今回はpixivにて『GX ZERO STORY』や『ゲッターロボ 短編』を投稿なさっているギアルさんから提供してもらった『ゲッターロボ 短編』に登場しているゲッターチームとオリジナルゲッターロボを登場させました。下にギアルさんのゲッターチームやゲッターロボの設定の話があるページのリンクを貼らせてもらいます。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18585054
──── ゲッター線。
それは微量で膨大なエネルギーになる魔法の光体。
それを見つけた早乙女博士はゲッター線を宇宙開発の為のスーパーロボット、ゲッターロボの開発を始めた。
だが、ゲッター線を手にした時、人類・・・いや、地球の運命は変わった。
この多元世界だけでもインベーダーと呼ばれる地球圏に住処を求めて襲来した、ゲッター線を糧に生きる異形の宇宙生物によってゲッター線が関係する戦いが行われている。
流竜馬と號たちによる新旧ゲッターチームと別次元の流竜馬の息子、流拓馬たちゲッター線に選ばれたゲッターの申し子たちのゲッターチームがこの多元世界で最もゲッター線の影響を受け、ゲッター線に選ばれようとしていた。
それはこの多元世界に限った話ではなく、多くの別次元の世界に存在するゲッター線に目をかけられたものたちにも言えることであった。
──── かつて地上を支配していた恐竜が進化した存在・・・恐竜人を中心にした帝国、恐竜帝国や人間が古来より鬼と呼び、恐れた角を持つ亜人によって構成された軍事国家・・・百鬼帝国などのゲッター線を恐れそして地球の支配を目論むもの達と戦う道を選んだ地球を守るという強い意志を持った正義感溢れる高校生の流竜馬たちゲッターチーム。
──── 自身の脳にコンピューターと接続し、世界中のコンピューターを自在に操り、世界征服の野望に燃える狂気の天才科学者、プロフェッサー・ランドウ率いる機械の獣・・・メタルビーストと戦うゲッター線を用いないゲッターロボ《ゲッターロボ號》を用いて戦う一文字號たち日本国際航空宇宙技術公団《NISAR》所属のゲッターチーム
────巴武蔵によるゲッターロボの自爆によって滅んだはずの恐竜帝国が復活し、それに対抗すべくゲッター線を用いないゲッターロボ《ネオゲッターロボ》と多元世界のとは異なる別の真ゲッターロボ、そして一文字號たちによってゲッター線の力に飲み込まれずむしろその力を利用して進化した《神ゲッターロボ》で戦ってきた別世界の一文字號たちネオゲッターチーム。
─────ゲッター線の影響を強く受けた流竜馬と戦闘用に開発されたゲッターロボ《新ゲッターロボ》が太古の昔より語られてきた異形:鬼と戦い、そしてゲッター線に抗うことを決めたゲッターチーム。
他にもゲッター線の影響を受けた世界は多く、流竜馬や一文字號のようにゲッター線に選ばれ強く影響を受けたゲッターチームもいれば、恐竜帝国やインベーダー、鬼などのようにゲッター線に選ばれずゲッター線によって滅びの道を進もうとする存在、ゲッター線の力に溺れ人類を滅亡させようと動くプロフェッサー・ジャゴフやイデアなどの存在がいた。
そのどれもがゲッター線が争いの中心となっており、早乙女博士や神隼人など一部のものたちはゲッター線が一体なんの目的で人類にその力を与えたのか、そう考え研究するのだった。
────そしてこの世界にまたゲッター線に選ばれし流拓馬とは異なるゲッター線の申し子とその仲間であるゲッターチームがやってくるのだった。
◆◆◆◆◆◆
トレーズ司令によって黒の騎士団の不祥事が報道されたことによって世界に少なくない衝撃を与えた。これにより竜馬を始めとしたZEXISメンバーは黒の騎士団を見限りZEXISに戻っていた。そしてスメラギやジェフリーたち浅間山に出撃していた部隊も別行動していたZEXISとドライクロイツと合流しさらに新たに仲間になったハガネとヒリュウ改のメンバーたちと共に今後のことを話し合っていた。
「いやしかし、ゼロも中々えげつない手を使ってくるものだよ・・・」
エターナルの副艦長であるアンドリュー・バルトフェルドはモニターに映っているトレーズの演説を聞きながら思わずそう呟いてしまう。一度はその地位を奪われてしまったが、それでも彼を慕う兵士は多く一般人からの人気も高い。故に彼の言葉には説得力があり誰も疑うことは無かった。
証拠映像にしてもゼロが仮面を外して正体を明かしたシーンやライやロロ、マリーカによる救出シーンを無くし、最後までゼロの仮面をつけた状態でゼロを殺害したように見せるよう多少映像は弄ってはいるものの扇たちのセリフや銃を放つシーンなどはそのまま使われたために信憑性が高く、扇たち黒の騎士団メンバーが捏造などと言って誤魔化そうとしても火に油を注ぐ勢いで彼らに対する不信感を抱かせるのだった。
これにより黒の騎士団に対する信頼は失われていき、皇たちもカバー出来なくなり近々扇や藤堂たち黒の騎士団幹部たちに蓬莱島での査問会に出席するよう厳命を出さざるを得ない状況になっていた。
「これも全てライさんたちの思惑通りなのでしょうか・・・」
「わからない。だが彼は黒の騎士団を徹底的に潰すと言っていた。もしかしたらこれはその始まりに過ぎないのかもしれない・・・」
エターナルの艦長であるラクス・クラインは黒の騎士団が追い詰められているこの状況はライとルルーシュたちの思い描いた通りなのかと思うのに対して、ドラゴンズハイヴの艦長であるF.S.はこれもライたちにとって黒の騎士団に対する復讐の始まりに過ぎないのではないかと考えてしまう。
「彼らのことも気にはなるが問題はルルーシュ皇帝軍だ。今回の1件で戦力が強化されただけでなく一部の世論も彼らを支持するようになってきてた」
ジェフリーの言うように、浅間山での日本解放戦線の殲滅は大々的に公表されたことでルルーシュ皇帝軍の武力の一部がだけとはいえその凄まじさを知ったことで彼らに抵抗する勢力の中にはルルーシュたちを恐れるものが少なからず現れ、日本解放戦線という悪党を殲滅したことからエリア11などのブリタニア・ユニオンに敵対していた国々、超合衆国に加盟している一部の国からもルルーシュと同盟を結ぶべきではないかという声が小さくだが上がり始めている。
「ルルーシュ皇帝とライさんの目的は未だ判明していませんが、彼らは近いうちに大きな戦いを起こすと言っていました」
ドライクロイツの代表にしてドライストレーガーの艦長であるミツバ・グレイヴァレーはそう話し始めながらルルーシュたちの言う大規模な戦いについて意見を求めた。恐らく彼らの戦う相手はシュナイゼル・エル・ブリタニアと彼に付き従うルルーシュに反抗する旧皇帝軍とディガルド武国やアリアンロッド艦隊などを含めた多数の国家と武装勢力達による同盟の連合軍。
どちらの戦力も未だ計り知れないが、両者共に質と量はこの地球圏内でも最高クラスだ。そんな2つの勢力がぶつかり合えば間違いなく大規模な戦争が発生し尋常ではないほどの被害が発生することは誰の目から見ても明らかであった。
ZEXISやドライクロイツとしてはそれは避けるべき衝突と考え止めるべく行動はしているが、シュナイゼルたちの行方は分からず、本拠地がわかっているルルーシュにしても戦力が十分に揃っている上に何十にも及ぶ罠を仕掛けられているであろうことから容易に攻めることが出来ないでいた。
「まず我々はルルーシュ皇帝の目的を知ることから始めるべきだ。我々は彼について何も知らないのだからな」
ハガネの艦長であるダイテツ・ミナセは対策を練るためにもルルーシュ自身のことと彼らの目的を知る必要があると言う。それはルルーシュという個人をこれまで知らなかったZEXISとドライクロイツ、ルルーシュのことを全く知らないハガネ、ヒリュウ改のメンバーそれぞれに共通する意見であった。
そしてスメラギたちが今後の方針を話し合おうとしたその時、部屋の外が騒がしくなり思わず扉に視線を向けてしまう。
『ちょっ、ダメですよ!?今艦長たちは会議中で・・・!!』
『すいません!こっちの用事も急ぎなんで無理して通してもらいます・・・っ!!』
『あ、ちょっ・・・!?』
ドゴォン!!と大きな音が扉の外で響いて誰もが何事か!?と扉に視線を向けると同時に扉が開いた。扉の外にいたのは先日新たにZEXISとドライクロイツが保護した新たな仲間である別次元のゲッターロボ《ゲッターアーク》のパイロットの1人である山岸獏が申し訳なさそうに立っていた。その後ろではダコスタ・マーチンやエイタ・ナガタを始めとした獏を止めようとしたであろう各艦のスタッフたちが目を回して倒れていた。
「いきなりすみません!でも俺の予知がビンビンと感じるんです!!今すぐにも出ないとマズイって!!」
獏はダコスタたちを気絶させたことを謝りつつもその顔は焦りに満ちており、スメラギたちに出撃許可を求めてきた。
山岸獏。ゲッターアークのゲッター3に該当する《ゲッターカーン》のパイロットにしてグリーンアース教の教祖にして超能力少年である《メシア・タイール》の弟。獏曰くタイールに及ばないものの獏もまた予知能力を持っており、過去にゲッターD2の落下地点を見事予知したこともある。
しかしその能力を見たことがないハガネの副艦長であるテツヤ・オノデラやゴディニオンの艦長であるスズカゼ・リンを始めとした新たに仲間となった艦長たちは困惑していたが、スメラギを始めとしたZEXISとドライクロイツの艦長たちは獏の言葉に信憑性を感じていた。否、正確には獏の後ろに彼がいることでその情報が確かだと考えている。
「あなたがいるということは何かあるという事ね、號」
スメラギは確認するように獏の後ろにいる真ドラゴンのパイロットの1人である號に尋ねる。號はスメラギたちの視線を浴びながらもゆっくりと喋り出す。
「・・・龍が来る」
「龍・・・?」
「浅間山に新たなゲッターの申し子を乗せた龍が来る・・・」
號の龍という言葉に最初は困惑したが『浅間山』、『ゲッターの申し子』、『龍』。それらの言葉を合わせれば自ずと答えは見えてくる。
「新たなゲッターロボ、か・・・」
代表して言ったジェフリーの言葉に誰もが静まり返った。ゲッターロボは世界で知られているスーパーロボットたちの中でも上から数えた方が早い程の性能を誇る。そんな機体がまた新たにこの世界に現れた。
「わかりました。ゲッターチームの出撃を認めます。私達も準備が整い次第追いかけます」
「あ、ありがとうございます!!」
「感謝する」
獏と號はスメラギたちに礼を言うとそのまま格納庫へと走っていった。ゲッターチームを先に行かせるのは先日の浅間山を含めここに集まるまでの間にルルーシュ皇帝軍とシュナイゼル同盟軍、さらにはインベーダーやウルガル、次元獣などの人類共通の敵などと戦ってきたために戦艦及び機体はどれもが補給と整備にかかりきりとなっており、すぐに動かせる中で最も早くゲッターロボを相手にしても問題ないとしてゲッターチームたちの出撃を認めたのだった。
────真ゲッターロボを駆る號たち、ゲッターアークを駆る拓馬たち、そして浅間山で回収した旧ゲッターロボを駆る竜馬たちゲッターチームが出撃をしたのと同時刻、エリア11の浅間山の早乙女研究所からもゲッタービーストが出撃していた。
◆◆◆◆◆
現在ルルーシュ皇帝軍によって占拠されている早乙女研究所とは異なる元々この多元世界に存在する日本の浅間山にある早乙女研究所。早乙女博士が起こした真ドラゴンや量産型ゲッタードラゴン、インベーダーたちによる早乙女の乱をZEXISとドライクロイツが制圧後、地球連邦によって完全封鎖され放棄された状態で残っていた早乙女研究所の中を1人の少年が歩いていた。
「やっぱり研究所の設備は使い物にならないか・・・」
かつてはゲッターロボを開発していたであろう研究施設やゲッターロボをメンテするためのハンガー、部品を製造していたであろうプラントなどがあるがいずれも先の騒乱によって破壊されたのと長年放置されていたことから使い物にならないなと頭にゴーグルをつけた青髪の少年──《来栖迅也》ことジンヤは周囲の荒れ果てた姿を見て思わずため息をつく。
「やぁジンヤくん。そっちはどうだったかな?」
そう言いながらジンヤに話しかけてきたのは栗毛のふわふわショートヘアに、頭頂部から奔放すぎるアホ毛が伸びていて、白衣を模した袖余りの白いコートの下には青い戦闘服姿の少女───《堀井滝音》ことタキオン。
ジンヤとタキオン、そして外で待機しているもう1人を含めた彼ら3人は早乙女研究所に所属するゲッターチームだった。しかしそれは流竜馬や號たちとは違い、流拓馬達のようにこの多元世界とは別の次元の早乙女研究所に所属するゲッターチームであり、彼らもまた次元震に巻き込まれこの多元世界へと飛ばされてきたのだった。
次元震によって飛ばされる少し前、ジンヤたちはゲッター線により、突然変異を起こした元人間《イデア》のリーダーである早乙女賢と戦った。イデアとは元人間だが突然変異の際に得た力に溺れて変わり果てた存在である。
早乙女賢との戦闘時にジンヤたちはぶっつけ本番でゲッターロボG2の切り札である《シャインスパーク》を放ち、イデアと早乙女賢の撃退に成功。只、無茶して使ったのでゲッターロボG2は半壊したので、修理する事になりその間はジンヤ達が自衛隊の量産型ゲッターの指導で少しの間早乙女研究所から離れた。
ようやくゲッターロボG2が直り、ジンヤたちは早乙女研究所に戻るが、その前に地リュウ一族の特殊部隊に奪われて、初代ゲッターで対抗してまた壊れた。
そして、やっと直って久しぶりに訓練している途中に時空震に巻き込まれて飛ばされ、この多元世界の早乙女研究所にやってきたのだった。
「残念だけどここはダメだね。ゲッターロボを整備するための設備も全部ぶっ壊れてるしゲッター合金の欠片もないよ。これじゃあG2の修復も出来ないね・・・」
ジンヤは荒れ果てた早乙女研究所を見渡しながらタキオンにそう告げる。
「まぁそれは外から見て予想できたことだね。だけど、一部回線は生きてたみたいでこの世界について多少知ることはできたよ」
タキオンはそう言いながら研究所で見つけた端末から吸い出したデータを確認する。それからわかったことはこの世界がタキオンたちのいた世界とは別の世界であり、この世界にはゲッターロボ以外にも多種多様の機動兵器と地球を狙う侵略者たちが存在すること、そしてつい先日日本解放戦線と呼ばれる日本のレジスタンス組織が罪もない人たちを整体ユニットとしてゲッターロボに組み込んだことなどを知った。
罪もない人たちをゲッターロボの部品として運用したということにジンヤが激怒したのは無理もない話であるが、その怒りをぶつけるべき日本解放戦線が既に滅んでいることからこの場では何も言うことは無かった。
「さて、これからどうするかな・・・」
タキオンは今後自分たちの身の振り方をどうすべきか考えていた。現在彼女たち3人の乗るゲッターロボ《ゲッターロボG2》。ゲッターロボGの2号機として開発されたこの機体はゲッター炉心を積んではいるものの、現在ゲッター炉の出力は20パーセントまで制限されている。その代わりとして《プラズマボムス》と呼ばれるプラズマ駆動の動力炉も搭載しているため性能としては竜馬たちの真ゲッターロボには劣るもののルルーシュ皇帝軍で運用されているゲッターロボαや量産型ゲッタードラゴンたちよりも高性能であった。
しかし次元震によってゲッターロボG2の一部武装が使用不可になったのと機体のあちこちにガタが来ているため戦闘は機体の損傷を抑えながら戦っても一度か二度の出撃でガタが来てしまうと予想される。機体を修復しようにも設備も材料も無いため目処が立たないでいた。
タキオンたちのとる選択肢としては3つある。1つ目は現在この世界で最も戦力を保持しこの世界のもう1つの早乙女研究所を所有しているルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが率いるブリタニア・ユニオンを中心とした地球連合の勢力と子飼いの騎士たちによるルルーシュ皇帝軍。2つ目は仮面のテロリスト《ゼロ》が基盤を作り地球連合と戦うために複数の国家が同盟を結んだ事で結成された《超合衆国》。そして最後の3つ目は独自の監査権を与えられた多種多様の機動兵器と組織が参加しているZEXISとドライクロイツ。
どの組織も一癖ありこの世界の情勢を知ってもなおタキオンたちはどの勢力につくべきか決めあぐねていた。ゲッターロボG2の修復を考えるならばルルーシュ皇帝軍だが彼らの行動は苛烈であり、積極的な侵略行為は行ってはいないものの彼らによってこれまで多くの戦死者が今も尚増え続けている。
流竜馬たちゲッターチームのいるZEXISとドライクロイツもゲッターロボたちがいることから充分修復を行えるだろうし彼らの理念もまたジンヤたちは共感できる部分もあるため協力することに異論は無いが、それも断片的な情報から導き出したものであるためもう少し情報を集めてから判断すべきと考えられる。
しかし超合衆国に関してはジンヤたちは満場一致で真っ先に選択肢から排除した。それというのも超合衆国の唯一の戦力である黒の騎士団は平気でリーダーであるゼロを殺害し、さらには生体ユニットを埋め込んだゲッターロボたちを運用していた日本解放戦線と手を組もうとした時点で彼らは信じるに値しないとジンヤたちは判断した。
どうすべきかとジンヤとタキオンが悩んでいるとドゴォン!!と響くような重低音が聞こえたのと同時に早乙女研究所が激しく揺れた。
「な、なんだ!?」
突然の出来事にジンヤとタキオンは驚いていると二人の立っている場所から少し離れた研究所の壁を砕きながら赤いロボットの腕が伸びてきた。
『ジンヤ!タキオン!メカザウルスが襲ってきやがった!!早く機体に乗ってくれ!!』
壁を壊しながら顔を覗かせているのはゲッターロボGの面影を残しているもののより強力になったなゲッターロボ《ゲッターロボG2》であり、ジンヤとタキオンに声をかけたのは3人目のゲッターチームメンバーであるは青髪赤目のショートカットの強化服型のパワードスーツを着ている女性───《楠葉巳乃棲》ことミノスが早く機体に乗るように声をかける。ジンヤとタキオンはすぐに意識を切りかえてそれぞれのコックピットに乗り込み、ゲッターロボG2は3人のパイロットが揃ったことでそのカメラアイを輝かせ、振り向きながら戦闘態勢をとる。
『グルルルルルゥゥっ!!』
そしてゲッターロボG2が戦闘態勢をとって振り向くとそこにはプテラノドン型のメカザウルス《メカザウルス・バド改》、ティラノサウルス型のメカザウルス《メカザウルス・サキ改》、サイ型のメカザウルス《メカザウルス・ザイ改》が並んでいた。
『メカザウルス!?しかもこいつらは百竜帝国の手で改造された奴らじゃないか!?』
『どうやら別世界に飛ばされたのは私たちだけじゃないみたいだねぇ・・・』
ジンヤとタキオンは目の前にいるメカザウルスたちが百竜帝国によって改造を施された存在であると看過し、彼らもまた自分たちと同じようにこの世界に飛ばされたようだ。
《百竜帝国》。現在、ジンヤたちの世界で人類が戦っている4種類の敵の一つであり、かつてジンヤたちの世界の流竜馬たちゲッターチームによって敗北した百鬼帝国が地下に逃げ延びた恐竜帝国と同盟を結んだ組織である。その組織の指導者は邪帝・・・または女帝という名を持つ者らしい。
『正直こっちの機体はボロボロだから戦闘は避けたかったんだけどね・・・』
『文句言っても仕方ないさ』
タキオンとミノスは整備不良の状態のゲッターロボG2で3体のメカザウルスたちを相手どれるのかという不安があった。だがジンヤたちの中には逃げるという選択肢はない。
『やってやるさ。僕たちはこんなところで負ける訳にはいかないんだからね』
ジンヤはそう答えながらゲッターロボG2の両肩に収納している2本の《ゲッタートマホーク》を両手で構える。ゲッターロボG2が戦闘態勢に入ったことでバド改たちも動き始めた。
『1体ずつ確実に倒す!!いくよ2人とも!!』
『『了解!!』』
まずゲッターロボG2は飛んでいるバド改から倒そうとゲッターウイングを展開させると空に飛び立つ。迫るゲッターロボG2に対してバド改は咆哮を上げながら尻尾を伸ばす。それをゲッタートマホークで弾きながらバド改に接近するとその頭部に膝蹴りを食らわせる。加速による勢いとゲッターロボG2自身の質量を合わさったその一撃は出力不足でバド改の頭部を潰すことは叶わなかったものの、脳震盪を起こすことには成功した。
『ゲッターダブルトマホーク!!』
バド改の動きが鈍った隙を見逃さず、ジンヤはゲッターロボG2の両手に構えるゲッタートマホークでバド改の両翼を切り裂く。翼を失ったバド改は力無い咆哮を上げながら落下していく。
『よし!まずは1体───うわぁっ!?』
バド改ご落下していくのを確認して思わず一息つこうとしたジンヤだが、サキ改から放たれる火炎放射がゲッターロボG2に襲い掛かるのを慌てて避ける。
『舐めるな!』
ジンヤはサキ改の火炎放射を交わしながらサキ改に接近する。サキ改はゲッターロボG2に火炎放射が当たらないと判断すると接近してくるゲッターロボG2に対してその鋭い爪で切りかかるがそんな大振りの攻撃を素直に喰らう訳もなく、ゲッタートマホークで腕を切り落としそのまま火炎放射を放とうとした口ごとサキ改の頭を掴む。
『ゲッタァァァフィンガー!!』
サキ改の頭を掴んでいる右手にゲッターエネルギーが集中し、ゼロ距離でゲッターエネルギーを浴びているサキ改はゲッター線コーティングされていることで最初は耐えていたが、徐々にゲッターエネルギーが上昇していくことで生身の部分がドロドロに溶け始めていた。
『ヒィィィィト、エンド!!』
そして最大にまで高まったゲッターエネルギーが爆発し、サキ改は頭部がザクロのように砕け散るとそれに連鎖するかのように全身を爆散させた。
これで残るはザイ改のみとなり、ザイ改は雄叫びを上げながらその自慢の角でゲッターロボG2を突き刺そうと突進を仕掛けてくる。
『トマホォォォォク、ブゥゥゥゥメラァァァン!!』
ジンヤは叫びながら2本のゲッタートマホークを勢いよく投げ、2本のトマホークはそれぞれ・ザイ改の右目と左足に深々と突き刺さり、あまりの痛みに悲鳴を上げながら倒れ込むザイ改に対してジンヤは容赦なくトドメをさす。
『ゲッタァァァ、ビィィィィィム!!』
ゲッターロボG2の額から放たれるゲッタービームがザイ改に当たり、大出力のゲッタービームに耐え切れる訳もなくザイ改は爆散した。
『よし、これでメカザウルスたちは倒し終わったか・・・』
『何とか機体のダメージを抑えられたね・・・』
『念の為一度研究所に戻って機体チェックを行おう』
メカザウルスたちを倒したことで緊張の糸を弛めてしまったジンヤたちはゲッターロボG2の状態を確認すべく早乙女研究所に戻ろうと背を向けた。その瞬間、ゲッターロボG2の首を何かが巻き付いたかと思えば凄まじい電流が流し込まれジンヤたちを襲う。
『『『うわぁぁぁぁぁぁっ!!?』』』
突然の攻撃にジンヤたちは悲鳴を上げながら何者による攻撃なのかを確認するためゲッターロボG2の頭を動かし後ろを見る。そしてその攻撃の主が両翼をなくしながらも闘志の炎を瞳に宿すバド改の姿があった。
ゲッターロボに対する執念か、生物としての本能によるものかはわからないが、残り僅かな命を削ってでもゲッターロボを倒そうとする意志をバド改から感じ取られた。
『く、くそっ・・・』
ジンヤはバド改の尻尾を振りほどこうとゲッターロボG2を動かそうとするも、先程の電撃によって限界が近づいていたゲッターロボG2がショートしてしまいしばらくの間動かせなくなってしまった。バド改が息絶えるのが先か、ジンヤたちが息絶えるのが先か。そんなチキンレースが始まってしまうかと思われたその時、バド改の身体が真っ二つに切り裂かれたことでゲッターロボG2への電流が収まった。
ショートしたゲッターロボG2はカメラアイの光を消失させながら地面に倒れこむ。動かなくなったのを確認してから少し離れた場所で待機していたギャンザやメズー、ゴズゥなどのガンメンたちがゲッターロボG2の周りを囲み始めた。
『────ゲッターロボ、活動停止を確認しました。これより回収作業を始めます』
『おう、ついでにこのメカザウルスたちの死体も運んどけよ』
『了解です』
ギャンザのパイロットである獣人がバド改の血とオイルで汚れたゲッターアックスを構えるゲッタービーストのメインパイロットである白虎の獣人───《ジャオウガ》に報告をするとほかのガンメンたちと共にゲッターロボG2に群がり、運びこもうとしていた。
『本調子じゃねぇのに中々見所のある奴らじゃねぇか』
ジャオウガは獰猛な笑みを浮かべながら運び込まれようとしているゲッターロボG2を見る。ゲッターロボのパイロットとしてはまだルーキーの域であるジャオウガだがガンメン乗りとして多くの戦場を戦ってきたジャオウガは三体のメカザウルスを相手に暴れまくったジンヤたちを気に入っており、機体とパイロットが回復したら戦いを仕掛けようと考えていた。
『ジャオウガ、どうやらお客さんみたいよ』
ジャオウガがゲッターロボG2との戦いに期待に胸を膨らませていたのをゲッターガルーダのメインパイロットであるミツネが声をかけてきたことで意識が切り替わり空に目を向ける。そしてその姿を見た瞬間ジャオウガは獰猛な笑みを浮かべる。
『オイオイ今日はなんて最高な日だよ。クリスマスプレゼントにはまだ早いぜ・・・!!』
ジャオウガは嬉しさのあまりに笑いがこみ上がりそうになるのを耐えながら空にいる3機のゲッターロボを見上げる。
流竜馬たち旧ゲッターチームが操る初代ゲッターロボ、號たち新ゲッターチームが操る真ゲッターロボ、拓馬たちアークチームが操るゲッターアーク。號たちは真ドラゴンが前回の浅間山での戦闘で大破し現在修復中であることから真ゲッターロボに乗り、代わりに竜馬たちは浅間山で鹵獲したゲッターロボに乗っている。
『ゲッタービーストっ!?それにあれはドラゴンに似てやがるが・・・』
『あれが號と獏の言っていた別次元のゲッターロボ・・・っ』
弁慶と渓はゲッタービーストとガンメンたちによって運ばれそうになっているゲッターロボG2の姿を見てルルーシュ軍もまた別次元のゲッターロボを回収しに来たのだとわかった。
ゲッタービーストとゲッターロボG2のどちらを優先させるかと悩んでいる竜馬たちを無視するかのようにジャオウガはゲッタービーストの両肩からゲッターアックスを射出し両手で構えるとゲッターロボに斬り掛かる。それに対して竜馬もまたゲッターロボのゲッタートマホークを取りだして受け止める。
『ハッハァ!!こんなところで奇遇だな流竜馬ァ!!折角だから遊ぼうぜぇ!!』
『この、野郎がっ!!』
一瞬拮抗しているように見えた2機のゲッターロボだが、元が宇宙開発用であるゲッターロボと戦闘用に開発されゲッター炉心と螺旋エンジンの2つの力が合わさったゲッタービーストでは出力に差があるため、ゲッタービーストはゲッターロボを容易く弾き飛ばす。しかしベテランのゲッターロボのパイロットである竜馬たちはすぐに体勢を立て直し、ゲッタービーストの顔面に拳を叩き込む。ゲッターアックスを振り被ろうとしていたゲッタービーストは思わぬ反撃に空中でたたらを踏んでしまう。
『ニィッ・・・いいね、やっぱり最高だよお前は!!』
『竜馬さんたちばっかり見てるんじゃないよ!!』
『てめえの相手は俺達もなんだよ!!』
旧式でありながら最初に一撃を当ててきた竜馬に好戦的な笑みを浮かべながら追撃を仕掛けようとするジャオウガに対して渓と拓馬は真ゲッター2の右腕のドリルとゲッターアークのゲッタートマホークでゲッタービーストに攻撃を仕掛ける。それをジャオウガはゲッタービーストのゲッターアックスで真ゲッター2のドリルを、手甲部のゲッタークローでゲッターアークのゲッタートマホークを受け止める。
『忘れるわけないだろ!こんなご馳走たちを前にして誰が見逃すってんだよ!!』
ジャオウガは真ゲッター2とゲッターアークを弾き飛ばすと上に飛びながらオープンゲットする。このままゲッタービーストだけで戦うのも考えていたが、ほかのパイロット達もまたジャオウガのように目の前のご馳走を前に我慢できないでいた。
『チェンジ!ゲッターガルーダ!!』
黒き虎のような姿をしたゲッタービーストから一転して新たに姿を現したのは翡翠色の細身の鋭い鳥人の姿をしたゲッターロボ───《ゲッターガルーダ》だった。ゲッターガルーダのメインパイロットである狐の獣人───《ミツネ》は妖艶な笑みを浮かべながら目の前の馳走を堪能すべくその爪を振るう。
『ふふっ。ジャオウガだけじゃなくて私も楽しませてもらおうかしら?』
ミツネがそう囁くのと同時にゲッターガルーダの両翼《ゲッターカッターウイング》がゲッター線の光を浴びて輝き振動を始める。それによってゲッターカッターウイングから放たれるゲッターエネルギーを纏った真空の刃がゲッターロボたちを襲う。
竜馬たちのゲッターロボは迫り来る真空の刃をゲッタートマホークで砕きながらかわし、渓たちの真ゲッター2は高速に飛行することでかわし、拓馬たちのゲッターアークはゲッターカーンにチェンジし巨大なスパイクタイヤ形態である《カーンローバー》に変形し防御する。
攻撃が効かないと判断したミツネはゲッターカッターウイングによる攻撃を止め、左腕の鉤爪を回転ノコギリである《ゲッターチョッパー》へと変形させ近くにいた真ゲッター2に斬り掛かる。渓は真ゲッター2の背中のブースターを噴かせて回避しようとしたが、かわしきれず装甲を斬られる。
『この野郎っ!!』
渓たちが攻撃を食らったことに怒った弁慶がゲッター1からゲッター3へチェンジし、落下の重力に合わせながら両手を重ねハンマーのように振り下ろすダブルスレッジハンマーをゲッターガルーダに喰らわせようとするがゲッターガルーダは軽やかにそれをかわす。しかし無理な体勢でかわしたためにバランスが崩れてしまい、その隙をついてゲッターカーンからゲッターキリクへとチェンジしたカムイがゲッターガルーダの背中をゲッタードリルで攻撃する。
無防備な背中を攻撃されたゲッターガルーダはそのまま地面に落とされた。地面に衝突したことで土煙が上がり、追撃を仕掛けようとゲッターキリクは土煙の中に突っ込もうとした瞬間、土煙の中から伸びてきた手がゲッターキリクの頭部と胴体を掴みあげジャイアントスイングの要領で振り回され、そのまま近くの早乙女研究所の大破された防衛設備に投げ飛ばされた。
『────チェンジ、ゲッタータウラス』
土煙が晴れるとそこにはオレンジ色の重量感ある頭部に牛のような角を生やした機体──《ゲッタータウラス》が腕の関節の節々に生やしている刃を回転させながら腕を構えていた。
3つの形態が明らかとなったゲッタービーストであるが、その機体の性能もパイロットの実力も未だ未知数であるが故に竜馬たちは下手な手を打てないでいた。下手な手を打てないのはジャオウガたちも同じであり、3対1という数の差とゲッターロボ乗りとしての経験の差があるため長引けば不利になるのはこちらだった。
故に互いに決め手にかける状態となっていた。しかし彼らの頭の中にはここで引くということも仲間が来るのを待つという考えもなく、あるのは闘いを求める獣の如き本能のみ。ゲッター2、真ゲッター3、ゲッターアーク、ゲッタータウラスは各々の武装を構えると真正面からぶつかり合うように突撃を繰り出す。
『ドリル、ストォォォォム!!』
『ミサイルストーム!!』
『ゲッタァァァ、ビィィィィム!!』
隼人のゲッター2の右腕のゲッタードリルから放たれる竜巻が、凱の真ゲッター3の下半身の後部を展開し放たれる大量のミサイルが、拓馬のゲッターアークの頭部から放たれるゲッタービームがゲッタータウラスに向かって一斉に放たれる。鈍重なゲッタータウラスでは回避することも難しく、オープンゲットる余裕もない。
────故に、ゲッタータウラスのメインパイロットであるヘリクスが選択したのは力による正面突破だった。
『────奥義、神砂嵐』
ゲッタータウラスはその両腕を全面に構えると腕の間接全てを高速回転させ、その拳が巨大化したかのように錯覚させるほどの回転圧力を出す。それによって2つの拳の間に真空状態の圧倒的な破壊空間を作り出し迫り来るゲッターミサイルを雑巾を捻るが如く爆散させドリルストームの竜巻すらかき消し、両腕の回転によって発生されるゲッターエネルギーとゲッター合金の欠片が混ざった嵐がゲッタービームを弾く。
その攻撃が危険だと判断した隼人たちはすぐさまその場を離れ、ゲッタータウラスの神砂嵐をかわす。そしてゲッタータウラスの両拳が浅間研究所に触れた瞬間、既に廃墟寸前だった早乙女研究所は拗られ高速回転しながらボロボロの残骸から細かい砂へと姿を変えてしまった。
『な、なんて威力だ・・・っ!?』
『まともに喰らえばいくらゲッターでもタダでは済まない・・・っ!?』
『これがビーストたちの力の一端かっ』
ゲッター1、真ゲッター1、ゲッターアークにチェンジした竜馬、號、拓馬はゲッタータウラスの力の一端を見て思わず戦慄した。そして追撃を仕掛けようと拳を構え直そうとしたゲッタータウラスだが、その拳はゲッター1たちに向けられるより先に後ろから迫るゲッタートマホークを裏拳で弾く。
『ほぅ・・・もう目が覚めたのか』
ヘリクスはそう呟きながらゲッタートマホークを投げた状態のゲッターロボG2を見る。その周辺には破壊されたガンメンたちが転がっていた。これで状況はさらにヘリクスたちが不利になった 。竜馬たちとジャオウガたちによる戦いが再開されるかと思われたが、それは突然の乱入者たちによって終わりを迎える。
『・・・どうやら時間切れのようだな』
ヘリクスがそう呟くのと同時に竜馬たちの後方にZEXISとドライクロイツ、そしてその協力者たちの戦艦であるプトレマイオスII、マクロス・クォーター、ドラゴンズハイヴ、エターナル、ドライストレイガー、ネェル・アーガマ、ダイグレン、月光号、ゴディニオン、ディーヴァ、シグナス、ハガネ、ヒリュウ改。そしてその周囲には搭載機であるモビルスーツやスーパーロボットを始めとした機動兵器たちが護衛のように展開していた。
それに対してジャオウガたちの後方からは獣人たちの戦艦であるダイガンザン、ダイガンカイ、ダイガンテン、ダイガンドを始めとした戦艦型ガンメンたちとゲッターロボ軍団専用の戦艦である陸戦用戦艦テキサス、ライノセラスを始めとした陸戦戦艦たち。そしてその周囲をビャコウ、セイルーン、シュザック、ゲンバー、ラゼンガンを始めとしたガンメン軍団とゲッターα、量産型ゲッタードラゴン、ステルバー、ステルボンバーを始めとしたスーパーロボット軍団が展開していた。
『アァ?なんだよこれからがおもしれえって時に・・・』
『ふふっ焦る必要は無いわ。まだ私たちの暴れる舞台は沢山あるんだから』
『ガッハッハッ!!それもそうか!!』
ジャオウガは決着がつかなかったことに不満を抱いていたがミツネの言葉に機嫌を直しゲッタービーストへとチェンジしてからテキサスの甲板へと飛び移る。先程までの戦闘欲の塊であるジャオウガがあっさりとその戦意を解いたことに竜馬たちが困惑するよりも先にヘリクスが話し始めた。
『ZEXISとドライクロイツに告げる。1週間後我らが王、ルルーシュ皇帝がアッシュフォード学園にて貴殿らとの会談を行うための準備をしている』
『何だと?』
ヘリクスからの言葉にジェフリーが疑問の声を上げる。まさかのルルーシュからの階段の申し出に誰もが疑問を感じる。ゼロとしての彼を知っているZEXISとドライクロイツのメンバーたちはそれが罠なのかそれとも本当に会談を望んでいるのか判断を決めきれないでいた。
『我らが王は貴様たちをこの
『慈悲・・・』
ヘリクスの言葉にドライストレイガーの艦長であるミツバ・クォーバーは思わず繰り返す。ZEXISとドライクロイツたちは全戦力が揃ってはいるものの機体も戦艦もパイロットもどれも傷つき全快していない。目の前の部隊を相手取るなら勝利は得られるかもしれないがZEXIS側に少なくない犠牲が生まれるだろうし、ルルーシュ軍からの援軍が送り込まれるかもしれないと考えているから下手に手を出せないでいた。
『それは彼の真意を我らに話してくれるということでいいのかな?』
『それは分からぬ。貴様らに何を話すかを決めるのはルルーシュ皇帝のみである』
ビッグオーのパイロットであるロジャー・スミスが質問をするもヘリクスは満足できる答えを返せない。ルルーシュの真意を語られていないヘリクスたちではその質問を返すことが出来ないのは仕方ないことであり、その質問に答えられるとしたらルルーシュと彼の直属の騎士であるライと神殺の英傑たちを含めた一部の人間たちであろう。
『では我々はここで失礼させてもらおう』
『じゃあな流竜馬とゲッターチームたち!!次戦る時までにくたばるんじゃねぇぞ!!』
『ふふっ楽しみにしてるわ』
ヘリクス、ジャオウガ、ミツネはそれぞれそう最後に告げるとテキサスたちと共に後退を始める。
────当初の目的である別次元のゲッターロボとそのパイロットたちの回収には成功したもののルルーシュ皇帝軍の力の一端を見せつけられたのだった。そして突如決められたルルーシュとの会談に対してZEXISとドライクロイツはどう対応すべきか話し合うのだった。
◆◆◆◆
そして場面はエリア11のトウキョウ租界ブリタニア軍基地のエアポートラインに切り替わる。浮遊航空艦アヴァロンから護衛の騎士たちと共に降りたルルーシュは、遠くに見える月明かりに照らされたフレイヤの影響を受けたアッシュフォード学園を一望する。
「────お待たせ致しましたルルーシュ陛下」
ルルーシュの前から声をかけられたので声のした方を向くと、そこにはメイド服を身にまとったマリーカ・ソレイシィと目元をバイザーで隠している深淵の騎士団の一般兵士たちが並んで立っていた。
「各地に残っていた日本解放戦線の残党及びその協力者たちですが、先日ライ卿たちの手によって掃討が完了致しました。これによりエリア11に潜む反抗勢力は全て掃討したと思われます」
「そうか、よくやってくれたなマリーカ」
「い、いえ・・・陛下のお役に立てたのなら良かったです」
ルルーシュはマリーカからの報告を受けて微笑みながらマリーカにそう言うとマリーカは顔を赤らめながら嬉しそうにはにかむ。
「そ、それから先程ビアン総帥からルルーシュ陛下とC.C.様の専用機が完成したとの報告がありました」
「そうか」
ルルーシュかマリーカからの報告に対してそう頷いた。その時だった。
「おい、ルルーシュっ─────!!」
遠くの方から、聞き覚えのある少年の叫び声が聞こえてくる。
ルルーシュがそちらを向くと、遠くの発着場のフェンスを、人懐っこそうな青髪の学生服の少年がよじ登ろうとしているところだった。
「教えてくれよ、ルルーシュ!!どうしてこんなことを・・・お前は、一体何をしようとして────おわっ!?」
「何者だ? 無礼な!」
「あちらにおわすのは皇帝陛下だぞ!」
どこかから拝借してきたのか、その少年は梯子を使って乗り越えてまでこちらに来ようとしていた。しかし、飛行場の警備を任されていたらしいトレーズに忠誠を誓うOZの兵士たちに見つかってしまい、無理やり引き戻されてしまった。
「ルルーシュっ・・・!ちくしょう、離せよ!!」
「貴様!自分の身の程をわかっているのか!」
「これ以上許可なく近づこうとすれば拘束するぞ!!」
「だって・・・!だって、友達なんだよ!!アイツは!ルルーシュっ────!!」
青髪の学生服の少年は、OZの兵士たちに取り押さえられながらもこちらに向かって手を伸ばし、必死に呼びかけようとしていた。
だがOZの兵士たちに何度も阻まれ、やがて本気で逮捕されそうになったところを、駆けつけてきた友人と思しき帽子と眼鏡の少女とオレンジ色の長髪の少女の2人に諭され、そのまま彼女に連れて行かれる形でどこかへ行ってしまった。
「・・・・・・」
ルルーシュにとって、その青髪の少年は大切な友人の一人だった。
少年の名はリヴァル・カルデモンド。同じアッシュフォード学園に通う生徒会メンバーのムードメーカーであり、悪戯好きな少年。趣味はバイクでよく自前のバイクを整備・改造しており、それに乗ってよく2人で一緒に賭けチェスなどをしに裏カジノに訪れていた。
「ルルーシュ・・・」
「・・・放っておけ。今はそれよりも明日のZEXISとの会談のことを考える方が優先だ」
かつての友人であるリヴァルに声をかけなくていいのか思わずルルーシュに確認するC.C.だが、それをルルーシュは首を横に振って断る。今のルルーシュにリヴァルたちに会う資格などないとルルーシュはそう思っていた。
「それよりマリーカ、例の機体たちの方は今のところ問題はないか?」
「はい。現在専用の格納庫で待機しており、暴走の危険性などは今のところありません。念の為直ぐに鎮圧できるよう周囲にデスレックスを筆頭とした部隊を展開させております」
ルルーシュはマリーカに現在最も注意すべき存在であるシャルルの遺産たちのことを確認し、マリーカは敬礼しながらそれに答える。ルルーシュも周囲を確認すると大型ゾイドであるデスレックスの他にディバイソン、セイバータイガー、ナックルコングなどのゾイドの他にサザーランドやグロースターといったKMF、グレイズやフラッグなどのMSが多数待機していた。もし例の機体が暴走したとしても足止めすることは可能な戦力か整っていた。
「モニカ、ミリアルド。お前たちも警戒にあたれ、最悪の場合は破壊しても構わん」
「「イエス・ユア・マジェスティ」」
ルルーシュは護衛として同行していたモニカとミリアルドにそう指示を出すとC.C.とライ、マリーカたちを伴って歩き出す。
その後、数度の暗殺者などの刺客の襲撃を退けながら新たにルルーシュに恭順の意志を見せたものを受け入れたりなどを行うのだった。
そして現在、ルルーシュを持て成すために用意された部屋でルルーシュは各地で行動している配下たちからの報告を確認しながらZEXISやシュナイゼルたちに対するプランを数十通り練っていた。その様子をベッドの上で寝転がりながらチーズくんを抱えるC.C.はじっ、と静かに見つめていた。
忙しなくコンソールを動かしていた指を突然ピタリと止めるとルルーシュは後ろを向いた。
「何かあったかクロノア」
ルルーシュが名を呼ぶと闇の中からペストマスクで顔を隠した黒のロングコートで全身を隠したクロノアとその配下たちが現れた。クロノアはペストマスクを外すとルルーシュの前に膝まづく。
「はっ。例のものたちとコンタクトが取れたことと南極の調査隊が新たな破壊龍たちを発見したとの事です」
「そうか、やはり南極に眠っていたか・・・。彼女たちの方はどうだった」
「はっ、警戒はされていましたが向こう側としても戦力が欲しかったようなのでこちら側の提案を前向きに考えるそうです」
クロノアからの報告を聞きながらルルーシュは予想通りの結果に笑みを浮かべる。彼女たちのことを知ったのはシュウ・シラカワが偶然彼女たちの世界に転移したことで、神聖ミスルギ皇国の真実を知った。故にルルーシュはそれを自らの目的のために利用しようと彼女たちと接触することにした。それから何度かの交流を得て今回こうして交渉まで持ち込めるようになった。
「そのまま交渉を続けろ。彼女たちとしても今回の提案は喉から手が出る程欲するものだ。無碍にすることなど無いはずだ」
ルルーシュは椅子から立ち上がりクロノアに近づくとその頬に手を伸ばしてそっと撫でる。クロノアは思わず顔を赤らめ慌てふためきそうになるのを必死に堪えてじっと耐える。
「お前たちは当初の予定通り、交渉が終わり次第ミスルギ皇国に潜入しろ」
「い、イエス・ユア・マジェスティ・・・」
クロノアは頬からルルーシュの手が離れたのを少し名残惜しげにしながらペストマスクを被ると再び闇の中へと消えていった。
「相変わらずの女誑しだなお前は・・・」
「?なんの事だ」
C.C.はルルーシュをジト目で睨むがルルーシュはC.C.の言っていることの意味が分からず首を傾げる。それにC.C.は思わず呆れてため息がこぼれる。
「それで?クロノアたちの方は問題ないとしても南極の方はどうする。目的のものがある可能性が高いがそれを回収するための戦力はあまり残っていないんじゃないか?」
「・・・・・・」
C.C.の言葉にルルーシュは思わず苦虫を噛み潰したような顔をする。C.C.の言う通り現在のルルーシュが所有する戦力の殆どはシュナイゼルたちを相手に想定して本国に待機しており、残りの戦力もクロノアを含めそれぞれ別の任務につかせているため南極の調査隊に新たな増援を向かわせることは不可能だった。
「・・・正直お前の言う通り南極に回す戦力は無い。アレの存在は他の連中に知られる訳にはいかないからシュナイゼルたちとの戦いが終わるまで調査は中断した方がいいかもしれないな」
ルルーシュは舌打ちしながらコンソールを走らせると南極の調査隊にメールを送る。ルルーシュとしては南極に眠る破壊龍たちを回収しておきたかったが無理に作業を行えば厄介な敵に存在がバレる危険性が高まる。故に調査の中断を決定した。
「・・・いよいよ明日か」
「あぁ、明日のZEXISとの会談が終わった時、俺たちの戦いが始まる」
「今更だがいいのか。裏切ったあの連中と違ってZEXISならお前の話を聞いてくれるはずだ。お前の目的を話せば────」
「それでは意味がない。これから先の戦い、俺たちを越えられなければ奴らにも地球にも未来は無い」
C.C.はルルーシュに対して思わずそう言ってしまうがその程度で揺らぐルルーシュではなく確固たる意志を持ってそう返す。
(そうだ、今更引き返す道などない。あの日ナナリーを失った時から俺自身の未来などもう不要だ)
ルルーシュは窓から見える満月を見上げながらそう内心で結論づける。それをC.C.はルルーシュに顔を見られないようにチーズ君に顔を埋めながら悲しそうな目でルルーシュを見ることしか出来なかった。
あとがき
今回は初めてのコラボ小説のようなものになりますがいかがだったでしょうか?この後ジンヤたちはZEXISとドライクロイツたちの医療チームによって身体の治療を行い、機体の方もエルネスティやイアンたちをはじめとしたメカニックたちの手によって次の戦いまでには完全に修復されます。次回はZEXISとドライクロイツたちとルルーシュたちとの会談を予定しているので戦闘は無いかもしれません。もしかしたら別の話を投稿するかもしれませんがどうかよろしくお願いします。最近ジョジョ2部見てワムウの神砂嵐を見てゲッター3系統でこの技を出せるんじゃないかと思ってゲッタータウラスの必殺技として出してみましたがどうでしょうか?他の2機にも同じように必殺技を考えてみますが何かいい技があったらアイデアをもらえると嬉しいです。Gレコの映画一気見したのでもしかしたらGレコのキャラたちも月夜さんのように登場させるかもしれません。
ジャオウガ
白虎の獣人。ゲッタービーストのパイロットであり生身でも竜馬たちと渡り合えるほど強い。強者との戦いこそが生きがいであると考え螺旋王が敗北したあとも傭兵として各地の戦場を歩き回り闘争に明け暮れていた。そんなある日、ジャオウガたちの存在を知ったライが自ら足を運びスカウトし生身で殺し合いを行い勝利したライにジャオウガとその配下たちは従うことを誓う。
(イメージは『ゼロから始める魔法の書』の傭兵)
ミツネ
狐の獣人。ゲッターガルーダのパイロットであり生身でも普通の獣人たち以上に戦えるがそれ以上に知略に長けており彼女の策によって多くの戦いに勝利してきた。夫であるジャオウガの強さに惚れ共に生きることを選択しているがもし情けない姿を少しでも見せた場合はその手で殺すことをつたえている。
(イメージはハイスクールDxDの八重)
ヘリクス
土竜の獣人。ジャオウガと対等な関係として利害の一致で共に行動している。その正体は螺旋王ロージェノムがかつて友として共に過ごしていた豚モグラ。ロージェノムの螺旋力を何百、何千年と長く浴び続けたことにより人としての姿を得た。ヘリクスのことを知っているのはロージェノムのみであり、彼の死後はロージェノムを倒した螺旋の戦士であるシモンを始めとした人類がアンチスパイラルを含めた人類の敵と戦うのを見守ろうと傍観者として世間から遠ざかろうとしたが、ルルーシュたちがゲッタービーストを発見したこととかつての聖戦にて多くの同士たちを盾にして逃げたエンブリオがこの世界に現れたことをきっかけに再び戦場に立つことを選んだ。
(イメージはブラックラグーンのダッチ)