5月の投稿には間に合いませんでしたが6月初期に何とか投稿できました。今回最後の方にルルーシュとC.C.の2人が乗るオリジナル機体の名前だけ登場したり、中盤にカーリーやヴィレッタの新しい機体などが登場します。それらの機体の戦闘はまだ先になりますが頑張って書いていきたいです。
────かつて、神聖ミスルギ皇国は《マナ》と呼ばれる魔法のような技術を使うことができ、《マナ》を使うことが普通の人間としての絶対条件というものだった。
その一方でマナを使えない人間は、《ノーマ》という名前でそれこそ鬼子のような扱いを受け、人間として一度も見られず、異常なまでの迫害の対象を受けることとなった。
《大時空震》によってこの多元世界の地球でいう、ブリタニア・ユニオンの領土の一部であった場所に飛ばされたそのミスルギ皇国は、転移してからの1ヶ月は酷いものであった。マナを使えない人間しかいないことから皇帝であるジュリオ=飛鳥=ミスルギは、支援を申し出てきた他国に対し、見下すような態度な上に一方的に支援しろと命令した。これにより超合衆国を始めとした各国はミスルギ皇国に対して援助することを取り止め、ミスルギ皇国へ用意していた支援金はそれぞれの国の復興支援や敵対国家などに対する防衛費に回された。
ミスルギ皇国が孤立してしまったことに対して最初はマナも使えない猿風情が生意気な!と憤慨していたジュリオたちであったが、インベーダーや次元獣などの人類敵対生命体や侵略者であるウルガルやインスペクターなどの勢力、さらにはアロウズの残党たちなど様々な勢力の襲撃を受けたことにより尋常ではないほどの被害を受けた。マナという特殊な力を持っているとはいえ所詮は人間であり、防衛兵器も戦車や戦闘機などの数世代も前の兵器やピレスロイドという無人兵器しかなくろくな抵抗もできずミスルギ皇国の軍は四割も失われてしまった。
そんな状況になってようやく自分たちの身の危険を感じたジュリオは再度超合衆国へ支援を命令したが、国の危機だと言うのに前回と変わらない高圧的な態度で命令するだけでなく復興支援の為に法外な援助金を寄越せなどと命令した。その口ぶりから明らかに借りたものは返す気もないことと前回と変わらない横暴な態度に神楽耶たちは呆れてしまい、そんな国に対して支援する余裕などこちらにはないと拒絶しジュリオたちを追い返した。
これにジュリオは深くプライドを傷つけられ神楽耶たちに罵詈雑言を放ったが、それをしたところで自国の危機が回避される訳もなくかなりの被害が発生していた。彼らにとって運が良かったことはどの勢力も一枚岩ではなかったこととミスルギ側の戦力が最も弱かったことなどが重なり、互いに潰しあっていたことでミスルギ皇国側の被害が抑えられたのとちょうどミスルギ皇国付近の深海に沈んでいた戦艦型ゾイドホエールカイザーの中にある超大型ゾイドに用があったルルーシュ皇帝軍の調査部隊とその護衛として同行していたライと第零騎士団の乱入によって結果的であるがミスルギ皇国は救われる結果となった。
しかし戦闘後、戦場となっていたミスルギ皇国の被害は尋常ではなく人的被害もそうであるが何よりも農業地帯や工場などの生活していく上で大切な場所の半分以上が壊滅状態となってしまいこのままで早くとも半年でミスルギ皇国の食料が月きてしまい他国から買おうにもそのための資金がなく、さらには防衛するための新たな兵器を用意するための資源や開発費用などもないことなど様々な要因からミスルギ皇国は自業自得とはいえかなり追い詰められていた。これによりこれまでマナとジュリオら皇族に依存しきった国民たちは混乱し、疑問と不満を強めるようになり、半分はパニックの原因を皇族に押し付けたり、もう半分は皇族を擁護するなどの内紛が毎日のように起きるようになった。
幸いなことに己の管理する国であるミスルギ皇国やその住民たちにまだ利用価値があると判断したエンブリヲが他国から盗んだ資材や食料、さらにはダイヤモンドローズ騎士団の慣らしとして襲わせたレジスタンスやテロリストなどの幾つかの小規模組織から回収した機動兵器たちをジュリオらに与えたことによりミスルギ皇国は自滅の道を避けることはできた。
その後、ジュリオは何とか国最低限建て直してから神楽耶たち超合衆国と敵対し、さらにノーマであるのを理由に、かつて国内の混乱を解消するための人身御供にしようとした妹のアンジュことアンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギとその仲間たちがモニカによってルルーシュの元へと迎えられていることを知ったのをきっかけに利用できると考えルルーシュたち新生ブリタニア・ユニオンと同盟を結び、超合衆国らミスルギ皇国に援助をしなかった国々を滅ぼそうと会談を申し込んだ。
しかし同盟とは言ったもののその契約内容はアンジュたちノーマを処分してその死体を寄越せだの、現在開発している新兵器を無償でこちらに提供しろだの、国を建て直すための資金や資材を無償で提供しろなどなどと子供が考えたかのような稚拙でミスルギ皇国側が一方的に有利になるようなものばかりであり、そんなものを当然とばかりに自信満々でこちらを見下しながら出してきたジュリオたちに対してルルーシュたちは怒りよりも呆れの方が勝ってしまい、当然同盟が締結される訳もなくジュリオたちは雑に扱われながら追い出された。
これに憤慨したジュリオは護衛の兵士たちによるマナの行使でルルーシュを脅そうとしたが、兵士がマナを使うよりも早くルルーシュの護衛を務めていたライ、エスデス、モニカの3人により全員が惨殺された。唯一生き残ったジュリオは護衛の兵士だったものの血や臓物が服や顔にこびりついていることにも気づかず目の前の凄惨な光景を前に恐怖で体を震わせながらみっともなく失禁して床に尻もちをついた。ルルーシュはそれを冷めた目で見下ろしながらジュリオにとって屈辱としか言えないような言葉を告げられる。
『所詮は血統しか取り柄のないボンクラか。学もなく力もなく、我が愚父シャルルと同じ支配と選民意識で固まって、ましてや悪という言葉すらも足りないお前のような男が、両親から椅子を奪い取っただけで一国の皇帝を名乗るとは笑わせる。皇帝として民のために下げる頭もなければ代替案をあげることも出来ない。他者から恵んでもらうのが当然と考えるその残念な頭は獣人と比べるのもおこがましいほど稚拙だな。お前も我が神聖ブリタニア帝国に刃向かうのであれば全力で相手をし、ミスルギを荒れ野原としてくれよう。地球連邦の代表ともなったこの俺の言葉が理解できるほどの頭があるのなら、速やかに己の罪を認めて降伏することだ』
ルルーシュにそう一方的に告げられたジュリオは激昂しそうになったが、ジュリオが言葉を放つよりも先にモニカの騎士剣とエスデスのサーベルがジュリオの首筋に押し当てられたことで命の危機を感じ取りみっともない怯え声を出すことしか出来なかった。それをルルーシュは露呈の石ころを見るようなものを見てからライたちを連れて部屋を退出し、外で待機していたブリタニア軍兵士たちに汚いものを運ぶような扱いをされながら来国する際に使用した船に運ばれた。新生ブリタニア・ユニオンの制空権から離れた場所に辿り着いた頃にようやくルルーシュたちへの恐怖が怒りへと変わりそのルルーシュたちへの憎悪の言葉を叫んだ。
『ルルーシュ・・・ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアめ・・・!!皇帝であるこの私を無能者扱いしおって・・・!!ゆ、許せん!!この屈辱、必ずや晴らしてみせる!!』
ジュリオは自分に対してこれ以上ないと言っていいほど恥をかかせたルルーシュたちに必ずや自分が感じた以上の屈辱を与えた上でアンジュ共々始末してやろうと思うようになった。
そしてシュナイゼルからルルーシュ討伐の同盟を持ちかけられた際、ルルーシュをアンジュ共々滅ぼし、その後でシュナイゼルの寝首もかいてブリタニア・ユニオンの領土を手に入れる。そうした提案を唯一信頼できる側近であるエンブリヲから受けたジュリオは、あえて呉越同舟の同盟に乗った。
最後に総取りして、自分の国と支配者としての立場を取り戻し、それを確固たるものとするために────。
また、アンジュたちノーマやルルーシュの女たちは処刑する前に兵士たちの道具として使い潰してからにするのとルルーシュの前で女たちが壊れるさまを見せつけてやろうなどとジュリオは考えているようだが、もしそれを実行しようものなら彼の末路は口に出すのもはばかられるほどおぞましいものになっていただろう・・・・・・
「どうした・・・!?おい、押されているのか!?」
グレートエンペラージュリオI世の艦橋の指揮官席で、ジュリオが狼狽えた表情で叫んだ。ベイルとエスデスたち第一・第二機獣師団と神聖ミスルギ皇国とディガルド武国の戦闘が開始されてからそれなりの時間が経過した。開幕と同時にエスデスのオメガレックスの【
皇国の最終兵器として皇族が代々受け継いで封印してきたアポローンとミネルヴァは未だ健在であり、エンブリヲに義勇兵という名目で手駒に集めてもらった皇族に反抗的な煩わしい国民たちを素材として作り上げた人間兵器部隊、さらにシュナイゼルから分けてもらったナイトメアやモビルスーツ、モビルアーマーを始めとした機動兵器部隊という戦力。帝都ペンドラゴンから盗んだゾイドやパーソナルトルーパーを始めとした様々な機動兵器やエンブリヲとダイヤモンドローズ騎士団もいる。だから負けるはずがない・・・と、思っていた矢先に、出鼻を挫くかのようにオメガレックスのエヴォブラストによって多くの戦力を失った上にさらにミスルギ皇国側は4割、ディガルド武国側は3割も消失させていた。
想定外の事態に狼狽えたジュリオは、そばに控えるようにして立っているエンブリヲを振り返った。
「エンブリヲ様!な、なんとかならないのですかっ!?」
「ジュリオ陛下、安心したまえ。私の新しい
エンブリヲは悠然と答えたが、ジュリオがそれでは落ち着かないのは当然のことだった。
「しかしアンジュリーゼどもは、あのナイトオブラウンズも含めたシュナイゼルの軍勢を次々と倒しているのですよ!?それに忌々しいルルーシュの配下であるエスデスやベイルかいう連中も・・・」
「何をそんなに狼狽えているんだい?調律者であるこの私を味方につけている限り、君はシュナイゼルやルルーシュはもちろん神をも凌ぐ力を得たも同然じゃないか」
エンブリヲのその言葉に、ジュリオはハッとなった。
「それに君にはこのアポローンとミネルヴァ、そしてその身命を捧げることで死を恐れぬ無敵の軍団と化した国民たちもまだまだ多く残っている。たかが年端もいかない小娘たちに怯える必要などない」
エンブリヲの甘く恐ろしい、悪魔の囁きの如きその言葉に、ジュリオは虚勢を一気に回復させた。
「そ・・・そうか!そうですね!この私に勝てる者などいないのです!! ミスルギの復興も近い・・・!!」
「無論だ。それに新生ブリタニア軍といっても、所詮はギアスの力でかき集めただけの烏合の衆の軍勢。我々の敵ではないさ」
エンブリヲは不敵に笑い、踵を返した。
「私もそろそろヒステリカで奴らを蹴散らしに向かうとしよう。ジュリオ陛下はいつも通り、大船に乗ったつもりでいてくれたまえ。奴らが攻めてきたら、この艦の力を見せてやればいい」
「わ・・・わかりました!!必ずや、私もあなたのご期待に応えてみせましょう・・・!」
エンブリヲはそれだけ不敵に言い残すと退出し、ジュリオは彼の姿が見えなくなるまで頭を下げ続けていた。
『その声・・・本当に久しぶりだよねえ、アンジュリーゼ』
『いや、今の名前は確かアンジュ、だったかな?』
ベレニケからトモミ、タウセルトからマキがそれぞれ血に酔った声を発してきた。
『誰だ、お前たちは?アンジュの知り合いなのか?』
『・・・知り合い、よ。それも悪い形と意味でのね』
タスクの問いにアンジュは答えながら、ヴィルキスのモニター越しにベレニケ、タウセルト、ザウディトゥを睨みつけた。
『・・・不愉快極まりないわ。あの変態ストーカー男と、あと元お兄様たちに人間兵器に組み込まれた
アンジュの問いかけに対してアキホたちはアンジュをバカにするかのように語り始める。
『しばらく見ないうちに乱暴で偉そうになったもんだねぇ、元とはいえせっかく出会ったエアリア部の友達に向かって』
『そうよ。せっかくわざわざエンブリヲ様にお許しを得て、こんな辺鄙な島国まで会いに来てあげたのに』
『だから私に何の用だって聞いてるのよ。今更・・・』
アキホたちの態度にイラつきながらアンジュが鬱陶しそうに表情を歪めると、アキホが吐き捨てるようにこう言った。
『わかってるでしょ? ノーマのあんたたちを・・・殺しに来たんだよ』
口元にそれぞれ歪んだ笑みを浮かべながら、アキホ、マキ、トモミの表情が鬼火のように燃え上がった。
『そう・・・私たちも選ばれた。エンブリヲ様に』
『あんたたちのような平和を乱す化け物から、この世界と・・・』
『この世界の指導者であり調律者であるエンブリヲ様を護る、騎士としてね・・・』
凶々しく毒々しい、恍惚とした声を発するかつての学友たちをヴィルキス越しに見据えながら、アンジュも吐き捨てる。
『どういう風の吹き回しか知らないけど、蓼食う虫も好き好きとはよく言ったものね。元お兄様やシルヴィア、他の国民と合わせてあんたたちのその声もその顔も、1秒だって見ていたくなんかないのに』
『アンジュ・・・』
タスクが息を呑む中、アンジュはヴィルキスにラツィーエルを、ブン! と唸らせ、低い声で威勢良く言い放った。
『・・・いいわ。どうせあんたたちも、あっちこっちを飛び回ってるこのブリキの豚どもと同じように捨て駒だろうから。用が済んだらあんたたちも“昔の女”として捨てられる。それ以上ノーマだのなんだの偉そうな言葉を吐かないで、私の視界からさっさと消えて失せるのなら見逃してあげるわ』
『それはまた偉そうで、そして随分と無体な話じゃない。ノーマのくせに』
『こっちは最後に友達のよしみで、会いに来てやったというのに。そして元とはいえ皇族ってのは、下々の民に報いる器があってのものだと思うけどなぁ?』
それぞれそう吐き捨てたトモミとマキはもちろん、アキホも顔から笑いを決して憎悪めいた不快の表情を浮かべる。
アキホたちのどこか不気味さを感じる佇まいを前に誰もがたじろぎそうになるが、アンジュはひとりだけ動じた様子を見せなかった。
『・・・そう。そっちがその気ならそれでいいわよ。だったら望み通り、与えてやろうじゃない』
ヴィルキスはラツィーエルの切先を、ザウディトゥ、ベレニケ、タウセルトに突きつけた。
『パラメイル越しでもあんたたちに触れることすら汚らわしかったけど、特別に一度だけ遊んであげるわ・・・思う存分ね!』
こうしてアンジュたちアルゼナル部隊及び第一・第二機獣師団の航空部隊とアキホたち新生ダイヤモンドローズ騎士団及びエンブリヲが盗み出したギル・ベイダーやジェノザウラーたちゾイド部隊との戦闘が開始された。
アンジュたちが新生ダイヤモンドローズ騎士団との戦闘を開始していた頃、フレイヤ発射を止めるためにダモクレスへと向かうZEXIS・ドライクロイツ部隊の1つであるシャア・アズナブルとアムロ・レイを先頭にシュナイゼル連合軍とルルーシュ皇帝軍の部隊を薙ぎ払いながら突き進んでいた。
『各地でかなりの激戦が繰り広げられているな。いやそれはこちらも同じか・・・』
『ああ・・・』
シャアとアムロは襲い来るサイコガンダムとデストロイガンダムたちによるビームの嵐を掻い潜りながらサザビーのファンネルとHi-νガンダムのフィンファンネルで撃墜しながらそう言い合った。
その直後、8発目のフレイヤが彼らの頭上を駆け抜け、またもルルーシュ皇帝軍、そしてシュナイゼル連合軍の部隊を呑み込み、焼き尽くした。
『これ以上、フレイヤを発射されるとこちらも危険です・・・!』
『その為にも、ダモクレスとシュナイゼルを黙らせなければ・・・どうしますか!?』
『わかっている!その為にも、まずは目の前の敵を・・・』
悲鳴をあげるZガンダムを操るファ・ユイリィそしてライトニングZガンダムを操るカミーユ・ビダンに叫ばれ、アムロはHi-νガンダムのフィンファンネルで襲ってきたシュナイゼル連合軍のサザーランドとビルゴをまとめて撃ち抜きながら叫び返した。
そんな中、同じく襲ってきたシュナイゼル連合軍のザムザザーをビームトマホークで真っ二つにしながら、シャアもどうするべきかを考えていた。
「っ!?」
不意に、サザビーの通信パネルにひとつの通信が入った。受信表示を何気なく見て、すぐにシャアは顔をこわばらせた。雰囲気を悟ったのか、回線の向こうからフルアーマーユニコーンガンダムを操るバナージ・リンクスが訊ねてくる。
『どうしたんです?シャア大佐』
『・・・・・・』
シャアは僅かに逡巡した後、意を決して全員に聞こえるようにこう答えた。
『・・・通信が入ってきている。シュナイゼルからだ』
『えっ!?』
『シュナイゼルだって・・・!?』
フォウ・ムラサメとアムロの驚きの声と共に、シャアは目を険しげに細めて通信パネルを見つめた。表示されている受信のマーク。発信先は自分たちの数メートル後方────天空要塞ダモクレス。しかも、回線はブリタニア皇族で使われるロイヤルプライベートのものだ。
ややしばらく考え込んでから、シャアはパネルに手を触れた。相手との回線が繋がる。音声のみの通信だった。そうして、その声がサザビーのコクピットに流れた。
『これも因縁というものかな、クワトロ・バジーナ特佐。いえ、今はシャア・アズナブル大佐でしたか・・・。こうしてあなたとも戦場で相見えるとは』
『・・・シュナイゼルか』
まるで日常会話を楽しもうと言う感じに平時と変わらない態度で話しかけてきたシュナイゼルを前にシャアは警戒心を高めながらさらにすっと目を細くした。
ダモクレスの司令室で、ディートハルトとカノンも含めたオペレータに一時的な席払いをかけてひとりとなったシュナイゼルは、通信で最初に呼びかけたシャアに話し始める。
『何の用だ、シュナイゼル・エル・ブリタニア? 私とお前は既にこんな通信を交わしていい立場にはないと、お互いに思うが』
「そうですね・・・ただ、次のフレイヤ発射と、ダモクレスも含めた軍の立て直しまでするものがなかったもので暇だったもので。そして、ここまでたどり着いてみせたあなたとあなたのお仲間たちに敬意を表して主張のひとつふたつを最後ぐらいは聞いて差し上げようとも思った所存ですよ」
シュナイゼルがそう言うと、シャアの低かった声音がやや高くなる。
『・・・やはり、トレーズとは道を違えたのか』
「その通りです」
シュナイゼルの声はやはり空恐ろしいほど落ち着き払っていた。
「シャア・アズナブル大佐。失礼ではありますが、トレーズ閣下からあなたの経歴についても聞かせてもらいましたよ」
『・・・・・・』
「偉大な父君ジオン・ズム・ダイクンを越えられず、目先の雑事をこなしているだけで、かの《赤い彗星》の勇名も自ら零落させたあなたでは私は倒せない」
聖域にまで土足で踏み込まれたことにシャアは回線の向こうで声を振るわせるが、次の瞬間には、シュナイゼルに負けじと落ち着き払った声でこう返してきた。
『・・・言いたいことはそれだけか?』
「ほう?」
シュナイゼルの眉が微かだが驚きに動くと、シャアは威勢よくこう言い放った。
『その小さき事を忘れた人間が、世界を動かす危険さを私は知っている。ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの世界と合わせて、そんな男の創る世界を私は否定する・・・!』
『────その通りだ、シュナイゼル・エル・ブリタニア』
クワトロがあらかじめオープン・チャンネルに切り替えていたのか、回線にロジャー・スミスの声が割り込んできた。
『あなたの先ほどのシャアへの言葉をそっくりそのまま返させてもらおう。では私たちと、ゼロには・・・ルルーシュには勝てない』
「ロジャー・スミスか・・・」
ふっと嘲るようにシュナイゼルが小さく笑う。
「相変わらず芝居がかった妄言を口にするのが好きなようだが・・・その根拠のないお遊びに付き合っている暇はない。君の言葉は、まもなく否定される」
『その未来をあなたには見せない。平和の意味を履き違える男は、我々にとっても敵だ』
動じることなく言い返してきたロジャーに続き、3人の人物が割り込んできた。
『シュナイゼル……!お前は、ナナリーとフレイヤを使ってまで自分が何をしようとしているのか、理解しているのか!』
『あなたのやろうとしていることは、フレイヤという全てを焼き尽くす暴力で人を飼い慣らし・・・』
『そして、人の身も心も支配しようとすることだ!!』
アムロ、ブライト、カミーユだった。
「アムロ・レイくんにブライト・ノア艦長・・・そしてカミーユ・ビダンくんか。戦場とはいえ、君たちにも最後にこうして会えたことを嬉しく思っているよ。そして、私は自分の行いについて否定はしない。だが、そうすることが世界の平穏にとって最適な道であるからだと私は思っている。シャア・アズナブルと並んだ旧き大戦の英雄と、ニュータイプとして数多くの戦いをその身で経験させられ、多くの大切な者たちを失って、多くの血と涙が流れるのを見てきた君たちならわかることじゃないのかな?」
『そんなものは
『確かに俺たちは多くの戦いの中で、多くの血と涙が流れるのを見てきた・・・それを止められなかったゆえに、数え切れないほどの後悔をしてきた。それは俺たちも否定はしません』
最後のカミーユの言葉を聞いて間を置いてから、シュナイゼルはしんとした声で返した。
「その血と涙ゆえの後悔もあるからこそ、フレイヤという力は、民衆が平和を否定した時にのみ振りかざされるもの。私の行使する力は、いわば罰なのだよ」
『誰かが誰かに罰を与える・・・いかなる大義名分があろうとも、そのような構造を許せば世界がいつまで経っても変わることなどありません。このままではあなたの父君の時代と同じく、何度でもこの地球で悲劇が繰り返されるということをなぜ理解しようとしないのです!』
「ブライト艦長。口ではそう仰ってはいますが、あなたもアムロくんもそしてミネバ・ラオ・ザビ嬢共々理解されているはずですよ。全ての人間を救うことはできないのだと。だから、私はその犠牲を最小限に止めるやり方を選択するのです」
ブライトの言葉を穏やかに一蹴した後、居ても立ってもいられなくなった感じの少年の大声が割って入った。
『そのためにフレイヤを使い、どれだけの人々が犠牲になっても構わないとでも言うのか!?』
その大声の主は、フルアーマーZZガンダムのパイロットであるジュドー・アーシタだった。
『あんたの目的はゼロを・・・ルルーシュを討つということだけだろ?!そのルルーシュを討つために、どれだけの人たちを犠牲にするつもりだ!!』
「ジュドー・アーシタくん。ペンドラゴンの住民たちは、既に彼のギアスによって精神を支配されている。やむを得ない措置だったのだよ」
『それならルルーシュを撃てばいいだけの話だろう!? どんな言い訳をしようが、あんたがやっていることは人身御供という名の虐殺行為だ!!その
『ナナリーを操り、そして最初から誰かを傷つくことを良しとしているあなたを俺は認めません・・・!だから、あなたは俺たちが全力で止めてみせます!』
ジュドーに続いてカミーユが真っ向から回線越しに言い放ってくるが、シュナイゼルはそれでも動じた様子を見せない。
そして最後に、もうひとりがこの回線に割り込みをかけてきた。
『────かつて、あの斑鳩での会談と、それによる黒の騎士団の暴走の一件から、私も今日という日が来るのをどこかで感じていました』
ミツバ・グレイヴァレーだった。
『だからこそ、私もあなたに御無礼を承知でこう発言することができます。シュナイゼル・エル・ブリタニア・・・あなたはまるで天使のように優しくも、悪魔のように恐ろしい御方だと』
「ミツバ・グレイヴァレーくん・・・。私を悪魔だと思えるのは、君たちドライクロイツも私の敵となることを選んだからだよ。多くの民衆にとって私は優しき統治者でしかない」
『生憎ですが、そんな清楚さを装った淫らな舌に誘惑まるめこまれるほど私は未熟ではありませんし、何より、人間を捨ててはいません』
回線越しに、毅然とした声と態度で真っ向から反論してきたミツバに、シュナイゼルは一瞬だが思わず目を瞠った。
『それ故に、私は残念に思います・・・シュナイゼル殿下。できれば多くの人間たちの前で、
その直後、回線は切られた。
司令室にしばらくの間沈黙が漂ったが、シュナイゼルは大仰に嘆息した。
「・・・やれやれ。最後ぐらいは考える頭を見せてくれるかと思ったが、所詮は一般の善悪論と感情で動き走る者たちか。やはり君たちは、存外くだらない連中だ」
そう言って、再びシュナイゼルは艦内庭園との通信パネルに手を伸ばしナナリーにフレイヤの次弾を放つようお願いした。
そしてシュナイゼルとシャアたちが会話をしている間にダモクレスに接近したZEXIS・ドライクロイツ部隊がダモクレスの強固なブレイズルミナスを突破すべく攻撃を繰り出しているのだが・・・
『くそっ・・・!!このっ!このぉっ!!』
『なんて
ギミーとダリーのグラパールがダモクレスに対してハンドガンや槍で攻撃を繰り返すがブレイズルミナスを前にその攻撃は防がれていた。
他にもヨーコのヨーコMタンク、キタンのスペースキングキタン、キッドのキッドナックル、アイザックのアインザー、マッケンのモーショーグン、ゾーシンのソーゾーシン、ジョーガンとバリンボーのツインボークン、ガロード・ランのガンダムDXジャミル・ニートのガンダムXディバイダー、ロアビィ・ロイのガンダムレオパルドデストロイ、ウィッツ・スーのガンダムエアマスターバースト、エニル・エルのジェニスカスタム、ボルテスチームのボルテスV、バトルチームのコン・バトラーV、金田正太郎の鉄人28号とブラックオックス、竹尾ワッ太のトライダーG7、ザンボットチームのザンボット3、破嵐万丈のダイターン3、クロウ・ブルーストのリ・ブラスタB、セツコ・オハラのバルゴラ・グローリー、ランド・トラビスのガンレオンがダモクレスに対して攻撃を仕掛けているがその強固な障壁を突破することは未だできていなかった。
そして彼らが攻撃を繰り出している間にもダモクレスはフレイヤを放ちその度に大量の艦船とナイトメアが消えていく。大量の命と共に。
フレイヤは間断なく連射できる兵器ではないため、攻略法の鍵としては一発ごとの間隔の間にダモクレスを叩いてしまえば、相手を沈黙させることは可能だ。しかし、それを完璧に防いでいるのは、ダモクレスのブレイズルミナス・シールドであり、その性能はナイトメアフレームに装備されているものとは桁違いの強度を誇る、文字通りの「絶対障壁」。ルルーシュ側からの攻撃もあり回戦闘時に比べればで出力が落ちたとはいえ、それでもその強固さは健在で、フレイヤを撃たない間のダモクレスはこれを前面に展開し、まるで甲羅に閉じ籠もる亀のように守りに入ってしまう。
その間、敵から攻撃はなく、ZEXIS・ドライクロイツも一息つけるのは確かだが、かといって状況を打開する手がない。たとえ他の兵器とは一線を画す攻撃力を誇るガンダムも含めたスーパーロボットでも、あの障壁を突破することは難しい。
『ちきしょう・・・!なあ、あの要塞の
通信回線を通じて、スレイプニールに乗っているカーム・クラフトマンは後方にいるアレイオンの鞠戸孝一郎、スレイプニールの界塚伊奈帆そしてデューカリオンの艦長であるダルザナ・マグバレッジにも問いかける。
しかし3人は、回線越しに焦った声をそれぞれこう飛ばしてきた。
『わかっている!こちらも何度かありったけの火力をぶつけているが・・・!』
『さすがは要塞・・・っ!戦艦のシールドとは出力が桁違いだ!!』
『しかもフレイヤも全然弾切れを見せないときました・・・このままではこちらが先に崩れてしまいます!!』
鞠戸と伊奈帆もまたそれぞれの機体が持つ最大火力の射撃を繰り出すのはもちろん、マグバレッジも焦った声で叫びながら砲撃手に指示を出してデューカリオンの艦砲射撃を続ける。
そこでバルチャー一味のフリーデン、さらにミツバのドライスストレーガーとF.S.のドラゴンズハイヴ、ダイテツのハガネも加わって別々の方角からアーガマに続いて援護で艦砲射撃をダモクレスに加え続けるが、それでもダモクレスのブレイズルミナスは大したもので、綻びひとつすらできない。
そうして二進も三進もいかない膠着状態が続く中、先ほどまではルルーシュ皇帝軍を狙っていたフレイヤが、ついにZEXISにも向けられてきた。
『今度はこっちも狙ってきた!』
『固まるな!散開しろ!!』
ガロードと万丈が叫ぶ中、ZEXISのスーパーロボット部隊、そして艦隊は十発目のフレイヤとそれによる破壊の閃光を回避する。しかしそこへ、フレイヤ発射と同時にダモクレス内部で予備戦力として待機していたシュナイゼル連合軍のナイトメア・モビルスーツ・モビルアーマー部隊が大量に発進して、まるでスズメバチなどの外敵から巣を守ろうとするミツバチのように怯むことなくZEXIS・ドライクロイツに挑みかかってきた。
『マリオ!!マーヤ!!』
『カレン、裏切り者がノコノコと!!』
『玉城や杉山同様、お前もこのフジの地で散らせてやる』
ルルーシュのいるエレボスに向かって前進していたカレンたちと出くわしたマリオとマーヤそして彼らの配下である【
カレンは紅蓮聖天八極式の呂号乙型特斬刀でマーヤのアキレウスのグングニルとマリオのペルセウスのハルパーを捌きながら格闘戦を繰り広げ、エッジやアズ、オルドリンたちもまたヴィシャスヴォルフの部隊と戦闘を繰り広げていた。
互いに戦況が拮抗していたその時、後方で燃え上がっている廃工場からマリオとマーヤにとって因縁深き女の声が聞こえてきた。
『────ふふっ。久しぶりねぇマリオ、マーヤ。会いたかったわぁ・・・』
カレンと戦っていたマリオとマーヤは響いてきた声に思わず戦う手を止めカレンの紅蓮聖天八極式から距離を取り声の聞こえた廃工場に目を向ける。さらにカレンやエッジ、アズ、オルドリンたちグリンダ騎士団、オルフェウスたちピースマーク、ドモンたちシャッフル同盟、甲児たちマジンガーチーム、ダバ、アム、レッシィ、キャオ、光、風、海も、それぞれの機体を思わずその方向に反転させた。
『その声は・・・!!』
『カーリー!生きていたのか!!』
マリオとマーヤが、ペルセウスとアキレウスの中で驚きに声を震わせた。モルガンも含めた、場の機体の視線に注がれている先にいるのは、1機の特機だった。
カラーリングはマグダラと同じ赤と金をメインにしたものであるが、スーパーロボットである特機ということもありそのサイズはナイトメアの数十倍を超える80mもある巨体をほこり、頭部は天使を模した形状をしていた。上半身は巨大な腕を四本生やしさらに両肩部に砲台を取り付けた人型に下半身が大蛇のような尻尾になっている。
『えぇ死にかけはしたけどこうして無事に生きているわ。これもあなたたちへの愛がなせる技ね』
この機体を鋼龍艦隊の誰かが見ていればその正体に気づくことができただろう。それはかつてフラスコの世界と呼ばれる彼らの世界で地球を侵略するために戦争行為を繰り広げてきた宇宙人勢力【エアロゲイター】の戦闘指揮官であるレビ・トーラーが操り鋼龍艦隊の戦友を多く葬ってきた特機【ジュデッカ】。その残骸を運良く回収したエンブリヲは修復を行いつつ帝都ペンドラゴンで盗んだ材料を元に改良を行ったのがこの【グラン・ジュデッカ】だ。
そのグラン・ジュデッカの外部スピーカーから伝わってくるカーリーの声は、殺意と狂気にギラついていた。
それにディゼル兄妹、カレン、オルドリンはもちろん、エッジたちも微かだが思わず息を呑んだ瞬間。カーリーは狂ったように恍惚とした表情を浮かべながら語り始める。
『それもこれも全ては
『エンブリヲ様、ですって・・・!?』
半ば恍惚とした表情で語るカーリーに、カレンたちは愕然となった。
『どう、マーヤ。それとおまけで小娘たち!あなたたちもエンブリヲ様のところへ来る気はない!?今すぐに私と共に来ると答えるだけでいい。盛大に歓迎して共にエンブリヲ様の愛を味わいましょう!!』
狂気じみた愉悦の声で語りかけてくるカーリーに、さらにカレンとオルドリンたちが愕然とさせられる中、カーリーの言葉に強い不快感を感じたマーヤは叫び返す。
『ふざけるな!!誰がお前やエンブリヲのような屑について行くか!!私が愛するのはこの世でただ1人だけ!!お前らのような畜生じゃない!!』
マーヤはそう叫びながらグラン・ジュデッカに向けてアキレウスのエナジーウイングから光弾を放つ。しかしグラン・ジュデッカはその攻撃に対して全身を覆うように発動した念動フィールドで防御する。
本来ならば念動能力者ではないカーリーが念動フィールドを扱える訳では無いのだが、このグラン・ジュデッカの機体のあちこちには念動能力者の脳が埋め込まれておりそれによりグラン・ジュデッカは念動能力を扱うことができていた。
『ふふっ相変わらず生意気な娘ね。そういう所も可愛くて好きだけど、おいたが過ぎるわ、ね!』
カーリーはマーヤの攻撃を猫がじゃれつく程度のものとして扱いながらグラン・ジュデッカの巨腕を振りかざし叩き潰そうとしてくる。それを回避しながらマーヤはグラン・ジュデッカに攻撃を繰り返していく。
マーヤが攻撃している姿を見てカレンたちも目の前の脅威であるグラン・ジュデッカに攻撃を仕掛けようとしたところでそれらもまた姿を現した。ドモン・カッシュたちシャッフル同盟にとって因縁深い、悪魔の名を持つガンダムとその眷属たち────デビルガンダムとデスアーミー軍団たちが。
『なっ!?デビルガンダムだと!?』
『そんな!?アイツはドモンとレインさんが倒したはずじゃ・・・!?』
デビルガンダムたちの姿を目にしたドモンとアレンビー・ビアズリーは思わず動揺してしまうも、デスアーミーたちが攻撃してくる素振りを見せた瞬間すぐに動き出し迎撃を始める。
その姿はドモンたちがネオホンコンのランタオ島で見たデビルガンダム第4形態と同じであり、その地面に埋まっている下半身からはガンダムヘッドやデスアーミー、その派生機であるデスビースト、デスバーディなど、さらにはこの戦場で破壊されたモビルスーツやナイトメアなどの機動兵器から戦艦などがDG細胞に寄生された状態で復帰しカレンたちに襲いかかる。
『クソッ!なんでこの化け物が生きてやがるんだ!?』
『今はそんなことを言ってる場合じゃないだろう!?』
『それにしてもデスアーミーだけでなくデビルガンダム四天王や各国のモビルファイターたちも生み出してくるとは・・・!!』
『これは中々ヘビーな展開だぜ・・・!!』
シャッフル同盟のメンバーであるドラゴンガンダムのサイ・サイシー、ボルトガンダムのアルゴ・ガルスキー、ガンダムローズのジョルジュ・ド・サンド、ガンダムマックスターのチボデー・クロケットは迫り来るデスアーミー軍団を撃墜していきながらデビルガンダムが新たに生み出していくのを見て冷や汗を流す。デビルガンダムが生み出していくデスアーミー軍団の中にはデビルガンダム四天王であるマスターガンダム、ガンダムヘブンズソード、グランドガンダム、ウォルターガンダム。さらにはコロニーの代表を務めるモビルファイターたちであるゼウスガンダム、コブラガンダム、ジェスターガンダム、ネロスガンダム、ジョンブルガンダム、ファラオガンダムIV世、ミラージュガンダム、ミナレットガンダム、ネーデルラガンダムたちが次々と生み出されていた。
「さて、ドモン・カッシュとシャッフル同盟。今の貴様らの力がどの程度のものかあの女を使って測らせてもらおうか・・・」
ゴッドガンダムと酷似しているモビルファイターの肩の上でドモンたちが戦う様子を見ているゼーロンはそう呟きながらデビルガンダムの中に整体ユニットとして取り込ませたDG細胞で治療して操り人形にしたヴィレッタがどれだけ使えるのかを試す実験を開始した。ゼーロンの背後には大量のDG細胞に感染された機体たちが並んでいた。
────再び世界にその姿を現したデビルガンダム。多くの人間の醜い部分を見たことにより悪意に飲み込まれたこの存在がこれより何をなすのかはまだ誰も知らない・・・。
「──────そろそろ俺も動く必要があるな」
エレボスの艦橋のモニター越しに各戦場の様子を見ながら、そしてフレイヤによる被害の多さを前にルルーシュもまた自身が前線に出る必要があると判断を下した。それに対してセシルやロイドたち艦橋にいるクルー総員がルルーシュに対して臣下としての敬礼をする。
「お気をつけて陛下」
「陛下の帰る場所であるこのエレボスは我々が必ずやお守りいたします」
エレボスの艦長であるヴラディレーナ・ミリーゼと副艦長であるリディア・ヴァルハイトはルルーシュに対してそう心配しながらも無事の帰還を祈る。それをルルーシュは素直に受け止めながら自身の専用機が待機している格納庫へと向かった。
「行くんだな・・・」
「あぁ。これ以上の戦力の低下は今後にも支障を来す。故にダモクレスを落とす必要がある」
「・・・あそこにはナナリーがいるぞ。ナナリーと向き合う覚悟はもう出来たのか」
「・・・・・・」
艦橋の外の廊下で待っていたC.C.はルルーシュが来たのを確認すると一緒に格納庫へと向かって歩きながら会話をする。
「・・・前にも言ったはずだ。ナナリーだけを特別扱いすることはもうできないと・・・。それにそんな覚悟はとうにできている」
「・・・お前がそう言うなら私からはこれ以上何も言わないさ。だがフレイヤの方は本当に大丈夫なのか?ニーナの開発していた例の装置も間に合わなかったよだし・・・」
「フレイヤに関しては問題ない。ニーナに頼んでいたのも今後必要になると考えてのもので今回の戦いでは間に合わなくても大丈夫だ」
ルルーシュはC.C.にそう返しながら歩き続け、そして2人は格納庫に辿り着くとそこにはルルーシュとC.C.の2人の専用機であるアジ・ダカーハが待機しており、その周囲にはルルーシュ皇帝軍所属のルキナ・ヘファイストスを始めとした技術者たちが待機していた。
「お待ちしておりました皇帝陛下。C.C.様。アジ・ダカーハは何時でも出撃が可能なように整備は万全に整っております」
「無論、僚機である機体たちも何時でも出撃できます」
「そうか、よくやってくれた」
ルルーシュはルキナたちに感謝の言葉を告げながらC.C.と共にアジ・ダカーハのコックピットへと向かう。
──────いよいよ皇帝であるルルーシュ自らが動き出した。無慈悲な光で多くの命を奪ってきたフレイヤを突破しシュナイゼルとナナリーが待ち構えているダモクレスへの侵入を企むルルーシュ。結果次第によって戦況を大きく揺るがすこの選択が最悪な結果を生み出してしまうことになるとは、この時のルルーシュは知らずそれによって多くのものたちに絶望を与えてしまうことを知らないのであった・・・。
あとがき
最後不穏な気配がありますが前々からフジの決戦の終わらせ方原作とは異なる自分なりに考えたものでやりたいと思ってたから今のうちに匂わせさせてもらいました。アジ・ダカーハはフレイヤを止める役割含めて今回のフジの決戦ではあまり活躍しないかもしれませんが今後の展開次第で暴れ回って貰いたいと思ってます。カーリーの機体は最初はマグダラのオリジナル進化を考えていたのですが、強力な機体に乗せたいと考えていたらOGシリーズのボス機体であるジュデッカが頭に浮かんでそちらに乗せることにしました。デビルガンダムに寄生されたヴィレッタがどうなるかはまだ決めてませんがまぁ物語の進み方次第で生死が決まると思います。ちなみにDG細胞で生み出されたガンダムたちのパイロットにはヴィレッタの家族が使われていたりします。頑張って執筆していき今年中にフジの決戦が終わったらなぁと思いますがとりあえず他の小説含めて書いていきます。それとこれは本編ではやるとしたらかなり先のものとして用意していた設定なのですが、オリジナルの進化を果たしたゲッターとマジンガーが第三次Zにて御使い連中をボコる話を短編でもいいから書いてみたいなと思ってますがどうですか?それとは別の短編で皇サクヤが登場する短編も書きたい。今年の夏に奪還のロゼアニメやるから・・・。今後も頑張りますのでどうかよろしくお願いします!!