬間、レイラたちは顔を引きしめ警戒心を高めるのに対して深淵騎士団の面々は黒の騎士団の名前を聞いた瞬間、殆どのものが憎悪と怒りによってその顔を歪ませていた。その事に気づきながらライはあえて指摘せず話を続ける。

 

「黒の騎士団は一部を除いてその殆どが烏合の衆でしかないためそこまでの脅威ではないがそれでも油断はできない。そして言わずもがなだがZEXISは一人一人がエースパイロットと呼んでも過言では無い精鋭揃いだ。1度の判断ミスでこちらが壊滅する可能性もある」

 

ライのその言葉に誰もが反論できずにいた。黒の騎士団にはまだエースである紅月カレンと黒の騎士団の協力者であるキリコ・キュービーたち凄腕アーマードトルーパー乗り、夜明けのヴァンたちヨロイ乗り、シーブック・アノーたち別次元のガンダム乗りたち、そして流竜馬たちゲッターチームなどのスーパーロボット乗りたちなどがいる。

 

そしてZEXISには黒の騎士団に協力している以上の数のガンダムやスーパーロボットなど優れた機体とエースパイロットたちが揃っていた。そんな彼らを片手間に相手取るのは自殺行為でしかないためライは最大限の警戒を抱いていた。

 

「わかっているとは思うが今回の戦いはあくまで来る聖戦に向けての前哨戦でしかない。故に無様な敗北も苦戦も決して許されない。ルルーシュ陛下が求めるのは圧倒的な勝利だ」

 

『『『『イエス・マイ・ロード!!』』』』

 

ライは威圧感を込めながら確認をするかのようにそう告げる。その言葉に常人ならば気圧されそうになるが、ティア達は当然であると受け止めその言葉に応える。それをライは確認しながらもその目は浅間山に巣食うルルーシュに敵対する虫けらたちに向けていた。

 

────そして1時間後、浅間山を舞台にした戦い、否圧倒的な力による鏖殺が開始されるのだった。

 

 

 

浅間山の早乙女研究所を拠点にしている草壁玄瑞ら日本解放戦線残党たちは突然のルルーシュ皇帝軍の襲撃の報せに動揺したものの元よりルルーシュたちを打破し日本を取り戻すための戦力を集めていたのだ。故に彼らはここでルルーシュの戦力の一角を倒し日本解放への足がかりの一歩にすべくやる気を漲らせていた。

 

『日本解放を謳う同士諸君よ!今こそ我ら日本解放戦線の力を悪しきブリタニアの豚共に見せつけてやるのだ!』

 

『そして取り戻すのだ!我らの手で輝やしき日本の未来を!!』

 

直参仕様暁を操る日本解放戦線の指揮官の男たちがこの場に集いし日本解放を謳う同士たちを鼓舞するかのように声を上げる。それに答えるように日本解放戦線の兵士と彼らに同調した黒の騎士団に協力しなかったレジスタンスや租界の住人、そしてヒューマンデブリやブーステッドチルドレンなどの使い捨ての兵士たちが機体に乗り込むと迫り来るルルーシュの先兵たちを迎撃せんと出撃した。

 

四方にそれぞれ別れた彼らは迫り来る敵部隊に向けて進軍を開始した。最初に衝突したのは北部から進軍を開始しているレイラたちW-Zero部隊だった。

 

『いたぞ!あれはAEUの特殊部隊W-Zero部隊だ!!』

 

『日本人の血を引きながら我らの宿願を理解せぬ愚か者共が!その罪、自らの血で贖ってもらうぞ!!』

 

同じ日本人でありながら邪魔をするW-Zero部隊に対して殺気を漏らしながら日本解放戦線の兵士たちはまずは鋼髏とパンツァーフンメル、ガルドメアによるナイトメアもどきたち戦闘AIと自爆機構を搭載した機体たちが砲撃を行いながら特攻を仕掛けてくるの。それに対してレイラはドルイドシステムによってより精密な動きが可能となったW-Zero部隊が運用する特殊作戦機であるナイトメア《アレクサンダ》のデータを元に開発された無人機《アレクサンダ・ドローン》で迎撃を行う。通常武装のドローンを守るように前に立つタワーシールド《テルモピュライ》と長槍《ファランクス》を構える重武装タイプのアレクサンダ・ドローン《アレクサンダ・ドローン:タイプF》がその身の丈ほどあるテルモピュライで迫り来る鋼髏とガルドメアを引き潰しながらファランクスでパンツァーフンメルの胴体を貫いていく。

 

アレクサンダ・ドローン:タイプFたちを回避して突破を試みる機体もいたが、前に出た瞬間、アレクサンダ・ドローンの持つ手打ち式射撃兵装WAW-04 30mmリニアアサルトライフル《ジャッジメント》によって蜂の巣にされるか、後方で待機している偵察・狙撃用にカスタムされた軽武装のアレクサンダ・ドローン《アレクサンダ・ドローン:タイプC》によるレールガンの狙撃によって動力部を狙い撃ちされ隣接する機体を巻き込んで爆散していく。

 

『くっ!?やはりナイトメアもどきでは相手にならぬかっ!!』

 

『問題ない!元よりあの程度で削れないことは想定内の事だ!!』

 

鋼髏たちが次々と破壊されその残骸を踏み越え敵が迫ってきているというのに彼らに動揺の色は見えないでいた。何が彼らをそこまで強気にさせるのかと知らぬものが見れば思うだろうが、その答えは直ぐに判明した。

 

『お待たせしました!!杉森少尉!松島少尉!』

 

『おぉ来たか!松下准尉。それが・・・っ!!』

 

『はい!日本を解放するための我々の新たな力《見島》です!!』

 

直参仕様暁に乗る杉森少尉と松島少尉にオープンチャンネルで声をかけながら後方の拠点から雷光や無頼、無頼改、暁たち日本製ナイトメアを引き連れながら先陣を進むのは5機のナイトメアだった。

 

それは水牛を思わせるような角を生やした頭部、大型レールガンと一体化した右腕に大型ペンチとガトリング砲を組みあわせた複合兵装の左腕。そして両膝部にハドロン砲を装備した大型の重砲撃型ナイトメア《見島》だった。

 

この機体は日本解放戦線が襲撃したブリタニア軍基地で強奪した新型ナイトメア《ガレス》を元に独自に改良を施したことで生まれたこの機体は圧倒的な火力で敵を殲滅し多くの日本解放を邪魔をするナイトメアやモビルスーツなどを鉄くずに変えてきた。その力を知っているからこそ彼らは見島の登場はこちらの指揮を上げるには十分な存在だった。

 

────しかし、そんな彼らの心情を踏みにじるかのようにハンニバルの亡霊たちはその剣で彼らを断罪する。

 

『────え?』

 

見島のパイロットの1人である若い男のパイロットはそんな声を上げると同時に突如目の前に現れたダークレッドのアレクサンダ《アレクサンダ・レッドオーガ》の握る中型ブレードによって見島の胴体を貫かれ、胸部のミサイルポッドが誘爆し隣接していた雷光と無頼たちを巻き込んで爆散する。

 

『アシュラ隊、暴れるぞ!!』

 

アレクサンダ・レッドオーガのパイロットであるアシュレイ・アシュレイはコックピットの中で獰猛な笑みを浮かべながらオープンチャンネルでそう叫ぶと、それに答えるように何も無い場所から突然姿を現したのは赤と金のカラーリングが特徴的な剣戟特化にカスタマイズされたヴィンセント《ヴィンセント・ソードマン》。突然現れたアレクサンダ・レッドオーガたちに松下たちは動揺してしまうが、そんな隙を見逃すアシュレイたちではなく攻撃を開始する。

 

『くっ!?このぉ!!』

 

アシュレイたちの登場から立ち直るのが一足早かった松下の見島が大型ペンチをアレクサンダ・レッドオーガに向かって勢いよく振り下ろすが、アシュレイはアレクサンダ・レッドオーガをインセクトモードに変形させ四足歩行になりかわす。そばにいた3機の無頼がアサルトライフルを構えながらアレクサンダ・レッドオーガに向けて斉射するもその銃撃はかすりもせず、横から現れたヴィンセント・ソードマンのヒートブレードによって胴体を切り裂かれ、3機の無頼は爆散する。

 

『アシュラ隊だと!?あの我らが同士であるヤマト同盟をたった7機で壊滅させたというあの忌々しい小僧共かっ!!』

 

『怯むなっ!我ら誇り高き日本解放戦線の英傑たちが奴らのような野良犬に負けるなどあってはならぬ!!』

 

杉森と松島がまだ戦える同士たちを鼓舞するように声を上げるが、意気込みがあってもアシュレイたちと彼らでは死線を潜り抜けた数とその実力の差は比べようがなく、日本解放戦線の残党たちはその数を着実に減らしていった。

 

『舐めるなぁぁぁぁっ!!』

 

追い詰められていることを認められず叫びながら松下は三島の両膝部のハドロン砲と右腕部大型レールガン、胸部のミサイルポッド、左腕部のガトリング砲を一斉に放射しアレクサンダ・ドローン、ドローン:タイプF、ドローン:タイプCたちを破壊しながらアシュレイのアレクサンダ・レッドオーガとアシュラ隊のヴィンセント・ソードマンたちに狙いを定めるもかわされる。

 

『おのれぇっ!ルルーシュに尻尾を振る野良犬どもがっ!!我らの邪魔をするなぁ!!』

 

杉森と直参仕様暁が怒りの声を上げながら廻転刃刀でアレクサンダ・レッドオーガに斬り掛かる。しかし、その刃が届くよりも先にその胴体に刃が振り下ろされた。

 

『───ごちゃごちゃうるせぇんだよ。テメェらみたいな老害の出る幕はもうねぇんだよ』

 

ダークブルーのアレクサンダ《アレクサンダ・ヴァリアント》のパイロットである佐山リョウが獰猛な笑みを浮かべながら直参仕様暁の胴体から《対KMF戦闘用可変アックス》を引き抜くと爆発する寸前の直参仕様を雷光の足元に蹴り飛ばし、雷光を巻き込みながら爆散した。

 

『す、杉森!?おのれ野蛮な猿が!!日本人の誇りを忘れブリタニアの豚に従う貴様らに我ら真の日本人が負けるなど───』

 

同士である杉森が死んだことに動揺した松島だが、すぐに怒りで我を忘れリョウのアレクサンダ・ヴァリアントに斬り掛かろうとするも、それより先に胴体を狙撃され爆散する。

 

『───油断大敵だよリョウ。まだ戦いは始まったばかりなんだから』

 

『へっ、こんな連中じゃ肩慣らしにもなりやしねぇよ』

 

大型電磁加速砲《リニアレールカノン》を構えているアレクサンダ・ヴァリアントのパイロットである成瀬ユキヤがリョウに対して不敵な笑みを浮かべながらそう言うも、リョウは近くにいる無頼改の胴体を大型の《リニアチェーンガン》で撃ち抜きながら軽口を叩く。W-Zero部隊の精鋭の3人を中心にしたW-Zero部隊の進撃に追い詰められていく日本解放戦線の部隊。しかしそれは他のエリアで戦っている部隊にも言えたことだった。

 

『こ、こちら南の葉山隊!現在第二混成師団と交戦中!!至急応援を求む!!』

 

南側で戦闘を行っている葉山中尉が指揮するフラッグやティエレンなどの鹵獲機部隊を中心に指揮をしているが、第二混成師団の量産型ヒュッケバインMark-II、量産型ゲシュペンストMark-II、ビルトシュバイン、ビルトラプター、シュッツバルト、エルアインスによるパーソナルトルーパーとサザーランド、グロースター、暁、ヴィンセント・ウォード、ガレスによるナイトメアフレームの混成部隊による一糸乱れぬ連携を前に追い詰められていた。

 

『おのれぇ!調子に乗るなよルルーシュの飼い犬風情が!!』

 

ジンクスIIIを操る宮下准尉が声を上げながら戦線を突破し奥にいるであろう指揮官機を討とうとGNフィールドを展開しながら突撃を仕掛ける。その手に握るGNビームライフルを放つ直前、GNフィールドを突破しその胴体を巨大なアームクローが貫きジンクスIIIは身体を両断され爆散する。

 

『ルルーシュ様に歯向かう蛆虫共が。大人しくこの地で朽ちゆけ』

 

ティア・ハーゲンティルは氷のような冷たい瞳で砂糖に群がる蟻のように湧いて出てくる日本解放戦線の兵士たちを見下しながら、《 月の騎士(ナイトオブムーン )》専用機であるナイトギガフォートレス《ガウェイン・ドグマ》による猛攻で鏖殺していく。

上半身の本体部分(コアユニット)である《コアガウェイン》の両肩の改造されたハドロン砲《ハイパーハドロン砲》と両手に装備されている2丁のハドロンブラスターライフル《ガーンディーヴァ》、下半身の外殻部分(ハルユニット)の《ドグマユニット》の背部に収納されている12基のビット兵器《ハドロンビット》、上半身と下半身にそれぞれ内蔵されている大型と小型のミサイルランチャー、ガトリング砲が内蔵された《ガトリングサブアーム》、そしてハドロン砲を内蔵した大型有線クローアーム《トリシューラ》による圧倒的な大量の銃火器を一斉砲撃して、日本解放戦線の鹵獲機部隊を浅間山ごと焼き尽くす勢いで蹂躙し、ティアたちの通る道は破壊された機体の残骸と火の海へと変わっていく。

 

葉山たちも必死にガウェイン・ドグマに対して必死に攻勢を仕掛けるも、ガウェイン・ドグマの電磁装甲による防御の前に防がれ目立った外傷は全くと言っていいほど見られなかった。

 

『そんな・・・っ!?』

 

『あれほどの攻撃を受けて無傷だなんてっ!?』

 

ガウェイン・ドグマのあまりの頑丈さに呆然となる日本解放戦線の兵士だが、この場は戦場でありそのような無様な姿を晒す余裕などあるわけがなくガウェイン・ドグマのガーンディーヴァから放たれるハドロンブラスターによって機体を融解され爆散する。

 

『全機、そのまま進軍を続けなさい。ルルーシュ様に刃向かったことをあの世で後悔させなさい』

 

『『『イエス・マイ・ロード』』』

 

ティアの言葉に答えながら第二混成師団の兵士たちは破壊された日本解放戦線の機体の残骸を踏みにじりながら進軍を進める。その姿は罪人に審判を下すべく歩みを進める地獄の番人のようであり、日本解放戦線の兵士たちは恐怖で足がすくみそうになるのを必死に堪えながら日本解放を胸に抱き迎撃する。北と南も苛烈極まるが、それ以上に日本解放戦線にとって地獄とも言えるような惨状を広げているのは西と東であった。

 

◆◆◆◆◆

 

浅間山の西エリア。ここの部隊は薬漬けしたブーステッドチルドレンの乗るユークリッドやザムザザー、ゲルズゲーなどのモビルアーマー、自由と引き換えに命懸けで戦うヒューマンデブリの少年兵、そしてブリタニア人や名誉ブリタニア人など日本解放戦線にとって敵とも言える人間たちを生体ユニットとして組み込んだ早乙女研究所にあったプロトタイプ・ゲッターたちによって形成されており戦闘力であれば現在日本解放戦線が保有する中でもトップクラスだった。故にこの部隊を任されている桐生少佐は勝利を疑わずこの地に踏み込んだ第三混成師団を迎撃を早く終わらせほかの部隊の援護に向かおうと考えていた。しかしそんな彼に待っていたのは圧倒的な勝利による日本解放戦線の姿ではなく、圧倒的な力によって蹂躙される現実だった。

 

『う、うわぁぁぁぁっ!?』

 

『な、なんだよコレ!?こんな化け物に勝てるわけ────』

 

ヒューマンデブリの少年兵たちが操るガルム・ロディが接近してくるゲッター1に酷似したゲッターロボ───《ゲッターα》にライフルを構え砲撃するも、ゲッター合金製の装甲に傷をつけられず近づいてきたゲッターαが振り下ろしたゲッタートマホークによって両断され爆散する。そして別の場所では陽電子バリアを張るもバリアごとゲッター2に酷似したゲッターロボ───《ゲッターβ》の右腕のゲッタードリルによって貫かれるザムザザー、頑強な装甲を拳の跡と細かい刃による傷によってボロボロになっていく頭部がゲッタードラゴン、胴体がゲッター3、脚部がゲッターライガーのプロトタイプ・ゲッターの頭部をゲッター3に酷似したゲッターロボ──《ゲッターγ》が握りつぶす。

 

他の場所でもランドグリーズ、量産型グルンガスト弐式、ジガンスクード、ジガンスパーダたちスーパーロボット並のパワーを誇る特機部隊とドム・ノーミーデス、グスタフ・カール、ドライセン、ザメル、ドライセン、ティエレン長距離射撃型などの重砲撃型モビルスーツたちによる圧倒的な火力によって桐生の部隊の機体が次々と破壊され残骸が転がっていた。

 

『な、なんなんだこれは────!?』

 

『落ち着いてください少佐!』

 

『まだ我らがおります!!』

 

桐生は目の前に広がる地獄のような光景にレギンレイズのコックピットの中で悲鳴をあげるかのように叫んだ。勝利を確信していた桐生は自分たちが追い込められているという事実を認められず叫びそうになるが、直属の部下である三井と矢吹がシュヴァルべグレイズのコックピットの中から桐生に声をかけることで多少の冷静さを取り戻し、拠点に待機している本隊に応援を呼びかけようと通信機に手をかけようとした直後、桐生のレギンレイズの両脇にいた2機のシュヴァルべグレイズの胴体を弾丸が貫き、胴体に風穴を開けながら後ろに倒れ込んだ。突然の銃撃に動揺しながら桐生は銃弾が放たれた方角を見るとそこには化け物と形容するしかないおぞましい姿の機体がいた。

 

『どうやらあなたがこの部隊の指揮官のようですね』

 

アリシア・ヴィエルジェはコックピットの中から桐生のレギンレイズを見下ろしながらそう言う。彼女の乗る機体は頭部と胴体だけを見ればゲシュペンストMark-IIのものであると分かるが、その全体の姿は不気味と言っていいほどおぞましい姿であった。

 

右腕はジガンスクード・ドゥロの右腕とシーズアンカーユニット、ゲシュペンストMark-IIの2本。左腕はグルンガスト参式とガーリオン、ヴァイスリッターの3本。脚部は右足はエクスバインボクサー、左足はアースゲイン。さらに腰部には斬艦刀とシシオウブレード、サイバスターのディスカッター、ヴァルシオーネのディバイン・アームを帯刀している。右肩部にラーズアングリフのソリッドカノン、左肩部にはアルトアイゼンのクレイモアが装備され、バックパックには大型テスラドライブを搭載したフライトユニットにアシュセイヴァーのソードブレイカーとR-3パワードのテレキネシス・ミサイル、予備兵装であるヴァイスリッターのオクスタンランチャー、R-1のG-リボルバーが装備されていた。

 

その紫色の異形のゲシュペンストの名は《ゲシュペンスト・キメラ》。別次元の存在であるハガネとヒリュウ改に所属する機体たちのパーツをベースに作り上げられたその機体はまさに化け物と呼称されてもおかしくないほどであった。

 

『こ、この化け物がぁっ!!』

 

桐生はあまりのゲシュペンスト・キメラのおぞましさに恐怖で指を震わせながらもレギンレイズのソードを構えるとゲシュペンスト・キメラに向かって吶喊を仕掛けるが、その刃が届くよりも先にゲシュペンスト・キメラはグルンガスト参式の握る斬艦刀で斬り捨てる。

 

『戦う意思のない弱者たちを平然と兵器として扱うアンタたちの方がよっぽど化け物よ』

 

アリシアは両断されたレギンレイズを見下ろしながらそう吐き捨てる。指揮官が倒れたことで日本解放戦線の兵士たちの間では動揺が広がるが、既に戦闘しか頭にないブーステッドチルドレンと生体ユニットとなった元人間たち、そして生き残るために死に物狂いなヒューマンデブリたちの動きは全くと言っていいほど変化が見られなかった。

 

『全機そのまま殲滅を続けなさい。ただしヒューマンデブリには降伏勧告を行い降伏をしたものは武装解除した上で拘束しなさい』

 

『『『イエス・マイ・ロード』』』

 

アリシアはそう第三混成師団の兵士たちに命令を下しながら右肩部のソリッドカノンと左肩部のクレイモアによる砲撃で下から攻撃を仕掛けようとしていたザムザザーとユークリッドたちを撃ち抜き爆散させる。圧倒的な力の前に逃げ惑う日本解放戦線の兵士たちと恐怖から降伏するヒューマンデブリの少年たちの姿が戦場のあちこちで上がるが、敵対したものと日本解放戦線の兵士たちに容赦なく第三混成師団の重砲撃が破壊の限りを尽くしていく。

 

そして最後の戦場である東エリア。そこは早乙女研究所への侵入ルートがあることから日本解放戦線の最大戦力を掻き集め最も分厚い防衛ラインを築いていた。最新鋭のナイトメアである三島やヴィンセント指揮官機のデータを元に開発された剣戟特化の日本製ナイトメア《鬼夜叉》を初めとした暁、鳴月、無頼改などの日本製ナイトメアフレーム、ジンクスIIIやアヘッド、エンプラス、トーラス、ビルゴIII、デストロイガンダムなどのアロウズやOZからの鹵獲モビルスーツとモビルアーマー、そして特に状態の良かったプロトゲッターたちが所狭しと並んでおり、早乙女研究所の防衛設備と合わせて難攻不落の要塞と化していると誰もが思っていた。しかしその余裕も第四機甲師団との戦闘が始まると同時に崩れてしまった。

 

『くそっ!なんだよコイツら!?』

 

『怯むなっ!!ここを突破されてしまえば拠点への侵入を許してしまう!!ほかの舞台からの援軍が来るまで耐えるんだ!!』

 

2機の三島が膝部ハドロン砲と右腕部大型レールガンで迫り来る第四機甲師団のザクIII、グフ・カスタム、ヒルドルブ改、ゼー・ズール、ドライセン、シュツルム・ガルス、ガ・ゾウム、ズサらネオ・ジオンのモビルスーツたちによる攻めもあるがそれ以上に彼らを追い詰めるのはルルーシュの新たな協力者である彼らの存在があった。

 

『ハハハハハハ!!なんだ、やはり所詮はブタどもの集まりか!? 楽しませてくれると思ってはいたが、買い被っていたらしいな!!』

 


『・・・ゾギリアと、ルルーシュ皇帝の敵に、死を・・・』

 

戦場を縦横無尽に舞い踊り、2機が日本解放戦線の防衛部隊を突破する度にその通り道には破壊された機体たちが花火のように爆散しながらその残骸を積み上げていく。

 

それぞれピンクと紫で彩ったカラーリングの人型機動兵器。それらはこの世界とは別の次元から現れた数多ある機体のひとつで、その名は《ヴァリアンサー》。ピンク色を基調としたカラーの高機動型ヴァリアンサーの名は《カルラ》で、紫を基調としたカラーの重武装型ヴァリアンサーの名は《ネルガル》。それらの搭乗者で紫のネルガルのスピーカーから声を発したのはビゾン・ジェラフィルだ。そしてピンクのカルラのコクピットの中でヒナ・リャザンは光のない瞳で感情の乗っていない声で呟いていた。

 

彼らはルルーシュと手を組んだ同盟国の一つであるゾギリアから派遣された精鋭部隊《アルフリード隊》の一員であり、現在は第四機甲師団の客将として迎え入れられていた。

 

『くっ!舐めるなぁ!!』

 

ネルガルとカルラによって次々と同士たちが討ち取られていくのを見て我慢が出来なくなった鬼夜叉のパイロットである鏑木が腰部のスラスターを勢いよく噴かせて一気にネルガルに接近するとゲッター合金でコーティングされたことで斬れ味が格段に増した近接武器《近接戦闘長刀》を構え、その背後を切りさこうとする。

 

『遅いんだよ、このノロマがぁッ!!』

 

しかしその程度の攻撃に遅れをとるようなビゾンとネルガルではなく、鬼夜叉による斬撃が放たれるよりも先に横にスライドし鬼夜叉の胴体に両腕に装備されたバズーカ《ネクターバレットバズーカ》を突きつけると同時に砲撃を行うい、鬼夜叉は上半身を融解させながら爆散する。また1人同士を殺された日本解放戦線の兵士たちは怒りで我を忘れ防衛ラインが崩れるのもお構い無しに攻勢に出る。しかし、そんな彼らを嘲笑うかのようにカルラは大鎌付きライフル《ネクターバレットライフル》で斬撃と射撃を使いこなしながら近づく暁、鳴月、ジンクスIII、トーラスたちを切り裂き、撃ち抜いていった。

 

『2人に遅れをとるな!我々も続くぞ!!』

 

黒のヴァリアンサー────アルフリード・ガラントが駆る《アルシエル》の近接武装であるネクターソードでプロトゲッターの頭部を切り落としながらアルフリード隊の面々に対してオープンチャンネルで声をかける。

 

『なんだよ噂の日本解放戦線も大したことねえな。こんなんじゃ満足出来ねぇぞ!!』

 

『気は進まない戦いだけれど・・・喧嘩を売った相手を間違えたってとこかな?』

 


一方で、タルジム・ヴァシリーが駆る緑のヴァリアンサー《オーガ》と、ラーシャ・ハッカライネンが駆る水色のヴァリアンサー《クリシュナ》が指揮が乱れて連携も取れずにいる日本解放戦線の部隊をアルフリード隊の一般兵仕様のヴァリアンサー《クーゲル》たちと共に討ち取っていく。

 

『へぇ。思ったよりも使えるじゃない』

 

セレス・アルカディアはルルーシュから与えられた機体のコックピットからビゾンたちの様子を見ながらそう呟く。セレスの機体はモルドレッドの発展機の一機《モルガン》を本体部分>(コアユニット)にして外殻部分>(ハルユニット)である《ロードレスユニット》を組み込ませたナイトギガフォートレス《モルガン・ロードレス》。背部に搭載されたコンテナにはミサイルと10機のハドロンビット、外殻部分の横に装備されたナパーム弾内蔵の大型クローアーム。下部には2丁の大型リニアライフル。上部の左右にそれぞれ大型ガトリングガンを装備。そして主武装として黒い十字架状の斧にも見える槍型のMVS《アラドヴァル》と両肩のシールドユニットを連結させることで放つ8連装ハドロン砲《ディザスターハドロン砲》を所持している。

 

『────アルカディア卿。早乙女研究所の入口を発見しました。しかしその前にプロトゲッターたちが立ち塞がっておりまして突破が困難とのことです』

 

『そう、なら仕方がないわね。それじゃあほかの部隊に私の射線上から離れるように伝えなさい』

 

『イエス・マイ・ロード』

 

セレスのモルガン・ロードレスに近くに来たイフリード・シュナイドからの報告を聞いたセレスは凶悪な笑みを浮かべるとモルガン・ロードレスの両肩のシールドユニットを連結させ、足場を固定するために地面にアンカーを打ち込み反動を抑えるために固定する。

 

『さぁ、陛下に牙むく愚者たちに裁きの炎を与えてあげましょう!!』

 

ディザスターハドロン砲から放たれる赤黒いハドロンのエネルギーは射線上にいる日本解放戦線のナイトメアとモビルスーツ、モビルアーマーたちを溶解させながら入口を警備していたプロトゲッターたちを爆散させた。

 

『研究所の入口が開いたぞ!!』

 

『全機、中に侵入し草壁たち日本解放戦線の主力を討伐せよ!!』

 

『させるか!全機、奴らの侵入を防げ!!』

 

プロトゲッターたちが破壊され焼け爛れた研究所の入口を確認した第四機甲師団の兵士たちがそう高らかに声を上げながら我先に早乙女研究所へ進入すべく機体を走らせるが、それを見過ごすまだ残っている日本解放戦線の兵士たちではなく立ち塞がるように機体を走らせる。

 

─────四方の部隊は次々と討ち取られその骸を晒しながら日本解放戦線は壊滅までのカウントダウンが刻刻と進んでいたのだった。

 

◆◆◆◆

 

「思ったよりも早く攻略が進んでいるみたいだね」

 

アトラスのブリッジから戦場全体の様子を見ているライは予想よりもこちらが圧倒的に制圧できていることに警戒を抱きながらも予想外の出来事が発生してもすぐ対応できるようオペレーターたちにも周囲への警戒を続けさせていると、オペレーターから報告が上がる。

 

「東よりZEXIS所属のソレスタルビーイングの母艦プトレマイオス2とS.M.Sのマクロスクォーターとその護衛機たちが浅間山へと向けて進行中!」

 

「同じく黒の騎士団母艦斑鳩と護衛艦、そしてその協力者であるデューカリオンも接近中です!!」

 

オペレーターからの報告にライはやはり来たかという思いを抱きながら予定通り迎え撃つため第零騎士団と深淵騎士団の戦士たちに指示を出すべく行動する。

 

「聞こえたな。これより第零騎士団と深淵騎士団はこちらへと接近しているZEXISと黒の騎士団の迎撃にあたる。あくまで今回の作戦は日本解放戦線の殲滅が目的であり、作戦が完了次第我々はこのエリアから離脱することを忘れるな」

 

『『『『『イエス・マイ・ロード!!』』』』』

 

「艦の指揮は任せたぞ」

 

「はっ、承知致しました。ご武運を」

 

ライからの指示に第零騎士団と深淵騎士団の面々がモニター越しに答えると通信を切り出撃準備に取りかかる。それを確認してからライも艦の指揮を任せてから自らも出撃をするために先日完成したロイドやビアンたち優秀な科学者たちの技術を結集させ完成された最強の剣が待機している格納庫へと足を運ぶ。

 

「やぁライ卿。お待ちしていたよ」

 

「ルキナさん、アーサーの調子はどうですか?」

 

「問題ないよ。もう炉心も起動させておいたからすぐにでも出撃が可能だよ」

 

「そうですか」

 

ライは整備主任であるルキナ・ヘファイストスからの報告を聞きながら目の前に鎮座しているライの新たな(機体 )を見上げる。これまでライが乗ってきたナイトメアフレームやモビルスーツとは異なるスーパーロボット級の巨大さを誇る騎士王を彷彿とさせる白銀の機体───《アーサー・イルジオン》はその名に相応しい佇まいをしており、まだ実践での運用は果たしていないが、シュミレーションではこれまでライの操縦してきた機体たち以上にライの操縦に答えてくれた。

 

────故にライはこの機体と共にルルーシュの最強の騎士として相応しき姿を見せなければならない。それが《終焉の騎士 (ナイトオブゼロ )》の称号を授かったライの役目なのだから

 

「───さぁ行こうかアーサー・イルジオン。僕たちの力を世界に見せる時が来た」

 

ライはそう呟きながらすぐそこまで迫っているかつての仲間であり未来を託すべきか見定めるべき相手であるZEXISとルルーシュを裏切った薄汚いネズミである黒の騎士団を相手取るためにアーサー・イルジオンへと足を向けるのだった。

 

 

─────日本解放戦線の兵士たちによる血によって大地を赤く染め上げる浅間山。ルルーシュの騎士たちによる圧倒的な力による殺戮は終わる様子を見せず、ZEXISと黒の騎士団の来訪は戦場にどのような変化を巻き起こすのか。それは戦場にいる誰にも理解出来ることではないが、ひとつだけ分かることは浅間山で繰り広げられるこの地獄はまだまだ終わりを見せないということである。

 




あとがき

今回登場した日本解放戦線が使用したオリジナルナイトメアフレームの設定を上げます。その中で見島は読書の方から頂いたアイデアで匿名のため名前はあげませんが、他にも色々な機体のアイデアを貰ったので小説内で活躍できるよう頑張ります。

見島(みしま)《読書様からのアイデア》
分類:第7世代相当KMF
全高:6,50m
重量:20,56t
推進機関:ランドスピナー 飛翔滑走翼
武装:ハドロン砲×3
右腕部大型レール砲
複合兵装左腕部
(ガトリング砲)
(大型ペンチ)
胸部ミサイルポッド×多数
腰部スラッシュハーケン×2

日本開放戦線の残党が撃墜されたガレスの残骸を回収して、そのデータを元に独自開発した、日本製ガレスとも言える重砲撃型KMF。
全体的に無骨なシルエットをしており、頭部には水牛の角の様なパーツが付けられてる。メインカラーは黒。頭部と両膝部にハドロン砲、腰部にはスラッシュハーケン、右腕と一体化した大型レール砲、ガトリング砲と接近戦に対応可能な大型ペンチを備えた複合兵装左腕部を装備している。また、ガレスには装備されていなかったランドスピナーが搭載されている為、地上での機動性は確保されている。この様にガレスに比べて接近戦が一応可能だったり、地上での機動性の確保には成功しているが、全体的に機動性は低く、大型ペンチがあるとはいえ、接近戦も不得手な方である。
外見イメージは「仮面ライダー龍騎」に登場する《仮面ライダーゾルダ》が契約しているミラーモンスター《マグナギガ》。
また、見島の由来は山口県萩市見島で飼育されてきた日本在来の和牛《見島牛》に由来する。

鬼夜叉
分類:第7世代相当KMF
全高:4.58m
全備重量:7.13t
推進機関:ランドスピナー 飛翔滑走翼 腰部追加ブースター
武装:アサルトライフル×2、グレネードランチャー×2、近接戦闘長刀×2、近接戦闘短刀×2
日本解放戦線の残党がブリタニア軍から鹵獲したヴィンセントを元に独自開発した剣戟特化の日本製KMF。近接戦闘に特化しているため装甲は最低限の厚さしかなく腰部のブースターによる加速で敵に一気に近づく事が可能となった。機体カラーはグレー。胴体に短刀とサブアームを内蔵している。肩部から伸びている肩用サブアームでアサルトライフルやグレネードランチャーを装備しながら戦闘が行え、被弾時にはパージが可能。背中に装備されている近接戦闘長刀は早乙女研究所で入手したゲッター合金を上からコーティングしているため並の戦艦ですらその気になれば両断が可能。(機体イメージはマヴラヴシリーズに登場する日本帝国軍の戦術機である不知火)

今回はオリジナルの敵として日本解放戦線の残党を出してみました。思いつきで出してみましたが以外と敵としての設定が結構簡単に出来ました。pixivの月夜さんの小説を参考にして黒の騎士団にも一応まだZEXISのメンバーが何人か残ってはいますが扇たちの今後で離れます。次回はライたちと黒の騎士団、ZEXIS、日本解放戦線による乱戦になると思われますがここでも黒の騎士団をさらに追い詰めていく予定です。黒の騎士団がどうなるかはまだ未定ですがゼロ追放の罪は重いのでできるだけ苦しんでもらうと思います。それではほかの小説もありますが、頑張って早く次話を投稿できるように頑張りますのでよろしくお願いします!
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