スーパーロボット大戦Z 魔王の降臨   作:有頂天皇帝

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まえがき
今回の話から『実写版トランスフォーマー』も参戦が決定しました。ネトフリで視聴して出したくなった結果でオリジナルのダイナボットも登場させます。[最後の騎士王]まで視聴したのでそこまで登場したオートボットとディセプティコンたちを登場させる予定です。


第八話 魔王との会談

─────エリア11・トウキョウ租界。フレイヤの被害によって甚大な被害を出したトウキョウ租界だがレイラと彼の補佐として派遣されたジット団とキャピタル・アーミィによって復興支援を行ったことで徐々に元の街並みへと姿を取り戻し始めていた。

 

しかし、それでもフレイヤによる被害とインフラ停止や指揮系統の乱れなどによってレイラが着任する前の間に二次被害を含めて死傷者は3000万を超えていた。

 

故に表立って語られていないがトウキョウ租界の人間たちの多くは総督時代に自分たちのことを見ずイレブンにばかりに目を向け、肝心な時に何もせず消えたナナリー・ヴィ・ブリタニアに対して失望と怒りを抱いており、それに対してルルーシュとその配下たちには感謝と畏敬の念を抱いていた。

 

当然そのような事実はルルーシュたちにとって都合が悪いため徹底的な情報規制がきせられ表立って語られることは決してない。現にそのことを公表しようとした者たちは全員が幽閉され表向きには処刑されたことになっているために誰もが恐れ表立って口に出すものはいなくなった。

 

そんなエリア11に数ある学園の1つ、アッシュフォード学園では現在ZEXISとルルーシュによる会談を行うための準備を行うべくOZや皇帝軍の兵士たちが慌ただしく動き回っていた。

 

ZEXISとドライクロイツというルルーシュたちにとってシュナイゼルたちと同様またはそれ以上に脅威の存在である彼らとの会談を行うというだけあって誰もがこの会談を狙う襲撃者に警戒しネズミの一匹すら見逃さないと言わんばかりに厳重な警備を敷いていた。

 

現にこの準備期間の間にもルルーシュ及びびZEXISやドライクロイツたちに対して逆恨みに等しい思いを抱いた連中が準備を始めてからの5日間に30人近くも拘束されている。

 

その上度し難いことに拘束した反逆者の中には警備のものの手引きによって潜入したものもおり、その手引きした警備の人間はクロノアと彼女の直属の配下であるもの達によって死ぬよりも辛く惨い拷問を三日三晩行った上でその死体を他の警備の兵士たちにも見せ、裏切り者の末路であるその死体を前に誰もがルルーシュたちを裏切ることの愚かさを心に恐怖と共に焼き付けたのだった。

 

そしてZEXISとドライクロイツとの会談ということで各地に散って反乱分子たちの制圧に励んでいた《神殺の英傑》とその側近達もまたエリア11に集まり始めていたのだった。

 

────地球で最も強力な戦力を抱えている3つの勢力のうちの2つであるルルーシュ率いる新生ブリタニア皇帝軍とZEXIS・ドライクロイツ。彼らの会談はこれから始まる《終演(レクイエム )》に向けての戦いのきっかけであり、それは多くの生命体が命を失うということであった・・・

 

◆◆◆◆◆

 

ルルーシュ皇帝軍の旗艦であるユグドラシル級万能戦闘艦クロノス・ルルーシュの私室。

 

「────失礼いたします」

 

ノックの音が聞こえた後、その部屋の扉が開き、1人の白のメイド服に身をまとった、マリーカが恐る恐ると入ってきた。

 

「ルルーシュ様。お着替えをお持ち致しました」

 

高級ホテルはもちろん、ブリタニアの王宮の私室や客室と同じく、豪華な家具が建ち並ぶ部屋の奥のベッドで眠っているルルーシュに向けて一礼した後、マリーカはゆっくりと歩いていく。その両手には皇帝服を抱えていた。

 

「・・・・・・」

 

マリーカはルルーシュのベッドの傍に皇帝服を置きながらジッとベッドに視線を向ける。ルルーシュが寝ているベッドの上はマリーカと同じ深淵騎士団のメンバーであるリィズ・ホーエンシュタインとラウラ・ボーデヴィッヒ、イーニァ・ビャーチェノワが薄着姿でルルーシュに密着するように寝ていた。

 

「何をしているのかしら・・・」

 

「「「・・・っ!?」」」

 

マリーカの小さいながらも恐ろしさの籠った声に反応したラウラたちはビクンっ!!と背中を伸ばしてしまう。恐る恐る3人はマリーカの顔を見るとマリーカは笑顔を浮かべてはいるものの黒いオーラを発していることから怒っていることがわかってしまった。

 

「今回は見逃してあげます。早く部屋を出て着替えてきなさい」

 

「「「い、イエスユアマジェスティっ!!」」」

 

マリーカからそう言われたためにラウラたちは足早にベッドから降りると部屋から退出していった。ラウラたちが退出して扉がしまったのを確認した後、マリーカはふぅと息を零しながら再度ルルーシュに視線を向ける。

皇帝に即位してから今日までの間、ルルーシュに休まる時などな3時間寝れればいい方であり、3日以上の徹夜など日常茶飯事であった。故に会談前ということで十分な休息を取ってもらうということで今は安らかに眠っていた。

 

「ルルーシュ陛下・・・」

 

マリーカは眠っているルルーシュを心配そうに見ていた。トレーズやグライエン、クーデリアを始めとした優秀な人材のおかげで黒の騎士団の頃のような1人で組織を運用するなどということは無くなったが、組織としての規模が別物でありルルーシュの負担は黒の騎士団の頃よりも疲労が溜まっていた。

 

故にライやゼハートたちはルルーシュの負担を少しでも減らすべく仕事を請け負ったり、C.C.やモニカたちはルルーシュを癒すためにそばにいて世話をしたりなどしてルルーシュのためにそれぞれが行動していた。そのおかげもあってルルーシュは今日までの間に倒れることはなく過ごしていたが、ゆっくりと安息を取るまで目に隈ができているのは当たり前で食事も栄養サプリや携帯食で済ませたりなどと健康的な一般男子のやることとはとてもでは無いが言えない。

 

それにより元から細身だったルルーシュの身体はさらに痩せていると聞いている。彼の願う世界のことはマリーカ含めて全員が理解しそれを叶えるべく共に歩むことを選んだ。それでもルルーシュが心身を削ってまでこの腐りきった世界を変える必要があるのだろうかと考えてしまう。

 

「あなた自身の幸せはどこにあるのでしょうか・・・」

 

マリーカはルルーシュがいればそれでいいと思っているが、ルルーシュ自身はそのようなことを思っていない。自分よりも他者を特に自分が心から受け止めた者たちが幸せに過ごす未来だけを求め、その未来に自分自身の存在がなくても構わないと思っている。それがマリーカにとって悲しいことだった。

 

 

─────数十分後、目を覚ましたルルーシュはマリーカが用意した皇帝服に着替えながらブリッジへと向かい、今日もまた各地で活動している配下たちからの報告と敵対勢力の動向など様々な情報などを聞き、部下たちに指示を出しながら書類作業に勤しむのだった、

 

◆◆◆◆◆◆◆◆

 

エリア11・アキハバラゲットー

占領後の日本ことエリア11内でブリタニアの国民たちによって住む場所を追われた日本人たちが押し込まれた廃墟《ゲットー》のひとつであるここも、他のゲットーと同じように日照が悪く、《租界》のパネルの陰に広がっている。
暗く密集した地域に寄せ集められた、貧の土地。その中でもこのアキハバラゲットーは《闇市》としての側面があるためほかのゲットーに比べれば人の賑わいもあるが、その富の殆どは闇市を取り締まる商人たちとこの闇市を見逃しているアキハバラゲットーのブリタニア軍基地の司令部の懐に入っていた。

 

アキハバラゲットーの闇市では軍の横流しで裏ルートで流通しているナイトメアやモビルスーツを初めとした機体や武器、実験機として開発されたものの破棄された機体、食料や医療品、更には麻薬や人間など様々なものが販売されている。

 

粗悪品から掘り出し物など様々なものがあり、日本人だけでなく他国のレジスタンスから落ちぶれた元ブリタニア軍人など闇市を訪れるものは多岐にわたる。これまではアキハバラゲットーブリタニア軍基地の司令部であるガーランド・ハレフス司令が闇市の存在を上に知られないように必死に隠してきたが、当然ルルーシュたちを相手に隠し切れる訳もなくライはアキハバラ軍基地壊滅のために《神殺の英傑》たちの親衛隊たちを派遣することを決定した。

 

そのことを知ったガーランドは迎撃するために各地に潜むルルーシュに対して反抗的なブリタニア軍人に対して声掛けを行い必死になって戦力を掻き集めていた。そして闇市の元締めである商人達もまた自分たちの身が危ないことを悟り大金で傭兵組織を雇ったり日本解放戦線に合流出来なかったエリア11のレジスタンスや元日本解放戦線の兵士など多くの戦力をかき集めていた。

 

その規模は先日の浅間山の日本解放戦線たちに比べれば兵の質も数も劣るがそれでもかなりの規模の戦力が集結していた。ZEXISとドライクロイツとの会談が近いために彼らのような存在はルルーシュにとって早い段階で潰しておきたいが自らの護衛にも戦力を残さねばならないため今回の作戦では少数精鋭による殲滅を行うこととなった。

 

第一機獣師団からは金属生命体であるダイナボットたちで結成された《 古代の戦士(ロストウォーリアー )》。

第一機甲師団からはキア・ムベッキとマスクの2人を隊長としたヴィーナス・グロゥヴのモビルスーツ部隊。

第四機甲師団からはソフィ・プロネとノレア・デュノクを含めたGUND-ARMのパイロットたちで結成された《魔女の夜(ワルプルギスナハト )

第一独立師団からはバン・バ・チュン大佐率いるノイエDCによるアーマードモジュール部隊。

そしてルルーシュ直属の配下となった新条アカネとムジナ、アレクシスの3人。

 

それが今回の掃討作戦に参加するメンバーであり、現在アキハバラブリタニア軍基地の周囲を囲むように部隊を展開し進軍を開始していた。その中で先陣を切って暴れているのは《古代の戦士》のメンバーであるダイナボットたちとムジナの操る新たな怪獣であった。

 

『グオォォォォォッ!!』

 

ダイナボットのリーダーであるグリムロックは鋼鉄のティラノサウルスの姿となって防衛部隊であるサザーランドやグロースター噛み砕き捕食しながら突き進んでいく。グリムロックの牙はナイトメア程度の装甲で防げる訳もなく、煎餅を食べるかのように容易く噛み砕いていく。

 

接近戦はマズイと考え離れた距離からアサルトライフルやバズーカなどを用いて攻撃するも、グリムロックたちの装甲に傷をつけることも出来ずそのまま接近されて破壊されるか、グリムロックの口から放たれる火炎放射によって機体を溶解されていった。

 

他のダイナボットたちであるトリケラトプス型のスラッグ、スピノサウルス型のスコーン、アロサウルス型の《ファング》、プレシオサウルス型の《オーシャン》、翼竜型のストレイフ、ブロントサウルス型のスロッグ、パキケファロサウルス型の《ジルコニス》たちが恐竜の姿でナイトメアやモビルスーツを相手に暴れ回っていた。

 

ダイナボットたちはその頑強な鋼鉄の肉体を武器として扱い次々と破壊を繰り広げていく。防衛部隊に与えられた闇ルートで入手した機体であるサザーランドやグロースター、ヴィンセント・ウォードなどのナイトメアやザクII、ジンクス、ジン・ウォーカーなどのモビルスーツたちはグリムロックたちダイナボットたちに持ち前の武装ではまるで歯が立たず抵抗虚しくパイロットと共にその命を奪われていった。

 

それに慌てたガーランドは増援としてザムザザーやゲルズゲー、ビグ・ザムなとのモビルアーマーたちをダイナボットたちを破壊すべく発進させたが、ザムザザーたちはグリムロックたちの前に辿り着くよりも先に別の敵と衝突した。

 

『────いくよ、ブラックダイナゼノン』

 

ムジナの声がオープンチャンネルの声が聞こえたのと同時に上から落下してきた黒いダイナゼノン《魚目燕石怪獣・ブラックダイナゼノン》がゲルズゲーを踏みつぶす。

 

このブラックダイナゼノンは新条アカネがルルーシュを想って同じ想いを抱くムジナに戦うための力として生み出したダイナゼノンを元にしてアカネが作成した怪獣フィギュアにムジナが持っていた未活性状態の怪獣の種を埋め込んだものをアレクシスがインスタンスドミネーションで急成長させた怪獣。その戦闘力はダイナゼノンを上回っており、並のスーパーロボットでは歯が立たないほどである。

 

『ダ、ダイナゼノンだと!?ドライクロイツの機体が何故!?』

 

『いや、機体の色が違う!!あれは姿を真似ただけの偽物だ!!』

 

ブラックダイナゼノンの姿にゲルズゲーやビグ・ザムたちのパイロットたちは最初は驚いたもののすぐに違うと分かると強気になり、ブラックダイナゼノンに向けてビーム砲撃を開始する。それに対してムジナはブラックダイナゼノンを走らせその拳で次々とゲルズゲーたちを粉砕していく。

 

『その程度の力で私たちにかなうと思っていたの?』

 

『ガアァァァァァッ!!』

 

ムジナの見下すような声とブラックダイナゼノンの雄叫びが響き、モビルアーマーのパイロットたちはその黒き竜人の姿に恐れ後ずさりしてしまうのだった。

 

ダイナボットとブラックダイナゼノンの暴れっぷりに防衛部隊が押されていく中、追撃部隊として次に攻撃を仕掛けるのはキアとマスクが率いるビーナス・グロゥブとワルプルギス・ナハトの率いるモビルスーツ部隊が攻勢に入った。

 

『アハハハハ!!どうしたのかな?そんな弱っちいのでどうやって私たちを倒す気だったの!!』

 

『アーシアンのくせにスペーシアン並に薄汚い連中ですね』

 

ワルプルギス・ナハトのメンバーにしてGUND-ARMのパイロットであるソフィ・プロネのガンダム・ルブリス・ウルとノレア・デュノクのガンダム・ルブリス・ソーンによるコンビが増援として基地から出撃したザウート、ゲイツ、ザクタンク、リアルドタンクたちを愉快に笑いながら撃墜していく。

 

『続け!クンタラの戦士たちよ!!我らの戦いをルルーシュ皇帝に見てもらうのだ!!』

 

『地球での初めての戦闘だ!暴れまくるぞ!!』

 

ビーナス・グロゥブのモビルスーツであるカットシー、ザンズガット、マックナイフ、リジット、ウーシャたちを引き連れながらマスクのカバカーリーとキアのジャイオーンが軍基地の増援であるディン、バビ、リアルド、エアリーズ、アッシマーたちを次々と撃墜していく。

 

150機を超えるナイトメアとモビルスーツ、モビルアーマーたちが既に破壊されていくことにガーランドは自分たちが手を出し手は行けない存在に喧嘩を売ってしまったことにここに来てようやく気づいてしまった。故にここに来て命が惜しくなったガーランドと商人たちは護衛を引連れてそれぞれ別ルートで逃走を始めていた。

 

『ふざけるなっ!あんな化け物連中が相手だと知ってりゃ手を出さなかった!!』

 

ガーランドはヴィンセント指揮官型のコックピットの中で苛立ちを隠さずにそう叫びながら側近である部下たちの乗っている24機のサザーランド・アーマードに囲まれて守られながら必死に逃げる。その姿はまさに敗残兵と蔑まれても仕方ない姿であり、彼らは秘密裏に連絡をとっていたシュナイゼル派閥の旧皇帝派のブリタニア軍と合流すべくアキハバラブリタニア軍基地のガーランドのみが知っている秘密ルートで脱出を図っていた。

 

ナイトメアやアーマードトルーパーサイズの機体が余裕を持って通れるその地下通路は迷路のように入り組んでおり正確なルートを辿らなければ外に出ることは不可能であり、それを利用してガーランドたちは追ってきた敵機たちを振り切り逃走を続けていた。

 

障害物や罠を駆使してどうにかして追っ手の姿が視界に入らなくなったことと出口が目の前にあることでガーランドたちは完全に油断しきっていた。

 

『──────撃て』

 

地下通路を抜け外に出た瞬間、ガーランドたちの目に飛び込んだのはノイエDCのアーマードモジュール部隊のリオン、バレリオン、ランドリオン、アーマリオン、マスカレオン、ガーリオン、グラビリオンたちによるビームと銃弾などによる銃砲撃の弾幕の嵐であった。予想外の攻撃に対処が遅れたガーランドたちは対応が遅れてしまいまともにくらってしまった。

 

重装備のサザーランド・アーマードは武装の多さと分厚い装甲のおかげで最初の数発は防げたが統一された広範囲の銃砲撃の前に一機、また一機と撃墜されていく。

 

『馬鹿なっ!?何故この場所がわかった!!この出口を知っているのは私と一部の商人たちだけ────』

 

そこまで言いかけてガーランドは誰がこの場所を教えたのか理解してしまった。本当ならば一緒に行動して撤退するはずだったのに突然二手に別れることを進言した商人たちはこちらの答えを聞かずに護衛を連れて別ルートで撤退していった。故にその事から奴らが自分たちの身の保身を優先してガーランドたちを売ったのだと自分の命の灯火が尽きようとするこの瞬間になってようやく気づいてしまった。

 

『あの、薄汚い商人どもがァ─────!!』

 

ガーランドはヴィンセント指揮官機型のコックピットの中で裏切った商人たちに対して怨みの籠った叫び声をあげたのと同時に、ガーリオンのバーストレールガンから放たれた銃弾によってコックピット部分を撃ち抜かれ倒れ伏した。

 

『─────撃ち方止め』

 

ノイエDCのフラッグシップ機として開発されたヴァルシオン改・タイプGFのコックピットにいるバン大佐が指示を出すとノイエDCの兵士たちはピタリと攻撃を止めた。銃砲撃が鳴り止み土煙が晴れるとそこにはサザーランド・アーマードたちとヴィンセント指揮官機型の残骸たちが転がっており、生体反応がないことから殲滅が完了したことがわかる。

 

『バン大佐。別ルートで待機しているルクス殿たちも商人たちの殲滅を終えたとのことです』

 

『そうか。では予定通り食料と弾薬、機体などはこちらが回収するが金品に関してはそちらの自由にして構わんと伝えておけ』

 

『承知しました』

 

部隊長の1人の操るガーリオンからの報告に対してバン大佐はそう対応しながらも遠くで燃え上がるアキハバラブリタニア軍基地に視線を向けていた。この戦いもまたルルーシュ皇帝軍のてによって報道される。これまでルルーシュ皇帝軍たちによる軍事行動はほとんどが公表されておりいかにルルーシュ皇帝に逆らうことが愚かであるのか、そしてシュナイゼルち旧皇帝派とその同盟相手たちがいかに愚かであるかことを公表している。

 

これにより世論はルルーシュ皇帝を認めつつもその力のあまりの巨大さに恐れを抱くようになる。それこそがルルーシュたちの目的であることを理解しつつもバン大佐は若い命がビアン総帥のように未来のためにその命を削ることをなんとも言えない気持ちでいた。

 

────しかし今更歩みを止めることなどできないほどルルーシュもビアンたちも来ている。それを理解しているバン大佐は恩義あるもの達のためにもその力を振るうことに躊躇いはない。

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

同時刻。とある要塞(・・・・・ )の管制室。
シュナイゼル・エル・ブリタニアは、右手に持ったビショップの駒を弄びながら、モニターに映し出されたヨコハマ租界の祭典を見つめていた。

 

「シャルル陛下が消息不明になった隙を突いて成り上がったトレーズ・・・その後ろ盾で皇帝の座に着いたルルーシュに、その忠実な飼い犬ライとミリアルドたち。こんなものは、茶番だわ」

 

そのそばには側近であるカノン・マルディーニ、妹である第2皇女コーネリア・リ・ブリタニア、《皇卓の騎士(ナイトオブラウンズ )》の《第三席(ナイトオブスリー )》ジノ・ヴァインベルグ、《第六席(ナイトオブシックス)》アーニャ・アールストレイム、そして彼らの筆頭である《第一席(ナイトオブワン)》ビスマルク・ヴァルトシュタインがいる。

 

「特にフォルネウス卿・・・ミリアルドやエーカーと同じように、あのままシャルル陛下が拾ってくださった命を大事にして、大人しく伝説となっていればよかったものを。今更、ルルーシュと共に帝国(私たち)に、世界に復讐しに来たとでも・・・?」

 

右手に持ったワイングラスをクイッと軽く呷りながら、カノンがぼやいた。そのカノンのぼやきに、シュナイゼルが薄ら笑いを浮かべてこう答えた。

 

「人の本質とはね・・・何かに支配されたい (・・・・・・・・・ )ということなんだよ」

 


「殿下・・・?」

 

シュナイゼルの言葉に、カノンではなくジノが答える形で引っかかった。

 

「民族、宗教、伝統、権威・・・ブリタニア皇帝、いや、今や地球の統治者である連邦代表はそれなどを演じねばならない」

 


「ルルーシュはその器ではないと?」

 

続いてコーネリアが引っかかると、シュナイゼルはさらに薄ら笑って、彼女を振り返った。

 

「・・・どちらにしても、簒奪者である彼にあの席は相応しくないよ。父上は確かに暗君であったとはいえ、このブリタニアと地球連邦の全てが堕落と頽廃に満ちているという決めつけを認めさせる訳はもちろん、この世界をギアスなどというまやかしに与える訳にはいかない」

 


「では、殿下・・・」

 


「挙兵するのですね・・・!?」

 

ビスマルクとジノが食いつくと、シュナイゼルは軽く溜め息をついて首を振った。

 

「だが、この《要塞(ダモクレス)》と、《皇卓の騎士 (ナイトオブラウンズ)》でも、連邦軍全てを相手にするにはいささか力が足りない」

 

シュナイゼルがそう言った時、近くにあるサブモニターのうち4つの電源が点いた。

 


『────おや。これはこれは。お早い再びの連絡たよりですな』

 


『────シュナイゼル殿下か』

 


『────フッ。まさか貴殿から私めに連絡を差し上げてくるとは』

 


『────シュナイゼル宰相殿・・・。私に、何の御用でしょうか』

 


その4つのモニターの中にそれぞれ現れたのは、艶やかな長い金髪を持った20代の青年。灰色の髪を持った50代の男性。艶やかな金の髪を持った20代の青年と、銀髪を持った30代の青年。

 

「エンブリヲ。ラスタル・エリオン。オルフェ・ラム・タオ。ロード・ジブリール。・・・君たちが恐れていた最悪の事態が起きたよ」

 

コーネリアとカノン、ビスマルクたちが4人の男たちの顔を見て驚く一方、シュナイゼルは待っていたと言いたげに笑みを深めた。

 

────ルルーシュたちが力を蓄えているように、シュナイゼルたちもまたその力を振るう時に備え戦力を集め、その牙を研ぎ澄ましているのだった。

 

[newpage]

 

正午・アッシュフォード学園。

ZEXISとドライクロイツとの会談当日。アッシュフォード学園の周囲をヴェロキラプトル型のダイナボット《スラッシュ》、小型ゾイドであるキルサイス、レブラプター、プテラス、ガンスナイパー、スコーピア、クワガノス。ナイトメアであるサザーランド、グロースター、暁。モビルスーツであるジンクスIII、ビルゴIII、グフイグナイテッド、リゼルたちが警備として展開していた。

 

さらに学園の周りには、学園を囲うようにして巨大なバリケードが設置されており、第零騎士団、第一、三機甲師団、第二機獣師団、第一、第三混成師団。そしてOZの兵士たちが武装してバリケードの周りに厳戒態勢を敷いている。さらにその周りでは、ルルーシュの姿を拝見しようと人だかりができており、その様子を少し離れたところからリヴァル・カルデモンド、ニーナ・アインシュタイン、ミレイ・アッシュフォード、シャーリー・フェネットと元生徒会メンバーが見つめていた。


「・・・もうすぐ、この学園にルルーシュが来るんスね」


リヴァルが複雑そうな表情で呟くと、ミレイも同じく複雑そうな表情で頷いた。

 

「ライくんも、マリオくんやマーヤちゃんも護衛兼立会人として戻ってきて、ここでZEXISと会談するそうよ」

 


「ZEXIS・・・。地球連邦軍の外部独立部隊・・・」

 

ニーナがポツリと言うと、シャーリーが思い出したようにリヴァルたちに言った。

 

「確かソレスタルビーイングとか色んな組織が参加してるんだよね(ルル・・・。どうしてゼロだったルルが皇帝になったの?)」

 

シャーリーはリヴァルたちにそう言いながらも内心ではルルーシュが皇帝に即位したことに驚きを隠せないでいた。

 

とある出来事をきっかけにルルーシュが黒の騎士団総帥ゼロであったことを知っていたシャーリーにとってルルーシュがブリタニア皇帝となったことを知った時何がどうなっているのか分からず困惑した。

 

「この間の《ムゲ・ゾルバドス》とかいう異星人との戦いで一気に名を上げた部隊っすね」

 


「一般的にはね。でも、一部の報道関係者にはかなり名の知れた人たちらしいわよ。噂では陰で世界のピンチを何度も救ってるんだって」

 


「さすが、会長・・・!新進気鋭のレポーターは伊達じゃないっスね!?」

 


「私はただの見習いよ。でも、就職したおかげで少しは世界が広がったけどね」

 

ミレイの博識ぶりに思わず顔を輝かせるリヴァルに、ミレイが謙遜するように言った。
確かに、報道関係者になったことでミレイは多くのことを知ったが、それは彼女にとっても今の世界からしてもほんの一端で、何より世界の闇を知ったのだからこそ、あまり誇れることではなかったからだ。

 

「そのZEXISに、黒の騎士団もいた・・・」

 

今はもうZEXISと対立して、脱走同然に離脱しているとはいえ、ユーフェミアの仇でもある黒の騎士団がいるかもしれないとニーナが背伸びしようとした時、ミレイがそれをそっと抑えた。

 

「ニーナ・・・あんまり顔をあげちゃ駄目。誰かが見てるかも知れないから」

 


「・・・ありがとう、ミレイちゃん」

 

ミレイに諭され、我に返ったニーナは自分を落ち着かせようとして帽子を深く被った。
顔は割れていないが、ニーナはあのトウキョウ租界を消滅させた《フレイヤ》の開発者だ。フレイヤによって家族や友人を亡くした人は多く、もしニーナがフレイヤの開発者であることがバレてしまえば遺族たちはニーナに怒りと恨み、殺意を抱きながら暴走するだろう。故に少しでもニーナのことがバレないようにミレイたちは細心の注意を払って行動していた。

 

「でも、よかった・・・ニーナが無事でいてくれて」

 

安心したように微笑んでくるミレイに、ニーナは俯きながら言った。

 

「本当なら私は・・・ここに戻ってくる資格なんてない。ミレイちゃんに、色々とひどいことを言っちゃって、しかもフレイヤを作ったからこそ、こんな風に生きていてはいけないのに」

 


「ニーナ・・・」

 

ニーナにとって、ミレイも含めた他人が自分の無事を喜ぶことは、苦痛でしかなかった。かつて極度の人見知りで誰に対してもなかなか心が開けなかった自分に手を差し伸べてくれたのが、ユーフェミアだった。しかしそのユーフェミアがゼロによって殺されてから、ニーナは錯乱し、次第に狂気と憎悪へと取り憑かれていき、ミレイも含めたユーフェミア以外で自分に親しくしてくれた者たちを痛罵で拒絶した。そして狂気と憎悪のままにただゼロを殺すその一心で、ニーナはフレイヤという悪魔の兵器を開発してしまった。


しかし当初のニーナはデータ上による漠然とした破壊力しか把握しておらず、フレイヤによってどれほどの被害が生まれるかなど考えもしなかった。その結果、フレイヤが放たれたことでトウキョウ租界にいた非戦闘員を含め数十万もの命が消え去ってしまい、レイラたちの手によって復興の兆しは見せてはいるもののその間にゲットーはもちろん租界も含めた爆心地の付近でその残滓に苦しみながら、風前の灯のように次々と消えていっている命も少なからず存在している。


その惨劇を目の前にしてようやく自分がどれほど恐ろしい兵器を作ってしまったのか気づき、恐怖のあまり再び錯乱したニーナはシュナイゼルの元から遁走した。その後、ミレイと再会して、拒絶されながらも親しみを捨てないでくれていた彼女の厚意で、このアッシュフォード学園で匿われていたのである。

 

「私・・・わかってなかった。私怨と復讐に囚われるあまり、自分が作り上げたものがどんな結果を生むことになるのか、見ようとしていなかった。ユーフェミア様の復讐のためだけに作ったあのフレイヤで、トウキョウは・・・」

 


「だから、どうしていいかがわからなくなって、こうして軍を抜けて身を隠しているんでしょ?」

 


「・・・うん」

 


「だったら、気の済むまで考えようよ。・・・って、モラトリウムを卒業したばかりの私が言う台詞じゃないけどね」

 

そんな、今のニーナには落ち着く時間が必要だと考えるミレイは、彼女を優しく諭そうとした。と、その時だった。

 

「・・・相変わらずですね、会長は」

 

声をかけられたミレイ、リヴァル、シャーリー、ニーナが振り向くと、そこには同じく生徒会メンバーであった少年、沙慈・クロスロードが立っていた。

 

「沙慈・・・!?」

 

「左慈くん・・・!?」

 


「お前、また唐突に現れやがって! ルルーシュたちを見に来たのか?」

 


「うん・・・」

 

驚きのあまりミレイと共に駆け寄ってくるリヴァルに、沙慈は苦笑しながら頷いた。

 

「でも、考えてみればすごいよな。俺たちの生徒会って・・・」

 

「うん。ルルーシュは皇帝陛下で、ライはその皇帝騎士《終焉の騎士(ナイトオブゼロ)》で、マリオ、マーヤ、ルイスも2人に付き従う騎士になったし・・・」

 


「ナナちゃんは皇女殿下でエリア11の総督・・・リリーナは初代地球連邦代表のクイーンで、カレンは黒の騎士団の団員。ニーナもすごい科学者になったし、ミレイ会長もテレビ局に就職して・・・」

 

リヴァルの言葉通り、振り返ってみてもここまで異彩なメンバーが揃った生徒会など他にはないだろう。それも数々の異なる世界が組み合わさり、兵器も含めた異なる文明と共に多くの人間が流れ込んできた多元世界のなせる業というものか。

 

「ルイス・・・それに、マリオとマーヤ・・・」

 


「まさか、あの子たちまでルルーシュの騎士になったなんてね。最初テレビで見た時は夢でも見てるのかと思ったわ」

 


「・・・もう、僕とリヴァルしかいないみたいだね。平凡なのは」

 

沙慈の一言に、ニーナ、ミレイ、シャーリー、リヴァルは揃って表情を翳らせた。あの明るくて優しかったルイスとマリオ、マーヤが、今では恐ろしいルルーシュ皇帝の騎士としてライたちと共に君臨し、各地で反乱軍を相手に暴威を振るっていることを思い出したからだ。

 

「僕も正直言って、今でも信じられないけれど・・・いつか必ず、連れてくると約束するよ。あの日と変わらないルイスを・・・」

 


「沙慈・・・」

 

決意のこもった目をしながら、ミレイたちに沙慈がそう告げた時だった。

 


「────久しぶりだね、ニーナ。それにみんなも」

 


さらに覚えのある声が後ろから聞こえ、沙慈とミレイたちが振り返った。
そこに立っていたのは、先ほど自分たちが話していた双子の兄妹であり、ルルーシュ直属皇帝軍騎士の証であるギアスの紋様が描かれた黒のマントを羽織ったマリオ・ディゼルとマーヤ・ディゼル。さらに彼らの背後には20人の黒の軍服に白の仮面で顔を隠している兵士たちが2人に付き従っていた。

 

「んなっ・・・!?」

 


「君たちは!?」

 


「マ、マリオにマーヤ・・・ !?」

 

まさかのマリオとマーヤの登場に驚きを隠せないミレイたち。その姿を見て、声と表情に微かに後ろめたさを感じたマーヤは、ニーナを見てこう言った。

 

「こんな形で戻ってくる気はなかったし、もう戻るつもりもなかったんだけど・・・ニーナ。ルルーシュがあなたに用があるから、こっちへ来させてもらったの」

 


「わ・・・私に?」

 

ニーナが困惑に顔を強張らせた時、マリオとマーヤの背後からひょこっとひとりの白衣の男性が飛び出してきた。

 

「おめでと〜!見つけたよ、ニーナくん。なんとか元気そうで安心したよ」

 

相変わらず楽しそうな調子で現れたその男性は、他でもないロイド・アスプルンドだった。さらに彼の登場に少し遅れる形で続いて、セシル・クルーミーも現れる。

 

「あなたは・・・!?」

 


「ろ、ロイド先生!?どうしてあなたまで・・・」

 

ミレイたちとニーナがさらに驚きを隠せないでいると、セシルはニーナをまっすぐに見つめ、静かにこう告げた。

 


「ニーナさん・・・皇帝陛下の命により、あなたを迎えに来ました」

 

ニーナたちがマリオたちの手によって連れていかれるのを少し離れた場所の物陰からエンブリヲが覗き見していた。

 

「ふん、フレイヤの開発者である小娘を手中に収めようとしたが一手遅かったみたいのようだ」

 

エンブリヲは人間如きに先に手を打たれたことに不快感を感じたものの最終的に全ては自分のものになると考え、唯の人間風情に温情を与えてやったのだと思い込みニーナを手に入れられなかったことを忘れる。

 

「それにしてもミレイ・アッシュフォードにシャーリー・フェネットか・・・。アンジュには及ばないが彼女たちも私の花嫁に相応しい女性だな」

 

エンブリヲは先程見たミレイとシャーリーのことを思い出し、彼女たちを自分の手で自分好みの女に変えることを考えて下衆な笑みを浮かべていた。

 

女を自らの欲望の赴くままに扱うエンブリヲ。後に魔王の怒りに触れ、彼に断罪の刃が振り下ろされ無様な最後を迎える日はそう遠くない未来であった。

 

◆◆◆◆◆◆

 

マーヤとマリオかニーナたちを確保してから1時間後。

 

今回の会談のためにルルーシュたちが用意した校庭に造られた会談会場。

ルルーシュとライ、マリオ、マーヤ、スザク、ライたちが生徒会メンバー共に多くの思い出を作った学園にて、ルルーシュたちとZEXISとドライクロイツによる会談が行われようとしていた。

 

ZEXIS側からはスメラギ・李・ノリエガ、ロジャー・スミス、ジェフリー・ワイルダー、F.S、ラクス・クライン。ドライクロイツ側からはミツバ・グレイヴァレー、スズカゼ・リン、ロベルト・ゴメス、ダイテツ・ミナセ、レフィーナ・エンフィールド、オプティマス・プライムが交渉人として立ち会い、その護衛として刹那・F・セイエイ、ティエリア・アーデ、アムロ・レイ、クワトロ・バジーナ、ヒイロ・ユイ、張五飛、キラ・ヤマト、アスラン・ザラ、エッジ・セインクラウス、獅子王凱、ゼンガー・ゾンボルト、レーツェル・ファインシュメッカー、バンブルビー、アイアンハイドの計12人と2体のオートボットが背後に控えている。

 

それに対してルルーシュ側はルルーシュとトレーズ、ビアン・ゾルダークが交渉人として立ち会い、その護衛としてライ、ミリアルド、モニカ、ゼハート、バン大佐、イングラムが控えていた。

 

『会談の前に私から一言言わせてもらう。ルルーシュ皇帝陛下。あなたが私たちの仲間であるオートボットたちを保護し私たちの元へ送ってくれたことに感謝する』

 

「別にお前たちが気にすることでは無い。こちらとしては面倒な連中を始末する際に偶然保護していたようなものだ」

 

オートボットのリーダーであるオプティマスは会談を始める前にルルーシュにそう感謝の言葉を述べた。オプティマスたちオートボットは次元震に巻き込まれこの多元世界に飛ばされた際にバラバラに散ってしまった。

 

オプティマスやアイアンハイドを初めとした数名のオートボットはドライクロイツに早くに出会い保護されたことで助かったが、バンブルビーやハウンドたちのようにオプティマスに再会するまでオートボットの敵であるディセプティコンやオートボットたちの技術を求めた悪意を持った人間たちの襲撃を受けていた。それによりオートボット側にも少なくない被害が出ていたが、ルルーシュが保護してくれたおかげで命を落としたものはいなかった。

 

故にオプティマスたちオートボットにとってルルーシュは敵対しているとはいえ大恩ある相手であるためしっかりと礼節をとる。ルルーシュにとって人類に害をなすディセプティコンならば容赦する気はないが、人類の味方として戦ってくれるオートボットを敵に回すという愚かな選択をしないために以前から目障りだった《墓場の風》などのオートボット狩りをしている連中を始末するついでに保護していただけの話でそこまで感謝されるいわれはないと思っている。

 

オプティマスとルルーシュの話はそこで終わり、ZEXISとドライクロイツとのルルーシュの会談が始まろうとしていた。

 

「ルルーシュ皇帝・・・まずは我々に会談を申し込んだ理由を聞かせて頂きましょう」

 

ロジャーが最初に口頭を述べると、ルルーシュが不敵な薄ら笑いを浮かべて言った。

 

「随分と他人行事だな、ロジャー・スミス。それとも俺を追放したという事実をなかったことにする気かな?」

 


「・・・辛辣だな」

 

ジェフリーが半分険しく、半分苦い表情で呻いた。ZEXISにいた頃はゼロとして何度も助けられたのに、ロジャーたちは黒の騎士団がゼロを追放した時に何もしなかったことを、黒の騎士団の暴走と離反を止められなかったことと合わせて悔やみ顔を歪める。

 

「その口の利き方・・・皇帝陛下と言うよりも、ゼロと呼ばれるほうが似合うわね」

 


「ほう・・・」

 

かつて共に戦ったゼロらしい口ぶりのルルーシュに思わずそう言ったスメラギに、ビアンが感心したように薄ら笑った。

 

「噂には聞いていたが、ダイテツやゼンガーたちだけでなく君もまた随分と肝が据わっているようだな、スメラギ・李・ノリエガ。さすがはソレスタルビーイングの戦術予報士・・・こちらのライ卿と同じ作戦参謀にして指揮官を務めているだけのことはあるようだ」

 


「それは褒めているつもりですか、ビアン・ゾルダーク?」

 


「それはご想像にお任せしよう。だが、一言だけいうのならば、軽慮浅謀な行動は起こさない方が君たちの身のためだ」

 

ビアンの皮肉にムッときたスメラギに、イングラムが代わりにそう答えた。
イングラムはもちろん、ライとゼハート、モニカ、ミリアルド、バン大佐も目と佇まいから鋭さを消さなかった。皇帝騎士としてこちらが何か動きを見せればいつでも全力で対応にかかるという姿勢だろう。

 

(こいつらは・・・)

 


(生身でも、僕たち全員を相手にできる自信が本当にあるということなのか・・・)

 

人数こそ劣るものの、隙を全く見せないルルーシュの騎士たちに、刹那とキラたちは怯んでしまった。

 

「まあ、好きにするがいいさ。この会談が外部に漏れることはない」

 


「・・・では、君の本音も聞けるわけだな?」

 


「フフ・・・さて、それはどうかな?」

 

この非公式の会談なら本音を聞けるのかとばかりにF.S.が尋ねるが、ルルーシュは笑みを浮かべながら曖昧に答えるだけだった。

 

「変わらないな。その露悪的な物言いも」

 

五飛がそう皮肉を叩いた時、今度はトレーズが感心したように言った。

 

「さすがに皇帝陛下のことをよく理解されている」

 


「そうですね、さすがはZEXISとだけ言っておきましょう。黒の騎士団とは天と地の差の違いです」

 

トレーズに調子を合わせるライに、ミツバが言った。

 

「ライさん・・・まさかあなたが、ルルーシュ皇帝と行動を共にしていらしたとは」

 


「ええ。当然ですよミツバ艦長」

 

ライはミツバをまっすぐに見て、冷たく目を光らせた。

 

「僕はゼロの・・・ルルーシュの騎士であり、盟友です。黒の騎士団の方々と離れてしまったのは残念に思いますが、所詮彼らは指導者なしでは思想の統一すらままならない烏合の衆。導き手(ルルーシュ)依存(寄生)することしかしなかった彼らには、心底失望と嫌悪しかありません。────今すぐこの手で、シュナイゼル共々殲滅(捻り潰 )してやりたいくらいにね」

 


「っ・・・!」

 

ミツバは黒の騎士団・ZEXIS時代と変わらないそのライの言葉遣いにライらしさを感じたが、その黒の騎士団・ZEXISの作戦参謀として共に戦ってきた頃には見せなかった黒の騎士団を侮蔑し、憎悪する彼の瞳に思わず息を呑んだ。
その様子を一瞥してから、トレーズが再び言った。

 

「薄々勘づいているとは思うが、イノベイターは連邦から手を引いた。彼らは人類の愚かさに絶望したそうだよ」

 


「リボンズ・アルマークの言いそうなことだな」

 

アムロが表情を険しくする中、トレーズはこうも続けた。

 

「彼らはシャルル・ジ・ブリタニア皇帝陛下に世界の統治権をお返ししたそうだが、その皇帝陛下は愚かにも統治と政務を放棄した挙句に消滅したと聞く。イノベイターもブリタニア皇帝も、そして女王リリーナやマリナ姫などのように人類を導く存在もいない世界なのでね・・・私も起たざるを得なくなったのだよ」

 


「つまり、シュナイゼルに世界を任せる気はないというわけか・・・」

 


「それについて、あなた方の意見を聞きたい」

 

ルルーシュが口を挟むと、ダイテツがこう唸る形で答えた。

 

「それは君の下につけという要請と見るべきか」

 


「いいや・・・」

 

ルルーシュは一度目を閉じてからゆっくりと目を開き、スメラギたちをその力強い瞳で睨みつける。

 

「────命令だよ(・・・・)

 

それはギアスによるものではなく、王としての圧倒的なカリスマによって放たれる重圧だった。
その重圧は、今までZEXISとドライクロイツとして戦ってきたズール皇帝やムゲ・ゾルバトス。ハガネとヒリュウ改のレビ・トーラーやノイ・レジセイアなどの強敵に匹敵するものであり、スメラギたちは思わず息が詰まった。
屈しそうになってしまうのを必死に耐えながら、スメラギはルルーシュに対して返答を返す。

 

「ギアスを使うつもり?」

 


「その気はない。君たちも対策を施している以上、無駄なことをするつもりはない。大方、おかしな動きを見せれば、俺を取り囲む準備をしているのだろう?」

 


「相手があなただからね。25パターンの対策を用意させてもらったわ」

 


「ほう?フフフフフフ・・・」

 

ここでゼハートが、おかしそうに笑い出した。スメラギはまたもムッとなった顔で、彼を見据える。

 

「何がおかしいのかしら?」

 


「いえいえ、さすがはミス・スメラギ・・・いいえ、ZEXISとドライクロイツだと思ったまでです。そう来なくては張り合いがありません。やはり黒の騎士団とは違って、しっかりとした団結と組織力がある」

 

ゼハートは軽く咳払いし、冷たい瞳と不敵な笑いでスメラギを見据え、そしてこう言った。

 

「あなたたちが考えた25パターンのうち、23パターンは我々にも考えが及び、そのうちの2パターンにつきましては予想はしてはいるものの確証を得ていません。ですから、下手な手出しはしないようにしましょう」

 

ゼハート冷たい瞳と不敵な笑い、それに合わせてきたライ、モニカ、ミリアルド、バン大佐、イングラムたちの不敵さに、スメラギたちはまたも怯みそうになった。やはり、25パターンの対策を用意してきたとはいえ、ルルーシュが選んだだけあって彼らは只者ではない。2パターンも確証を得ていないとライは言ったが、その2パターンももしかしたら付け焼き刃になるだろう。


そうして増してきた重圧を振り切るように、ロジャーが首を横に振りながら言った。

 

「君と腹の探り合いをしているほど、世界に余裕はない」

 


「では、手短に用件だけを告げよう。我が命令に従ってもらう」

 

ルルーシュがそう言った途端、スメラギが勢いよく席を立ち上がった。

 

「────答えはノーよ」

 

それだけ答えた瞬間、ルルーシュ、トレーズ、ビアン、ライ、モニカ、ミリアルド、ゼハート、バン大佐、イングラムが一斉にスメラギを見据えてきた。


それに屈しそうになってしまうのを必死に耐えながら、スメラギはルルーシュたちを見据え返す。ロジャーたちも同じようにルルーシュを睨んでおり、それはここにはいないZEXISとドライクロイツのメンバーを含めた全員の総意であることを察したルルーシュは、ライたちと共に口元に今まで以上の不敵な笑いを湛えた。

 

「やはりな・・・予想通りだ」

 


(ゼロ・・・あなたは、やはり・・・)

 

スメラギが何かを察する中、ルルーシュがさらに言った。

 

「それが聞ければいい。この会談は互いの最後の確認(・・・・・・・・)のためのものだ」

 


「・・・これで我々は地球連邦代表に歯向かう反逆者というわけかな?」

 


「シュナイゼル・エル・ブリタニアの下につくというなら、どうぞお好きなように。無論、あなたがたの家族や縁者に手を出すような真似はしません。それが我らが皇帝(あるじ)の御意志ですからね」

 

ジェフリーの問いに、ライも不敵に笑いながらそう答える。

 

「正々堂々の戦いの宣言・・・まるで君たちと我々の決闘のようだな」

 


「さすがだよ、ミスター・ネゴシエイター。言い得て妙だ」

 

ロジャーの言葉にルルーシュが愉快そうに笑う中、ヒイロがトレーズに訊ねた。

 

「トレーズ、これがお前の選んだ道なのか?」

 


「後悔はしていないよ」

 


「了解した」

 

その時、ライが思い出したように手を叩いた。

 

「ああ、そうそう。前地球連邦軍総司令官の行方をあなたたちに伝えなくてはなりません」

 


「エルガン・ローディックの・・・」

 


「代表が、どこにいるのかご存知なのですか?」

 

《破界事変》以降、突如として姿をくらました地球連邦軍の中心人物の行方が知れることに、F.S.とラクスが驚きの表情を浮かべた。

 

「あの方なら、イノベイターの所にいます。もっとも、それを知った時点であなたたちに何ができるのかどうかはわかりませんけどね」

 


「やはり、そうか・・・」

 


「でも、一体何のために? 連邦軍の指揮権を自由に使うための傀儡にする以上の意味があるというの」

 


「そこまでは我々にも調べがつかなかった」

 

上からライ、アムロ、スメラギ、トレーズ。最後のトレーズの言葉を聞いた時、アムロはこう考えた。

 

(リボンズは人類を管理する神を気取っている。それに必要な何かをエルガン代表が持っているというのか・・・)

 

その時、バタンと生徒会室の扉が慌ただしく開いた。

 

「────皇帝陛下・・・!!」

 

慌ただしい様子で入ってきたのは、マリオとマーヤだった。

 

「ディゼル卿?」

 


「マリオにマーヤか。騒がしいぞ、何があった?」

 

モニカとルルーシュが訊ねた時、顔を青くさせたマーヤがこう告げた。

 

「セ、セシル補佐官から緊急の報告がありまして・・・!たった今、帝都ペンドラゴンがシュナイゼル同盟軍の手によって制圧されたとのことです!?」

 


「何っ!?」

 


「「「なっ!!?」」」

 

マーヤからの報告に、ルルーシュとライたちだけでなく、アムロ、クワトロ、スメラギたちも驚きのあまり目を見開いた。

 

──────この時、終演(レクイエム)に向けての序章(プロローグ)の戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。憎悪、欲望、絶望、愛憎、希望、未来、愛情などの様々な生と負の感情が混ざりに混ざった数多の戦場がこれから地球だけでなく宇宙にまで広がり、多くの屍を築いていくであろう・・・




あとがき
先日トランスフォーマーとガンダムUCとナラティブ見てハマってオートボットたちや量産モビルスーツたちを活躍させられたらなと思いながら今後登場させるモビルスーツを含めた機体たちを考えていますが、また余裕が出来た時に以前投稿した各勢力の所持戦力を書き直そうと思います。フジの決戦とその前の戦いで旧式や最新機が入り交じった戦場を作って、誰かに「動く戦争博物館かよ」って言わせたいです。最近アプリ漫画でZガンダムやクロスボーンガンダム、ASTRAYシリーズを読んでいて色んなモビルスーツや魅力的なキャラたちを見て自分も頑張って機体やキャラたちを活躍させられるように頑張って執筆したいと思います。
また本編にてムジナさんが登場したブラックダイナゼノンは読者さんであるハナバーナさんから頂いたものになります。設定は以下の通りになります。

魚目燕石怪獣 ブラックダイナゼノン(ハナバーナさん作)
決戦に備えアカネが製作したダイナゼノンの粘土人形を触媒に、ムジナが未活性状態にあった怪獣の種を人形の胸部に埋め込みインスタンス・ドミネーションで急成長させた黒いダイナゼノン。
見た目は真紅の双眼と胸部のコックピット以外は黒く、所々虹のラインが走り頭部の角はアンテナになっている。怪獣の種を使用しているので、ロボットでもあり、怪獣でもある。アカネがルルーシュを想って真剣に製作し、ムジナがルルーシュに対する愛情と信頼の情動を以て使役するため、関係性で言えばちせとゴルドバーンに近い。
戦闘力はガウマ隊のダイナゼノンを上回り、ポテンシャルが絶好調ならユニバースでグリッドマンとグリッドナイトを追い詰めたドムギランに匹敵する実力を誇る。オリジナルのダイナゼノン同様分離やブラックダイナレックスへの変形も可能で、その時の怪獣の人格はダイナソルジャーに宿る。必須ではないが各機への搭乗も可能で、搭乗者の情動も汲み取ってさらに強くなる。

製作者のコメント
アカネ「ロボット物なら、強力な偽物は定番だよね!」
ムジナ「あの三人もいれば、もっと強くなれるのに…。」

ブラックダイナゼノンは言わば怪獣とロボットのいい所取りしたハイブリットとでも考えてもらえればありがたいです。ラストのペンドラゴン制圧は今後のことを考えてフレイヤによる消滅よりも制圧した方がシュナイゼル側にとって戦力確保など含めて利点が多いと考えてのものなりますが、どうでしょうか?次回は戦闘シーンは無いかもしれませんがどうかよろしくお願いします。また、各勢力に色んな機体を使わせたいのでおすすめのロボットアニメやゲームの機体などあれば教えて貰えるとありがたいです。pixivのとあるユーザー様のようにアーマードコアシリーズの機体も調べて登場あるいは参考にしてオリジナルナイトメアやモビルスーツなどの設定を考えてみようと思ってます。それではまた次回もよろしくお願いします!!
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