お久しぶりすぎる投稿ですみません。ほかの小説の方を進めていたりアイデアがまとまらなかったりして中々進みませんでしたが何とか今年中に本編の更新ができました。かけたら短いでしょうがクリスマス特別編を書いて今年のスパロボ投稿最後になると思います。来年も頑張るつもりですがどうか今後もよろしくお願いします。
────カレンたちが扇たちの救援をすべく墜落した斑鳩の元へ向かおうとしているのをアカネとアレクシスの怪獣兵たちによって妨害されているように、扇たちの救援をすべく行動を起こそうとしていた星刻たちもまた足止めを食らっていた。
『し、星刻司令助け────』
『キシャァァァァァ!!』
暁のパイロットが星刻に助けを求めようとするが、その声が届くよりも先にラプティスの鋭い鎌の一撃によって機体ごと身体を両断され絶命してしまった。ラプティスたち超大型ゾイド、タイタンズとゼログライジス・レクスの眷属であるゾウ種のゾイド【ゼロファントス】、スピノサウルス種のゾイド【サイコジェノスピノ】、サーベルタイガー種のゾイド【サイコファングタイガー】など様々なタイプの原始ゾイドたちの群れによる蹂躙によって星刻派の黒の騎士団及び超合衆国軍のナイトメア、モビルスーツ、幻晶騎士たちが次々と破壊されていた。脱出機構の発動が間に合うものが多くいるために死者はほかの部隊に比べれば少ないがそれでも3桁を超えるかなりの犠牲者が生まれていた。タイタンズは他のゾイドのような動物や恐竜などの既存の生物たちを元にしたゾイドとは異なり怪獣と呼ばれる別次元の地球で食物連鎖の頂点に君臨していた生物の遺伝子を持つことにより通常のゾイドたちとは数段かけ離れた力を持っている。故に星刻やエルネスティと言った優れた腕を持つパイロットたちでも一体に対して数人がかりで対処しなければ足止めすることも出来なかった。
タイタンズの数はゼログライジス・レクスを除いた9体であり、それに対してエルと星刻たちは先程からずっと防戦一方を強いられており攻めることが出来ないでいた。このまま追い詰められエネルギーと弾薬が尽きてしまえば待っているのはタイタンズによる蹂躙しかないとわかっている星刻とエルネスティはなにか打開策はないかと考えていたその時、運命は彼らに味方をしてくれた。
『『ブロウクンマグナム!!』』
『ブロウクンファントム!!』
『ファイヤーソード!!』
『動輪剣!!』
アロジラスたちの鋭い牙や爪がエルネスティたちに迫る寸前、勇者王たちの鉄拳が、勇気ある炎の警察の熱き剣が、偉大なる勇気を持つ銀の翼もつ勇者の勇気の剣がそれらを弾き返し勇者王たちはエルネスティたちを守るようにアロジラスたちの前に立ち塞がる。
『君たちは・・・!?』
『GGGにブレイブポリス、それに勇者特急隊の皆さん!!』
エルネスティたちの窮地に現れたのはGGG(ガッツィー・グローバル・ガード)からは獅子王凱の【ジェネシックガオガイガー】を筆頭に天海護と戒道幾巳の【ガオガイゴー】、ルネ・カーディフ・獅子王の【ガオファイガー】、ソルダートJの【キングジェイダー】、蒼斧蛍太と彩火乃紀の【覚醒人V2】、ベターマン・ラミアたちが操る【ベターマン・カタクラフト】、そして勇者ロボである炎竜と氷竜がシンメトリカルドッキングした姿である【超竜神】、風龍と雷龍がシンメトリカルドッキングした姿である【撃龍神】、光竜と闇竜がシンメトリカルドッキングした姿である【天竜神】、そして【ゴルディーマーグ】、【ビッグボルフォッグ】、【マイク・サウンダース13世】たち。
ブレイブポリスからは友永勇太をリーダーに彼の相棒であるジェイデッカーとデュークファイヤーが合体した姿である【ファイヤージェイデッカー】、ビルドチームのマクレーン、パワージョー、ダンプソン、ドリルボーイが合体した【スーパービルドタイガー】、そして【シャドウ丸】と【カゲロウ】。
勇者特急隊からは旋風寺舞人と彼の相棒にして勇者特急隊のリーダーである【グレートマイトガイン】、ライオボンバー、ダイノボンバー、バードボンバー、ホーンボンバーたちボンバーズが合体した姿である【バトルボンバー】、ファイアダイバー、ポリスダイバー、ジェットダイバー、ドリルダイバーが合体した姿である【ガードダイバー】、マイトガインのコピー機である【ブラックマイトガイン】、雷張ジョーの【轟龍】。
どの機体もスーパーロボット級の実力を兼ね備えた実力も戦闘経験も高い優れたメンバーであり、ZEXIS・ドライクロイツのスーパーロボット部隊としてもマジンガーZたち同様表舞台でも頼れる存在として人々から賞賛されている彼らが援軍として現れたことにエルネスティたちが驚いている中、星刻へGGGの長官である大河幸太郎から通信が入った。
『こちらGGG長官大河幸太郎!!これより我々GGGとブレイブポリス、勇者特急隊は貴官らの援護に入る!!』
『大河長官・・・!!』
大河長官からの言葉に星刻たちは強力な援軍の登場に僅かばかり心に余裕ができたがそれでもまだ戦況は厳しいものがあった。タイタンズはジェネシックガオガイガーたちの不意の一撃をくらっていても未だなお余裕の姿を見せているのもあるが、一番の理由はたった一度の攻撃でシュナイゼル連合軍に甚大な被害を出したゼログライジス・レクスが先の一撃を放ってから動く様子を見せないことが星刻達に一抹の不安を抱かせていた。先程の一撃を放ったことでエネルギーチャージなどの問題で動きが泊まっている可能性は少なからずあるが、そう楽観視できる存在でないためにイビルコァトルスたちを相手しながらも警戒を続けるしかできなかった。
勇者王たちの参戦により星刻たちは窮地を脱することは出来た。しかし超合衆国軍側に援軍が間に合ったのに対して旗艦である斑鳩が撃沈したことによって士気が下がりまくっている黒の騎士団側には援軍は訪れるどころか多くの敵に囲まれ絶対絶命の危機の状況に陥られていた。
『死ね!黒の騎士団!!』
『ゼロを裏切ったクソ野郎共がっ!!ここでぶっ殺してやるよ!!』
『あの世で仲間たちに詫びてこい!!』
ゼログライジス・レクスのアトミックゼロブレスと富士山の噴火によって甚大な被害を受けつつも何とか生き残った扇派の黒の騎士団であったがそんな彼らに待っていたのはかつての仲間であった元黒の騎士団に寝返ったフリをしたサリアたちと闇に紛れ待機していたクロノアたち第三独立師団、マリオとマーヤ率いる
『少し小突いた程度でこうも無様を晒すなんて、本当に今の黒の騎士団は軟弱ね』
『そう言うな。扇たちみたいなゴミと共に進むことを選んだ連中なりにゴキブリのような生命力で生きているだけでも褒めてやるべきだ』
『裏切り者が偉そうに────っ!!』
マーヤとマリオはアキレウスとペルセウスのコックピットの中で先程撃墜した出雲級浮遊空母艦の破壊したブリッジの上で眼科に広がる扇派の黒の騎士団の精鋭を名乗っていた暁改可翔式や雪華可翔式たちの残骸を見下しながら今の扇たちのための黒の騎士団に対してそう嫌味を放つ。それに怒りを感じた黒の騎士団団員たちは殺気を隠さずアキレウスとペルセウスを撃墜すべく暁やジンクスIIIなど黒の騎士団のナイトメアやモビルスーツたちが攻撃を仕掛けようとするが、その攻撃がマーヤたちに届くよりも先に空から降り注ぐ重力の槍の嵐によって機体が蜂の巣のように穴だらけになりながら次々と撃墜されていく。
『────あなたがた如きに時間をかける余裕はこちらはないんです。なのでとっとと皆殺しさせてもらいます』
マリーカはアザトースのコックピットの中で淡々と呟きながらもアザトースの両手の掌からナイトメアサイズの小さな槍状のワームスフィアを生み出しては扇派の黒の騎士団団員たちの機体を破壊していく。中にはアザトースの猛攻を掻い潜って接近することに成功した機体もいるが、それらの機体はアザトースのアンカーユニットでコックピットごと貫き絶命させられた。それを離れた場所で藤堂の斬月と戦闘をしながらストルムセイバーガンダムのコックピットの中から見ていた刀奈は小馬鹿にするように藤堂に話しかけていた。
『無様ね藤堂鏡志朗。かつては【厳島の奇跡】と呼ばれ多くの日本人の希望になって多くの人間を導いてきた武人が、今じゃ多くの日本人から裏切り者として蔑まれているだなんて滑稽としか言いようがないわ!』
『ぐっ・・・!!』
刀奈はストルムセイバーガンダムの腰に装備している2本のビームサーベルを連結させてアンビテクストラス・ハルバードにして斬月に斬りかかりながら過去の栄光とはかけ離れた姿に落ちぶれている藤堂を貶すのを聞かされる藤堂は苦悶の表情を浮かべながら斬月の制動刃吶喊衝角刀で受け流すもモビルスーツとナイトメアという機体サイズも動力の出力にも、そして何よりも機体を操る
『中佐!?』
『余所見とは、随分と余裕だな!!』
『くっ!?おのれぇ!!』
敬愛すべき上司である藤堂の窮地を助けるべく動きたい千葉であるが、彼女もまた箒の新たなガンダム【ガンダムアストレイ・紅椿】に行く手を阻まれていた。
千葉が操るナイトメア【月下瑞鶴】は四聖剣専用月下と暁直参仕様のデータを元に千葉専用に開発された第八世代相当ナイトメアフレームであり、千葉の戦闘スタイルに合わせて近接戦に特化させた機体となっており斬月の制動刃吶喊衝角刀を発展させた【制動刃吶喊衝角刀弐式】はモビルアーマーすら一刀両断できる斬れ味を誇るが、それも届かなければなんの意味もなく千葉の月下瑞鶴の斬撃はガンダムアストレイ・紅椿の追加装備であるサムライソード【
ガンダムアストレイ・紅椿。先のオオサカ租界での戦闘でブラストフライトユニットやオーガシールド、ウイニングライフルが破壊されたために多くの武装を失ったガンダムアストレイ・陽炎のために束が残してくれたモビルスーツ・ナイトメア含めた新機体及び強化武装などのデータから設計・開発された強化武装【紅椿】。ガンダムアストレイ・紅椿は腰の後ろに四枚のスラスターウイングを取り付け、背中には追加サムライソードの空裂、天月と二枚の複合兵装大型ウイングを装着することで、汎用性が高い通常形態である陽炎より高機動・近距離に特化した形態となっている。
元から高性能であったガンダムアストレイ・陽炎であるが、紅椿へと改修されたことでより高性能となったガンダムアストレイ・紅椿は凄まじく、今残っている黒の騎士団でも上位の実力を持っている千葉ですらまともに相手取ることも出来ず一方的に箒は攻め続けていた。
現在の黒の騎士団でも1、2を争う実力者である藤堂と千葉が一方的に攻撃され続けているのとそれ以外の玉城や杉山などの部隊長クラスたちも圧倒され続け黒の騎士団は劣勢を強いられ続け戦闘が開始してから一時間も経たないうちに富士の噴火及び第一・第二機獣師団のゾイドたちの攻撃によって大打撃を与えられたところにマーヤやマリオたち凶暴な魔狼とマリーカや箒たち深淵騎士団の襲撃を受けたために戦力の半分近くが壊滅していた。本来ならばとうに撤退を考えなければならないほどの大損害を受けている黒の騎士団であるが、凶暴な魔狼と深淵騎士団たちが黒の騎士団を囲むように部隊を展開させているために逃げ道がないために撤退しようにも撤退する手段がなかった。
『し、死にたくない!!こんな所で裏切り者たちなんかに殺されたくないっ!!』
『日本を取り戻すために、こんな所でくたばってたまるかよ!!』
『コイツらさえ倒せば私たちにだって勝機が・・・っ!!』
準エース級のパイロットたちが操る暁改可翔式12機のコックピットの中で少年少女たちが死の恐怖で押しつぶされそうになっているのを無理やり鼓舞して立ち向かおうとヴィルキス、テオドーラに攻撃を仕掛けるが・・・
『ハッ!その程度の気迫で勝てると本気で思ってるのかしら!!』
『テメェら如き雑魚が粋がったところで無駄なんだよ!!』
アンジュとヒルダの恫喝と共にヴィルキスとテオドーラは剣を赤く輝かせ、刀身にエネルギーを集中させてから勢いよく振るい斬撃波を飛ばす。2機の斬撃波が重なり合いバツの字になって12機の暁改可翔式たちは全て切り裂かれた。
『がはぁっ!?』
『ち、ちくしょう・・・っ!!なんで俺たちがこんな目に・・・』
『ヤダ・・・死にたくないよォ・・・!!』
機体ごと身体を切り裂かれたパイロットたちは迫る死を目前にアンジュたちへの呪詛の言葉と死への恐怖の言葉を漏らしながら爆炎の中へと消え去った。
『みん、な・・・。全滅、だって・・・嘘、だろ・・・?』
自分たちのことを慕ってくれた仲間たちがヴィルキスとテオドーラを前に呆気なく全滅させられたのを見て、杉山は頭が真っ白になった。
『うおおおおおお、ルルーシュゥゥゥゥゥッ!!ライイイイいいぃぃっ!!』
いつかのブラックリベリオンの時と同じく、悲痛な絶叫をあげながら杉山は、諸悪の根源と思い込んでいるルルーシュとライへの憎悪の雄叫びをあげながら暁改直参仕様のガトリングとランチャーを迫り来るサザーランド・アビスやジンクスIVに向かって出鱈目に乱射し始めた。
(そうだ、ZEXIS、ドライクロイツ。そして黒の騎士団。俺もお前たちも、もう引き返すことは許されないのだ・・・!!)
そんな、かつて自分が創った黒の騎士団がマリオとマーヤたちによって容赦無く粛清されていくのを見て、ルルーシュは瞳に光を宿らせ、険しい表情で唸った。
そして、玉座の肘掛けの中にあるパネルのスイッチを押して、ゾギリア軍と元ヴァース帝国火星騎士軍共に最終出撃準備中のセレスとゼハートに通信を繋いだ。
「シュナイゼル軍の左翼が手薄になったぞ!!行け、我が騎士セレス!ゼハートよ!!」
『『────イエス・ユア・マジェスティ!!!』』
◆◇◆◇◆
直後、左翼の戦線で急激な変化が訪れた。
『ヒッ・・・!あの機体は《
『あ、
シュナイゼル軍のブリタニア騎士と地球連邦兵、そして彼らと共に左翼を形成していた人類軍が、突然戦線に姿を現したその部隊に恐れを成して、戦列を乱し始める。
『ゼハート様の邪魔はさせない!!』
ゼハートの親衛隊《
『覚悟ないものたちがっ!!』
レイル・ライトはギラーガ改二のギラーガ・スピアで襲い来るヴィンセント・ウォード、ジンクスIIIを貫き、
『『喰らえ!俺(私)たちの邪魔をするもの全てを!!』』
双頭の機械竜のような見た目をしているヴェイガン製のモビルアーマー──《ドラツォルキン》を操るメイガス兄妹はドラツォルキンの鋭い牙でファフナー:トローンズ・モデル、アヘッドを噛み砕きながら両肩部から伸びるキャノン砲でサザーランド・エア、ステイギス、ファフナー:メガセリオンモデル、エアリーズたちを撃墜したり、
『切り裂け、我が鋭き刃よ』
火星カタクラフトであるウォロク卿の操るマーナガルムの両腕の鉤爪が光り輝き、その爪が振るわれる度に白い光を纏った三日月状の斬撃波が飛ばされアヘッド、ファフナー:メガセリオンモデル、ディンたちをなます切りにし、
『噛み砕け、我が気高き猟犬たちよ』
フリード卿の火星カタクラフト《ヘルハウンド》の周囲に浮かぶ獣の頭部の形をした12基のビット兵器に指示を出すと同時に周囲にいるヴィンセント・ウォード、ファフナー:ベイバロン・モデルたちのコックピット中心に襲いかかったり、
『・・・ゾギリアと、ルルーシュ皇帝の敵に、死を・・・』
ヒナのカルラが、ネクターバレットライフルの大鎌で指揮官用ヴィンセント、ガレスを同時に薙ぎ払って、
『渡瀬青葉・・・!渡瀬青葉と、シュナイゼルはどこだあああああっ!!!』
ビゾンのネルガルが、ネクターバレットバズーカを乱射してビルゴIII、ザムザザー、デストロイガンダムを片っ端から吹っ飛ばしていく。
第一・第四機甲師団とゾギリア軍、火星騎士軍による蹂躙によってシュナイゼル連合軍の左翼は大打撃を受けて大混乱に陥っていた。その混乱した様子は人類軍のエースパイロットの1人であるアルゴス小隊の隊長であるダスティン・モーガンは自身の搭乗機であるファフナー:トローンズ・モデル《ラファエル》のコックピットにも届いていた。
『おのれっ!シュナイゼル軍や地球連邦軍だけでなく我ら人類軍の精鋭たちがこうも容易く倒されてしまうとは・・・っ!!』
『これ以上連中を調子づかせてたまるかっ!!』
『あぁ!化け物どもに目にもの見せてやるぜ!!』
歯噛みしているダスティンを鼓舞するように同じ小隊の仲間であるファフナー:ドミニオン・モデル《ガブリエル》のパイロットであるキース・ウォーターとファフナー:トローンズ・モデル《サンダルフォン》のパイロットであるハインツ・ビットナーはダスティンに声をかけながら迫るゼハートたちを討ち滅ぼすべく機体を飛ばす。
鋼鉄の竜の力を宿した機動兵器たちを操る地球よりも過酷な環境である火星を生き抜いてきた屈強な戦士たちと別世界で他国に侵略行為を繰り返してきた簒奪者たちは何の躊躇いもなくシュナイゼル軍の左翼に突撃し、手当たり次第に破壊と死を振り撒いていた。そこには普通のものならば多少抱くような死への恐怖など欠片もなく歯向かう敵を食い破り、討ち滅ぼす為だけにその圧倒的な
そんな常人とかけ離れた存在を不気味に思い動きがぎこちなくなっている彼らに容赦なくゼハートとセレスの親衛隊である双頭の紫邪龍と
『見つけたぞ!左翼前線、第一機甲師団と第四機甲師団に火星騎士軍、それにゾギリア軍だ!!』
真ライガー号のコックピットのモニター越しにシュナイゼル連合軍の左翼突き崩しながら進んでくるゼハートとセレス率いる部隊を確認した隼人が叫ぶ。
『奴らがそうか・・・ついに捉えたぞ!』
(やっぱり、あの機体・・・!まさか!!)
ブラディオンネクストのディオ、ルクシオンネクストの青葉もその特攻部隊の姿を確認した。その時、ウイングガンダムゼロのヒイロが青葉にこう言った。
『気をつけろ、青葉。あの紫のヴァリアンサーに乗っている男は、お前を捉えたが最後、一心不乱にお前を狙ってくる』
『え・・・!?どうしてわかるんだ!?』
『俺のこの機体────《ゼロ》が教えてくれた』
ヒイロはそう付け足してから、モニターの中で真っ直ぐに突き進んでくるディゼル兄妹率いる特攻部隊の姿をじっと見た。
(この戦いも含めて、少しずつ《ゼロ》が
そしてマリオたちの攻撃を受けてパニック状態になりながらも必死の奮戦を繰り広げる黒の騎士団だったが、またしてもひとりの戦士が倒れた。
『うぐっ・・・!お、おのれ・・・ルルー、シュゥゥッ・・・』
ジルが駆るレイジアの剣による一閃を深々と受け、漆番隊隊長待宮権助の雪花可翔式が無念と怒りの唸りをあげて大地に墜落する。
『・・・お前たちと同じように、我々には命を賭してもやらなければならないことがあるのでな。許せ』
ジルはそれだけ詫びると、レイジアを動かして周囲にいる黒の騎士団のナイトメア部隊に攻撃をかける。
『待宮っ!!なぜだ・・・?なぜ、どうしてこのような・・・!』
共にこれまで元日本解放戦線の同士としてブリタニアと戦い続けた同士までもがやられたのを見て、千葉が愕然とした表情で呻いた。しかし、そんな愕然となる暇も与えないかのようにの攻撃はさらに激化し、銃弾の嵐を受けて黒の騎士団のナイトメアやモビルスーツ、鹵獲機部隊が次々と倒れ、艦船が一隻、また一隻と炎上し、撃沈していく。
そんな中、同じく必死の奮戦を繰り広げていた黒の騎士団に僅かに残っていたスーパーロボットであるグルンガスト弐式を操る拾参番隊隊長水鏡悠誠とジガンスクードを操る拾壱番隊隊長桐間十兵衛は目配せして頷き合ってから、扇に言った。
『扇司令。俺たちでなんとか突破口を開いてみせる。だからあんたは皆を連れて逃げろ。藤堂さん、千葉さん、朝比奈さん。後のことと皆さんをお願いします』
『悠誠・・・!!』
扇、そして藤堂が通信回線越しに息を呑む中、十兵衛も覚悟を決めた様子で言った。
『仲間たちの弔い合戦だ。ここで死力を尽くさないでいつやるってんだよ!!』
『扇司令や藤堂中佐がいればまだ黒の騎士団はやり直せる・・・!!』
『俺たち黒の騎士団の意地を連中に思い知らせてやる・・・っ!!』
十兵衛のジガンスクードと拾参番隊副隊長の宗像響のゲシュペンストMark-II、拾壱番隊副隊長相沢直弥のヒュッケバインMark-IIが、死中求活の覚悟で眼前の敵の大軍に攻撃を開始する。彼らにの胸にあるのは仲間たちをひとりでも多く逃がし、次の戦いに備えてもらおうと決死の覚悟を持って最低でも幹部格を道連れにしてみせると言う決意を持って襲い来るマリオたちを迎え撃ちにかかった。
『オォォォォォォォォッ!!』
悠誠は雄叫びをあげながらグルンガスト弐式を重低音を響かせながら走らせ、目の前にいたという理由で凰鈴音の神龍・龍昇鳳姿に向けてバスターアックスを振り下ろす。機体サイズが数倍以上かけ離れている特機とナイトメアでは以下に腕に自信を持っていようと防ぐ手段などあるまいと悠誠は自信もって繰り出した一撃。並の相手ならばその一撃は確実に敵を両断してみたのだろうが・・・
『────おっそいのよ』
『────っあ?』
しかし鈴音はルルーシュの親衛隊である深淵騎士団の部隊長というライたち筆頭騎士たちに次ぐ実力を持ち、その上神龍専用追加武装《龍昇鳳姿》を装備したことにより第八世代相当ナイトメアから第九世代ナイトメアにまで性能が格段に上がっていた。
乗り手と機体が優れているのであれば迫る大斧の一撃を回避することなど容易く、鈴音は神龍・龍昇鳳姿でグルンガスト弐式の一撃を回避すると同時に展開したエナジーウイングを機体全体を覆うように纏わせ、弾丸の如く勢いよく飛ぶと同時に主武装である双天牙月を構えグルンガスト弐式の懐に近づくとエナジーウイングの加速を乗せた双天牙月の刺突で動力炉ごとグルンガスト弐式の胴体を貫き、悠誠は何が起こったのかもわからず動力炉の破壊によってグルンガスト弐式が爆散したさいの爆炎に飲み込まれそのまま命を落とした。
『悠誠!?この野郎ォー!!』
悠誠が目の前で死んだことに怒りを隠さず鈴音の神龍・龍昇鳳姿に攻撃を仕掛けようと十兵衛はジガンスクードの巨大な両腕部に固定された巨大な盾《シーズシールド》を振り下ろして神龍・龍昇鳳姿を砕こうとしたが、
『ノロいのよこのデカブツ!!』
ジガンスクードのシーズシールドが構えられるよりも前にジガンスクードの上に飛び乗ったリィズ・ホーエンシュタインのゴーストガンダムがジガンスクードの首元にフレイムソードを突き刺し、ジガンスクードの機能を停止させようとしたが、
『せ、せめて貴様だけでも・・・っ!!』
首元にフレイムソードを突き刺され内部の機器が爆発しコックピットにも被害が出たことでモニターのガラスなどが身体につき刺さった十兵衛は血反吐を吐きながらジガンスクードのグラビコンシステムを起動させジガンスクードごとゴーストガンダムを重力で押し潰しにかかる。
『────油断しすぎよ?リィズちゃん』
『うるさい・・・っ!!』
しかしゴーストガンダムとジガンスクードが重力で押しつぶされるより先にベアトリクス・ブルーメのクロスボーンガンダムX-0 フルクロスの多目的攻撃兵装《クジャク》のスマッシャーモードによるビームバスターでジガンスクードを貫くことで爆散させ、ゴーストガンダムはその爆発に紛れ脱出する。ベアトリクスは十兵衛の死の間際の悪足掻きで痛手をくらってしまったリィズをからかい、リィズもまたあの程度の敵に痛手を食らってしまったことが悔しいのか顔を顰めていた。
『おのれッ!隊長たちの仇っ!!』
『刺し違えてでも貴様らの命を取らせてもらう!!』
尊敬すべき隊長である悠誠と十兵衛を殺されたことで頭に血が登った響と直弥はゲシュペンストMark-IIとヒュッケバインMark-IIのビームサーベルでゴーストガンダムとクロスボーンガンダムX-0 フルクロスに切りかかろうとするが、
『させるわけないでしょ?』
『あなたたち程度に取られるほど私たちの首は安くないのよ』
エウルア・ゼフィロスのシグルドリーヴァとシノン・ヘカーティアのスールズかゲシュペンストMark-IIたちの前に立ち塞がり、エウルアのシグルドリーヴァの大剣《バスターソード改》でゲシュペンストMark-IIを両断し、スールズのスナイパーライフルがヒュッケバインMark-IIのコックピット部分を撃ち貫く。
『水鏡副隊長!?桐間副隊長!?』
『くそっ!!隊長たちの覚悟を無駄にするな!!俺達も続くぞ!!』
悠誠たちの死を前に悲しみを感じながらもそれを押し殺し黒の騎士団拾壱番隊と拾参番隊メンバーたちは捨て身の覚悟でマリオたちに特攻を仕掛けていく。中には相打ち覚悟で動力炉を臨界限界まで稼働させた状態で衝突させ自爆特攻を図るものもいた。そんな彼らの覚悟を無駄にすることもできず扇たちは斑鳩から同型艦である不知火に乗り換えてほかの生き残りの部隊たちと共に撤退を開始する。
「くっ・・・!!マリオ、マーヤ・・・っ!!」
そしてまた、扇たちの後方から爆発が巻き起こる。その爆発で、黒の騎士団拾壱番隊と拾参番隊の艦船とナイトメアなどの兵器が墜ちていく。複数の命と共に。それを聞いて扇たちは悔しそうに顔を歪ませながら次こそは仲間たちの仇を取ってみせると胸の内で覚悟を決めるが、そんな機会が訪れることなど未来永劫ないことを彼らはまだ知らなかった・・・。
『みんな・・・っ!!』
離れた場所でかつての仲間達が戦場に咲く赤い火花と化してしまっているのを感じながら必死に彼らの元へ向かおうとするカレンだがそれを許さないと言わんばかりにカレンの紅蓮聖天八極式に襲いかかるゲッターαのゲッタートマホークを紙一重で回避するとそのままがら空きの胴体部分のベアー号のコックピット部分に輻射波動を叩き込むことでベアー号のゲッター炉心を破壊し、ゲッターαは爆散する。
竜馬たちの真ゲッターロボやイルムガルドのグルンガスト改たちを始めとした部隊の一部が怪獣たちの足止めをしてくれたことでカレンを含めた一部の機体が扇たちを救出すべく向かっているのだが、その道中もシュナイゼル連合軍とルルーシュ皇帝軍からの猛攻を掻い潜る必要があったために思うように扇たちの元へ行けず、遠くで仲間たちが1人、また1人と死にゆく気配を感じてカレンたちは辛そうに顔を歪めていた。
『マリオ・・・っ!!マーヤ・・・っ!!』
『あいつら、メチャクチャやりやがる・・・!』
『まずいよ、このままじゃ皆殺しにされちゃう!』
『とにかく止めなくちゃ!!』
黒の騎士団が次々とマリオとマーヤたちの手によって倒れていくのを機体のモニター越しで見ているアサギ、ガウマ、葵、スレッタも、カレンと同じく悲痛に顔を顰めた。
チームラビッツ、セインクラウス兄妹ら西側ZEXIS部隊の大半も同じ気持ちだった。今は袂を別ったとはいえ、共に地球連邦軍として戦った仲間。そして今はむしろ
『チッ、こいつら!!』
『敵が邪魔して進めないのら〜!!』
『そこをどけ!邪魔だあっ!!』
ガレスやドライセン、カーペンタリーなどの砲撃をかわしながらレッドファイブのイズルが舌打ちをし、ローズスリーのタマキが悲鳴をあげ、そしてガレスの編隊をブラックシックスの大量のミサイルで派手に吹っ飛ばしながら、クロキが吠えた。
『あれあれどしたんすか〜?ルルーシュとカレンちゃん、ライくんたちがいなくなったらこのザマですかぁ? もうちょっと頑張ってほしいんだけどなぁ♪』
アレクシス・ケリヴ(ニューオーダー)のコックピットのモニター越しに、一方的にやられていく黒の騎士団を見て、アカネが楽しそうにケラケラ笑った。そしてアレクシス・ケリヴもアカネ以上に楽しそうにほくそ笑んでいた。
『フフ、所詮はグリッドマンやアンチくん達のような力も覚悟もない烏合の衆だね。これじゃあカレンくん達が辿り着く前に全部終わってしまうかもしれないね?』
「・・・扇たちは、もはや死の中に閉じ込められたも同然だ。そして悪く言えば、全て彼らが
同じく先で蹂躙され続ける黒の騎士団の前陣と中陣を神虎のモニターから見て、星刻がギリッと歯を噛み締める。
「それでも・・・このままここで死んでいいとは、思えない・・・!」
ドライストレーガーの艦橋にて、星刻と同じことを考えていたらしいミツバも、キュッと唇を噛み締めた。
凶暴な魔狼と深淵騎士団のナイトメア・モビルスーツ・スーパーロボット等による多種多様な機動兵器たちが扇たち撤退する黒の騎士団に向けて放たれた一斉砲撃を拾参番隊の母艦である扶桑級航空戦闘母艦が護衛機たちと共に扇たちのための盾となって砲撃の全てを受け止めていた。
『死守しろ!何としても扇たちを奴らの魔の手から逃がし、彼らが日本を必ず取り戻してくれることを信じるんだ!!』
かつては扇たちと同じく日本をブリタニアから解放せんと戦っていたレジスタンスの一員であった坂本棫麻はレッドアラートが鳴り響く艦橋の艦長席で必死に部下たちを鼓舞しながら耐えるよう命令を出すが、砲撃が鳴り響く度に護衛機が一機、また一機と撃墜されていくことに誰もが焦りと恐怖を感じ始めていた。
『クソ!なんで、なんで俺たちがこんな目に会わなくちゃいけねぇんだよ!!』
『俺たちはただ日本を裏切り者たちから取り戻すために戦ってたのに・・・!!』
暁改の輻射波動防壁で迫るハドロン砲や銃弾、ビームなどの攻撃を防いでいる黒の騎士団団員はなぜ自分たちがこんな目にあわなきゃいけないんだと言う言葉を吐いてしまうが、今更そのような泣き言を言ったところで全てが後の祭りでしかない。
『今更だな。扇たちという愚物の思い描く道こそが正しいと思い込んだ貴様らの自業自得でしかないというのに』
『あの世で自らの選択肢を後悔するといいわ』
ゼロを裏切った団員たちの言葉を戯言と切り捨てながら冥夜と悠陽は天叢雲を飛ばし、ハドロンや銃弾たちによる銃砲撃の嵐の中を掻い潜りながら扶桑級航空戦闘母艦の護衛機たちを天叢雲の主武装である近接戦闘長刀弐式を用いて次々と輻射波動障壁ごと機体を切り裂いていく。
『貴様らの覚悟だけは認める。だが誤った道を進む同胞たちを正すこともせずただ従うだけの人形とかした貴様らに我らの王の覇道を邪魔する権利などない』
マーティカ・ビャーチェノワがそれだけ静かに告げた後、アトラスガンダムIIのレールガンから放たれたゲッター合金製の弾丸が扶桑級航空戦闘母艦の動力部を撃ち抜き、戦艦は爆発炎上し、業火と黒煙に包まれてそのまま地表に向けて墜落していった。
母艦が沈んだことによって一瞬、黒の騎士団の動きが鈍ったがすぐさま彼らは退路を絶たれたことによってさらに覚悟を強くし、自爆特攻じみた鬼気迫る勢いで攻撃を繰り返していくがそれらの攻撃は深淵騎士団たちに届くこともなく1人、また1人と断罪されていきその骸を地上へと落としていく。
「やめろ・・・っ!!やめてくれマリオ・・・!!」
不知火の艦橋の指揮官席から思わず立ち上がって、扇が悲鳴に近い大声を出した。
「やめてくれ・・・!なんで、なんで、お前まで・・・。かつての、仲間たちに、こんなことを・・・」
『仲間たちにと言うならば、なんなんだっていうんです?』
ペルセウスから通信で送られてきたマリオの声は、絶対零度の如き冷たさを帯びていた。そこにはかつて共に黒の騎士団で過ごした時に見せてくれた優しさなど一欠片もなく扇たちは思わず息をのみ二の句が告げられずにいた。
『仲間だからとか言うなら、どうしてルルーシュに弁明の機会を与えずにリンチしたんです? 僕と同じ未成年に銃火器向けて一方的に詰って、カレンが離れた途端に一斉射撃を喰らわせようとするとか、その時点であなたたちも同じも今の僕たちとやっていることは大して変わりませんよ』
「っ、それは・・・!!」
指摘された扇と南、そして艦橋内の黒の騎士団の団員たちは、顔をどんどん青ざめさせていく。水無瀬、日向、双葉に至っては涙目になり、歯の根が合わないのかカチカチと震わせていた。
扇はともかく、南たちにもまだ罪の意識があったことに少し驚いた様子を見せながら、マリオは通信回線越しに冷たい弾劾を続けた。
『言い訳にもならない言い訳は聞き飽きました。それに、ルルーシュの身柄と引き換えに日本を返してもらう約束をしていたくせに、ルルーシュを殺そうとするなんてどうかしているとしか言いようがない。これでもしシュナイゼルが約束を反故にして、日本が蹂躙されるようなことになったらどうするつもりだったんです?』
「そ、それは・・・みんなが、いるから、なんとか・・・」
『なると思っているんですか?その時のブリタニアの植民地は全部で24もあった。ルルーシュによって返還されている日本もそのうちのひとつで、ブリタニアにとっては11番目の植民地です。植民地にされたのは日本だけじゃないのに、他の国を、そしてセシリアやシャルロット達の故郷のようなブリタニアに支配されている他国を蔑ろにして自分たちの国だけを優先した。その時点であなたたちはルルーシュだけじゃなく、団員たちや超合集国、
「違う!! 俺は・・・裏切ってなんかっ────!!」
マリオに最後の一言を強調して突きつけられたことに、扇はついに泣き出しそうな表情で叫んだ。
『そもそもゼロというのは、ルルーシュ本人が思いついたものとはいえ、ただの記号であり、ただの象徴なんです。ルルーシュがいなくなっても誰かを影武者にさせればいいだけの話です。それなのにゼロが死んだと報道するなんて、愚策の中の愚策だとしか言いようがない。団員たちの士気を無駄に下げて、無駄に結束を乱し、ゼロを信じていた神楽耶様や天子様ら蓬莱島の人々の心までへし折るなんて、あなたたちは一体何がしたいんですか?』
「っ・・・俺は、俺たちは・・・ただっ・・・」
『言い訳はもう結構です。たとえそれが善意だろうと正義だろうと、結果としてあなたたちは味方や支持者の期待を裏切り、反感を買ったことに変わらない。知っていましたか? あのブラックリベリオンでルルーシュがいなくなってから、黒の騎士団はテロリスト崩れとか囁かれていたことを』
「なっ・・・!?」
『それもブリタニア人だけではありません。皮肉にもあなたたちの同胞である、日本人やほかのブリタニアによって植民地とされているエリアの他国民からも囁かれていたんですよ』
何も言い返せないのか、扇と南たちは顔を俯いて黙っていた。
それでも自分の罪を認める気配がないのは明らかだ。これは認めないというよりも、認めたくないと言った方がいい。ミツバやカレン、星刻や神楽耶の諫言を無視してのルルーシュとの決戦に臨んだことと合わせて、最早ただの意地っ張りに過ぎなかった。
精神的にぐらついている扇たちのなどお構いなしに、マリオは回線越しに言葉で追い詰めにかかる。
『そして、ルルーシュがあなたたちを操っていたとか言っていましたけど、もし操られているのだとしたら、ルルーシュに謀反を起こすことなんてあり得ない話です』
『じゃあ、あれは────ゼロの
そのマリオの追い詰めを遮ったのは、らしくもない朝比奈の悲痛な叫びだった。
『っ────!』
『マリオっ!!』
『朝比奈さん!!』
シャルロットと千葉が叫んだのとほぼ同時に、マリオはペルセウスのハルパーで、振り下ろされてきた朝比奈の月下翔鶴の制動刃吶喊衝角刀弐を素早く受け止める。
そうして火花が激しく飛び散る中、朝比奈は機体越しに悲痛な絶叫を挙げた。
『ゼロは・・・ルルーシュは、中華連邦で何の罪のない子供たちを虐殺したんだぞ!!それにあいつにはフレイヤがなくても、ギアスがあったんだ!!そんな悪魔の力を持つ奴に情けをかける必要なんてあるとでもっ────!!』
『────それなら』
マリオは動じず、朝比奈の悲痛な主張をこう遮った。
『それならば、ギアス嚮団の子供たちも
『は・・・?』
驚愕で目を見開く朝比奈をよそに、マリオはペルセウスのコンソールパネルを操作し、あらかじめジェレミアやライたちがギアス嚮団でかき集めてきた資料をデータ化したものとラウラやリィズたちのようなギアスの実験の為に行われてきたおぞましい映像を、不知火と、朝比奈も含めた黒の騎士団の部隊のナイトメアへと一斉送信した。
そうしてマリオから送られてきたそのデータの全てを見て、扇たちは今まで以上に顔を青くした。
目をどれだけ擦っても見間違えるはずがない。事実は今、目に見える形で存在しているのだから。
『な・・・なんだ、これは・・・?』
『嘘だろう・・・?こ、これが・・・事実なら、俺たちは・・・』
マリオはモニター越しに、ルルーシュとライたちが滅ぼしたギアス嚮団の真の姿を知ったことで狼狽している不知火の扇たちをまっすぐに射抜くと共にこう言い切った。
『社会から隔絶された環境の中で、
『っ!! そ、それでも・・・!子供たちを・・・実験体を保護することだって!!』
自分たちが間違っていたと認めたくないと言わんばかりに朝比奈が、さらにらしくもなく必死な声で縋り付くが、マリオはその縋りつきを一蹴した。
『どうやって?どうやって子供たちの洗脳を解いて保護するんです?それ以前に子供たちの教育や住居などの世話についてはどうするんです?あのブラックリベリオンで、ただ自分の楽しみの為だけにゼロを惑わし、僕たちの戦いに水を差した嚮主V.V.の命令しか聞かない子供たちをどう更生しつけるつもりなのですか?』
『・・・っ、ぁ・・・』
マリオのその弾劾に返す言葉がなくなったのか、朝比奈が呻き、ペルセウスに叩きつけていた制動刃吶喊衝角刀弐の動きを緩めた、その瞬間だった。
『────ねえ。もういいでしょ、こんなつまらない座興は』
朝比奈の月下翔鶴の後ろにいつの間にか立っていたアキレウスが、アンジュの呆れた声とアキレウスのグングニルによる鋭い突きを繰り出した。
『ぐはっ!!?』
完全にマリオに気を取られ、さらにマリオの弾劾で我を忘れさせられたその隙を突かれた朝比奈は、コックピットごと身体をグングニルによって貫かれ身体が潰れ頭がコックピットの中に転がる。
その短い断末魔の叫びの後、朝比奈は月下翔鶴と共に派手に爆散する。
『!!!あ・・・』
『朝比奈ああぁぁっ!!』
長い時を共に戦ってきた戦友が呆気なく命を落とした事実を前に千葉と藤堂が絶叫する中、マーヤはライに呆れた声で言った。
『まあ要するにそんなことをくどくど言うんなら、自分でやればいいだけの話でしょ。自分の頭で考えることを放棄して、
『・・・そうだな。僕も話しているだけで、吐き気がしてきた。この連中との一言一句のやり取りすら、苦痛でしかない』
マリオは不知火への通信回線を切り、多くの機体を切り裂いたことによって刃に血肉やオイルがこびりついているハルパーを一度振って汚れを落としてから藤堂の斬月へと向けた。
『さあ、もう座興は終わりだ。僕たちも暇じゃないから、こんな後味の悪い
────そこにはかつて苦楽を共にした仲間への情など微塵もなく、優れた指導者であり道を切り開いてきた先導者を裏切ったゴミ共を処分するという作業を淡々と行うだけと言いたげな冷めきった目で見下ろす死神となったマリオたち。仲間と多くの人たちの信頼を踏みにじって裏切ってきた扇たちにとうとう断罪の刃が振り下ろされる時が来た。絞首台での
裏切り者の扇たち黒の騎士団残党への断罪はまだ始まったばかりである・・・
あとがき
今回は扇たち裏切り者の黒の騎士団の断罪開始で一旦終わります。バディコン組やOG組、トランスフォーマーなど互いに因縁のある組織の戦いなどもまだあるので次回以降はそれらを書くように頑張ろうと思います。アレやりたいこれやりたいと頭で考えてても実際には進んでない現状を何とかしようと思いつつこれからも頑張りますのでどうかよろしくお願いします。