今回で箒と束の戦闘が終わり、オオサカ租界編も終わりが見えてきました。何とか今年中に終わらせられるように頑張りますが間に合わなかったらすみません・・・
────キラ・ヤマト。彼はZEUTH───否、ZEXISの中でも上位の実力を誇るモビルスーツのパイロットであり、アムロやカミーユ達のようなニュータイプと同じく通常の人間とは異なる力を持った存在───スーパーコーディネーターと呼ばれる人の手で生み出された完璧な遺伝子操作を施されたことで完成された最高傑作。その存在は否が応でも注目され多くの敵を作りキラは戦ってきた。スーパーコーディネーターとして戦う才能を持っているキラであるが本来ならば彼は戦いに出ることもその素性を知ることも無く平和に暮らせるはずだった。しかし、運命は彼を平穏な道に歩ませることなど許さず彼を戦いへの道へと否が応でも進ませた。
ZEUTHの世界が多元世界へとなる前のキラたちの世界で起こっていた戦争に友人たちと共に巻き込まれたキラは戦う力があったために友人たちを守るためにモビルスーツ、ストライクガンダムに乗り当時の敵であるザフトと戦う日々を過ごしていた。モビルアーマー乗りであるムウ・ラ・フラガや戦艦であるアークエンジェルにて指揮をするマリュー・ラミアス等軍人たちも共に戦ってはいたが彼らも自分たちのことで精一杯であったのとモビルスーツとまともに戦えるのがキラだけであったこと、ナチュラルたちの中でたった一人のコーディネーターだったことと同胞であるコーディネータて、さらには親友であるアスラン・ザラと戦うことになったなど色々なことが重なりキラは追い詰められていた。
そして親友であったトールの死によってタガが外れたキラはアスランと本気の殺し合いをし、結果はアスランのイージスガンダムによる自爆で引き分け出終わった。その後運良くその戦場を訪れたとあるジャンク屋によって救出されたキラは色々あってプラントのラクス・クラインの元へと運ばれクライン家に保護された。そこでキラは自分が戦う理由について考えるようになりそしてキラは自分の願いを見つけた。それを成し遂げる助けとしてラクスから新たな[[rb: 機体>剣 ]]であるフリーダムガンダムを託され争いや憎しみの連鎖を断ち切るための戦う事を選んだ。
それからキラは平和を願って戦い始めるようになったのだがそれに合わせて戦い方も極力敵を殺さぬよう機体の四肢や頭部などを破壊して無力化させる戦法を取るようになった。それに対して当初は仲間の一部からもいい顔をされていないがそれをやってのけるだけの力を示し続けそれは今も尚変わらない。そして仲間たちと協力し合う事でこれまで数多くの脅威を打破してきた。しかし長く続く戦いによってキラは本当に平和を実現できるのか?クルーゼやデュランダルたちの言っていることが正しかったのでは無いか?そして友人であったトール・ケーニッヒやフレイ・アルスターを始めとした多くの人たちを守れず目の前でその命が散るのを見ることしか出来なかった自分が本当に平和を作れるのか?など強い不安を抱くようになってきていた。
そんな負の感情を払拭するように焦りで周りが見えなくなってきたキラは自分の手で平和を成し遂げるためにファウンデーションによる核攻撃を防ぐために周りの静止を無視して単身グルヴェイグに突撃し撃墜しようとした。それは後数秒早ければ間違いなくキラの攻撃はグルヴェイグを撃墜しファウンデーションによる核攻撃を防ぐに至ったであろう。
─────しかしキラはファウンデーション王国の親衛隊であるブラックナイツのアコードたちの精神汚染をまともにくらってしまいその意識は闇の中へと堕ちていき、フリーダムガンダムとストライクフリーダムガンダムを操る不殺を誓ったキラ・ヤマトではなく、仲間を守る為ならば敵を倒すことに躊躇いを持たないストライクガンダムを操るキラ・ヤマトの意識が上がってしまったのだった・・・。
『キラくん!一体何があった!?応答するんだ!!』
突然ストライクフリーダムガンダムの全武装を展開させた状態でピクリとも動かないことにクワトロはキラに何かあったのではないかと考えオープンチャンネル越しにキラに呼びかけるがキラからの返答は返ってこず、何か嫌な予感を感じたクワトロは無理やりにでもキラの反応を伺うために百式を飛ばしてストライクフリーダムガンダムの肩を掴もうとしたその時だった。
『なっ────!?』
突如ストライクフリーダムガンダムは期待を反転させてグルヴェイグに向けていた全武装の照準を周囲にいた機体全てに変更させ、そのまま一斉射撃を行いファウンデーション側の機体を破壊し始めた。
──────クワトロやアスラン、シンたち仲間たちを巻き込んでいる上に有人機のコックピットを狙ってだ。
『『『『『『なっ!?』』』』』』
『キラ!?』
味方からの突然の攻撃、それも普段のキラならば狙わないであろうコックピットへの攻撃にクワトロたちは驚きながら回避をし、突然の狂乱にラクスは目を見開きながら悲鳴のように声を上げてしまった。動揺するクワトロたちを無視してキラはストライクフリーダムガンダムを飛ばし目に映る機体に向かっては襲いかかり次々と撃墜していった。
ビームアックスを構えながら斬りかかってくるザク-Fの胴体にシュペールラケルタ・ビームサーベルを突き刺し、動かくなったザク-Fを蹴り飛ばして襲ってきたギャン-Rにぶつけて動きが鈍ったところをザク-Fの動力炉のある場所に向けてクスィフィアス3・レール砲から放ったレールガンを放ち、誘爆させる。爆発に紛れてジンクス-FがGNランスをストライクフリーダムガンダムの胴体に向けて突きを放とうとしてきたが、槍先が届くよりも先にキラはジンクス-Fの両腕を斬り捨てそのままシュペールラケルタ・ビームサーベルでジンクス-Fを頭から一刀両断した。
キラは目につく機体に襲いかかっては撃墜しファウンデーションの有人機無人機問わず破壊された機体は地上へと落下していく。誰もが普段とは違う戦闘スタイルをとるキラに困惑している中、アスランとバルトフェルドなどかつてストライクガンダムを操り当時のザフトに対して初めてモビルスーツ同士の戦いを行い多くのザフトの将兵を討ち取ってきたキラを知っているものたちは今のキラが当時を思い起こさせるほど鬼気迫るものだと感じていた。
『落ち着くんだキラ!俺たちはお前の敵じゃない!!』
『アスラン・・・っ!!』
このままでは味方であるキラによって仲間が撃墜される可能性が高いと考えたアスランはキラを止めるためにインフィニットジャスティスガンダムをストライクフリーダムガンダムに向けて飛ばしてキラを止めようとするが、アスランが近づいてくることに気づいたキラはインフィニットジャスティスガンダムを迎えうつためにシュペールラケルタ・ビームサーベルを構えると同じように機体を飛ばした。2機のガンダムが衝突し互いのビームサーベルがぶつかり合うかと思われたその瞬間、アスランのインフィニットジャスティスガンダムに対して上空から落下してきた黒い影が襲いかかりインフィニットジャスティスガンダムはバルドル級惑星間航宙戦艦に叩きつけられた。それと同時にキラもまた四つの黒い影に襲われ四方向から斬撃が繰り出されたがキラはストライクフリーダムガンダムを急上昇させることで回避する。
『この機体はブラックナイツのっ!?』
『────流石はアスラン・ザラ。この程度では落とせないか』
アスランは襲ってきた黒い影───ブラックナイトスコードシヴァから繰り出される握りが刃と垂直になっている特徴的な片手剣のジャマダハルのような形状をした大型のヒートソード《VIG-E3/M 近接対装甲刀 ディス・パテール》の斬撃を回避しながらシュペールラケルタ・ビームサーベルで反撃する。それをブラックナイトスコードシヴァのパイロットである近衛師団長であるシュラ・サーペンタインは好戦的な笑みを浮かべながらディス・パーテルで斬りかかりそれをアスランはシュペールラケルタ・ビームサーベルで防ぐとそのまま2人は切り結び合う。
『くっ!?そこをどけ!!今はお前の相手をしている暇はないっ!!』
『釣れないなアスラン・ザラ!せっかくの戦いなのだから楽しもうじゃないか!!』
アスランは4機のブラックナイトスコードルドラに襲われているキラとストライクフリーダムガンダムを見て加勢するために突破を図ろうとするが、それを黙って許すシュラではなくインフィニットジャスティスガンダムの前に立ち塞がるように進行の邪魔をしながらディス・パーテルで斬りかかってくる。
『このっ!!』
アスランは目の前の敵を倒せなければキラの元へ迎えないと判断してシュラとブラックナイトスコードシヴァを倒すことに意識を向けるが、インフィニットジャスティスガンダムの攻撃はブラックナイトスコードシヴァにあまり通用せず装甲を浅く削ることしか出来ないでいた。
インフィニットジャスティスガンダムやストライクフリーダムガンダムを含めZEUTH側のモビルスーツはこのZEXIS・ドライクロイツ側の多元世界に来る前の当時の最新機としてその性能を発揮し多くの強敵を倒してきた。それはこちらのZEXIS・ドライクロイツ側の多元世界に飛ばされた当初でも活躍していたのだからその高性能差は分かるものだろう。
しかし、アスランたちがこの多元世界に飛ばされてから2年の歳月が経ったことでインフィニットジャスティスガンダムたちは既に現行機に比べて劣る旧式になってしまいこれまではOSや装甲など日々強化を行いこれまで騙し騙しできていたが、それに対してブラックナイトスコードシヴァはストライクフリーダムガンダムやインフィニットジャスティスガンダムを始めとしたモビルスーツたちのデータを元に開発し、そこにファウンデーション王国独自の技術であるビーム無効の効果を持つ装甲《フェムテク装甲》とリボンズ・アルマークたちイノベイターからの技術提供として受け取った擬似太陽炉を搭載させるなど最新技術の全てを搭載した最新鋭のモビルスーツである。
その性能差は段違いであるためブラックナイトスコードシヴァに性能が劣るインフィニットジャスティスガンダムは押されていた。撃墜されていないのは数多の強敵たちと戦ってきたアスランの技量があるからこそであった。
『いいぞ・・・!やはり貴様もまた俺が最強の糧となるための強者たりえる存在だ!!』
『何をっ!!』
シュラはアスランの実力が高いことに歓喜を隠さず攻撃をさらに苛烈させていく。それに対してアスランは何とか攻撃をギリギリのところで捌くことで致命傷は避けているが、インフィニットジャスティスガンダムは確実にダメージを積み重ねていた。
シュラによって追い詰められているアスランに対してブラックナイトスコードルドラ4機を相手取っているキラの方は意外と善戦していた。
『邪魔だァァァァァっ!!』
キラは叫びながら8基のスーパードラグーンを飛ばす同時に牽制としてビーム射撃を行いながらダニエル・ハルパーのブラックナイトスコードルドラに近づくとゼロ距離からのクスィフィアス3・レール砲を放ち、その装甲にヒビを入れた。キラはヒビの入った装甲に追撃を仕掛けようとシュペールラケルタ・ビームサーベルを構えるがそうはさせないと言わんばかりにグリフィン・アルバレストとリュー・シェンチアンのブラックナイトスコードルドラが《OWC-QZ200 対モビルスーツ重斬刀》でストライクフリーダムガンダムに斬りかかってきたことでキラは追撃を中断し、ストライクフリーダムガンダムを後退させてグリフィンとリューのブラックナイトスコードルドラとすれ違いざまにシュペールラケルタ・ビームサーベルで腰に装備していた《OWC-M1R1/F 高エネルギービームライフル》の銃身を斬り破壊した。
『このっ!!』
『欠陥品風情が調子に乗ってんじゃねえよ!!』
リューとグリフィンは自分たちの攻撃をかわされただけでなく反撃を許したことに怒りを抱きながら対モビルスーツ重斬刀で斬りかかるが、それよりも先にキラはリューのブラックナイトスコードルドラの頭を足蹴にして跳躍すると高エネルギービームライフルを構えていたリデラート・トラドールのブラックナイトスコードルドラに接近しシュペールラケルタ・ビームサーベルで高エネルギービームライフルを握っていた右腕を付け根から切り裂いた。
『なっ!?なんでよ!なんで私たちがこんな欠陥品1人に手こずってるのさ!!』
リデラートは搭乗機であるブラックナイトスコードルドラの右腕を切り飛ばされたことに苛立ちを感じながらリデラートもまた対モビルスーツ重斬刀で斬りかかる。機体性能も数も有利なダニエルたちブラックナイトに対してキラはたった一人で機体性能も劣る機体で十二分以上に働き善戦していた。
これにはいくつか理由があり、1つはダニエルたちブラックナイトのメンバーがキラのことを自分たち人類の導き手である新人類であるアコードとは比べ物にならない劣等種であるスーパーコーディネーターであるから自分たちが負けるわけが無いと高を括っていた事、2つ目はキラの戦闘スタイルが彼らの知るもの全く違うこと。これは公式的に残っているキラのデータがフリーダムガンダムかストライクフリーダムガンダムのみしかないためにストライクガンダムを操っていた時のデータは当時の地球連合軍によって完全に破棄されている再現は不可能であり、これによってストライクフリーダムガンダムの戦闘スタイルとストライクガンダムの戦闘スタイルに差があるために彼らの知っている情報と噛み合わず上手くいかないでいた。
他にも理由はあるかもしれないが大まかな理由は上記の通りである。しかし腐っても新人類を自称するだけはありグリフィンたちはそう時間をかけないうちにキラの動きにも慣れてきたのかグリフィンたちのブラックナイトスコードルドラはダメージを負うことはなく、逆にストライクフリーダムガンダムはダメージを負い始めていた。
『このっ!!』
キラは自分の攻撃が当たらなくなってきたことに焦りを抱きながら一斉射撃を行いブラックナイトスコードルドラたちを撃墜させようとするが、グリフィンたちはそんな雑な攻撃に当たる訳もなくビームの嵐を掻い潜ると同時に対モビルスーツ重斬刀をストライクフリーダムガンダムに叩きつけて右腕と左翼を破壊した。それによって機体バランスを崩したストライクフリーダムガンダムは体勢を崩して地面へと落下してしまう。
『キラくん!』
『このっ!どけよお前ら!!』
落下していくストライクフリーダムガンダムを見たクワトロとシンが百式とデスティニーガンダムを飛ばしてキラを助けに行こうとするが、それを邪魔するかのようにダニエルとグリフィンのブラックナイトスコードルドラが立ち塞がり対モビルスーツ重斬刀で斬りかかってくるためクワトロとシンはビームサーベルとアロンダイトを構えて迎え撃つ。
しかし上記で語ったように2人の機体はブラックナイツの機体に比べて性能が劣る旧式であり、その上にエンブリヲの卑劣な策略によって死んだかつての仲間たちとの戦闘で機体に少なくないダメージを負っている上にパイロットもまた疲労が溜まっていることや仲間であるキラの突然の変貌に動揺を隠せず、2人は普段の半分以上の力も発揮出来ないでいた。
それで最新鋭の機体を操り機体もパイロットも最高のコンディションの状態であるダニエルたちを相手取るのは厳しく、2人は少しずつ追い詰められブラックナイトスコードルドラの刃が百式とデスティニーガンダムをさらに傷つけていた。
『いい加減落ちろ、旧式が!!』
ダニエルはそう叫びながらブラックナイトスコードルドラの対モビルスーツ重斬刀を振り下ろすのをクワトロは百式のビームサーベルで受け止めようとするが、長時間での戦闘によるエネルギー不足と耐久力の限界がきたのかビームサーベルを握っていた右腕の根元から折れてしまいブラックナイトスコードルドラの一撃防げず百式の胴体を袈裟斬りにされてしまった。
『認めたくないものだなっ・・・!!』
クワトロは今の一撃で機体の制御が効かなくなった百式を苦渋の決断で破棄することを決め、先の一撃で剥き出しになったコックピットの隙間から脱出パックを用いて脱出を行う。当然そのような隙だらけの姿を見逃す訳もなくグリフィンが脱出パックを用いて飛んで逃げているクワトロを握り潰そうとブラックナイトスコードルドラが右手を伸ばして近づこうとするが、そうはさせまいとブラックナイトスコードルドラとの戦闘で右腕と武装の半分を失ったデスティニーガンダムによる落下の勢いを乗せた飛び蹴りがグリフィンのブラックナイトスコードルドラの胴体に突き刺さり、勢いよく蹴り飛ばされてしまったブラックナイトスコードルドラは体勢を崩してしまった。
『この、腰巾着風情がっ!!』
新人類たるアコードである自分が、デュランダル議長に選ばれたとはいえただのコーディネーターであるシンにしてやられたことに怒りを感じたグリフィンはクワトロを左手で抱えて逃げようとするデスティニーガンダムに向けて高エネルギービームライフルの銃口を向けるなり引き金を引いてビームを放つ。最初は回避していたシンだがクワトロを抱えているために激しい動きをとることが出来ず何度目かの射撃がとうとうデスティニーガンダムの右翼に当たり、バランスを崩したデスティニーガンダムは地面へと落下していった。
『クソォォォォォっ!!』
『シン!!』
やられてしまった悔しさで叫びながら落下するシンとデスティニーガンダムを追うルナマリアとフォースインパルスガンダム。短い時間でキラ、シン、クワトロの3人のエースパイロットがやられたことによってZEXIS側はさらに追い詰められてしまった。
─────そして世界を総べる王として生み出されたアコードたちの支配者は自らの伴侶となるために造られた歌姫を手に入れるためにその毒牙をむけるのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
キラたちがアコードたちに追い詰められていた頃、もう1つの戦場である天空大楼閣付近で行われている箒と束による姉妹同士の戦いはさらに激しさを増していた。
『ハアアアアッ!!』
長時間の戦闘で一部の装甲が剥がれフレームやコードなどが剥き出しになりながらも果敢に攻める姿勢を崩さない箒とガンダムアストレイ・陽炎。武装は虎徹と鬼切を残して他の武装は全て破壊されてしまったために破棄したがその分身軽になったことで攻撃はより激しいものになっていた。
『ガァァァァァッ!!』
束のロードアストレイダブルリベイクもまた長時間の戦闘によってロードバスターライフルは全て破壊されクアドロモードへの変形が出来なくなった上に左腕のガントレットセイバークロウにはヒビが入っていた。両者ともに機体のダメージは高くエネルギーの問題もあってこれ以上戦闘を長びかせれば互いの機体が持たないと考えているのか決着をつけようと攻撃をさらに苛烈になっていた。
『いい加減、落ちろっ!!』
箒は虎徹と鬼切を同時に振り下ろしてロードアストレイダブルリベイクの右腕を切り落としにかかるが、ロードアストレイダブルリベイクは機体を捻らせることで紙一重で回避すると同時に左腕を伸ばして鬼切の刀身を掴むとそのまま半ばからへし折った。当然そのような真似をしたことでロードアストレイダブルリベイクの左手もズタボロになるがそんなことは関係ないと言わんばかりに拳を握り固めてガンダムアストレイ・陽炎の右側頭部を殴る。殴り飛ばされたガンダムアストレイ・陽炎はその衝撃でカメラアイを点滅させるが直ぐに体勢を立て直すと同時に半ばで折れている鬼切をロードアストレイダブルリベイクの左肩に突き刺した。
『ギィガァッ!?』
『ああああっ!!』
左肩にグリグリとねじ込むように折れた鬼切を押し込む箒に対して束はガンダムアストレイ・陽炎を引き剥がそうと右腕のガントレットセイバークロウを叩きつけるがそうはさせまいと箒はロードアストレイダブルリベイクを近くの半壊したビルに叩きつけながら虎徹をロードアストレイダブルリベイクの右腕の付け根に突き刺して固定させる。
『これで終わらせるっ・・・!!』
箒は虎徹と鬼切を握る手に力を込めるとさらに強く押し込み、そのまま左肩と右腕を切り落とした。これにより完全に武装を全て失ってしまったロードアストレイダブルリベイクだが、それでも戦うのをやめようとせずコードが剥き出しになっている第一関節から先が無くなった右腕をガンダムアストレイ・陽炎の胴体にぶつけながら両足をじたばた動かす。箒は束を完全に気絶させるために自分に襲ってくる衝撃を無視してロードアストレイダブルリベイクの頭部と胴体を掴むと何度も壁に叩きつけコックピットを激しく揺らす。最初のうちは抵抗していた束であったが何度もコックピットを激しく揺らされその度に身体の至る所をぶつけていることで徐々に意識が薄れていき、そして頭部を激しく打ったことによりとうとう束は気絶してしまい、ロードアストレイダブルリベイクはカメラアイを消滅させながらゆっくりと倒れるし完全に機能を停止した。
『ハァッ・・・ハァッ・・・!!』
束が気絶しロードアストレイダブルリベイクが完全に動きを止めたのを確認した箒は滝のような汗を流しながら荒らげた息を整えるように深呼吸を繰り返す。箒の勝利で終わったがそれも辛勝であり機体も限界を迎えておりこれ以上の戦闘は厳しいものだった。
『どうやら決着はついたみたいね』
『ベアトリクスさん・・・』
倒れているガンダムアストレイ・陽炎の前に立っているクロスボーンガンダムX-0フルクロスのパイロットであるベアトリクス・ブレーメが箒に声をかけてきた。どうやら既にコーネリア軍及びZEXIS・ドライクロイツの連合軍との戦闘を終えていたようでこちらの援護をしようとこちらに来ていたようだ。
『コーネリアの方はどうなりましたか』
『逃げられたわ。あと少しでトドメをさせそうだったけどエニアグラム卿とグリンダ騎士団の横槍もあってコーネリアと一部の騎士たちには逃げられたわ。まぁあの怪我じゃ次の聖戦には出撃することはないでしょうね』
ベアトリクスはコーネリアを逃がしてしまったことの悔しさのあまり顔を歪ませるが終わってしまったことを延々と語るのも無駄だと考え、今の自軍の情報を伝える。
『こちらの被害は最低限に抑えられはしたけどそれでも2割近くの戦力を失ってしまったわ。でもパイロットは脱出したから機体を用意すれば問題ないしそれも倒した敵機を回収して直せばそれも問題ないわね』
『そうですか・・・』
箒はベアトリクスの言葉を聞いて来る聖戦に向けての戦力に関しては問題がないと判断すると同時にルルーシュからの命令であるコーネリアの抹殺に失敗したことに悔しさを隠せないでいた。だが今の弱った戦力では元ナイトオブラウンズであるノネットと精鋭の騎士であるグリンダ騎士団、凄腕の傭兵組織ピースマーク、さらにZEXISとドライクロイツを相手取るのは不可能に近いと考え諦めざるを得ないと箒は判断するしかなかった。
『・・・ベアトリクスさん。姉さんを連れてこのまま私達も撤退をします。これ以上この戦場で我らがやることはありません』
『了解したわ』
箒は最低限のことはすべきだと考え気絶している束と束が用意した無人機たちを連れて撤退することを宣言した。束の知識と技術力はビアンやシュウたち世界でもトップクラスの技術者たちに並ぶものであるためこちら側に取り込めば間違いなく戦力の強化になる。そして箒たちは傷ついた機体たちや倒した敵機を回収しながら母艦であるアトラスへと撤退作業を開始した。一方コーネリアやギルフォード、クラウディオら数名の騎士たちを保護してグリンダ騎士団の母艦であるグランベリーへと帰還したノネットたちであったが彼らの間に流れる空気は最悪なものであった。
「・・・何という、有様・・・。これが・・・あの、コーネリア親衛隊なのか・・・」
意識不明の重体のまま、グランベリーに運び込まれたコーネリアとギルフォードら生き残り8名と共に、回収してきたアルフレッドたち親衛隊メンバーたちの遺体を前にオルドリン、オルフェウスたちが息を呑む中、ノネットは、もう見る影も無くなってしまった盟友の親衛隊の様子を見て、悲しみと怒りに肩を震わせていた。
「ユーフェミア殿下・・・ダールトン将軍・・・。申し訳・・・っ、ございません・・・!!」
意識不明の重体であるコーネリアのことと合わせて、ノネットは痛いほど唇と拳を噛み締めた。
その瞳から、一滴の熱い雫がこぼれた。
─────ルルーシュが用意した断罪の刃たる騎士たちから命からがらコーネリアを救出することに成功したノネットたちであるが、その代償はかなり大きくコーネリア軍は完全に壊滅してしまいコーネリアもまた戦場に出ることが難しいこととなってしまったのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ブラックナイツの魔の手によってキラたちが落とされ救出作業を指示しようとしたラクスだが、突如エターナルのブリッジのモニターに通信が繋がったかと思えばそこにはアコードたちの指導者であるオルフェ・ラム・タオとアコードたちの創造主であるアウラ・マハ・ハイバルが映っていた。
「・・・何の用ですかオルフェ・ラム・タオ。今はあなたに構っている暇などありません」
ラクスは敵意を隠さず映像越しにオルフェを睨みながら問いかける。今のラクスは愛するキラの安否を確認することが最優先であるためオルフェと話す余裕などないと切り捨てるが、オルフェはそんなラクスの気持ちなど理解する訳もなく話し始める。
『随分と手厳しいですね。そんなにあの出来損ないのコーディネーターが大事ですか?』
オルフェはラクスの気持ちなど理解せず話し始める。その際にキラのことを侮辱したことでラクスはオルフェに対して殺意を抱いたことにオルフェは気づかず話を続ける。
『単刀直入に言わせてもらいます。ラクス姫、私の妻となり我らアコード共に亡きデュランダル議長がなし得なかったデスティニープランを今度こそ成し遂げましょう』
「「「っ─────!?」」」
オルフェの口から語られた言葉にラクスたち絶句せざるを得なかった。ラクスを妻と娶るというのも度し難いことではあるがそれ以上にラクスたちが否定したデスティニープランを実現させようとすることに驚きを隠せないでいた。
「・・・何故私があなたの妻にならねばならないのです」
「それがあなたの役割だからです。我らアコードは人類を導く新人類として造り上げられ、私がその指導者として。そしてラクス嬢、あなたは我が妻としてそれを支えるために貴方様の母上が生み出したのです」
「なっ・・・!?」
ラクスはオルフェの言葉に驚きを隠せず目を見張ってしまった。自分がアコードとして母親によって生み出されさらには将来の相手までも勝手に決められていたことに驚きを隠せず狼狽するがそんなラクスに気づかずオルフェは語り続ける。
『今この世界に必要なのは愚かなる暗愚ルルーシュによる支配ではなく我らアコードたちが徹底管理したデスティニープランです。そのためにも姫には我らアコードと共に歩んで欲しいのですよ』
『それこそがあなたのお母様の願いでもあるのじゃ。当然、妾たちの元に来るであろう?』
「何をふざけたことを────」
『もし断るのであればあの出来損ないにはここで死んでもらおうかの』
「─────!?」
オルフェとアウラの言葉に苛立ちまじりの否定をしようとしたラクスに対してアウラのなんでもないかのように言った一言に冷水をかけられたかのように顔を青ざめたラクスは言葉も出なくなってしまった。そしてそれを証明するかのように別のモニターに映ったのは四肢が完全に破壊された上にVPS装甲が切れて灰色になって地面に転がっているストライクフリーダムガンダムを囲むようにグリフィンたち4機のブラックナイトスコードルドラとファウンデーション王国の有人機及び無人機の群れが武器をストライクフリーダムガンダムに向けて何時でも攻撃をできるようにしていた。それはラクスがオルフェの命令を断れば愛するキラを殺すという脅しであった。
『さて、どうするかのう?』
アウラはニヤニヤと笑みを浮かべながらラクスに答えを急かす。それを聴きながらもラクスはすぐに返信を出来ずどうすれば良いのか必死に頭の中に考えを巡らせていた。同じようにオルフェとアウラたちの会話を聞いていたバルトフェルドたちはオルフェたちに対して強い殺意を抱くも今の自分たちでは何もできないことに歯噛みしていた。誰もが手を出せないと諦めかけたその時、ストライクフリーダムガンダムたちが映っているモニターに新たな機影が見えてきた。
「あれは・・・」
最初に気づいたバルトフェルドが何か言おうとしたその直後、それらの機体はストライクフリーダムガンダムを守るようにブラックナイトスコードルドラに攻撃を開始した。
場面は変わって映像の場面ではストライクフリーダムガンダムを守るように《アッガイ:CE》と三機のドムトルーパーの後継機である《ケンプファー・ラプター》、さらにオーブの量産機である《ムラサメ改》や《M1アストレイ》、《ムラサメ》がファウンデーション王国の一般兵たちと無人機を相手に戦っており、ブラックナイツたち親衛隊を相手取るのは4機のガンダム、《ガンダムアストレイレッドフレーム改》、《ガンダムアストレイブルーフレームセカンドリバイ》、《アカツキ》、《ドレッドノートイータ》だった。
『ジャンク屋連合にオーブ、サーペントテイルの連中がなんでここにいやがるっ!!』
『この、劣等種が調子に乗るなっ!!』
グリフィンとダニエルはストライクフリーダムガンダムとキラにトドメをさせる所を邪魔されて苛立ち混じりに攻撃を仕掛けてくるアカツキとガンダムアストレイブルーフレームセカンドリバイの攻撃を捌く。離れた場所ではリューとリデラートがガンダムアストレイレッドフレーム改とドレッドノートイータが戦っておりどちらも接戦を繰り広げていた。
『─────こちらは世界平和監視機構《コンパス》。これより戦闘行為に入る』
そう高らかに宣言するように戦場に現れたのはラクスが考案しオーブとクライン派のザフト、ジャンク屋連合を中心とした世界平和監視機構《コンパス》の母艦であるザフトの新造戦艦であるスーパーミネルバ級MS惑星強襲揚陸艦《ミレニアム》とアークエンジェル。
──────長く続いたオオサカでの戦いはまもなく終わりを迎えようとしていた。しかしそれはこれから始まる大戦のきっかけに過ぎずこの先始まる全ての人類の未来を賭けた大戦はもう間もなく開戦されようとしていたのだった。
あとがき
今回今年上映されたガンダムSEED の敵であるアコードたちが登場しました。正直作者は彼らがそこまで強いとは思えないでいます。機体性能がキラたちよりも上で読心能力を使って思考を読むその上で数の暴力によるリンチで勝ってあんな偉そうな態度をとってる姿を映画館で見てて早くこいつらフルボッコされねぇかなとか思ったのは懐かしいですね。この作品のアコード組はスパロボ補正によって機体強化とオリジナルアコードたちが登場するのでファウンデーション王国全体としては戦力が強化されてます。まぁ彼らが活躍するかは分かりませんがね笑。次回でオオサカ租界の戦闘に決着をつけるつもりなので頑張って今年中に終わらせようと思います。来年以降どのように進めていくかはまだ決めてませんがフジの決戦前に短編としてオリジナルキャラたちの過去話や戦闘、日常会話などをやれたらなと思ってます。それでは今年も残りわずかですが頑張っていきますのでどうかよろしくお願いします!!