はい今回で決戦前の準備回を終わらせます。今回短くなってしまってしまい申し訳ありません。次話から本格的なフジの決戦がスタートしますのでその分内容を濃くできるように頑張りたいです。
太平洋に浮かぶ人工島《アトランティス》。そこはかつてルルーシュがまだゼロとしてZEXISで活動していた時に建造したこの島には機体や戦艦の整備を行うための十分な設備と材料が揃っていた。そこでZEXISとドライクロイツは迫るフジの決戦に向けて最後の調整を行っていた。
「────できる限りの整備は行った。だがそれでも連中と相手取るには不安が残る・・・」
そう苦々しく言うのはソレスタルビーイングの整備士であるイアン・バスティでそれに同意するようにリーロンやアストナージ、ダーヴィド・ヘプケン、西園寺レイカ、ロバート・H・オオミヤなどZEXISとドライクロイツの整備に関するもの達が神妙な顔つきで頷く。ZEXISとドライクロイツ、そして新たに仲間に加わったもの達の運用する機体はどれもが最新鋭機か特殊な機能をもつ機体、異星からの技術で造られた機体など様々な機体が存在する。これまでならばパイロットたちの腕と機体性能もあって多くの強敵たちを打ち破ってきた。しかし次の相手はこれまでとは違っており戦場の規模も数も質も何もかもが桁違いであった。単体での強さならばこれまで戦ってきた敵の中にも彼らを超えるものは何人もいたがそれでも今回の戦場はこれまでZEXISとドライクロイツとして戦ってきたものの中でも5本指に入るほど覚悟な戦場になると予想出来ていた。
その上あちらにはこちらの情報がほぼ全てを知っているルルーシュとライがいることもあって上来の戦い方では歯が立たず即座にやられてしまうことは明白である。故にイアンたちは少しでもパイロットたちの生存率を上げるために限られた時間の中でできる限りの機体の改良を行ってきた。
新機体の開発などはできなかったが鹵獲したヒュッケバインMark-IIIやゲシュペンストMark-IIIなどの機体から回収したゲッター炉心やゲッター合金、ブラックホールエンジンなどの動力炉や希少な合金を用いることにし、既存の機体の動力炉をゲッター炉心やブラックホールエンジンなどの高出力・高性能な動力炉に変更することで機体性能を向上させたり、機体の関節部や装甲にゲッター合金をコーティングさせることで機体の強度の向上を図り、回収したゲッター炉心を用いて弾丸や武器をゲッター合金でコーティングまたはゲッタービームカートリッジの製造による武装強化、そして鹵獲した機体の中で損傷が少なく性能が高いものを修復・回収して量産機に登場しているパイロットたちの乗り換えなど様々なことを行ってきた。
だがそれでもZEXIS・ドライクロイツ側の戦力はコンパスやディガルド討伐軍、超合衆国の連合軍、カレン派の黒の騎士団残党などの協力者たちが参加してくれているとはいえ、ルルーシュ皇帝軍やシュナイゼル連合軍に比べ圧倒的に数が劣る点も合わせて不利としか言いようがなかった。
「────なればこそ、我々には新たな力が必要と言うわけですね」
そう言いながらイアンたちの前に現れたのはコンパスの技術責任者であるアルバート・ハインラインとその弟子である赤いベレー帽を被った薄茶色の髪の側面を三つ編みにしている小柄な少女《ラポム・グランエトワール》。ハインラインはイアンたちがどういうことかと尋ねられるよりも前に手元のコンソールを動かし説明を始める。
「現在、アムロ大尉やシャア少佐を含めたZEUTHメンバーには我々の世界で開発した新型機に慣れてもらうためにシュミレーションルームに篭ってもらっています」
ハインラインはそう説明をしながらコンソールを動かしてモニターにアムロたちZEUTHメンバーの新しい機体であるサザビー、Hi-νガンダム、ライトニングZガンダム、ZII、フルアーマーZガンダム、フルアーマーZZガンダム、クシャトリヤ・リペアード、ストライクフリーダムガンダム弐式、インフィニットジャスティスガンダム弐式、デスティニーガンダムspecII、わインパルスガンダムspecIIなどのこれまでアムロたちが使用してきた機体の発展機たちのデータを映し始める。これらの機体にも当然イアンたちが施した機体の改良が行われているため開発前に提示されていた機体スペックよりも数段スペックの高い機体として完成することが出来た。
「そして打てる手は全て打つ必要があります。故に地下にあるアレらの解放も進言します」
「なっ!?」
ハインラインがそう言いながら次にモニターに映したのはこのアトランティスの地下格納庫に保管されていたZEXIS・ドライクロイツメンバーの機体に合わせた強化パーツや新たな機体たちのことであった。例えばダブルオーライザーのための強化武装としてGNソードIIやGNバスターソードIIIなど武装を複数装備させるフルアーマーモード、ケルディムガンダムやアリオスガンダムの後継機であるガンダムサバーニャとガンダムハルート、コロニーのガンダムであるウイングガンダムゼロ、ガンダムデスサイズヘル、アルトロンガンダム、ガンダムヘビーアームズ改、ガンダムサンドロック改たちのための追加武装など様々なものが揃っておりそれらは全てルルーシュが用意したものであると状況的にイアンたちはそう判断した。
発見した当初は罠ではないかと疑っていたが何度も調べた上で危険性は全くないとイアンたち整備士一同は一応判断していたが、かつて仲間だったとはいえ今は敵となっているルルーシュが用意したものであるために使用することに難色を示していた。しかしハインラインはそれらの危険性ばかりに目を向けるのではなく今は少しでも戦力を強化できる手段があるならばその選択を取るべきだと判断してこのような進言をしたのだ。そしてそれはハインラインだけの判断ではなかった。
「イアン、俺たちからも頼む」
「刹那・・・」
「次の戦いにはルルーシュ達だけではなく、ニールたちも出る可能性が高い。彼らを取り戻しルルーシュたちに勝利するために打てる手は打っておきたい」
ハインラインたちの話を聞いて来た刹那たちZEXIS・ドライクロイツのパイロットたちが揃ってイアンたちにそう願い出る。前回のオオサカ租界での戦闘時に現れたかつて失われた仲間であるライル・ディランディたちと戦うことになった時は突然の事で動揺し追い詰められてしまった。どのような手段を用いて死者である彼らを現世に呼び戻したのかは分からないが恐らく次のフジの決戦でも彼らはまた刹那たちの前に姿を現す可能性が高い。その際に彼らを倒すなり拘束するなりするにしてもそのためには今のままでは駄目であり少しでも強くなれるのならばその選択を取るべきだと刹那たちは考えていた。
「はぁ・・・どうせ止めたところで無駄なんだろう。わかった決戦当日までに何とかしておく」
「し、シュミレーションルームに機体データは既に登録しています・・・。皆さんそちらに向かってください・・・」
イアンは刹那たちの意思が固いことを察してすぐさま作業に取り掛かることを伝え、ラポム 刹那たちがそう言ってくれると思っていたのか既にデータをシュミレーションルームに登録していることを伝えると刹那たちはアムロたちが現在新機体の動作訓練を行っているシュミレーションルームへと向かった。
─────整備士たちは戦場へ向かう
「─────何故クワトロ・バジーナの名を捨て再びシャア・アズナブルになった」
シュミレーションルームの少し離れた場所にある休憩室にてアムロはドリンクを片手にシャアに話しかけていた。シャアは一口ドリンクを飲んでからその質問に答える。
「・・・仮面を被ったままでは彼らの真意を理解することが出来ないからな」
「真意、ですか?」
シャアの言葉を聞いて首を傾げるカミーユと近くで同じように話を聞いていたバナージたちだった。
「そうだ。以前のアッシュフォード学園での会談で私はルルーシュくんとライくん、C.C.くんの3人は本心を隠す仮面を被っているように思えた」
「仮面・・・それじゃあ今やっている世界征服活動も本心では無いってことですか?」
シャアの言う通りルルーシュたちが本心を隠しているのならば今まで行ってきた侵略活動は何か別の意味があるのかとバナージはシャアに尋ねるが、シャアはそれに対して首を振る。
「それはわからない。だが彼はただの復讐で世界を敵に回すような手段をとるだけの男ではない。何か我々の知らぬ目的を持って行動していると考えるのが妥当であろう」
「確かに・・・」
ゼロとして活躍した姿を見てはいたがルルーシュという個人をアムロたちは知らない。だからルルーシュが何を求めて戦ってきたのか、その目指す世界の先がどのような姿であるのかも何も分からない。もし彼のことを知っていれば袂を分かつこともなかったかもしれないと今でも悔やみきれないでいる。
「故に私も自分を偽ることを止めようと思ってね。クワトロ・バジーナという仮面を被って彼らと対面したところで彼らの本心を知ることは出来ない。だから私の今の本当の名であるシャア・アズナブルとなることを選んだ」
シャアの本当の名はダイクン家の長男であるキャスバル・レム・ダイクン。しかしダイクン家を捨てジオン公国をザビ家の生き残りであるミネバ・ザビに任せている今の彼がその名を語るのは烏滸がましいと思っているからこそシャアとして活動することを選んだのだろう。
「今回の戦いはこれまでの戦いの中でも屈指の厳しい戦場となるだろう。だが、ただ彼らに勝つだけでは意味が無いということも心に留めておいた方がいいだろう」
シャアのその言葉はアムロたちにもよく響き、この先にある戦いが改めて困難なものであることを理解させられた。故にアムロたちは次の決戦はただ勝利だけを求めるだけではなくルルーシュたちの真意を知ることも必要だと考えるのだった。
「キラ・・・」
エターナルの医務室にてまだ眠っているキラのベッドの隣でキラの右手を優しく握りながらキラの目覚めをラクスはじっと待っていた。あのオオサカ租界での戦いからキラは一度も目を覚まさないでいた。体の傷は完全に治療され完治はしているが問題は心の傷らしくたまにうなされるかのようにフレイやナタルたちかつての死んだ仲間やデュランダルやクルーゼたち敵対した死者たちの名を呟いていた。
アコードたちの心理攻撃はキラが無意識に封じていた過去が今もキラを襲い苦しめていた。ラクスもまた苦しんでいるキラに対して何も出来ない自分が、自分がオルフェたちアコードと同じ世界を統べる存在として造られた存在であることへのショックなど色々と追い詰められているがそれでもキラがいるからこそ折れずにいた。
「ラクスさん、少し休んだ方が・・・」
「私は大丈夫です。キラが目覚めるまで一緒にいます」
マリューはキラを心配して一睡もせずずっとそばにいるラクスを心配して声をかけるが、ラクスの意思は固くそこからテコでも動く素振りを見せないでた。ラクスの気持ちも分かるためマリューはそれ以上ラクスに対して強く言うことなく隣の部屋でアスランたちと今後のことを話しているから何かあれば呼ぶように伝えてから医務室を退出した。
「────それでアコードたちの目的は何か分かっているのか?」
医務室の隣にある会議室にてアスランやシンたちエターナル、アークエンジェル、ミレニアムのクルーたちが揃ってファウンデーション王国の調査をしていたレイから彼らの目的を聞こうとしていた。
「はい。彼らの目的はアコードをトップに据えたデスティニープランの実現です」
「それってデュランダル議長と同じってことか?」
レイの言葉にまっさきに反応したシンはオルフェたちの目的がかつてデュランダル議長が実現しようとしたデスティニープランの再現をしようとしているのかと聞くが、それに対してレイは首を振って否定する。
「確かに奴らはギルと同じディスティニープランを実現させると口では言っているが、実際に奴らが行おうとしているものはギルの目ざしたものとは全くの別物だ」
「それってどういう意味なの?」
「ギルは能力にあったものたちに相応しい職を与え管理する社会を目指していた。だが奴らは自分たちこそが人類を導く存在でありアコード以外の他の人類は管理されるべき存在だと考えているようだ。その考え方の違いからギルとアウラは決別したと聞いている」
実際デュランダルはアウラが生み出したアコードたちのことを快く思っておらずデスティニープランを提唱した時も彼らを呼ばなかったし、アウラ達にとって計画の要の一つであるラクスの暗殺を企んでいたことなどからその事が伺えるだろう。
その後もレイや叢雲劾、イザークたちからファウンデーション王国に関する情報やジャガンナートを始めとした裏切り者たちの存在そして彼らが既にファウンデーション王国の切り札であったジェネシスと共に亡きものにされていること、ブラックナイツの1人であるココ・サーペンスタインが独自に動いていることなど彼らの調べた限りの情報を共有しあった。
─────過去の傷を抉られ心に深い傷を負った自由の翼の戦士が目覚めるのを平和を願う歌姫が寄り添い、彼らの仲間たちも再び彼が立ち上がるのを待ちながら来る決戦に備えているのだった。
「─────随分と調子が悪そうだな」
「オルフェウス・・・」
太陽が沈んでいくのを静かに見ていたカレンに声をかけたのはオルフェウスだった。オルフェウスの後ろにはカレンを心配してきたオルドリンと響裕太たちグリッドマン同盟、麻中蓬たちガウマ隊、クロウ、エスターがいた。
「・・・今でも考えてるの。もしあの時私がルルーシュを信じていればこんなことにならなかったんじゃないかって・・・」
「カレンさん・・・」
カレンはどこか苦しそうにまた懺悔するかのように顔を悲しそうに歪ませ、薄らと涙を流しながら今の自分の状況を悔やんでいた。もし第2次ブラックリベリオンの時に扇たちがルルーシュを糾弾するのを防いでいたら、もっと自分から踏み込んでルルーシュたちのことを理解していれば、ルルーシュたちを裏切ったあとも扇たちをもっと根気強く説得して彼らの考えを改さていれば、ルルーシュと扇たちに信頼関係が生まれるようになにか行動を起こしていればなどと様々なifを考えては何もしてこなかった自分に対しての苛立ちとやるせなさなどの様々な感情がごちゃ混ぜになっていた。
それを裕太たちも同じであり、ルルーシュが扇たちに糾弾されている時に自分たちも何か行動を起こしていれば今のようなかつての仲間同士で敵対し殺し合うようなことも起きなかったのではないかとどうしても考えてしまう。だからこそ裕太たちはゼロと扇たちを含めた黒の騎士団がまたZEXISとドライクロイツと共に戦場を駆け抜け、世界の平和のために力を合わせる日がまた来るようにするために来るフジの決戦に向けて彼らと戦うことへの決意を高めつつもその日が近づく度にカレンと同じように不安を抱いていた。
「・・・だが過去をいくら後悔したところで何も変わらない。奴らを止めるため、そして奴らが何を考えているのかを知るためにも俺たちは戦う必要がある」
「お兄ちゃん・・・」
オルフェウスはカレンが悩んでいることを理解しつつも厳しい言葉をかける。それはカレンに対してだけ言っている言葉ではなく次のフジの決戦にはオルフェウスとオルドリンにとって深い関わりを持っているマリーベルとウィザードことオイアグロ・ジヴォン、裕太や蓬たちにとって関わりが深いアカネとムジナ、この場にはいないが刹那ならばグラハム、ゼンガーならばウォーダンなどフジの決戦には多くのものたちの因縁が渦巻いている。次の戦いはカレンだけが因縁のある相手と戦うものだけでは無い。それに────
「今のお前は1人ではないだろ」
「ぁっ─────」
オルフェウスの言葉を聞いてカレンは思い出したかのように周りを見る。裕太と蓬、クロウ、エスターたちがカレンを見ておりそれによってカレンは勝手に1人で戦わなければならないと傲慢にも思い込んでいたことに、共にかつての仲間を取り戻すために同じ志を持って戦ってくれるもの達がこんなにもいるのだと気づいたら自然と涙は消えカレンは目尻に溜まっている涙を拭うと覚悟の籠った瞳で彼らに向き直り言葉を続ける。
「みんな、力を貸してくれる?」
「「「「「「「当然!」」」」」」」
カレンの言葉に誰もが笑顔で即答してくれた。カレンはそれに対して嬉しそうに笑顔を浮かべながら答えてくれたみんなに感謝の言葉を告げる。
────────鋼の勇者たちもまた来る決戦に向けてそれぞれができることをしていた。決戦に赴く勢力の中で最も戦力の数が劣るがこれまで潜り抜けてきた数多の死闘によって培われてきた力と強き精神、鍛え抜かれた機体と身体、そして仲間たちの絆が揃っている彼らは決してルルーシュやシュナイゼルたちに劣っていることなどは有り得ない。
決戦まであと数日。どの勢力も可能な限りの準備を進めている中、誰もが様々な思惑を持って決戦に挑もうとしておりその決着が戦場にどのような影響を与えるのかはまだ誰も知らぬ事であった。しかしそれでもこのフジの決戦はこれからの世界に大きな影響を与える一戦になることは誰の目から見ても明らかであった。
あとがき
いかがだったでしょうか?正直ZEXIS・ドライクロイツ側もっと色々かけたんじゃないかと思えるんですが今回は思いつかなかったので短くなってしまいました・・・次の話からフジの決戦が始まりますが本編であるコードギアスともスパロボとも違う展開を色々とやる予定なので頑張って書いていきたいと思います。ただ、それに合わせてこれまで登場してきた名前だけの登場だったりキャラや機体の名前だけの存在がそれなりにいることを思い出したのでそれらをまとめたり、投稿したいなと思ってる外伝などの執筆などをやるために本編の更新がしばらくの間止まるがしれません。もしそっちの方が先に思いついたら本編の方を優先する気ではいますが・・・毎日執筆はしますので早めの投稿をこれからも心がけますのでどうか今後もよろしくお願いします。