今回の話で扇たちはもう後戻り出来ないところまで落ちていきます。すぐには終わらないしもしかしたらフジの決戦以降でも生き残る可能性はあるけど少なくとも扇に明るい未来は絶対来ない。他にもブラックナイツの登場やルイスVSネーナなどもあります。今回もよろしくお願いいたします!!
富士山周辺の至る所で様々な勢力がぶつかり合い地上に多くの機体の残骸や人間の肉片や死体が散らばり、上空では機体や戦艦の爆発による花火が至る所から上がっている中で扇たち旧黒の騎士団は最も追い詰められていた。
朝比奈や玉城などの幹部の半数近くが殺され、鹵獲していたものやルルーシュが残していた強力な機動兵器も殆どがパイロットと共に破壊され、その上残っていた戦力の4分の1がルルーシュたち皇帝軍に恐怖し敵前逃亡したことで戦線はより崩壊してしまった。今なお扇たち黒の騎士団が完全に崩壊していないのは運良く合流することのできたエルネスティやデュークたちZEXIS・ドライクロイツメンバーの助けと星刻たち超合衆国軍が彼らのフォローに入っているおかげであるが、現状の戦力それも僅かばかりの延命措置にしかならず扇たちは絶体絶命の危機に陥り一歩間違えれば即全滅するような綱渡り状態で必死に足掻いていた。
それを嘲笑うかのようにルルーシュが解き放った鋼鉄の体を持つ破壊の怪獣たち【タイタン】シリーズたち超大型怪獣ゾイドは扇たちを鏖殺するためにその力を容赦なく振るうのであった。
『ゴガァァァァァァ!!』
『この化け物がっ!!良くも仲間を────ぷぎゅ』
『先輩!?このぉ!!』
先程まで仲間だったものである無頼のコックピットを踏み潰しているアロジラスに対して廻転刃刀を構えながら突撃を仕掛ける暁だが、その刃がアロジラスに届くよりも先にその巨大な口によって捕らえられ機体ごとその身体を噛み潰された。
それを見ていた仲間達が次々とアロジラスに対してアサルトライフルやバズーカ、ビームライフルなどによる砲撃を開始するが、アロジラスを守るかのように割り込んできたアルマギラスが背中の棘状装甲【アーススパインアーマー】の棘を虹色に光らせながら振動させ始める。
そして棘が砲撃を受け止めた瞬間、それらの攻撃は全て反射され攻撃を仕掛けた黒の騎士団のナイトメアやモビルスーツだけでなく近くにいた超合衆国の部隊にも被害を与えた。
『銃弾とビームを反射するだと!?』
『だったら接近して──』
アルマギラスの反射能力に驚愕しながら次々と撃墜される仲間たちを前に黒の騎士団の団員は戦慄するが、このまま遠距離からの攻撃では拉致があかないと判断した暁改のパイロットがアルマギラスの懐に接近しようと企むが・・・
『キィィィィィィ!!』
『な、なんだこれは!?身動きがとれないっ!?』
『た、隊長!?小型の昆虫型ゾイドたちが・・・うわぁぁっ!?』
『や、やめ────』
スパイダラスが昆虫特有の甲高い声をあげると同時にその口から粘着度の高い糸【ナノワイヤーネット】をクモの巣状にして大量に射出して黒の騎士団のナイトメアやモビルスーツたちに絡みついてはその動きを鈍らせるだけでなく糸に含まれている特殊な毒素の影響で機体の電子機器の機能を停止させる。そして身動きの取れなくなった機体たちに群がるようにスパイダラスの眷属とも呼べる昆虫ゾイドであるスパイデスやスコーピア、キルサイス、グソックなどが近づくと機体の装甲を剥がしていきコックピットの装甲を剥がし終えるとそのままパイロットを殺害していく。
別の場所でも黒の騎士団残党は怪獣ゾイドたちによる蹂躙によってかなりの被害を受けていた。シーモラスの口から放たれる冷凍ブレス【フロストブレス】によってガンタンク、ティエレン、リーオーたちモビルスーツを中にいるパイロットごと次々と氷像へと変えていき、ルナモーラか羽ばたく度に周囲に舞い散る超小型ナノマシンを利用して翼を光り輝かせて放つビーム【ルナレイカノン】を乱反射させてエアリーズ、イナクト、サザーランド・エアたちを撃ち抜き、ビッグタスクがその長く鋭い巨大な2本の牙【グランドタスク】と巨大な長い鼻【アイアンノーズ】を振り回す度に戦艦やその護衛機だったジンクスIII、ヴィンセント・ウォード、グロースター・エアたちを砕きその残骸が地面へと降り注ぎ、フォートタートルが背中の巨大な岩山を連想させる何十門もの砲身がついている超巨大な重装甲つきキャノン砲【マウンテンシェル】から何十もの砲弾が放たれるだけでなく甲羅内で待機していたプテラスやスナイプテラ、セイバータイガーなど様々なゾイドたちが出撃しては無頼改、鋼髏、パンツァーフンメル、ザクウォリアー、ジムIIIたちを次々と破壊していく。中には怪獣ゾイドたちを恐れて逃げ出そうとした者もいるが、ステルス機構を使用し音もなく接近したラプティスの鋭い鎌【プラズマサイズアーム】によってコックピットごと両断されるか海中に潜むエビリオスによる奇襲でその巨大な鋏【クラッシュシザークロー】で挟み切られるかその鋏から放たれる刃となった高圧水流によって切り裂かれるかしてその骸を散らす。
圧倒的な力によって仲間たちが蹂躙され無様に殺されていくその姿を見てしまった扇たちはかつての、否ルルーシュたちという特異点がいない本来の扇たちとブリタニアの実力差とブリタニアによって多くの仲間を殺された虐殺を思い出させるのには十分すぎるほどの絶望に満ちた光景だった。
「なんで・・・なんで俺たちがこんな目に・・・」
扇は不知火のモニター越しに聞こえるタイタンたちによって殺されていく仲間たちの悲鳴や絶叫などが絶え間なく響いている現状を前に立つこともできず身体を恐怖で震わせ歯をガチガチと鳴らしながら青ざめた顔で下を見て現実逃避することしかできなかった。それは扇だけでなく南や双葉たち不知火にいる僅かに残っていた黒の騎士団幹部たちの誰もが同じ感情──恐怖に支配されていた。
(に、逃げなくては・・・!再起を、再起を図るためにもこの場をなんとしても逃げなくては・・・!!)
扇はもうこのフジでの戦いに自分たちは何も出来ないことを理解してしまったために自分たちの命が助かることばかり考えていた。それが今自分たちのことを助けるために必死に戦っているエルネスティや星刻たちを見捨てるようなことになることだということも忘れ自分たちのことを優先する浅ましい存在に成り果てていることにすら気づかず・・・
「扇!!南東方面の方位が手薄になっている!!今ならあそこから撤退できる!!」
「よ、よし!全部隊に通達してそこから撤退するぞ!!蓬莱島に戻って体勢を立て直すんだ・・・!!」
必死になって撤退ルートを探していた南がようやく手薄な場所を見つけて思わず叫ぶと扇はその言葉に飛びつくように叫ぶとそのまま全部隊に撤退するように全員に指示を出す。そして扇の撤退命令を受けた扇派の黒の騎士団たちはその命令に飛びつくように戦闘を中断して撤退を開始する。
『なっ!?お前たち何を勝手に──ぐぁぁぁっ!?』
『待て!今お前たちが持ち場を離れたら──ごぶっ!?』
『くっ!?このクソ野郎どもがぁぁぁぁっ!!』
そして黒の騎士団が撤退をしたことにより戦線が乱れ超合衆国の兵士と銀王騎士団の騎士を始めとした一般兵士たちが次々と犠牲になりその命を落としていく。これにより彼らはもう扇たち黒の騎士団残党を味方ではなく敵だと判断し二度と彼らを助けるために動くことはなくなった。
『────予定通り扇たちをルートCに誘導します。各員祭りの時はそう遅くない。存分に暴れるために牙を研いでおきなさい』
『『『『『『イエス・マイロード』』』』』』
そして扇たちは自分たちが撤退できているのもルルーシュたちの手のひらの上で踊らされていることをこの後、その身を持って思い知らされることを彼らはまだ知らない・・・
「────予定通りに戦況は進んでいるようだな」
ブラックナイトスコード・シヴァMark-IIのコックピットの中でシュラは楽しそうに笑みを浮かべながら出撃の時を待っていた。
現在ファウンデーション王国側の出撃させている戦力はモビルドールや無人機、一般兵士たちのみでありシュラたちアコードは未だ出撃していなかった。ほかのシュナイゼル連合軍の部隊がエースを出撃させていたことから後の各勢力との戦いに備えてアウラはシュラたちを温存させ各陣営の戦力が弱ってきたところを一気に叩く腹積もりでここまで待機させられていた。
しかし想定以上にルルーシュ皇帝軍とZEXIS・ZEUTH・ドライクロイツたちの実力は凄まじくシュナイゼル連合軍の主力の半数近くが撃破されているためにこれ以上出し惜しみする訳にはいかないためアウラはシュラたちの出撃を許可した。
『わかっているなシュラ。今回の戦いは旧人類である奴らに我々新人類であるアコードの絶対的な力を見せつける絶好の機会だ。前回のような旧人類でしかないあの皇帝の騎士ごときに無様な敗北を晒したような真似二度とするな』
「・・・わかっている」
モニター越しにオルフェはシュラに対してどこまでも見下した目で見ながらそう指示を出す。それをほかのモニターで見ていたグリフィンたちオルフェ派のアコードたちもシュラを小馬鹿にするように見ているがシュラはそれら全てをどうでもいいものだと無視してオルフェの言葉が終わるのを待ちモニターの通信が切れたのを確認してからシュラは忌々しげに舌打ちをする。
「あぁ鬱陶しい・・・!!大した実力を持たない癖にああも調子に乗れるとは恥知らずもいいところだ・・・!!」
シュラは大した実力を持たない癖に調子に乗るオルフェたちに対して苛立ちを隠さず操縦桿を強く握るもモニターに映った映像を見て溜飲が少しばかり下がった。
「ふふっ・・・!!せっかくだから見せてもらおうか。あのデュランダル・ギルバートが認めたコーディネーター、シン・アスカの実力を・・・!!」
シュラはモニターに映っているこちらへと接近しているZEXIS・ZEUTH・ドライクロイツ部隊の内の一機────デスティニーガンダムSpecIIの姿を確認すると楽しそうに笑みを浮かべる。
────新人類として全ての人類を導くために造られたアコード。彼らは自らの存在に誇りを持って自分たち以外の存在を全て劣等種として見下していた。しかしオルフェたちは気づいていない。アコード否、ファウンデーション王国は既に1人の女狐によって内部から侵食されていることを・・・
『見えた!あれがファウンデーション王国の母艦だ!!』
先行するアッガイ:CEのコックピットの中でレイはファウンデーション王国の母艦であるヴァナヘイム級惑星間航宙戦艦グルヴェイグの姿を確認しながら接近してきたジン-Rの胴体に両腕の爪【対装甲斬牙爪】を叩きつけてコックピットブロックを破壊して機能を停止させる。ファウンデーション王国側は自分たちの力で戦況を圧倒できると周囲に証明したいのか待機させていた戦力も合わせて全ての戦力がここに集結していた。
ファウンデーション王国総勢30万とZEXIS・ZEUTH・ドライクロイツそしてコンパスからの戦力総勢3万と数だけならば10倍もの圧倒的な差があった。これにはオルフェたちも余裕の勝利を迎えるだろうという根拠のない自信を浮かべていたが、そんな浅はかな考えも彼らの前では容易く蹴散らされるとも知らずに・・・
「それではラミアス艦長。号令を」
「わかりましたコノエ艦長。本隊はこれよりファウンデーション王国に攻撃を仕掛けます!!核などという人類にとって到底許されざる兵器を使う彼らを、かつて我々が敵対したデュランダル・ギルバートの提唱したディスティニープランを再開しようとする彼らを許してはいけません!!何としてもここで彼らの野望を終わらせます!!」
ミレニアムの艦長であるアレクセイ・コノエは今この部隊の全体の指揮を執っているアークエンジェルの艦長であるマリュー・ラミアスに声をかけ、それにマリューは答えながらこの場にいる全員に聞こえるように力強く宣言した。ファウンデーション王国との戦いは今回の戦いのメインであるルルーシュやシュナイゼルに比べれば多少優先度は下がるものの彼らの目的はこの世界に害をなすことに変わりは無い。故にこの戦場で彼らを倒す或いは捕縛する必要があるのと先のオオサカ租界での戦いで色々と苦渋を飲まされたこともあり彼らはみなやる気が漲っていた。
『久しぶりに暴れようぜイザーク!!』
『調子に乗りすぎて撃墜されるなよディアッカ!!』
アスランたちに新機体が受理されたのに合わせてかつての愛機たちの改修機【ライトニングバスターガンダム】と【デュエルブリッツガンダム】に搭乗しているディアッカ・エルスマンとイザーク・ジュールは互いにそう声を掛け合いながらディアッカはこちらに向かってくるディン-Rやイナクト-R、ヘリオン-Fたちに向けてバックパックに装備された折りたたみ式の大型ビーム砲【MA-X60S/D 複列砲身多目的砲】を腰だめに展開してそのままバックパックのミサイルと同時にビームを放ち次々と撃墜していき、イザークもまた近くにいたローラシア級モビルスーツ搭載艦のブリッジに接近するとブリッツデュエルガンダムの右腕部に装備された貫通力の高い杭状の炸裂弾を発射する実体弾兵装【XM61 超高速運動体貫徹弾 ランサーダートII】を発射してブリッジを貫通させてそのまま爆散させる。
『アグネス。わかってると思うけど調子乗って撃墜されないようにね』
『はぁ!!あんた私が誰だかわかってていってるの!!』
『就任初日に舐め腐った態度をとったことでジュール隊長にしばかれたアホ』
『ぶん殴るわよデュック!!』
『デュック。いくらアグネスがアホだとしてもこういう時にそんなこと言ってやるなよ』
『あんたも後でぶん殴るわバリオス!!』
イザークとデュアッカに続くようにコンパスのモビルスーツ部隊の隊員である肩にかかる長さの金髪の水色の瞳をした美少女【クリスティア・ジョワユーズ】、紅よりのピンクの髪をツインテールにしている美少女【アグネス・ギーベンラート】、前髪の一部に白のメッシュが入った黒髪の青年【デュック・ローサム】、右目に眼帯をつけた紺色の長髪の青年【バリオス・アルビレヒト】。そんなくだらない会話をしながらも襲ってくる敵機を無駄なく処理していた。
彼女たちはコンパスに所属する多くのパイロットたちの中でもイザークたち一部のスーパーパイロットに次ぐ優秀なパイロットたち。特にデュックとバリオスはイザークとディアッカが認めるほどの優秀な手練であり、そう遠くないうちに白服への昇進も考えられていた。
そんな彼女らが与えられている機体もまたその実力にふさわしいコンパスのエースパイロット専用に開発された専用機であり、クリスティアにはフリーダム系列の発展機【サンライトフリーダムガンダム】、アグネスにはジャスティス系列の発展機【ルアルジャスティスガンダム】、デュックにはデスティニー系列の発展機【アルカナデスティニーガンダム】、そしてバリオスにはレジェンド系列の発展機【アクターレジェンドガンダム】。次期量産機候補である【ライジングフリーダムガンダム】や【イモータルジャスティスガンダム】たちよりも高性能かつピーキーな仕上がりとなっているが彼女たちは開発者であるアルバートが及第点をあげるくらいには機体の性能を引き出していた。
他にもコンパス所属のクライン派であるザフト軍人のヒルダ、マーズ、ヘルベルトたちのケンプファー・ラプター3機による連携でファウンデーション王国のザク・ウォリアー、グフ・イグナイテッド、ギラ・ドーガたちを次々と撃墜し、民間から協力者であるエドワード・ハレルソンのソードカラミティ、ジェーン・ヒューストンのディープフォビドゥンを始めとした元地球連邦のエースたちがファウンデーション王国の指揮官機であるジンクス-F、アヘッド-F、ビルゴ-Fなどの機体を優先して撃墜して部隊の指揮を混雑させていた。
トップクラスの実力を持つ叢雲劾のガンダムアストレイブルーフレームD、カナード・パルスのドレッドノートイータ、ハマーン・カーンのキュベレイパピヨン、ジョニー・ライデンのゲルググ・キマイラJ、ヴァースキ・バジャックのハンブラビMark-II、マシュマー・セロのローゼン・ズールを始めとしたエースパイロットたちとその部下たちがアコードにしてアウラ直属の配下であるレメディオス・モルデュールのブラックナイトスコード・スフェーン、ケラルト・モルデュールの
ブラックナイトスコード・ルドラ(アウイナイト)、ネクレス・リヒトシュヴェアートのブラックナイトスコード・カーマを始めとしたアコード部隊とその配下であるグリフィン、ダニエル、リューたちのクローンである量産型アコード【
コンパスの部隊がファウンデーション王国の部隊の半数以上と戦闘を繰り広げることによってアスランやシンを初めとしたせZEXISの部隊は損耗を最小限に抑えながらファウンデーション王国の本陣に辿り着くことに成功した。そしてそれにより本陣で待機していたグリフィンたちブラックナイツも部下たちを引き連れて出撃し始める。
『ブラックナイツが来るぞ、シン!!」
レイの声に、シンは、さっと緊張する。ビームアックスを振り上げながら迫るザク-FをデスティニーガンダムSpecIIのアロンダイトの一閃で斬り捨て、機体を返す。
『奴らの機体にビームは通じない!ルナとレイは援護だ!!』
シンはMA-BAR73/S 高エネルギービームライフルでこちらに向かってくるジム-Rやディン-Fたちを撃墜しながらルナマリアとレイに指示を出すが、それに対してルナマリアはブラストシルエット装備のインパルスガンダムSpecIIのビームとリニア砲でエアリーズ-F、ジン-R、グフ-Fを初めとしたモビルスーツ部隊を薙ぎ払い、レイもまたアッガイ・CEの左腕先端部に搭載された六連ロケットランチャーからミサイルを放ち、デスティニーガンダムSpecIIの背後に迫ろうとしたイナクト-Fを撃墜してからシンに叫び返す。
『対艦刀はこっちにもあるわ!私だって!!』
『俺も問題ない。俺たちが組めばあの程度の連中に負けるわけが無い』
ルナマリアはブラックシルエットをパージし、追尾してきたソードシルエットに換装してから対艦刀を構える。レイはアッガイ・CEの対艦爪を展開させる。
ブラックナイツのブラックナイト・スコードルドラを始めとしたブラックナイトシリーズの機体には、ビーム射撃に対して高い耐性を誇るフェムテク装甲がある。
それに、ルドラのパイロットは心を読む能力を持つ。はっきり言ってかなり不利な戦いだが、ルナマリアとレイの信頼溢れる返事に、シンは闘志を滾らせる。
(──今度は勝つ・・・!)
シンはデスティニーガンダムSpecIIを加速させ、黒い騎士たちに向かった。その姿を見たグリフィンたちはそんなシンたちを侮蔑した顔で見下していた。
「ほんっとに学習しねぇバカ共だなぁ!!お前ら
こちらに向かってくるデスティニーガンダムSpecIIに、グリフィンは嘲りの言葉を投げつけた。
デスティニーにインパルス、それにアッガイなんて、そんな物は自分達にとっては、旧時代のガラクタも同然だ。グリフィンに同調するようにリデラードたちも楽しげに嘲笑する。
『今度はぶっ殺してあげる♪キャハハハ!』
そう。戦う前から結果は分かりきっている。機体の性能だけをとっても、グリフィンらのルドラは、デスティニー等のサードステージシリーズをも超える性能だ。ルドラのフェムテク装甲にしても、PS装甲の次世代技術で、電力を必要とせず、半永久的な強度を誇る。
しかも向こうのパイロットはシン・アスカと、デュランダル議長を守れなかった、ゴマすりのクローン人間。後は取るに足りない有象無象だ。
この前の戦闘で、もう見切ってる。シン・アスカなど雑魚だ。
既に結果の分かっている戦いを繰り返すだけなのに、よくもノコノコと出てきたものだ。本当にバカとしか言いようが無い。コイツらの頭には脳ミソが無いのか、藁が詰まってるに違いない。
・・・そのバカにしていた旧人類の一人であるライが、自分達より強いシュラに勝った事実をすっかり記憶から無かった事にしながら、グリフィン達は見事なフォーメーションでデスティニーガンダムSpecIIに向かった。
(──
旧人類と自称新人類との戦い。グリフィンたちアコードはオオサカ租界での戦闘からあれがシンたちの全力だと思い込んでいることからこの戦いも余裕で終わらせられると思い上がっていた。だから彼らは気がつかない。今のシンたちがオオサカ租界で戦っていた時に比べて機体もコンディションもそしてパイロットの腕を含めた全てが全く違うことを・・・。そして先行するグリフィンたちに比べて僅かばかりスピードを落として追従するシュラとその部下たちが笑みを浮かべていたこととその意味をこの時の誰もが気づいていなかった・・・。
河口湖付近でシュナイゼル連合軍とルルーシュ皇帝軍の両派閥とソレスタルビーイングを中心とした北側のZEXIS・ドライクロイツ部隊が三竦みで激しい戦闘を繰り広げている中、プトレマイオス2の艦橋からスメラギが各部隊に指示を忙しなく飛ばす中、フェルトが驚いた声でこう叫んできた。
「スメラギさん! 緊急暗号通信が入っています!」
フェルトの言葉に、スメラギは驚いた顔で振り返った。
「えっ? こんな時に・・・いったい誰から?」
「王留美です! 《ヴェーダ》に探知されることを恐れてか、直接こちらの回線に通信が送られています!」
「なんですって!?」
留美の名前を聞いて、スメラギはさらに驚いた顔を見せた。
「ということは、ごく近い位置に彼女もいる・・・?そして、それだけの意味を持つ情報だというの・・・!」
「ちょっと待っててください。今、リアルタイムで解読します」
フェルトは、その暗号化された通信を読み上げた。
「・・・イノベイターには重要な協力者がいる。それは《フロンティア船団》の・・・」
「た、大変です! 戦場に所属不明機・・・いえっ、敵モビルスーツが現れたですう!!」
フェルトが読み終わらないうちに、ミレイナが慌てた声でそう叫んできた。
その時、第三・第八・第十機甲師団とゾギリア軍で構成されたルルーシュ皇帝軍、旧皇帝派ブリタニア軍とヴァース帝国軍で構成されたシュナイゼル連合軍を仲間たちと共に同時に相手取る中。
ダブルオーライザーの刹那と沙慈は、ここから北西に離れた方角に爆炎の花が咲くのを目にした。
『!?あれはガンダムスローネ・・・ネーナ・トリニティか!!』
火柱の向こうに、見覚えのある赤いカラーリングのガンダム。
それは赤と白をメインとしたカラーリングのガンダムで、《チームトリニティ》と呼ばれる強化人間パイロットの三人兄妹の末っ子、ネーナ・トリニティの搭乗機である《ガンダムスローネドライ》だった。
『見つけたよ、お嬢様・・・!』
吹き飛ばした情報施設の一角の下から現れた、留美と紅龍がいるモニタールームを、ガンダムスローネドライのモニター越しにネーナは殺意と狂気にぎらついた瞳で覗き込んだ。
『っ!? ネーナ・トリニティ・・・!あなたはイノベイターの監視を命じていたはずなのに!?』
『ハッ!!そうやっていつまでもご主人様気取りでいられると思ったら、大間違いだよ!!』
『な、何を!?』
驚きを隠せない留美に、ネーナは吐き捨てるように言い放った。
「知ってるよ、お嬢様! そこの紅龍って、
『っ・・・!』
紅龍が息を呑むと、ネーナはさらに吐き捨てるように言い放つ。
『・・・でも、
ネーナの言葉に留美は息を呑んでいたが、観念したかのようにこう言った。
『・・・あなたの言う通りよ、ネーナ。
『そのためにイノベイターとソレスタルビーイングの両方を引っ掻き回して、世界を混乱させたってわけ・・・?なにそのベッタベタな理由っ!!?』
『っ!!』
『くっだらない・・・!やっぱり、あんた・・・バカよ!!あたし、あんたが大嫌いっ!!!』
『待ちなさい、ネーナっ!!』
留美がさらに慌てたように叫ぶが、ネーナは一瞥もくれなかった。
『あんたに従ってたのは、生きてくため。ちょっと愛想良くしたら、すぐ信じちゃって・・・!ウフッ、でもね・・・あんたの役目は終わったの!!』
殺意と狂気に満ちたネーナが叫びを迸らせたと同時に、ガンダムスローネドライが右腕に装備したGNハンドガンを構える。
『さようなら────お嬢様っ!!!』
ドォォォォン!! と、再び火柱が立つのを、刹那とスメラギは目の当たりにした。
『王留美っ・・・!!!』
『一体何が起きているの!?』
『アハッ、アハハハハ……アーッハッハッハッハッハ!!! 呆気ないねえ!!? 散々人を物のように扱ってきた罰だよっ!!!あんたと同じように、あたしは生きるためなら何でもやる!!!あたしが幸せになるためならねえっ!!?』
燃え盛る情報施設を見下ろして、ネーナはガンダムスローネドライのコクピットで狂気と憎悪に満ちた高笑いを撒き散らした。
そう。ネーナはふたりの兄、ヨハン・トリニティとミハエル・トリニティを戦いの中で失い、精神的に不安定になりかけていた。そんな中、刹那の介入によって留美の部下として彼女の指示を受けて行動していたが、彼女からはぞんざいな扱いを受けていたらしく、また恵まれた環境に生まれ家族も不幸な形で失っていない身でありながら、世界に不満を募らせていたある種の贅沢な姿勢には苛立ちを覚えていた。そして、兄たちを殺害した犯人の雇い主であるリボンズ・アルマークと結託したことで、留美に対するフラストレーションは不満から殺意にまで一気に爆発することとなったのだ。
『そうよ・・・!お嬢様からイノベイターに鞍替えしたのも、そのため!!
だが、ネーナの高笑いは最後まで続かなかった。
突然、ガンダムスローネドライの周囲から大量の赤黒いビームの嵐が襲ってきたのである。
「っ!?」
高笑いを中断し、慌てて回避行動に移るネーナ。だが、完全にそのハドロン砲の集中砲火をかわしきることができず、両肩と左胸、右足の装甲の一部を削らされてしまった。
血走った目で辺りを見回すネーナ。すると、ガンダムスローネドライのコクピットの通信パネルから、男性の声が聞こえてきた。
『ネーナ・トリニティ。多くの罪なき人々を手にかけてきたこれまでの蛮行を、その命で償ってもらおうか』
ネーナがその声に顔を上げると、いつの間にかそこにやってきたのか、燃え崩れる情報施設の上空に漆黒のモビルスーツ──ジンクスIV・Aを先頭に8機の紺色のモビルスーツ──ジンクスIII改たちが佇んでいた。
そこにいるのはルルーシュ皇帝軍統括補佐アンドレイ・スミルノフとその配下たちだった。
「あんたは・・・アンドレイ・スミルノフ!』
『アンドレイ少尉・・・!ど、どうして・・・?』
そしていつの間にかアンドレイとジンクスIV・Aたちによって救い出されていたのか、ジンクスIV・Aの背後に待機しているジンクスIII改の内の一機の左手に留美と紅龍が乗せられていた。紅龍は、ネーナの攻撃から留美を庇ったのか、血まみれになっていた。
『王留美。ルルーシュ陛下の勅命により、あなたを迎えに来た。・・・そこの兄君と共に、我々の元へ来てもらう』
『え・・・?』
ジンクスIV・Aからアンドレイの声でそう告げられた留美がキョトンとなると、ネーナは再び瞳をギラつかせてジンクスIV・Aたちを睨みつけた。
『・・・どういうつもりなの?せっかくイイ気分になってるところにこんな横槍を入れてくるなんて、そっちこそ随分な真似をしてくれるじゃん』
『生憎だが、ネーナ・トリニティ。出番が終わったどころか、出番すら与えられていない役者ピエロが勝手にこの舞台に上がり込むとはどういう了見かな?君の
アンドレイの言葉に、ネーナは一瞬頭が真っ白になった。
『このあたしが・・・ピエロ、だって?』
『────ソノ通リ』
アンドレイの代わりに答えたのは、コクピットに一緒に乗っていた黒いHAROだった。
専用ポッドに収まっていたHAROはネーナを振り返り、両目を点滅させながらさらに言った。
『君ニ 出番ハ 与エラレテイナイ。ソシテ 君ノ 役目ナラ トックニ 終ワッテルヨ』
『あんた・・・?』
不審な表情で睨むネーナに、HAROはさらに言った。
『
『罰を与える・・・?まさか、イノベイター!?』
まさか《ヴェーダ》を通じて、イノベイターがHAROを操っている!?
ネーナの言葉はそこまで続かなかったが、HAROはそのネーナの言葉を理解したかのように、頷くような動作を見せた。
『────君ヲ 裁ク者ガ モウスグ ココヘ来ルヨ』
その言葉にネーナはまた無表情になったが、すぐにまた狂気と殺意にギラついた笑いを浮かべた。
その脳裏に浮かんでくるのは、たったひとりしかいない。
『もしかして・・・アリー・アル・サーシェスが!?ハッ、面白い!!兄兄にぃにぃズの仇を討ってやる!!』
そう吐き出したネーナに対するHAROの返答は、意表をつくものであった。
『ソウダネ。アル意味・・・・、仇デハアル・・・・・』
ある意味・・・?
それを問いただそうとした瞬間、HAROはさらにこう意表をつく言葉を続けた。
『ソシテ、既ニ コノ舞台ニイル。目ノ前ニイル 彼ト 同ジ 皇帝二使エル者トシテ』
偶然、オープン・チャンネルのままとなっていた回線越しに流れたHAROの意味ありげなその言葉を、アンドレイは聞いていたようだった。
『・・・どうやら察しているものものいるようだ。本来ならば私たちの手で早急に始末しておきたかったが間に合わなかったようだ・・・』
『は・・・?』
『口惜しいがここは彼女に譲るとしよう。精々残り少ない命をこれまで奪ってきた命へ懺悔しながら
『おまえっ────』
部下に留美と紅龍を安全な場所であるエレボスに向かうよう指示を出すと8機のジンクスIII改たちはエレボスに向けて飛び去っていく。その後を追おうとしたネーナとガンダムスローネドライだが、
『うぐっ!?』
突然、どこからか凄まじい衝撃と爆発が襲った。
ガンダムスローネドライの右肩に、紅い刃が突き刺さったからだ。
『な、なにっ・・・?』
ネーナがスローネドライのカメラを、その球が飛んできた方角に向けると────。
『あれだ・・・。あの、ガンダムだ・・・!』
あの日、自分の屋敷で開かれたパーティーを親戚や両親ごと吹き飛ばしたことから、夜の数だけ悪夢に見続けたガンダムスローネドライ。
それが突然自分のほうからノコノコ現れたことに、ルイスはみるみるうちにその形相を変え、そしてレグナントの両腕のクローアームに内蔵されたGNマイクロミサイルを放ったのだ。
『ママとパパを殺したっ・・・あの時のガンダム・・・!!!』
地の底から響いてくるような、暗く憎しみの籠ったルイスの声。自分とレグナントの操るそれにも勝るとも劣らない業火が宿ったその双眸は、他の誰でもない、ただの嫉妬きまぐれのために全てを奪ったネーナ・トリニティとガンダムスローネドライを串刺しにする。
『ルイスさんっ!?』
『ルイス、どこへ行く!?』
『手を出すなあ!!!』
突然、レグナントをフルスピードで発進させたことに驚いた如月千歳とキョウジ・カッシュが叫んでくるのを、ルイスは呪詛の絶叫で遮った。
『あいつだけは・・・あいつだけは、髪の毛1本も骨のひと欠片も!! ひと握りの灰ですらも、この世界には残してやるもんかああああああああああああああああああっ!!!』
再びルイスの呪詛の絶叫が迸り、こだまする中、レグナントは狙いをガンダムスローネドライに定めた胸部のGNビーム砲から、ルイスの怨念を表したかのような赤黒いビームを吐き出した。
『うぐっ・・・!?』
ネーナはルイスの殺意に圧倒され一瞬体が硬直してしまい動くのが一瞬遅れ、運良く回避することはできたもののガンダムスローネドライの左肩装甲が巻き込まれ、左肩の一部と共に消滅させてしまった。
その程度でルイスとレグナントが止まるわけがなく、ネーナを確実に殺すために両指のGNファングを飛ばしてガンダムスローネドライの装甲を削るように少しずつ切り裂いていく。
それによりスマートなフォルムと蠱惑的な赤と白のカラーリングで彩られた機体は、両足を切り落とされ、GNマイクロミサイルでガンダムスローネドライのGNシールドポットを破壊。さらにGNファングによって胸部装甲に大きな裂け目が作られ、そこからネーナのいるコックピット内部が見えていた。さらに機体各部に搭載した大容量のGNコンデンサーも搭載箇所のパーツごとGNファングによって切り落とされ消失している。
それ以前にガンダムスローネドライは、ヨハン・トリニティのガンダムスローネアインへの粒子供給やGNステルスフィールドによるジャミング等の戦闘支援を主な任務として開発されたものだ。よって、あくまでも支援用の機体であるため、単体での戦闘力はスローネシリーズの中では一番低い。対してレグナントは元々はリボンズ・アルマークたちイノベイターがモビルアーマー・エンプラスのデータを元に開発した空戦と宙戦をメインとする可変型大型モビルアーマー。本来であればイノベイター専用機であるために脳量子波能力を持たないルイズでは扱えない機体だが、ビアンやロイドを初めとしたルルーシュ皇帝軍の精鋭技術者たちの手によって改良が施されたことにより脳量子波がなくとも操作できるようになっただけでなく装甲や武装にゲッター合金をコーティング、動力炉もGNドライブ[T]からGNドライブ[A]に交換したことによって全体的な性能が跳ね上がっている。故に今のレグナントにとってガンダムスローネドライはもはや赤子同然だった。
『どうした・・・!?そんなものか、ガンダムがあっ!!!』
三たびこだまするルイスの呪詛の叫び。途端に、レグナントの動きがさらに速度を増した。現在可能な限界出力まで動力システムを加熱させたようだった。すでに多くの切り傷を負い、あちこちの装甲が欠けたガンダムスローネドライめがけ、一直線に迫ってくる。
『っ!?』
その姿はネーナにも見えた。しかし、見えただけだ。とても反撃になど転じられない。距離を取ることさえできるかどうか。
『やめろっ、ルイス・ハレヴィ!!そんな復讐が・・・!!』
『ルイス!?』
ダブルオーライザーのコクピットから、レグナントによって一方的に蹂躙されるガンダムスローネドライを見て、刹那が畏怖に震えた大声を発した。
それに沙慈も、思わず操縦席から身を乗り出して叫ぶ。
『まさか・・・本当に、あれにルイスが・・・!』
ついに、レグナントの神速がガンダムスローネドライをとらえた。
至近距離からまた放たれるGNビーム。咄嗟にガンダムスローネドライはオプションであるGNロングライフルを持っていたガンダムスローネドライの手を上げる。しかし、そのGNロングライフルごと、GNビームによって容赦なく焼き尽くされる左腕。
(こ・・・このあたしが、墜とされる・・・?こんな、ヤツに・・・)
サーシェスに
避けきれない。そして、逃げることもできない。
本格的な死が自分に迫る中、ネーナの中で何かが焼き切れた。
生まれ落ちた瞬間にガンダムという最強の武器を与えられたネーナは、自分の思い通りにいかぬことに対して、子供の癇癪じみた感情の爆発を、いまだ御し得ていなかった。
『家族の仇・・・?あたしにだっているわよ!!自分だけ不幸ぶって!!』
追い詰められたことで逆上したらしいネーナは、迫ってくるレグナントに向かってGNビームサーベルで斬りつけようとしたが、それより先にルイスのレグナントのGNファングによる斬撃がガンダムスローネドライを襲った。右肩装甲を切り落とされ、溶岩へと沈む装甲の一部。
(あたしは造られて・・・!戦わされてっ!!)
溶岩をスレスレにする形で弧を描いて空高く飛んできたレグナントが、頭上から強襲する形で向かってきた。胸部と両腕のクローアームの掌を中心に赤黒く輝いていた。GNブラスター全開放。決めに来るつもりだ。
そして、もはやネーナとガンダムスローネドライにそれをかわす力など残っていなかった。だが、それでも、
『こんなところで死ねるかああぁぁっ────!!!』
最後の悪あがきとばかりに、かつてルイスの両親を、親戚をパーティーごと奪い去った兇器である右腕のGNハンドガンを、向かってくるガングランに突きつけた。
そして、ガングランが目と鼻の先まで来たところでトリガーを引いた。だが────。
『な・・・っ!?』
ネーナの表情が、初めて心からの驚愕と恐怖のために歪んだ。絶対に避けられる一撃ではなかった。しかし、それをガングランはGNブラスターのチャージを中断してトランザムを発動させることで急下降しそのままガンダムスローネドライの懐に近づくとモビルアーマー時に展開する翼を対艦用GNソードへと持ち替えて右腕を切り落とした。これは・・・操縦者の技量だけではない。少なくともこんな超絶的な反応が可能な機体など、イノベイターや地球連邦ですら保持していない。
『そうだね・・・死にたく、ないよね。でも、ママとパパは・・・そんな言葉すら、言えなかった・・・』
悲しみを帯びて響く、ルイスの声。だがそれは四度、激しい呪詛へと変わる。
『だから・・・許さない!貴様だけは絶対に許さない!! 貴様はあの日、私の全てを奪ったんだ!! パパも、ママも、みんなも、私の大切な日々を、時間を、思いを、全てを、すべてを────!!!』
反射的に機体を後退させようとしたネーナだが、レグナントは対艦用GNソードの剣先をガンダムスローネドライに突き出し、そのままゆっくりと上段に構えてガンダムスローネドライに狙いを定める。
『お前なんか────消えろおおおおおおおおおおっっっ!!!』
トランザム状態のレグナントから繰り出される対艦用GNソードの超速の振り下ろしがガンダムスローネドライに迫る。スラスターも既に破損し浮くことだけしかできない機体のコックピットの中でネーナはルイズの迫力に呑まれてしまった。故に、ネーナとネーナにばかり意識が集中していたルイスはそれに気づかなかった。
────レグナントの攻撃が決まるよりも数瞬速く、レグナントの後方から勢いよく飛んできたGNランスが吸い込まれるようにガンダムスローネドライのコックピット部分に突き刺さり、コックピットブロックごとネーナは下半身を潰された。
『なんで・・・』
GNランスが突き刺さった状態で落下していくガンダムスローネドライをまるでスローモーションのように感じながらルイスは呆然とそれを見ていた。
『なんでっ・・・!!』
ガンダムスローネドライが火口にぶつかりながら溶岩の中に転がり落ちていく姿を見てようやく実感したルイスは奥歯が砕けんばかりに強く噛み締めながら怨嗟の声を漏らしながら後ろにいるであろう下手人を睨む。
『なんで邪魔するんですか!!アンドレイ少尉っ!?』
ルイスは憎悪が混ざった叫び声を上げながらGNランスを投げた体勢のままとなっているアンドレイのジンクスIV・Aを睨みながらレグナントの対艦用GNソードの剣先を向ける。それに対してアンドレイは黙ってルイスの殺意の視線を受け止めていた。
────家族を奪われた少女はようやく仇である女の息の根を止められるはずだった。それを横取りしたのは少し前まで同じアロウズに所属していた上官。各地で激戦が繰り広げられ多くの死傷者が出ている中で味方同士であるルイスとアンドレイが殺し合いを始めるかのような空気が流れ始めていた。
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あとがき
ほかの小説に手を出しまくってるのとネタが思いつかないせいで更新が遅いスパロボですがエタらないよう書き続けますので見捨ててくださらないと嬉しいです・・・。今回最後のルイスとネーナのやり取りが原作やスパロボのどちらとも違う完全オリジナルルートを進んでいますがこれは前々からやりたかったことなので頑張って書いていきます。ちなみにアンドレイ少尉は現在の時点で劇場版並のメンタルになっています。なので今のアンドレイ少尉は両親に恥じない立派な市民を守るために戦う軍人であるから次回会話パートする予定のルイスやソーマ・ピーリスとそれらしい会話をできるように頑張ります。そろそろグラハムVS刹那に持っていきたいのでそこも含めて展開を進められるよう頑張ります。それでは次回もよろしくお願いします!!
PS:去年の終わりあたりからChatGPTを使用してキャラの名前や機体の名前などの候補の参考になりそうなものを探したり、軽めの機体設定などを考えた日しているお陰で色々と案が出せてると思うけどまだまだなところもあるため誰かChatGPTの使い方とか教えてください・・・。ちなみに最近だとデビルガンダムがモビルファイターとしてゴッドガンダムたちと格闘戦を繰り広げる展開とか考えさせたりしてます