スーパーロボット大戦Z 魔王の降臨   作:有頂天皇帝

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まえがき
今回はフジの決戦の前哨戦ということもあり本格的な戦闘にはまだ入りません。色んな作品の機体やオリジナルが登場したりしますがどうかよろしくお願いします。それでは本編どうぞ!


REBELLION STAGE26. 血染めのフジ

皇卓の騎士(ナイトオブラウンズ)の敗北はシュナイゼル連合軍に少なくない衝撃を与えたもののまだ戦いは始まったばかりということもあってか立ち直りも早く、その中でも真っ先に立ち直ったのはビスマルクたちラウンズに仕える直属騎士団だった。彼らにとって主君であったシャルル・ジ・ブリタニアに並ぶ忠誠を誓った相手であるビスマルクたちが為す術なく蹂躙されたのを見せつけられた彼らの心中は察するべきところであり、誰もがマグマのごとく怒りを燃え上がらせてビスマルクたちの仇であるライたちを強く睨みつけながら各々の剣である機体を飛ばした。

 

『よくもヴァルトシュタイン卿たちをっ!!』

 

『その罪、貴様らの命で償ってもらおうか!!』

 

ビスマルクの親衛隊である紫色の指揮官用ヴィンセントとアヘッドを操る2人が真っ先に機体を飛ばしてライのアーサー・イルジオンに向けてMVSとGNビームサーベルで斬り掛かる。しかしその刃がアーサー・イルジオンに迫るよりも先に2機はコックピットを銃弾が貫き、機体に風穴を空けて爆発四散した。

 

『────悪いが雑兵風情に振るうほどライ卿たちの一太刀は安くないのでね。大人しく我らの手で骸と成り果てるがいい』

 

ライのアーサー・イルジオンの前に現れたバーストハンドガン【MA-E-211 SAMPU】を構えているAC【スティールヘイズ】のコックピットの中でV.IVラスティはラウンズ直属騎士団を見下しながら傲慢にもそう告げた。

 

『傭兵如きが偉そうにっ・・・!!』

 

『我ら選ばれた騎士に対してなんと不遜な!!』

 

騎士たちはV.IVラスティの態度に怒りを隠さず今にも飛びかからんばかりにV.IVラスティのスティールヘイズに突撃を仕掛けんとしようとするが、それよりも先に傭兵団【ヴェスパー】の団員が乗るアーキバス量産型AC【VPF-4S-A2】たちによるプラズマミサイルとENショットガンでの弾幕で次々とラウンズ直属騎士団のナイトメアやモビルスーツたちを撃墜していく。

 

『ぐああああっ!?』

 

『おのれぇぇぇっ!!』

 

『怯むなっ!!この程度の弾幕に恐れる我らではない!!何としてでも奴らの首級を────』

 

『────黙れ』

 

同胞である騎士たちが操るグロースター・エアやジンクスIII、トーラスたちが撃墜される中でもライたちを倒すことを諦めないサザーランド・イカロスを駆る騎士が周りにいる同胞たちに対して檄を飛ばすが、その言葉をいい終えるよりも先に弾幕の中を舞うように飛び交う指揮官専用パーソナルトルーパー【ゲシュペンストMark-III・タイプS】のプラズマの杭【ボルテックス・バンカー】でサザーランド・イカロスの頭部ごとコックピットを貫き沈黙させる。

 

今ラウンズ直属騎士団と相対しているのはV.IVラスティ率いる傭兵団【ヴェスパー】を中心としたルルーシュ個人と契約している傭兵団たち。一般団員から団長含めた誰もが一騎当千の実力を持つ彼らは金で雇われ様々な国家や部隊に所属しては同じ人間からインベーダーや次元獣などの化物たちなどの多種多様な相手と何度も戦ってきてこれまで生き延びてきた。故に彼らの実力は誰もが認め恐るほどであり数多の勢力が彼らの力を自らの戦力にすべく様々な暗躍がされてきた。そんな勢力がルルーシュという優秀な指導者の元で力を発揮し、さらにはゲシュペンストMark-IIIを始めとした新型も配備されていることでより強靭な勢力となってラウンズ直属騎士団へと襲いかかっていた。そして行動を開始しているのはヴェスパーたち傭兵団だけでは無い。

 

『くっ!連中に先を越されるとは何たる不覚っ!!我らも彼らに続くぞ!!我らの力を、偉大なる皇帝ルルーシュ様への忠義を今こそ見せるのだ!!』

 

『『『『イエス・マイロード!!』』』』

 

新生ブリタニア軍の総司令であるジェレミアはV.IVラスティに先を越されたことにサザーランド・オランジュのコックピットの中で悔しさを感じながらもすぐに気を取り直して自身と同じヴィ家に仕えていた直属の騎士たちと新生ブリタニア軍の兵士たちを従えて攻撃を開始する。

 

『受けよ!忠義の嵐をっ!!』

 

ジェレミアは本体部分(コアユニット)であるサザーランド・ローヤルのコックピットの中で叫びながら外殻部分(ハルユニット)である【オランジュユニット】の連装大型ミサイルと全周囲式コンテナミサイル、ミサイルランチャー、そしてマルチプルハドロンランチャーによる一斉砲撃を放った。大型ミサイルから小型のGNミサイル、散弾型のハドロンショットなど様々な砲撃が四方八方に向けて放たれたことによりラウンズ直属騎士団たちのサザーランド・エア、グロースター・エア、ヴィンセント・ウォード、トーラス、ビルゴIII、ジンクスIII、アヘッドなどの様々なナイトメアやモビルスーツ計八十機が空を彩る花火として次々と爆散しその残骸が落ちていく。

 

『ジェレミア卿に続け!!我らの忠義を陛下にお見せするのだ!!』

 

ジェレミアとサザーランド・オランジュが次々と敵機を殲滅して行く中で直属部隊のサザーランドIIやクイン・ローゼスたち最新鋭の量産型ナイトメアたちがサザーランド・オランジュの弾幕の嵐を生き延びた機体を正確に狙い、次々と撃墜していく。

本来ならば旧ブリタニア帝国の中でも精鋭中の精鋭であるはずのラウンズ直属騎士団であったが、そんな彼らも歴戦の猛者である【ヴェスパー】とルルーシュへの忠義が高い騎士たちや彼の思想に引かれた軍人たちによって新たに生まれ変わった【新生ブリタニア軍】の前では歯が立たず10分と持たず600を超える数はいた騎士たちが為す術もなく殲滅されてしまった・・・。

 

 

「ラウンズ直属の騎士たちが全滅・・・!?」

 

「これほどまでの力を持っているなんて・・・」

 

プトレマイオスのブリッジにてミレイナとフェルトが、モニターを見て同じく呆然とした表情で呻く中、ラッセとスメラギも息を呑んで同じく呆然とした眼差しをモニターに向けた。それはZEXIS・ZEUTH・ドライクロイツの誰もがその凄まじさに圧倒され、しかもそれがルルーシュの所有する手札のほんの1枚でしかないという事実がこれから彼らが戦うべき相手の巨大さを思い知る形となっていた・・・。

 

 

「おやおや・・・これがビスマルク・ヴァルトシュタイン率いる帝国最強の騎士団の末路か。思った以上に呆気ないものだな」

 

 

同じ頃、神聖ミスルギ皇国の本隊と新生ダイヤモンドローズ騎士団と行動を共にしていたエンブリヲは、ヒステリカのモニター越しにナイトオブラウンズとその直属騎士団の壊滅を冷たく笑って見ていた。そんな中、

 

『なにが【皇卓の騎士(ナイトオブラウンズ)】よ、口ほどにもないわね』

 

『だけど、あいつらはそれで勝ったつもりでいるだろうけど、まだ私たちとエンブリヲ様がいる』

 

「・・・そうとも。これはまだ第一楽章に過ぎない」

 

ヒステリカの通信パネルを通してエンブリヲが用意した新たな騎士である少女たちの声がそう聞こえてくる。それにエンブリヲは目を細めて頷きながら、こう独り言ちた。

 

「君たちと金カザリの女狐(・・・・・・・)とその従者を含めた生まれ変わった私の騎士団。その上で先日のオオサカの時よりも最高に盛り上がる玩具たちと脚本(・・・・・・・・・・・・・・・)も用意してある。せいぜい楽しみにしている事だな・・・!!」

 

 

 

エンブリヲが何やら企んでいる中、ナイトオブラウンズとその直属騎士団の敗北をきっかけに戦況は大きく動き出そうとしていた。

 

『全員怯むな!!こっちにはダイヤモンドローズ騎士団のサリアたち含め多くの仲間が手を貸してくれた・・・! この機を逃す訳にはいかない!!』

 

『各機へ! まずはマリオとマーヤが率いる裏切り者の部隊を潰し、そこから右翼を突貫してゼロ・・・いや、ルルーシュを目指すぞ!!』

 

斑鳩の艦橋から扇が、その前衛である斬月から藤堂がそれぞれ檄を飛ばすと、黒の騎士団の部隊が一斉に鬨の声をあげて進軍を開始する。

その後方で貸し与えられた暁の二個小隊とトーラスやザクウォーリアなどのモビルドール一個小隊をクリスとエルシャ、ターニャ、イルマと共に率いながら、サリアがクレオパトラの通信回線越しに星刻に呼びかけた。

 

『・・・黎司令。殿軍はお任せしますよ』

 

「わかっている」

 

新造された超大型地上空母【大玄武(ターショワンウー)】の司令室で、星刻は険しい表情で頷いた。そのそばのフレメヴィーラ王国の国王、アンブロシウス・タハヴォ・フレメヴィーラ、その孫であるエムリス・イェイエル・フレメヴィーラ、クシェペルカ王国の新女王であるエレオノーラ・ミランダ・クシェペルカ、その友人であるイサドラ・アダリナ・クシェペルカ、神楽耶、天子ら他の黒の騎士団の幹部陣は、不安を孕んだ険しい面持ちで見つめている。

星刻、神楽耶率いる黒の騎士団の本隊は、先日のシュナイゼルの同盟継続への諫言がたたり、カレンとミツバたち黒の騎士団に残っていたZEXIS・ドライクロイツの脱退を手助けしたことへの疑いをかけられ、アンブロシウスとエレオノーラたちフレメヴィーラ王国とクシェペルカ王国の連合軍の部隊ともども後陣へと下げられてしまった。

 

前陣には杉山と玉城率いる暁・無頼の先鋒ナイトメア部隊と鹵獲したナイトメアやモビルスーツなどの混成部隊、さらに本来ルルーシュが第2次トウキョウ決戦で使用するはずだったAI制御されているマジンガーXやゲッターロボG、アルティメットダンクーガ、ダイノゲッターなどの特殊な機体、シュナイゼルから与えられた帝都ペンドラゴンで製造されていたサザーランドIIや雪花などの量産機たち、そしてエルネスティの【イカルガ】とアディとキッドの【ツェンドリンブル】、ディートリヒの【グゥエラリンデ】、エドガーの【アルディラットカンバー】を始めとした銀鳳騎士団の【幻晶騎士(シルエットナイト)】たち、デュークの【グレンダイザー】、テロンナの【アクアダイザー】、そして各種スペイザーたち。

中陣には扇や南が乗る黒の騎士団の旗艦・斑鳩と、藤堂が誇る黒の騎士団のナイトメア部隊の中核機・斬月と、千葉と朝比奈が乗る新型ナイトメア【月下瑞鶴】と【月下翔鶴】。大神とさくらが駆る霊子甲冑【光武二式】。エリカ・フォンティーヌが駆る霊子甲冑【光武F2】。大河が駆る霊子甲冑『フジヤマスター】と、ジェミニ・サンライズが誇る霊子甲冑【ロデオスター】。その他前陣と後陣に配備されたものと同じく多くのナイトメアと鹵獲モビルスーツ、モビルアーマー、艦船などなど────。

 

今日まで団員の脱走が度重なり、さらに先日の五稜郭の戦いでカレンとミツバらZEXISとドライクロイツが離脱したことで戦力の半分近くを失ったが、それでも扇や藤堂が強気になれるのは、星刻、アンブロシウスとエレオノーラたちフレメヴィーラ王国とクシェペルカ王国の連合軍に加えて、ルルーシュ(ゼロ)時代からの戦力がまだこれだけ残っていて、さらに先日、ダイヤモンドローズ騎士団から脱退してきたというサリア、クリス、エルシャ、ターニャ、イルマを筆頭とした強力な助っ人たちがいるからだ。

 

だからまだ自分たちは戦えるし、背水の陣を覚悟で持てる限りの力の全てをぶつければ敗れるはずなどない。こうした状況からますます人が変わったように扇と藤堂たちは勝利に固執し、この持てる限りの力を注ぎ込んだ前陣と中陣を進ませる。

 

「・・・・・・」

 

星刻は、モニターで中陣の殿軍(しんがり)を務めるクレオパトラ、ハウザー:エルシャ、ハウザー:クリスを含めた先日扇たちの元に参戦してきたという彼女らの姿を見据え、沈黙していた。

元々、星刻はシュナイゼルのことを全面的に信用してなどいない。というより、できるはずもなかった。かつての大敵。旧EUすら崩壊させたブリタニアの皇子。だからこそシュナイゼルとの同盟継続にカレン、ミツバ、神楽耶たちと共に強く反対した。そして合衆国・中華、いや超合集国連合の命運を担っている星刻としては、ルルーシュだけではなく、このシュナイゼルも警戒せねばならない。同盟を結んだギャラルホルン、神聖ミスルギ皇国、ディガルド武国、ファウンデーション王国も含めた複数の勢力を争わせて横から利益を掻っ攫っていくのは、シュナイゼルお得意の寝技だ。

 

(この状況では、寝返りに飛びつくしかない・・・。ゆえにこそ(・・・・・)都合が良すぎる(・・・・・・・)

 

さらに今は決戦というこの状況も含めてなんとかまとまっているものの、他の一般団員と幹部たちと、扇、玉城、杉山、南、藤堂、千葉、朝比奈の関係の最悪は解消されていないままだ。そんな中で一刻も早くルルーシュ、そしてこの状況を作り出したライを倒す。もうそれしかないと思えてしまうのは星刻も否定せず、今はひとりでも戦力となれる者が欲しいのもまた同じだった。

だが、黒の騎士団・ZEXIS時代においてライは、盟友であるルルーシュに手解きを受けたことから、作戦参謀として見る見る頭角を露わにし、ZEXISにも数々の電撃的な作戦を提案して勝利へと導き続けた。さらにはその知識と経験を活かして、ミツバを始めとした一部の艦長や指揮官にも参謀の手解きをして、ミツバから軍学と心の師として尊敬される人物のひとりとなったこともある。そしてそのライの所属するルルーシュ皇帝軍にはサリアたちと同じくパラメイルの使い手であるアンジュやタスクたちがいる。こうした事実からして星刻は、都合が良すぎるという考えを捨てきれなかった。しかし、

 

(・・・今はとにかく進むしかない。ルルーシュとライへの注意を怠らないようにしなければ・・・)

 

ここでの星刻は、シュナイゼル、ライの奇策への警戒感よりも、目の前の戦場を制することを優先したようだった。一応は共闘を約束したシュナイゼルと主導権争いをしたり、下手に勘繰りすぎて足を止めていれば逆に扇たちに怪しまれ、まとまりかけていた結束が崩れてしまい、勝てる戦も勝てなくなってしまう────。

 

 

『兄さん、黒の騎士団が動き出したわ』

 

『あぁ、わかっている』

 

自身の持ち場へと移動しているペルセウスのコックピットの中にいるマリオに対して同じく移動しているアキレウスのコックピットにいるマーヤからから通信が入った。

続けてオープン・チャンネルとなった回線の中で、さらに同じく移動している元黒の騎士団の生塩ノアと早瀬ユウカがこう話し合う。

 

『ここまでは、作戦通りですね』

 

『はい。あとはこのままサリアさんたちがうまく事を運んでくれるといいのですが・・・』

 

その会話に少しだけ目を瞑ってマリオが沈黙した後、ゆっくりと瞼を開けて戦場を見る。

そのカ視線の向こうに見えた、こちらに向かって進軍してくる黒の騎士団の前陣を、開きかけた目の中に捉えた。その瞬間、マリオたちを含めた戦場にいる全ての戦士たちに向けてライが大声で宣言した。

 

 

『長く続いた競争と戦乱の世に、楔を打ち込む! シュナイゼル・エル・ブリタニアを討ち、ナナリー・ヴィ・ブリタニアとZEXISを降し、我らが皇帝ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの世界を創る! そのためにまずここで、シュナイゼルとナナリーに屈した亡国である黒の騎士団の明日を断つ!! 皆、己の全てを賭けて奮戦せよ────!!!』

 

『『『イエス・マイ・ロード!!!』』』

 

ライの宣言を聞いたのとほぼ同時にマリオはペルセウスのエナジーウイングを展開させて勢いよく戦場に向けて飛び出した。そしてペルセウスに続くようにアキレウス、蛍雪、ムラサメ改、グルンガスト斬式、ヒュッケバインMark-III・タイプK、ゲシュペンストMark-III・タイプAを始めとしたマリオとマーヤの直属部隊【凶暴な魔狼(ヴィシャスヴォルフ)】たちが飛び出し、それに続くように暁改、雪花、サザーランドII、ガムデン、グルンガスト肆式、ゲシュペンストMark-III、ヒュッケバインMark-III、イチナナ式、ジンクスIV、トーラスなどといった元黒の騎士団メンバーたちが乗る機体が次々と飛び出しかつての戦友にして裏切り者である黒の騎士団へと襲いかかった。

 

マリオたちが黒の騎士団と戦闘を開始したのをラー・カイラム、レウルーラ、ネェル・アーガマ、ゴディニオン、ガランシェール、エターナル、アークエンジェル、クサナギ、ミレニアム、マクロス・クォーター、ヒリュウ改、デューカリオン、ギルドラゴンを中心とした南のZEXIS・ドライクロイツ部隊にも見えていた。

 

『あの2機のナイトメア・・・!まさか、あれが!?』

 

『ああ!あれが報告にあったオオサカ租界で暴れていたマリオとマーヤの機体だ!!』

 

『なんて鋭い殺気を放ってやがる・・・っ!!』

 

先陣を切って進軍してくるアキレウスとペルセウスを見て、ラー・カイラムの中からブライト、その近くを飛ぶHi-νガンダムからアムロ、デッドリーコングのガラガがそれぞれ驚きの声を発した。

 

そして右翼が動き始めたのに合わせて中央と左翼のそれぞれの部隊も行動を開始し、ルルーシュとシュナイゼルの互いの軍が衝突するのを確認したZEXIS・ZEUTH・ドライクロイツもまたその戦場へと飛び込むのだった。

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

そうしてルルーシュ軍とシュナイゼル軍の戦況に変化が訪れたのは、ナイトオブラウンズが潰走して、ZEXIS・ZEUTH・ドライクロイツが南北でルルーシュ軍、シュナイゼル軍の双方と交戦を開始してから2時間ほど経過した時のことだった。

 

『右翼の第四機甲師団のザクIII部隊、包囲されつつありますっ!!』

 

『左翼の第三ジンクス・グリンダ隊も、敵の包囲と攻撃を受けている模様!』

 

『ピースクラフト卿のガンダムエピオンII、オルコット卿のセレスティアルフリーダムガンダム、スミルノフ卿のジンクスIV・Aがそれぞれの直属部隊と共に発進し、救援と迎撃に向かいましたが、それまでは持ちこたえられそうにありませんっ────!!』

 

ネッサローズの艦橋で相次ぐオペレーターからの緊迫した報告に、マリーベルは大きく舌打ちした。

 

「太陽を背にされてしまったわね・・・怯まないで、反撃なさい!!ウィザードのアグラヴェイン、ハレヴィ卿のレグナントも前面に向かわせて! 後詰めのトーラス・グリンダ隊とモビルドール部隊も続きなさい!!」

 

 

 


「────変わらないね、ルルーシュ。やはり君は防御よりも攻撃が好きだ。だからこそ、ライくんやマリーたちにも、わずかな隙が・・・」

 


マリーベル、そして同じ頃にルルーシュやライ、モニカも声を荒げて指揮を飛ばしている一方、シュナイゼルは余裕たっぷりな軽い笑いを浮かべた。総司令官のポジションに立つルルーシュとシュナイゼルの戦闘指揮能力は、おそらくほぼ互角である。しかし、だからこそ、純粋な戦術においてはルルーシュのほうが不利であった。
というのも、ルルーシュ側はこれまで各師団ごとあるいは部隊ごとにいる指揮官による指揮で戦闘を繰り広げることが多く、今回のような多くの中級指揮官たちが揃いさらにその上からルルーシュを始めとした最高指揮官たちから指示を出しての戦闘をする経験がなく、今回の対戦が初めてであった。しかしシュナイゼルの側には藤堂、ラスタル、ゲオルグ、オルフェ、メガトロン、エンブリヲをはじめとした連携の取り方も熟知している一線級の指揮官、その次に彼らほどではないものの同じ組織に所属する中級指揮官が数十人もいる。だからこそ、シュナイゼルはその藤堂、ラスタル、ゲオルグ、オルフェ、メガトロン、そしてエンブリヲたちにある程度任せて、ZEXIS・ZEUTH・ドライクロイツへの対処も合わせて五の力を振るえばいいだけのことで、ルルーシュはラスタルや藤堂に一歩、いや数歩劣るマリーベルやモニカたちに七〜九の力を使わせ、自身も全ての指示を部下たちに出して連携の欠如などの穴埋めをしていかなければならない。結果、【終焉の騎士(ナイトオブゼロ)】や【神殺の英傑(エインヘリアル)】12騎士を始めとした最強のエースであったとしても、対応がどうしても半歩遅れるのが、ルルーシュ皇帝軍を劣勢に追いやる大きな原因となっていた。
ボクサーとしては互角であっても、ラウンドごとにサポートに入るセコンドの能力に差があるとでも言うべきか。能力が五分であればあるほど、このほんのわずかな差が大きく物を言ってくる。

 

「これは、フレイヤの出番もないかもしれないね。・・・ヴィンデル・マウザー」

 

秘匿通信を通じて、呟きの後にシュナイゼルが呼びかけたのは、すでにシャドウミラーの援軍を向かわせていたヴィンデル・マウザーだった。

 

『フン・・・我らの技量まで織り込み済み、か』

 

軽く鼻を鳴らした後に通信回線の向こうでヴィンデルが呟いた時、彼が援軍として差し向けたアクセル・アルマーを先頭にした精鋭部隊はすでにそれまでの静かから一転、怒涛の勢いで戦場に向かって急行していた。

 

『敵主力、前進してきます────!!』

 

アトラスからのオペレーターの報告に、アーサー・イルジオンの中でライがくっと眉を動かした。

 

「このタイミングで、仕掛けてくるとは・・・!」

 

ライが呻いた通り、まさしく絶妙のタイミングであった。ZEXIS・ZEUTH・ドライクロイツとシュナイゼル連合軍の双方からの攻撃によって危機に陥りかけた左翼を一度救援すべく、自分のアトラスと、後詰めとして待機させている第零騎士団の一部をそちらに廻そうとした。
しかしそこで、逆に陣容が薄くなった左翼側が切り裂かれるのを、ライはモニターで目撃した。

 

「しまっ────!!」

 

鮮やかまでの突破にライが目を大きく見開いた瞬間、ルルーシュ皇帝軍が二つに分断させられる。
そして、この瞬間から、一気に戦局が傾いた。

 

 

 

本隊から引き離されたミリアルド、アレン率いる第一混成師団と第二機甲師団、その救援に廻ったゼハート率いる第一機甲師団が、ZEXIS・ZEUTH・ドライクロイツの北側部隊とシュナイゼル連合軍の主力部隊に半包囲され、袋叩きに遭い始める。

 

『チッ・・・!やってくれるな!!』


『怯むな!!陛下のご期待に応えるのだっ!!』

 

救援に向かった先の、袋叩きに遭い始めた第一混成師団をジャイオーン、アグラヴェインのコクピットからそれぞれ目撃したキア・ムベッキとウィザード。周囲の部下たちに向かって檄を飛ばした後、ジャイオーンとアグラヴェインをそれぞれ飛ばして自らも加勢に向かう。

ルルーシュ側としては主力であるライとその親衛隊である第零騎士団、フジの近くで潜伏させているベイルと第一機獣師団、エスデスと第二機獣師団から幾らか救援にに廻したい。しかし、廻せない。

何故ならばベイルとエスデスたちはそれぞれ来たるべき作戦のために部隊を伏せており、ここで動かせばせっかくの作戦が水の泡になり、さらにZEXISたちとの攻撃も合わさって戦線が一気に押し下げられてしまう。さらにそれと同じ理由から後衛に待機しているウォーダンの第一独立師団とグラハムの第二独立師団、第三独立師団のクロノアたちを本隊の防衛から外すことはできない。
なんとか左翼にはセレスとミリアルドの部隊の奮起で耐えてもらって、ティアとアリシアの部隊が右翼側の圧力を跳ね返すのを待ってから、戦線を再度組み直したいところだが、それは無理な注文と言うべきだった。すでに左翼は削られ続け、ウォーダンとグラハム、クロノアのいる本隊の眼と鼻の先にある第二防衛ラインすら突破されつつある

 

『ルルーシュ軍の布陣が乱れつつある・・・!まずはここを突破して、ルルーシュの元へ向かう!!』


『シュナイゼル軍とダモクレスの対応も怠るな! 引き続き、二手に分かれて両軍を叩くぞ!!』

 

仲間たちを鼓舞するかのように宇宙の英傑たちであるアムロ・レイとシャア・アズナブルの声が戦場に響き渡る。
アムロとシャアはHi-νガンダムとサザビーという先日乗り換えたばかりの最新鋭機であるモビルスーツを自分の手足のように自由自在に扱い、ルルーシュ軍とシュナイゼル軍の双方のサザーランドとグロースター、ヴィンセント部隊を粉砕していく。アムロとクワトロの戦う姿に共鳴するかのようにZEXIS・ZEUTH・ドライクロイツのメンバーたちも暴れるのだった。

 

『まずはルルーシュだ!主力部隊(前座)の連中を倒して、ヤツを引き摺り出す!』

 
『おう!そうすればヒナやゾギリアの連中も出てくるだろうからな!』

 

ブラディオンネクストを駆るディオ、ルクシオンネクストを駆る青葉が、正面に立ち塞がるルルーシュ軍のゲルググメナース4機、ジンクスIII2機、その後のシュナイゼル軍のユークリッド、グロースター2機、ウィンダム5機にそれぞれ連続でコンビネーション攻撃を叩き込んで粉砕し、

 

『ここを破って────混戦に持ち込めばっ!!!』

 
『ルルーシュとシュナイゼルを倒せばこの戦いも止まる・・・っ!!』

 

『これ以上、悲劇を広げてたまるかよ!!』

 

キョウスケ・ナンブのアルトアイゼン・リーゼ、ヒタチ・イズルのレッドファイブ、ジュドー・アーシタのZZガンダムが、周囲に展開してきたルルーシュ軍のトーラスとギャンシュトローム、シュナイゼル軍のビルゴとバイアラン部隊に全火力の射撃を叩き込んで粉砕した。

 

『まずい、このままでは突破される・・・!』


『くっ・・・!陛下が!!』

 

そんなZEXISのエースパイロットたちの獅子奮迅の活躍ぶりを見て、それぞれの愛機を背中合わせとさせて応戦していたミリアルドが奥歯を噛み、クロノアが激しく舌打ちする。

 

 

「・・・引きちぎられるか・・・!」

 

その一方、エレボスの艦橋にてルルーシュも、戦況をモニターで見て表情を険しくしていた。
同じくモニターで戦況を見たセシルが、焦った声でルルーシュを振り返り、叫んでくる。

 

「前線のミリアルド卿たちを呼び戻しますか!?」


「いや、それがシュナイゼルの狙いだろう。・・・それに、状況はまだ完成していない」

 

ルルーシュはきっぱりと断り、手をかざして号令をこう下す。

 

「モニカとマリーベルにも伝えろ!一時戦線を下げ、陣形を立て直す・・・!」

 

そして、ルルーシュ皇帝軍が後退を始めたのと同じ頃、西側部隊と共に追撃を続けていたエスターとマルグリッドが、レーダーに突出する味方のナイトメアを目撃した。

 

『何をしているの、カレン!先行しすぎだよ!!』

 

エスターはマルグリッドと共に、それぞれブラスタEsとパールネイルを飛ばして後を追いながら、その突出を続ける味方のナイトメア────紅蓮聖天八極式を駆るカレンに向かって、通信回線で大声で呼びかけた。

 

『今すぐに紅蓮を戻せ!足並みを揃えて包囲しなければ意味は無い!!』


『わかってるわ────でもっ!!!』

 

カレンはそう答えながら、エスターとマルグリットの警告を無視するかのように、また前に立ち塞がってきた黒の騎士団の暁編隊をスラッシュハーケンで粉砕し、割り込んできたシュナイゼル軍のデストロイガンダムを輻射波動で粉砕する。

 

『焦るな・・・!前衛部隊を砕けばルルーシュは孤立する!!』

 

さらにそう警告しながら、マルグリッドはパールネイルの左右両背部に繋がれたフレキシブル・アームに接続された誘導兵器《アーチャー》でエレボスの前衛についていたルルーシュ軍の戦艦の一隻多方向から同時に攻撃する。
穴だらけに撃ち抜かれた戦艦は、轟音と共に大爆発し、粉砕された。

 

『ドレッドノート撃沈・・・!!中央が突破されるわよ!!』

 

アーサー・イルジオンの通信パネルから、アンジュの焦りの叫びが送られてくる。
そしてライも、さらに表情を険しくしてこうぼやいた。

 

「ZEXISにZEUTH、そしてドライクロイツ・・・シュナイゼルもそうだが、敵に回すと、これほど厄介な相手だったとはね。だけど、これでもうすぐ状況は・・・!」

 

 

ゲッターチームと兜甲児の戦闘データを元に作成された戦闘AIを搭載しているゲッターαとイチナナ式たちは他のモビルドールたちに比べ格段に優れた戦闘力を持つ優れた無人機であるが、敵味方入り乱れる激しい戦場の中で戦い続ければ限界が来るのは目に見えている。しかし、戦う為だけに造られたゲッターαたちは活動を停止するまで命令を実行し続ける。現に既に何機ものゲッターαたちが度重なる連戦により撃墜されていきその残骸を次々と生み出していた。

 

『『・・・・・・!!』』

 

左腕を失い、機体のあちこちから火花を散らし剥き出しになったフレームを晒しながらも右手にゲッタートマホークを握るゲッターαと頭部が半壊し、腹部にハンドアックスやソードが突き刺さりながらもマジンガーブレードを構えるイチナナ式が黒煙を上げながら敵を倒すためにそれぞれの武器を構えながら目の前の敵であるオプティマス・プライムとバンブルビーに襲いかかる。

 

『ふんっ!』

 

『安らかに眠りな、ベイビー』

 

オプティマス・プライムは迫るゲッタートマホークをエナジーアックスで起動をそらし、そのまま流れるようにエナジーソードでゲッターαの頭部を切り落とすと同時にその傷口にイオンブラスターの銃口を向けるとそのまま引き金を引き、内部から爆散させた。バンブルビーもまたイチナナ式のマジンガーブレードを軽業師のように華麗に回避しながらその懐まで接近し、イチナナ式の剥き出しになっている電子頭脳にかかと落としを決めて機体をショートさせる。機体の動きが鈍ったところでバンブルビーはトドメと言わんばかりにプラズマキャノンをイチナナ式が沈黙するまで放ち続けた。

別の場所で同じく無人機やモビルドールを相手にアイアンハイド、ハウンド、ジャズ、ミラージュたちオートボットが戦っていた。

 

 

『『『ぶちかませぇ────!!』』』

 

マリオとマーヤ率いるに気を取られていたところで、忍たちのファイナルダンクーガと葵たちのダンクーガノヴァ・マックスゴッド、リュウセイ・ダテ、ライディース・F・ブランシュタイン、アヤ・コバヤシのSRXチームが操る【SRX】を含めたZEXIS・ZEUTH・ドライクロイツのスーパーロボット部隊の一斉射撃を受けて、黒の騎士団前陣も含めたシュナイゼル軍の右翼部隊が次々と炎上する。

 

『今すぐに戦闘をやめろ、黒の騎士団!!』

 

『これ以上はルルーシュとシュナイゼルの思う壺だぞっ!?』

 

そこへデュオのガンダムデスサイズヘル、エッジのヒュッケバイン30th、アズのヒュッケバイン30、ガウマ、麻中蓬、南夢芽、山中暦のガウマ隊が操縦する【ダイナゼノン】、キリコ・キュービーのスコープドッグ30を含めた部隊が追従し、シュナイゼル軍と黒の騎士団双方の部隊を相手に大乱戦を繰り広げる。

 

『ZEXIS・・・!なめやがって、ふざけんなあっ!!』

 

『お前らは引っ込んでろおっ!!』

 

横槍を入れられたことに逆上し、玉城と杉山の雪花可翔式が、目と鼻の先で自分たち黒の騎士団にも横槍を入れてくるファイナルダンクーガたち先遣隊に突っ込もうとした。

だがそれを阻んだのはヒイロ・ユイの【ウイングガンダムゼロ】と響裕太が変身した【グリッドマン】だった。

 

『お前らは!?』

 

『ヒイロに裕太か・・・!』

 

『黒の騎士団・・・。今のお前たちを俺は否定する』

 

『今のあなたたちと扇さんの戦いは間違ってます!目を覚ましてくださいっ!!』

 

玉城と杉山率いるナイトメア部隊も、ウイングガンダムゼロとグリッドマンの交戦を開始した。

 

 

『くっ!・・・もう少しというところで!!』

 

『仕方がありませんデュークさん、ここは強行突破と行きましょう!!』

 

ルルーシュ軍の部隊を蹴散らしながら進む先のすぐ近くでヒイロとグリッドマン、そして他のZEXISのスーパーロボットが横槍を入れてきたのを見て、グレンダイザーに乗る宇門大介ことデューク・フリードとイカルガに乗っているエルネスティ・エチェバルリアが、部隊を率いて強行突破を図ろうとする。しかしそこへ、

 

『だ、団長!敵反のっ・・・うあ!?』

 

最も右を進んでいた銀鳳騎士団のカルディトーレの3機が、敵機の反応を捉えるなり殴り飛ばされてしまった。その直後、その方向から突入してきた兜甲児の【マジンガーZ】とカイ・キタムラの【ゲシュペンストMark-III改】によるロケットパンチとキックのコンボを受けて、3機とも動力部を損傷したのか機体を停止させてしまう。

 

『甲児くんにカイさんか・・・!?』

 

『大介さんにエル!悪いけど足止めさせてもらうぜ!!』

 

『お前達にも事情があるだろうが、余計な犠牲を出させないために俺たちの相手をしてもらおうか!!』

 

甲児とカイの一喝と共に、マジンガーZとゲシュペンストMark-III改はグレンダイザーとイカルガ、シルエットナイト部隊へと向かっていき、さらなる乱戦が勃発した。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

『クルシェフスキー卿っ・・・!!』

 

通信を通じて、左翼を第三機甲師団と共に支えているサザーランド・イカロスのキューエル・ソレイシィがモニカに進言をする。モニカはフローレンス・フィオーレのコックピットの中で難しい顔のままで頷いた。

 

『ええ。シュナイゼル殿下、そしてZEXISにドライクロイツ・・・流石ね。陛下から授かったこの策をこんなに早く使うことになるだなんて───』

 

この策を使うのは本来ならばもう少し後の予定だったのだが、予想以上にZEXISとシュナイゼル軍の攻勢が激しく予定より早く奴らが指定位置に辿り着きそうになっていた。今こそZEXISとドライクロイツ、シュナイゼル軍に対して大打撃を与える絶好のタイミングであり、これを逃せばこちら側にまで被害が及んでしまう。

 

『フローレンス・フィオーレよりエレボスへ。フェイズG、伝達。第一、第二機獣師団に合図を送ります』

 

『『『イエス・マイ・ロード!!』』』

 

 

フローレンス・フィオーレが上空に向けて発射した閃光弾を、フジの麓でジェノスピノのコックピット越しに確認したベイルは獰猛な笑みを浮かべるとジェノスピノのゾイドコアを活性化させながら同じように麓に隠れていた第一・第二機獣師団の団員たちとルルーシュから与えられたとあるゾイド(・・・・・・)たちに声をかける。

 

『それじゃあ予定通り暴れるとするか・・・。さぁ、【原初の龍王】よ、開幕の一撃を放て!!』

 

『・・・・・・!!』

 

ベイルが後ろの何も無い空間に向けて声を上げると同時に何も無いはずのその空間が揺らぎ始めたかと思えばジェノスピノを上回る巨体を誇る肉食恐竜型のゾイドがゆったりと姿を現しその深紅の瞳を紅く輝かせた。

 

『お前たちもだ!偉大なる皇帝によって現代に甦った怪獣の遺伝子をその身に宿した機械の獣たちよ!!今こそその力を振るえ!!』

 

と、ベイルはフジ周辺で待機している特殊なゾイドたちへと嬉々とした声で呼びかけた。

 

 

『キシャアアアアア!!』

 

ベイルの声に反応してゾイドコアを活性化させた9体の超大型ゾイドたちが雄叫びを上げながら地下から突如姿を現した。巨大な翼を持つ赤き翼竜を思わせるケツァルコアトルス種の変異体ゾイド【イビルコァトルス】、鋭いトゲの鎧を背中に纏う地龍を思わせるアンキロサウルス種の変異体ゾイド【アルマギラス】、美しい巨大な羽を持つ巨大な蝶を思わせるヨナグニサン種の変異体ゾイド【ルナモーラ】、真っ赤な甲殻に覆われている巨大なザリガニを思わせるザリガニ種の変異体ゾイド【エビリオス】、鋭い鎌が特徴的な巨大なカマキリを思わせるカマキリ種の変異体ゾイド【ラプティス】、長い足を持つ巨大な昆虫を思わせるタランチュラ種の変異体ゾイド【スパイダラス】、巨大なアロサウルスを思わせるアロサウルス種の変異体ゾイド【アロジラス】、真っ白な体躯を持つ四足獣のリヴァイアサン種の変異体ゾイド【シーモラス】、巨大な長い牙が特徴的なマンモスを思わせるマンモス種の変異体ゾイド【ビッグタスク】、巨大な山脈を背負っているような巨大なリクガメのようなアルダブラゾウガメ種の変異体ゾイド【フォートタートル】。

 

かのゾイドたちはこことは別の次元に存在する【怪獣】と呼ばれる特殊な生命体の遺伝子が化石状態のゾイドに組み込まれたことで産まれた特殊な変異体ゾイドたち【伝説の神獣(タイタンズ)】。通常のゾイドに比べて数倍から数十倍の巨体を誇るだけでなく遺伝子の元となった怪獣の力をその身に宿しているタイタンズは凄まじい戦力であった。

 

『なんだ、あれは・・・!?』

 

『あれもゾイドなの・・・?』

 

ディガルド武国のバイオゾイドたちと戦闘を繰り広げていたラ・カンのソードウルフクラッシャーとレ・ミィのランスタッグブレイクは突如現れた超巨大ゾイドたちの出現に動揺してしまう。だが、姿を現したイビルコァトルスたちはシュナイゼル軍や黒の騎士団たちに対して攻撃を仕掛ける訳でもなくただ距離を詰めるかのようにゆっくりと後陣の星刻たちへと歩みを進めていた。

 

(狙いは前陣と中陣の扇たち本隊ではなく、後陣の我々だと?我々の足を止めたところで、前陣中陣の本隊はもうすでに・・・)

 

迫り来る9体の超巨大ゾイドたちを神虎のモニター越しに見据えながら、星刻は考えを巡らせた。

そして。

 

(まさか、ルルーシュ・・・いや、ライの狙いは!?)

 

星刻があるひとつの可能性に行き着いた直後、イビルコァトルスたちが、一斉攻撃を開始してきた。

 

 

フジの麓に姿を現した超巨大ゾイド────ギガノトサウルス種の変異体ゾイド【ゼログライジス・レクス】は獣のような唸り声を上げながら背中に生えている背鰭のような形をした【エネルギー放出版】がコイル鳴きのような音と共に尻尾から順に頭に向けて順次に青白く発光させていく。そのエネルギーは凄まじくチャージ段階であるというのにハガネやドライストレイガーなどの戦艦の主砲に匹敵するほどのエネルギーを溜めていた。

 

『────いかん!総員、奴に攻撃を集中しろ!!』

 

まっさきにゼログライジス・レクスを驚異に感じたハガネの艦長であるダイテツ・ミナセが全員にゼログライジス・レクスへの攻撃を指示するが、時すでに遅くゼログライジス・レクスはエネルギーチャージを終え、その口から青白い巨大な光線を黒の騎士団とシュナイゼル連合軍に向けて放った。

 

『ゴガァァァァァァ─────ッ!!』

 

ゼログライジス・レクスが青白い光線──【アトミックゼロブレス】をで周囲の大気を震わせながら一直線に中央のシュナイゼル連合軍の艦隊に向けて放ち、その射線上にいるシュナイゼル連合軍や黒の騎士団の機体や艦隊を貫きあるいはその膨大な熱量によって融解され爆散しながら艦隊の中心に佇んでいた超大型宇宙戦艦【ネビュラス】に直撃し、その周囲の機体や艦隊 共々跡形もなく消し飛ばした。

 

────たった一撃で28隻の戦艦と800を超える機動兵器を壊滅させたそれを前にして誰もが言葉を失う中、更なる追い打ちと言わんばかりにモニカはルルーシュから与えられた策を実行すべくスイッチを押した。

 

その異変に真っ先に気づいたのは地上で量産型ラゼンガン【ラゼンオー】を含むガンメン部隊と戦闘を行っていた【グレンラガン】のパイロットの一人であるシモンだった。

 

「なんだ・・・これは・・・?」

 

地上だ。エネルギー反応が生まれている。

しかも、急激に高まっている。同じものに気づいたスメラギが、真っ先にその展開を読んだ。

 

「しまったっ!!全軍撤────」

 

だが、スメラギの全体への指示が行き渡る前に、それは起こった。

 

「エネルギー反応・・・下からです!!」

 

「なにっ────!?」

 

黒の騎士団の旗艦である斑鳩の艦橋にて水無瀬が叫び、扇が指揮官席から立ち上がった瞬間。

さらに高まるエネルギー反応。それが臨界点に達した瞬間、地上の山が割れた。

 

ドォォォォォンッ────!!!

 

噴き上がったのは、巨大な火柱。天高く舞い上がり、黒の騎士団のナイトメアやモビルスーツを始めとした機動兵器部隊の一点を貫く。右翼でマリオとマーヤたち元黒の騎士団を中心とした部隊の相手をしていた藤堂が、引き続き目を見張って叫んだ。

 

「まさか────地中のサクラダイトを爆破させて・・・!!!」

 

そのまさかであった。世界最大のサクラダイト鉱山フジ。それは同時に休火山でもある。地下深くで眠りについている溶岩流。それは眠りについてはいても死滅してはいない。そこにある条件でもって融体サクラダイトを反応させ、爆破すればいったいどうなるか。

 

ドッ、ドッ、ドッ、ドォォォォンッ・・・!!!

 

別の場所からも、火柱が上がった。それはまぎれもない火山の噴火であった。眠りについていた溶岩流を叩き起こし、そこにサクラダイトの過反応爆発まで加えて、一気に地上にまで押し上げたのである。あちこちで地面が割れ、同じ現象が起こり始める。

 

「全軍、輻射障壁を展開せよ!!噴火範囲から退避────ぐあああっ!!」

 

そう叫びながら、近くの友軍の艦船の盾になろうとした藤堂の斬月が、火山弾の直撃を受けた。

輻射障壁を展開────と言われても、あまりに面積が広すぎる。加えて、いかに最新鋭の輻射波動障壁といえども、絶対の防御性能があるわけではない。特に的が大きく動きも鈍い航空艦にはどうしようもなかった。

飛び散る溶岩の弾丸をまともに喰らい、次々と黒の騎士団の艦船、さらにシュナイゼル軍やギャラルホルン、ディセプティコンなどまでもが艦船や機体が炎上を開始し、墜落していく。ZEXIS・ZEUTH・ドライクロイツは既のところでSRXとクスハ・ミズハとブルックリン・ラックフィールドことブリットの操る【龍虎王】の念動フィールド、ティエリア・アーデの【セラヴィーガンダム】のGNフィールド、ハガネ、ヒリュウ改のEフィールドなどバリアを展開できる機体及び戦艦による防御で撃墜や大破などの最悪の事態は避けられたが、それでも少なくない被害が発生していた。

 

「迂闊!! ルルーシュの基本戦術ではあったが・・・いや、これはまさか!?」

 

溶岩弾を避けつつ、神虎のコクピットで歯を食いしばった星刻はそう叫びかけた瞬間、かつて自分が来る前の黒の騎士団でエースパイロットでありながら作戦参謀として活躍していた、あの銀髪の少年のことを思い出した。

 

「まさか、これは・・・ライが!?あの男が、味方を犠牲にすることを前提とした、こんな戦術を────!!!」

 

今や黒の騎士団の作戦参謀としての経験をルルーシュに活かされる形で、ルルーシュの筆頭騎士統括にしてルルーシュ皇帝軍の作戦参謀として名を馳せているライ。その彼の予想外の一手に、星刻は自分が読み違えたことに愕然となった。しかし彼の読みは一つだけ外れていた。何故ならばこの作戦にルルーシュ側の(・・・・・・・・・・・・)犠牲などいないのだから(・・・・・・・・・・・)

 

『────いくぞお前たち!!蹂躙の時だ!!』

 

『その牙で眼前の敵を喰い散らかせ!!』

 

『『『『『『『『『『『グオォォォォォォ!!』』』』』』』』』』』

 

火山の噴火による影響で至る所から溶岩が噴き出していることで足の踏み場もない灼熱地獄を思わせるようなそんな危険な場所をエスデスとベイルは微塵も気にせずオメガレックスとジェノスピノを先頭に第一・第二機獣師団は溶岩の中を突き進み噴火に巻き込まれなかった地上の機体とまだ混乱から立ち直っていない上空の部隊に攻撃を仕掛ける。

 

『ば、馬鹿な!?溶岩の中を突き進むだと!?』

 

『いくら機体が耐えられたとしてもパイロットがそんな高熱に耐えられるわけが・・・!?』

 

溶岩を突き進むという並の機体ではその熱に装甲が耐えきれないような場所を平然と進むゾイド達にも恐怖を抱くが、それ以上にマグマという高熱の中を突き進むというのはどれだけ機体が頑丈であり耐熱対策が施されようと常人が耐えられる温度であるわけがなくそれを平然と耐えて戦闘を繰り広げるエスデスとベイルたちに誰もが恐れ慄いていた。

 

────ジェノスピノとオメガレックスはそれぞれ硫酸海の深い海底と火山高の中から発見された化石を元に復元されたゾイドであり、他の第一・第二機獣師団のゾイドたちもまたジェノスピノたちほど強力ではないが硫酸海や火山などの苛烈な環境で採掘されたのと全身をゲッター合金でコーティングしている上に日光浴のようにゲッター線を毎日のように浴び、中にはジェノスピノやオメガレックスたちのようにゲッター炉心を捕食しその身体に取り込んだことで通常のゾイドとは別格の存在にまで進化をしていた。

 

それ故にジェノスピノやオメガレックスたちは溶岩を耐えることが出来た。そしてそんな特殊なゾイドたちを操るパイロットたちも心身ともに鍛え抜かれていることで操れることができるが何よりも彼らの主であるルルーシュへの忠誠が高いことから生まれる強い精神力によって気絶せず任務を実行しようと暴れ回っていた。それによりシュナイゼル連合軍と黒の騎士団に甚大な被害を発生させた。

 

「ゼロ・・・ライっ────!!!」

 

斑鳩の艦橋の窓越しに、舞い上がる溶岩弾と暴れ回るゾイドたちを見て、扇は驚愕に表情を引き攣らせ、目を大きく見開いていた。

 

「「「きゃああああ────っ!!!」」」

 

双葉、日向、水無瀬が、一斉に悲鳴をあげる。

我に返った扇、香凜、南、そして洪古とラクシャータたちが前を向くと、いつの間にか1機のスーパーロボットが斑鳩の正面に回り込み、その紅いカメラアイを強く輝かせて扇たちを睨んでいた。その機体はルルーシュの配下であるムジナの操るブラックダイナゼノンであった。

 

『余計な体力を使わせてくれたわね・・・。人の力で威張ることしか出来ない蛆虫の分際でよくもやってくれたわね』

 

ブラックダイナゼノンの外部スピーカーから、ムジナの嘲りと怒りの声が聞こえてくる。

同時に、ダイナゼノンの両指と肩部のビーム砲の砲身がゆっくりとこちらへ向けられた。

 

「これは────まずいっ!!」

 

「全員、逃げろっ!!逃げるんだぁっ!!」

 

香凜と扇が叫び、艦橋にいるその場の全員が一斉に脱出しようとその場から走り出したと同時に。

 

『死ねぇぇぇええええええ────っ!!!』

 

ムジナの殺意と狂気に満ちた雄叫びとともに、両手の指の先と両肩部のビーム砲【ペネトレーターガン】が勢い良く火を噴いた。

 

ドゴォォォォンッ────!!!

 

斑鳩の艦首、艦橋の右半分が、爆発炎上する。

それを見届けて、 ブラックダイナゼノンが空高く飛び去っていくと同時に、数発の溶岩弾が斑鳩の船体を数箇所も直撃。そこから次々と黒煙と炎が噴き上がる。

そして、バランスを失った斑鳩は、炎と黒煙に包まれてそのまま墜落していった。

 

「扇さん!!応答してください・・・!!南さん!?ラクシャータさんっ────!!!」

 

斑鳩が撃墜した様子を遠くから見てしまったカレンは扇たちの安否を確認するために紅蓮のスピーカーを通して、カレンが悲痛に叫び続ける。

だが無常にも、斑鳩は返事を返すことなく、そのままフジの地表へと沈んでいった。

 

 

────────ルルーシュとライの用意した策により甚大な被害を受けたシュナイゼル連合軍と黒の騎士団。戦況はルルーシュ皇帝軍に傾いてきたことで彼らはより苛烈に部隊を前進させ始める。しかしルルーシュたちがその力を見せつけたことによりシュナイゼルもまたそれを認めた上で叩き潰すためにダモクレスに搭載されている女神の名を冠した殺戮兵器を放つ準備をするのだった。

フジの決戦は未だ序盤であるがどの勢力も少なくない被害が発生している。しかしそれでも互いに一歩たりとも引く様子を見せずフジの至る所で激しい戦闘が起こっていた。




あとがき

今回はフジの決戦前哨戦として原作コードギアスでも行った富士山の噴火+αによる攻撃と各陣営のキャラたちの戦闘を少しだけのせさせてもらいました。オリジナルゾイドとしてゴジラシリーズに登場する怪獣たちを元にしたゾイドの登場やオリ機体、アーマードコアなどいろんな機体を登場させましたがまだまだ各陣営に色んな機体を登場させるつもりなので時間を作って少しずつ設定をまとめて投稿しようと思います。それと宇宙戦艦ヤマトの戦艦で何隻かカッコイイのを見つけたのでそれを元にしたものを出そうかなと考えてたりしてます。また、スパロボとも原作コードギアスとも異なる決着をつけるつもりのフジの決戦ですが、ある程度の流れは決めてますので頑張って早く投稿できるようにしたいと思います。それではまた次回よろしくお願いします
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