スーパーロボット大戦Z 魔王の降臨   作:有頂天皇帝

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まえがき
スパロボのやりたいネタが思いついたのでフジの決着目指して少しでも進めようと頑張ったら少し早く完成できました。今回の話では前回のファウンデーション王国との先頭の続き、ディガルド武国とベイルの戦闘、アキホたち新生ダイヤモンドローズ騎士団の末路をメインにやります。アキホたちのところではジュラシックワールドを参考にしたのもあり少々グロくなってしまったので苦手な方はご注意ください。


REVELLION STAGE.34 殺戮と業火の戦場【後編】

シン1人に為す術もなくボロボロにされたグリフィン、リュー、ダニエル、リデラートの姿を見たオルフェはアスランとの戦闘を繰り広げながらその無様な姿を見て怒り任せに叱責する。

 

『貴様らなんだその体たらくは!!それでも人類を導く存在であるアコードか!!』

 

オルフェはグリフィン達にたいしてさっさと立ち上がってシンを殺せと命令を出すが、死の恐怖を味わってしまったグリフィンたちはもう戦うための気力が残っておらずボロボロになったブラックナイトスコードルドラのコックピットの中で恐怖に身体を震わせて怯え竦むことしかできていなかった。

 

『散々自慢げに語っていたアコードとやらもこの程度の力か。コーディネーター1人殺せない力で人類を本気で支配できると思い上がっていたのか?だとしたらお笑い草だな』

 

『黙れぇっ!!キラ・ヤマトのデッドコピーの分際で私を侮辱するなど万死に値する!!』

 

『ハッ!そのデッドコピーとやらも倒せない貴様はなんだ!!所詮アコードなど他人の考えを覗き見する程度しか取り柄のない欠陥品だな!!』

 

『貴様ァ!!』

 

オルフェのブラックナイトスコードカルラの2本の長剣【OWC-QZ18 対モビルスーツ強化刀】による二刀流とカナード・パルスのドレッドノートイータの背部スラスターユニットに装備されている攻撃ユニット【イータユニット】のソードモードによるビームソードで斬り結び合いながら互いに罵倒を繰り返すがろくに舌戦を経験したことの無いオルフェがそういう方面でも経験豊富なカナードに敵う訳もなく一方的になじられて頭に血を登らさせながらドレッドノートイータへの攻撃をより激しくするが、カナードばかりに集中しているとアスランのインフィニットジャスティスガンダム弐式と叢雲劾のガンダムアストレイブルーフレームセカンドリバイが襲ってくるためオルフェはカナードばかりに意識を向けられずアスランと劾の相手もしなければならない。

 

グリフィンたちとは異なりアコードを導く存在として造られたオルフェはどんな相手にも負けぬようアウラによって徹底的に手を施されておりジクラートからの支援があるとはいえ歴戦のエースパイロット3人を相手に一人で戦えていた。だがそれでもイングリットのサポートがあるとはいえオルフェ一人でカナードたちの相手を同時にするのは流石に厳しいものがあるためオルフェは先程から否、ファウンデーション王国軍とZEXIS・ドライクロイツが戦闘を初めてから一度も戦闘に参加せず傍観者のように戦場を見ているだけのシュラに対して怒鳴るように命令を下す。

 

『シュラ!!いい加減貴様も戦え!!なんのためにあの愚帝の騎士に負けた貴様なんぞのために機体を強化してやったと思っている!!我らアコード、そして母上のためにその力を使え!!』

 

オルフェは罵倒するようにシュラに対して攻撃命令を出す。元からシュラのブラックナイトスコードシヴァはオルフェのブラックナイトスコードカルラと双璧を成すほど徹底的に作り上げたファウンデーション王国の最高傑作。その乗り手であるシュラもまた世界最強になるべく徹底的にアウラが調整して作り上げた存在。

 

それでありながらぽっと出の皇帝であるルルーシュの騎士のライによって生身でもモビルスーツ戦でも無様に敗北を晒した。それに対してオルフェもアウラも失望を隠さずシュラを叱責したがそれでもアコードの中で戦闘能力という面ではシュラが最も優れているためリボンズ・アルマークから提供された擬似太陽炉などを搭載したりなどして機体を強化した。

 

その力を使えば今この場にいる煩わしい連中共を始末できるだろうと言う確信を持っているオルフェは早くシュラに動けと命令する。しかしシュラから返ってきた返答はオルフェにとって予想外のものだった。

 

『断る』

 

『・・・・・・は?』

 

シュラがなんと言ったのか分からずオルフェは思わず鳩が豆鉄砲を食らったような間抜けな顔を晒してしまう。それはオルフェだけでなく

カルラのサブパイロットであるイングリット、オルフェと戦っていたカナードやアスラン、劾。そしてこの戦場にいる誰もがシュラの言葉に困惑していた。それを無視してシュラはその視線を各戦場で戦っているエースパイロット同士の戦いの映像が映っているモニターに集中しその片手間にリモート操作しているジンクス-Rやトーラス-Rたち無人機でZEXIS・ドライクロイツの進行を妨害していた。

 

『刹那・F・セイエイにグラハム・エーカー、渡瀬蒼葉、隼鷹・ディオ、ウェインバーグ、ヒナ・リャザン、ビゾン・ジェラフィル。少し見ただけでこれだけの強者たちの命を削りあう戦いが見れるんだ。貴様ら欠陥品どもを助けることよりも彼らの戦いを見る方が万倍価値がある』

 

『なっ・・・!?』

 

シュラはオルフェに対して視線を向けず先程まで行われていた刹那とグラハムの死闘、今も尚続いている青葉、ディオ、ヒナとビゾンによる激闘。それ以外にもZEXIS、ドライクロイツ、シュナイゼル連合軍、ルルーシュ皇帝軍のエースパイロットたちの戦闘が映っているモニターの方を向きながらそう返答した。シュラの無礼な態度にもそうだが何よりオルフェの心を怒りで満たしたのは自分たちアコードを欠陥品などと侮辱したということだ。

 

『し、シュラァッ!!貴様何を戯れ言をほざいている!!欠陥品!?我ら全ての人類を超える存在であるアコードのどこが欠陥品だと言うのだ!?』

 

オルフェは感情任せに自分たちの存在を否定するシュラに対して叫ぶ。それに対してシュラはただ道端に転がる虫の死骸を見るかのような冷めきった目をしていた。

 

『どこが、だと?』

 

ようやくシュラはモニターから視線を外した。

 

その眼には忠誠も畏怖もない。

 

あるのは、強者だけを求める獣のような闘志だった。

 

『全部だ。』

 

『な、何んだと・・・?』

 

『貴様らは生まれた時から完成品を気取っている。選ばれた存在だ、人類を導く存在だと、誰かに与えられた肩書きを誇っているだけだ。』

 

そこで言葉を1度区切ってからシュラはオルフェを鼻で笑う。アコードの存在を、アウラが教えてきたアコードとしての在り方を、アウラの望むままにこれまでしてきたオルフェの生き方など全てを否定するように

 

『笑わせる。そんなものは戦場では何の価値もない。』

 

『黙れッ!』

 

『黙らん』

 

シュラはオルフェの怒声を意にも介さず続ける。

 

『俺はライに敗れた。完膚なきまでにな。だがそれがどうした?あの戦いは間違いなく俺の糧となり世界の高みをしれたよい戦いがった。そのおかげで俺はあの時の敗北を糧にさらに強くなることができた』

 

『だが貴様らは違う』

 

シュラの視線が、眼科でボロボロになったブラックナイトスコードルドラのコックピットの中でシン1人相手に何も出来ず無様に負け、さらに死の恐怖で震え続けるグリフィンたちへ向けられる。その目はかつての同胞を見る目ではなく汚物を見るかのように冷えきっていた。

 

『見ろ。あれがアコードの正体だ。一度死を突き付けられただけで剣も握れず、敵を見れば震え、命令されても立ち上がれん。そんな軟弱な精神しか持たないアイツらが完成品?笑わせるな。あれはただ、挫折を知らずに育てられた出来損ないだ。』

 

『貴様ァァァッ!!』

 

オルフェの怒号が戦場へ轟く。オルフェの怒りに合わせてブラックナイトスコードカルラは擬似太陽炉の出力を爆発的に上昇させ、シュラに対しての怒りを発散するかのように目の前にいるカナードのドレッドノートイータを切り裂こうと対モビルスーツ強化刀を振り下ろす。

 

しかし。

 

『遅い!』

 

『ちぃっ!!』

 

カナードがイータユニットのビームソードで迫る対モビルスーツ強化刀を弾き、それによって生じた隙をついてアスランがインフィニットジャスティスガンダム弐式をブラックナイトスコードカルラに接近させビームサーベルで斬りかかる

 

『そこだ!』

 

『舐めるな!!』

 

迫るインフィニットジャスティスガンダム弐式のビームサーベルを対モビルスーツ強化刀で受け流し距離を取ろうとした瞬間、今度は劾のガンダムアストレイブルーフレームセカンドリバイのタクティカルアームズが死角から振り下ろされた。

 

『余所見をするな』

 

『おのれぇッ!!』

 

劾の冷徹な一撃。それは当たればオルフェとイングリットの命を奪いかねない一撃であったが、イングリットは咄嗟にガンダムアストレイブルーフレームセカンドリバイにジン-Rをぶつけることでタクティカルアームズによる一撃を中断させブラックナイトスコードカルラをガンダムアストレイブルーフレームセカンドリバイから離すことに成功した。

 

三方向からのエースパイロットたちによる連携を前にファウンデーション王国最強のモビルスーツであるブラックナイトスコードカルラでも苦戦を強いられ、それがアコードという選ばれた種族の人間がただのコーディネーターやナチュラルあまつさえキラ・ヤマトの失敗作に押されているという事実を前にオルフェは不快感からより怒りを感じ全く動こうとしないシュラに怒号混じりの命令を飛ばす。

 

 

『くっ・・・!戦えと言っているのが聞こえんのか、シュラァ!!』

 

『聞こえている。』

 

『ならば何故動かん!!』

 

シュラは肩を竦める。そして仕方ないと言わんばかりにオルフェに告げていく。

 

『価値がないからだ』

 

『価値がない、だと・・・?』

 

オルフェそしてこの場にいるアコードたちやファウンデーション王国軍のものたちはシュラが何を言っているのか理解できず呆けてしまうが、そんなことお構い無しにシュラは無慈悲に告げていく。

 

『貴様を助けても俺は強くならん』

 

『グリフィンたちを助けても強くならん』

 

『母上だの、アコードだの、人類の未来だの・・・そんなものに興味はない』

 

シュラのあまりに無慈悲な言葉を前にしてブラックナイトスコードカルラのサブパイロットであるイングリットは顔を青ざめながら思わず息を呑む。

 

『俺が求めるのは唯一つ。俺自身の力だけで世界最強の戦士になることだけだ。そのためなら修羅にも鬼にもなる。そのためなら国も世界も踏み台にする。だが──』

 

シュラの眼が鋭く細められる。

 

『弱者の介護だけは御免だ。』

 

『ッ・・・!!』

 

オルフェの額に青筋が浮かぶ。どこまでも自分を、自分たちアコードという存在を侮辱するシュラの無礼な態度にオルフェもう我慢の限界が来ていた。

 

『貴様・・・自分が何を言っているのかわかっているのか・・・っ!!』

 

『無論だ。と言うよりも貴様らはそもそも勘違いしている』

 

シュラはアスランやシン、カナードたちZEXIS・ドライクロイツメンバーに視線を向けてからオルフェに視線を向けなおす。

 

『強さは遺伝子なんぞで決められない。命を懸けて積み重ねた者だけが手にする境地だ。それを知らぬ貴様らは最初から負けている』

 

シュラのどこまでもオルフェたちアコードを否定する言葉に怒りオルフェは歯を食いしばる。そして自らの存在が正しいものであると証明するかのように叫ぶ。

 

『アコードは・・・!!アコードこそが人類の完成形だ!!争いを終わらせるために生まれた選ばれし存在!!我らはナチュラルやコーディネーターなどの野蛮人共とは違う!!』

 

オルフェの叫びを聞いてなおくだらないと言いたげにシュラは嘲笑した。

 

『選ばれた?違うな。アウラによって選ばれたと思い込まされているだけだ』

 

『・・・ッ!?』

 

シュラのその一言を前にオルフェはその綺麗に整った顔を怒りで歪ませる。それをわかっているのかいないのか分からないがシュラはさらに続ける。

 

『完成形?なら聞こう』

 

シュラは眼下で震えるグリフィン達を指差した。シュラの言葉を否定することも、オルフェの言葉に同調することもなくただ死の恐怖に怯え震えて縮こまっているその姿はとてもではないが選ばれた存在と言えようがなかった。

 

『あれが完成形か?敵に恐怖し、命令一つ実行できず、戦場で立ち尽くす連中がか?』

 

『・・・違う!あいつらは一時的に──』

 

『違わん』

 

オルフェはグリフィンたちの情けない姿に舌打ちしそうになるのを抑えて叫ぼうとするがシュラは容赦なくオルフェの言葉を遮る。

 

『本当に強い者は恐怖しても立つ』

 

『敗北しても立つ』

 

『傷付いても前へ進む』

 

『だから強い』

 

『だが貴様らは違う』

 

『生まれながらの才能だけを信じ、敗北を知らず、痛みを知らず、己を完成した存在だと思い込んでいる』

 

『そんな連中は一度折れれば二度と立てん』

 

『それを欠陥品と言わず何と言う』

 

『黙れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!』

 

シュラのどこまでもアコードという存在を否定し見下す態度を前にしてオルフェの絶叫が戦場に響いた。

 

『我らを侮辱するかッ!!』

 

『母上を否定するかッ!!』

 

我らの存在意義(アコード)を否定するかァァァァァ』

 

シュラはその咆哮を真正面から受け止め、不敵に笑った。

 

『ああ、否定する』

 

『アコードなど所詮は温室で育てられた造花だ』

 

『美しく見えても、嵐が来れば散る』

 

『俺は違う』

 

『泥を這い、血を浴び、骨を砕き、それでもなお立ち上がる』

 

『そうして掴んだ力だけが本物だ』

 

シュラはゆっくりとブラックナイトスコードシヴァMark-IIの操縦桿へ手を掛け己の武器である大型ヒートソード【VIG-E3/M 近接対装甲刀 ディス・パテール改】を構えてオルフェのブラックナイトスコードカルラに武器を向ける。

 

『オルフェ。貴様が本当に完成された存在だと言うなら・・・俺に命令するのではなく、この俺を力尽くで従わせてみろ。できるものならな。』

 

どこまでオルフェを、アコードという存在を見下しているシュラのその一言は、アコードという思想そのものへの叛逆だった。そしてオルフェの理性は、ついに限界を迎える。

 

『シュラァァァァァァァァァッ!!貴様だけは・・・!貴様だけは、この私が直々に処刑してやる!!』

 

オルフェは目の前にいるカナードたちのことも忘れ、裏切り者であるシュラを殺すためにブラックナイトスコードカルラを飛ばす。それをシュラは戦いを楽しめると言わんばかりに狂気的な笑みを浮かべながらオルフェを迎え撃つ。

 

 

────最強の戦士たれと造られたアコードと人類を導く覇者たれと造られたアコード。共に同じ存在によって造られた存在でありながら異なる道を進むこととなり衝突した。そしてオルフェとシュラの衝突をきっかけにファウンデーション王国軍は2分する戦いの蓋を切られた。

 

 

 

 

 

「予定より早く動いちゃったけどまぁいいか。この程度は誤差でしかないでしょ」

 

ファウンデーション王国が捕獲調教したセイスモサウルス型超大型ゾイド【セイスモサウルスF】を8頭を護衛に引き連れているファウンデーション王国地上軍の超巨大戦艦【ターパン級陸上戦艦】のブリッジにてココは手のかかる弟のシュラの行動に呆れながらも問題ないと言いたげに部下たちに指示を出す。

 

「それじゃあ戦場にいるみんなに連絡。もうお遊びはおしまい、ここからは本来の作戦通りに好きに暴れてくるといい」

 

『『『『『『『『『イエスマム!!』』』』』』』』』

 

ココは三日月を描くように口元を吊り上げた。その笑みは戦場を前にした軍人のものではない。全てを計算し尽くした武器商人が、商談成立を確信した時の笑みだった。

 

「──さぁ、お仕事の時間だ」

 

その一言を皮切りにサーペンスタイン姉弟の忠実な下僕であるファウンデーション王国軍の兵士たちとオルフェ側のアコードや指揮官たちが管理している以外の無人機が一斉に動き出しZEXIS・ドライクロイツに向けていた武器をオルフェ派のファウンデーション王国軍に向ける。

 

『『『『『『『『な──────!?』』』』』』』』

 

配下たちの突然の裏切りにオルフェたちが驚愕し、目の前で起こった敵とはいえ身内の裏切りを見せつけられたシンたちは目を見開くが何が起こっているのか理解する前に無慈悲にも裏切りの放火は放たれオルフェ派のファウンデーション王国軍の兵士たちの命を次々と奪っていく。

 

『な、何故だ!?なぜ味方を──』

 

『貴様ら何を血迷っ──ごぷっ!?』

 

『中尉!?この野郎────!!』

 

オルフェ派のファウンデーション王国軍の兵士たちは突然の仲間の裏切りに動揺し動きが鈍ってしまっていた。そんな無様な姿を前にサーペンスタイン派の兵士たちは躊躇なく機体を破壊しその命を奪っていく。仲間たちが殺されていく姿を見てようやくサーペンスタイン派の裏切りを理解したオルフェ派の兵士たちはアウラ女王とオルフェ宰相たちを裏切ったことに怒り裏切った代償をその命を持って償わせようとようやく戦闘態勢を取り、サーペンスタイン派を迎撃すべく突撃する。しかし・・・

 

『はっ!そんなお行儀のいい戦い方で勝てると思ってんじゃねぇよ!!』

 

レオリオはバカ正直に教本通りに攻撃をしかけてくるオルフェ派の兵士たちのジン-F5機をキマイラストライクガンダムの大型破砕球【ミョルニル・クラッシャー】でコックピットブロックを的確に粉砕し破壊していく。レオリオに続くようにサーペンスタイン派の兵士たちもまたオルフェ派の兵士たちを次々と撃墜していく。

 

現状ファウンデーション王国の戦力はアウラ・オルフェ側に7割、シュラ・ココ側に3割と別れ数ではアウラ・オルフェ側が勝っているが軍部を担当しているシュラ・ココ側に付いた兵士たちの誰もが造られた時に与えられた才能に胡座をかいて戦う一般的なファウンデーション兵と異なり実践で鍛え上げられた確かな実力でこれまで戦い抜き自らの才能に過信せず強くなるために日々努力している生粋の戦士である。故にオルフェ派の兵士が1人殺す間にサーペンスタイン派の兵士によって最低でも5人は殺されている。キルレシオは圧倒的にサーペンスタイン派の方が優勢でありこのまま時間をかければオルフェ派が壊滅するのは時間の問題のように見えるが、当然オルフェ派の戦力がそう大人しくやられてばかりの訳がない。

 

『────偉大なる女王、アウラ様の命令が降った。我々はこれより裏切り者であるシュラ・サーペンスタイン元騎士団長とそれに追従している兵士たちの殲滅を開始する。アウラ様の崇高なる目的を知りながらそれを放棄した連中はファウンデーションには不要な存在と成り果てた。故にこの辺境の国で処分せよとの事だ』

 

『『『『『『『『『『了解』』』』』』』』』』

 

アウラからの命令を受諾したS(スレイブ)アコードたちは無機質な瞳を濁らせながら機械のように命令に従いサーペンスタイン派の兵士たちや無人機を撃墜していく。アコードの手足となるべく造り上げられたSアコードたちはアウラたちの忠実な手駒としてシュラたち裏切り者を始末するべく動き出す。

 

『スレイブたちが動き出したぞ!!』

 

『怯むな!!我らこそが真の戦士だと奴ら人形共に思い知らせてやれ!!』

 

Sアコードのブラックナイトスコードラーフたちが動き出したのを確認したサーペンスタイン派の兵士たちは返り討ちにすべく部隊を整える。オルフェやシュラたちオリジナルアコードより劣るとはいえ一般のコーディネーターを上回る性能を誇る彼らを相手に油断などできる訳もなく最低でも3~5機による連携を取って一人相手とらなければならない。

 

それは数で劣るサーペンスタイン派にとって苦肉の策であるがそうしなければ優秀な兵を無駄に失ってしまうのだから仕方がないことだ。それにSアコードたちを無理に倒すことを一般兵が考える必要はない。なぜなら彼らにも真の強者が付いているのだから・・・

 

『遅い』

 

Sアコードのブラックナイトスコードラーフがジン-Fをビームサーベルで切り裂こうとした瞬間、ジークのビャクヤ専用ストライカーパック【オオトリ】のパック右舷の可動式アームに装備されているレールガンで正確にブラックナイトスコードラーフのコックピットを撃ち貫く。

 

『落ちろ』

 

ハクノは冷徹にそう告げると同時にノワールストライクガンダム弐式の両手に握られた2本の【フラガラッハ3ビームブレイド改】で迫る4機のブラックナイトスコードラーフを一瞬にして達磨にした。

 

『『やぁーー!!』』

 

クロノのブルデュエルガンダム弐式とパルファンのヴェルデバスターガンダム弐式がそれぞれの射撃武器である【M7G2 リトラクタブルビームガン】と【M9009B 複合バヨネット装備型ビームライフルII】で周囲にいる一般兵たちごと撃ち落としていく。

 

オリジナルアコードでありその上でグリフィンたちのようにその力に頼って胡座をかくようなことをせずしっかりと自分自身の力を鍛え上げたジークたちの実力はシュラには1歩劣るもののほかのアコードたちとは数段上の実力を持った強者である。

 

数のオルフェ派と質のサーペンスタイン派。突如始まってしまったファウンデーション王国同士の殺し合いを前にZEXIS・ドライクロイツ側、シュナイゼル連合軍はどうすべきか躊躇ってしまい動くのが遅れてしまうが、ルルーシュ皇帝軍は躊躇うことなくオルフェ派、シュナイゼル連合軍、ZEXIS・ドライクロイツに対して攻撃を続けていた。まるでこうなることがわかっていたかのように・・・・・・

 

 

ファウンデーション王国が互いに潰しあっていた頃、ディガルド武国と神聖ミスルギ皇国はルルーシュ皇帝軍の第一・第二機獣師団とアルゼナルのパラメイル部隊による蹂躙によって両国は壊滅寸前にまで追い詰められていた。

 

『ギシャアアアア!!』

 

『走れ!もっと早く走れ!?でないとあの化け物どもに────ぷぎゅ』

 

炎で燃え盛り破壊されたバイオゾイドやナイトメア、モビルスーツなどの残骸が至る所に転がっている大地の中を必死に逃げるミスルギの戦車部隊だったが母艦に戻るよりも先に追っていたデスレックスによって踏み潰され地面のシミとなってしまった。その姿を見てほかのミスルギの兵士たちも我先にと必死に機体を、戦車を或いは自身の足を動かして母艦のある場所へと走る。だが、獣の本能が剥き出しになっている今のゾイドたちは逃げ惑う獲物を喰らう狩人として追い立て無慈悲にその命を奪う。

 

デスレックスが戦車を踏みつぶしサザーランドを噛み砕いて喰らい、ギルラプターがティエレンに飛びかかって押し倒しそのままコックピットブロックに脚の鉤爪を突き刺し、ラプトールやディロフォスなどの小型ゾイドが逃げ惑う歩兵や期待を失ったパイロットたちを積極的に襲ってその爪と牙で命を奪い、ナックルコングがティエレンをミンチになるまで殴り潰し、ハンターウルフやファングタイガーが集団からはぐれて逃げ惑うスコープドッグやリーオーたちを噛み殺すなど小型から大型のゾイドたちによって逃げ惑う神聖ミスルギ皇国の兵士たちはその命を散らされていた。

 

さらにその後方からはゴジュラスやグラキオサウルス、ダークホーン、スティレイザー、ディバイソン、バズートル、ガノンタスなど大型から小型の様々なゾイドたちが銃砲撃を逃げ惑うミスルギ兵やその撤退を支援するための揚陸艇や戦闘ヘリなどを轟沈していく。

 

現在第一・第二機獣師団に対して攻撃を仕掛けることができているのはバイオゾイドたちと園ぶりをによって戦う為だけに改造された生体ユニットにされているミスルギ国民たちの機体と無人機、そしてエンブリヲが洗脳処理を施したゾイドたちだけである。それでも数は既にルルーシュ皇帝軍側が圧倒的に上回っておりそう時間がかからないうちに両軍の戦力を壊滅させる程度のことは可能だろう。

 

────現に今もルルーシュ皇帝軍の最高戦力たちがとぶつかり合いディガルド武国と神聖ミスルギ皇国の上澄みたちが追い詰められ今にもその命を奪われようとしていた。

 

『死ねェェェェェっ!!ベイルゥゥゥッ!!』

 

パイロットであるゲオルグが殺意の籠った叫びを上げながらバイオギガトリケラが突進しながらジェノスピノに頭部の2本のツノ【ヘルツインホーン】を突き刺そうとしてくる。しかし、バイオギガトリケラのヘルツインホーンがジェノスピノの胴体に突き刺さるよりも先にジェノスピノは右前足でバイオギガトリケラのヘルツインホーンを掴みそのまま力任せに地面に叩き伏せそのままジェノスピノはバイオギガトリケラを踏みつけ角を1本へし折る。

 

『おのれぇぇぇぇっ!!神に歯向かう愚か者の分際でよくもぉ!!』

 

『吠えるな蛆虫。貴様如き虫ケラの戯言など微塵も興味無い。とっとと死ね』

 

『貴様ァァァ!!』

 

足蹴にされていることに憎悪を抱いているゲオルグが叫ぶが、ベイルはそんなことどうでもいいと言わんばかりにその戯言を無視しながらA-Zロングキャノンによるゼロ距離射撃でバイオギガトリケラの胴体を撃ち抜き爆散させる。上半身と下半身に断たれそれにより発生した爆発はコックピットにも誘爆したことでゲオルグは爆炎に飲まれその命を落とした。

 

『そろそろ貴様も死ぬ時が来たんじゃないか?ジーン』

 

破壊されたバイオギガトリケラの頭部を踏み潰しながらベイルはジェノスピノの視線を丘の上に向けるとそこにはバイオティラノやバイオスピノ、バイオディプロドクス、バイオトリケラ、バイオケントロを始めとしたバイオゾイドの中でも強力なものたちを引き連れたディガルド武国の象徴するゾイドである超巨大バイオゾイド【バイオタイラントティラノ】が存在していた。

 

『愚かな下民風情が随分と立派な態度を取るな。女と妹を我に奪われてみっともなく地面に這いつくばっていた分際でよくここまで来れたものだと褒めてやろう』

 

『ジーン・・・っ!!ハンナとサリー含めた多くの仲間たちを弄んだ罪!!その命で贖ってもらうぞ!!』

 

『下らんな。たかが下民の命程度で何を喚いているのやら。我という神の役に経ったのだからそのような些事などどうでも良いことであろう』

 

『クソッタレがぁ・・・!!』

 

どこまでも見下す態度でこちらを見てくるジーンに対する殺意を隠さずジーンの乗るバイオタイラントティラノを睨みそのベイルの感情に呼応するかのようにジェノスピノも唸り声を上げる。

 

『ふん、神に対してなんとも不遜な態度をとるか。まぁよい、貴様のようなゴミは早々に処分してやろう』

 

ジーンはそう告げながら待機させているバイオティラノたちに命令を下しベイルのジェノスピノに攻撃を仕掛ける。大量のバイオゾイドたちがたった一機のゾイドを襲うその様子からこれから蹂躙が始まってしまうと誰もが思える光景。このままジェノスピノは数の暴力で為す術もなく押しつぶされて終わりだろつとジーンは確信を持って笑みを浮かべるが、その思惑はいとも簡単に砕かれる。

 

『トカゲ風情が、調子に乗るな!!』

 

『『『『ギシャアァァァァァァ!?』』』』

 

ベイルの叫びに合わせてジェノスピノは口から業火を放ち正面から襲ってきたバイオメガラプトル、バイオディプロドクス、バイオケントロたちを一瞬にして溶解する。そして側面から奇襲を仕掛けようとしたバイオスピノ、バイオトリケラたちを尻尾で弾き飛ばしたり、噛み付いてきたバイオティラノの攻撃をかわし逆にその首元に噛みつき、その強靭な顎を用いてバイオゾイドの特徴的な強固な装甲【ヘルアーマー】を煎餅を噛み砕くかのようにバイオティラノの首元を容易く砕く。

 

ジェノスピノを喰らおうと群がるバイオゾイドたちだが、圧倒的な暴力を前に為す術もなく逆に食い散らかされその屍を次々と大地に沈めていく。それを見てジーンは中々ベイルが死なないことにイラつき、このまま好き勝手させたらあの時のように玉砕覚悟の捨て身の一撃を行いまたこの身に傷をつけられるかもしれない可能性が頭によぎり、絶対神である自身がそのような目にまた合うなど有り得てはならない、故にジーンはバイオタイラントティラノの持つ至高の一撃をもってベイルの存在ごとこの世から抹消させようとする。

 

『ふん。貴様程度には勿体ないが貴様にも味わわせてやろう、神の雷をな』

 

ジーンがそう言うと同時にバイオタイラントティラノの全身を覆うバイオ粒子が爆発的に活性化した。

 

『ギィィィィィィィィ――ッ!!』

 

バイオタイラントティラノ咆哮と共に、背部ユニット、胸部、首筋を走るバイオ器官が次々と紅蓮の輝きを放つ。それに合わせてバイオティラノの周囲の空気が震え、大地が鳴動する。周囲の岩石は耐え切れず砕け、砂塵が渦を巻きながら空へと舞い上がる。それは膨大なエネルギーが一つの点へと収束していくようであり、その圧力だけで大気は歪み、景色が陽炎のように揺らめいた。

 

そしてバイオタイラントティラノの口内に膨大なエネルギーが溜まるとその大顎を大きく開いた。

 

その喉奥で圧縮された紫炎の光は、禍々しい輝きをしており、その悍ましさに遠く離れた戦場で戦っているものでさえ恐れ敵味方問わず動きが鈍っていた。そして世界を引き裂くような轟音と共にバイオタイラントティラノの口から放たれる全てを破壊すると幻視してしまうほど強大なエネルギー波──バイオ粒子砲改め【神の雷】。

 

紫炎の破壊の奔流は一直線に大地を焼き払いながら突き進む。触れた地面は瞬時に融解し、岩盤は蒸発。衝撃波は何百メートルにも渡って地表を抉り、爆風は森林をなぎ倒しながら周囲へ広がっていく。

 

一撃で戦場の地形さえ変えてしまう、バイオティラノ最大最強の一撃だった。

 

その奔流は、真正面からジェノスピノを飲み込む。

攻撃をまともに食らったジェノスピノの周囲を轟音や閃光、爆炎によって白熱したエネルギーは巨大な火柱となって天を衝き、猛烈な熱風が四方八方へ吹き荒れる。

 

『他愛ない・・・』

 

ジーンは圧倒的な勝利を確信し目障りなベイルをこの世から消し去ったことに満足したのか次はこのまま目障りなジーン討伐軍なる連中を消し去ってやろうとその場から離れようとした瞬間、凄まじい衝撃がジーンに襲いかかってきた。

 

『何っ!?』

 

何が起こったのか分からず動揺したジーンはすぐに今バイオタイラントティラノに攻撃を仕掛けた存在を確認しようとするが、それよりも先にバイオタイラントティラノが勢いよく地面に叩きのめされてしまった。

 

『────随分と温い火だな。この程度の力でこの灼熱の破壊竜と恐れられたジェノスピノを滅ぼせたと本気で思っていたのか?』

 

『ベイルっ!?馬鹿なっ!!我が神の一撃をまともに喰らって無傷だと言うのか!?そんなことありえぬっ!!』

 

バイオタイラントティラノを押し倒しそのままその強靭な足で動きを封じているのは先程の神の雷で消し飛ばしたと思い込んでいたジェノスピノであり、信じられないことにその体には煤汚れの一つも着いていない無傷であり疲労した様子すら見せていなかった。ジーンは知らぬ事であるがこのジェノスピノは一晩で別世界の地球の3分の1を破壊した逸話を持ち、同じ破壊竜であるオメガレックスの荷電粒子砲にも耐えきった過去がある。

 

当時でも規格外のゾイドであったのにあらゆるビアンやロイドら優秀な科学者たちのサポートと優秀なゾイド整備士たちによる改良、ゲッター合金やゲッター炉心、マシンセル、オーガノイドシステムなど様々な手を加え、ベイルというありとあらゆるゾイドを乗りこなせる優秀なゾイド乗りの存在などあらゆる面で強化されたことによりジェノスピノはか異常の破壊力と頑強さをその身に秘めていた。

 

『本来ならば例のシステムを使用してお前に屈辱の敗北を与えるつもりだったが・・・使うまでもなかったようだな』

 

ベイルはこの決戦に備えて用意していたジェノスピノそしてオメガレックス専用に開発していた装備があったのだが、装備させるよりも先にバイオタイラントティラノと出くわしたために装備が間に合わなかったが、この程度ならば装備しなくとも問題なかったなとジーンを見下しながらベイルはそう毒づいた。

 

『貴様っ!!何時まで神である私を見下ろしている!!さっさとその汚らわしい足を退けよ!!』

 

『言われなくとも貴様のような塵屑をゾイド越しであろうといつまでも踏む趣味はない。故にとっととお前にはこの世からご退場願おうか』

 

『何を──────』

 

ベイルの言葉を理解するよりも先にジェノスピノが発動していた背中のヒレを展開させ巨大な円盤状のノコギリ【ジェノシーザー】による進化解放(エヴォブラスト)殲滅破壊(ジェノサイドクラッシャー)】がバイオタイラントティラノのコックピットがある頭部に向けて振り下ろされ、超高速回転し赤熱化した刃によってパイロットであるジーンごとバイオタイラントティラノの頭部からその身体を真っ二つに切り裂いた。

 

「ば、バカな・・・。神である私が、このような俗物に殺されるなど・・・」

 

身体を真っ二つにされながらもジーンは信じられないと言わんばかりに目を見開きながらベイルに対する憎悪の言葉を吐くが、その言葉はベイルに届くこともなくジーンはバイオタイラントティラノの爆発に巻き込まれその身体を消し炭にしてしまった。

 

 

──────ジーンを確実に始末したとバイオタイラントティラノを見て確信したベイルはほかの部隊の手助けをするべくジェノスピノを動かしその場から移動を始める。この時のベイルは復讐を自らの手で成し遂げられたことに対して心が満たされていたことで気づくことができなかった。破壊されたバイオタイラントティラノの周囲を小型のゾイドたちが群れていたことを、そして自分の命を奪ったベイルに対してのジーンの執念深さに気づくことができず近い未来凄まじい驚異として再びベイルの前に立ちはだかってしまうことを・・・

 

 

 

 

ベイルがバイオタイラントティラノを打ち倒し、そのままバイオゾイドたちを殲滅していた頃、そこから少し離れた湖上付近ではアンジュたちアルゼナルのパラメイル部隊とアキホたち新生ダイヤモンドローズ騎士団のラグナメイルたちとエンブリヲが用意した混成部隊が激しく戦っていた。

 

『はぁぁぁぁぁっ!!』

 

『このっ!?ノーマの分際でぇっ!!』

 

アンジュのヴィルキスの急加速からのラツィエールの鋭い斬撃がアキホのザウディトゥの右肩装甲を切り飛ばし、それに頭に血を登らせたアキホはヴィルキスにビームライフルの銃口を向けそのままビームを連射するのだが、エンブリヲに選ばれたとはいえ所詮これまで1度も戦場に出たことのないお嬢様のアキホがドラゴンを初め多くの敵たちと命を賭けて戦ってきたアンジュ相手では経験に圧倒的差があるためアキホのお粗末な射撃をアンジュは楽々と回避する。

 

『アンジュリーゼ!!ノーマ如きがエンブリヲ様に見初められて!!』

 

『あんたみたいな薄汚い溝鼠がエンブリヲ様の隣に相応しいわけないでしょ!!身の程を弁えなさい!!』

 

『冗談言わないで欲しいわ!!誰があんな変態男のものになるもんですか!!』

 

アキホの攻撃が当たらないことに焦ったさを感じたマキのベレニケとトモミのタウセルトがヴィルキスに接近し左右から同時にラツィエールで斬りかかるが、2人の攻撃がヴィルキスに届くよりも先にベレニケはタスクのアーキバス:バネッサカスタムが、タウセルトはクリスのクレオパトラがそれぞれの武器であるアサルトブレード【ドラゴンスレイヤー】とラツィエールで迎えうち逆にはね飛ばした。

 

『ちぃっ!?』

 

『お前たちごときにアンジュはやらせない!!』

 

『ノーマがイキがるな!!』

 

『その程度の言葉しか言えないならとっととくたばりなさいよね!!』

 

そのままタスクがマキを、クリスがトモミの相手をすることとなりアンジュたちはそれぞれ衝突し合うのだがアキホたちは強力な機体に乗っているとはいえ所詮素人に毛が生えた程度の実力しかないために終始押されっぱなしでそう時間をかけないうちに撃墜することは可能であろう。

 

だがそう簡単にいかないのが現実であり、アキホたちが撃墜しそうになるとそれを妨害するようにジークフリートIIやパーフェクトザク、ヴァルシオン改を始めとした機動兵器たちだけでなく、空からはドラゴン型ゾイド【デカルトドラゴン】や【レドラー】、【ギル・ベイダー】、地上からはムゲンレックスやカルノタウルス型ゾイド【ブラストカルノ】、デスレックス、ゴジュラス。海中からはダイオウイカ型ゾイド【デスクラーケン】、プレシオサウルス型ゾイド【ヘルサーペント】、ホオジロザメ型ゾイド【ブラッディシャーク】を始めとした様々なゾイドたちがアンジュたちに銃砲撃やその身に纏う武器を用いて攻撃を仕掛けてくるためアンジュたちはアキホにトドメをさせないでいた。

 

『流石は皇帝陛下が用意していた決戦兵器たちだな・・・っ!!』

 

『このままじゃこっちが先に力尽きちまうよっ!!』

 

ジルのレイジアとヒルダのテオドーラは襲い来るデカルトドラゴンたちゾイドやジークフリートIIたち機動兵器たちを前に苦戦を強いられ思わず悪態をつく。ジルたち側にも第一・第二機獣師団のゾイドやガンメン部隊が彼らの相手をしてくれているがアキホたち側についているゾイドたちは一体一体が決戦級ゾイドであり幹部クラスが乗っているゾイドたちと同等の力を秘めているものばかりであるため苦戦を強いられていた。その上に自分の命を顧みず最悪特攻もしかけてくるパーフェクトザクたち生体部品として組み込まれているパーフェクトザクたちもいるのだからたちが悪い・・・。

 

ゾイドたちを何とかすれば他の連中やアキホたち程度はどうにかなるのだが現状の戦力では中々厳しいと言わざるを得なかった・・・。

 

だが、ジルたちのその不安をかき消すかのように一体のゾイドが雄々しく咆哮を上げることにより戦況は一変することをすぐに知ることになり、それによってアキホたちは絶望の底へと叩き落とされてしまうことを彼女たちはその身をもって知るのだ。

 

 

 

 

『・・・・・・』

 

眷属であるタイタンたちに命令を下しながらゼログライジス・レクスはアンジュたちが戦っている方角に顔を向けて唸り声をあげていた。本来ならゼロファントスたち同様自身の下僕として使うはずであったデカルトドラゴンたちがエンブリヲなる矮小な虫螻風情に盗まれそれを我が物顔で支配しているという事実に苛立ちを隠せずそろそろエンブリヲ()に身の程を分からせてやろうと口を大きく開き大気を揺るがすほどの大音量の咆哮を上げた。

 

『GYGAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!』

 

『『『『『『『『『『『『!!!?』』』』』』』』』』』』

 

 

その咆哮を聞いたこのフジにいるルルーシュ皇帝軍以外の全てのゾイドは攻撃の手を止め、金縛りにでもあったかのように身体を硬直させた。突然の出来事にルルーシュ皇帝軍に所属しているものたち以外は困惑し何が起こっているのか確認しようとするが、それよりも早くミスルギ及びシュナイゼル連合軍が運用しているゾイドたちの瞳が血のように深紅に染まりその牙で先程まで隣で共に戦っていたシュナイゼル連合軍やミスルギなどを襲い始めた。

 

『な、何をしている!?敵は我々ではなく目の前の────』

 

『どういうことだ!?あのデカブツが吠えてからこちらの命令を受け付け────』

 

『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!?離せっ!!離せよこの獣風情がぁぁぁぁっ!!』

 

突然のゾイドの反乱に混乱し何度も従うよう命令を出していた揚陸艇の艦長はムゲンレックスの砲撃をブリッジに受けたことにより体を爆散させられ死亡、前線で指揮を取っていたアヘッドのパイロットは迫るデカルトドラゴンのビームに気づかないまま胴体を撃ち抜かれ爆散し、新兵らしきミスルギ国民のジンのパイロットは海から飛び出してきたブラッディシャークに下半身を噛みつかれ喰われる恐怖から逃れようとがむしゃらに暴れるも抵抗虚しく海に引きずり込まれるなど戦場のあちこちでゾイドによる被害が広まっていた。

 

 

 

ゼログライジス・レクスの特殊能力の1つ【ゼータコール】。ゼログライジス・レクスの体内に宿っている別世界の怪獣と呼ばれる実在の生物が巨大化したものや伝説の生物を始めとした超巨大生命体の遺伝子。その怪獣たちの中でも王と呼ばれる最上位の存在の遺伝子を持つゼログライジス・レクスは咆哮による音声発信で他のゾイドたちに対して命令信号を放つことができる。

 

あくまで命令信号を放つだけであり、ゼータコールには絶対遵守の力はないためパイロット乗っているゾイドや意思の強いものはこれを拒絶することが可能。故にジーン討伐軍やルルーシュ皇帝軍のゾイドたちは何事も無かったかのように戦線に復帰していた。しかし、ミスルギやシュナイゼル連合軍のゾイドにはパイロットはおらずモビルドールシステムを搭載していたことでこれまで従えていたためにゼログライジス・レクスのゼータコールによって容易く従わせることができ、それによりエンブリヲの稚拙な洗脳効果も消え去り本来の在るべき形であるゼログライジス・レクスの下僕としてシュナイゼル連合軍に牙を向けた。

 

そして突然のゾイドたちの反乱の理由に気づかないアキホたちはこちらを攻撃してくるゾイドたちに苛立ちまじりの罵倒を繰り返す。

 

『何をしているの!!あなたたちはエンブリヲ様の忠実な下僕でしょ!!私たちじゃなくてアンジュたち薄汚いノーマ共を殺しなさいよ!!』

 

『そうよ!獣風情が逆らってるんじゃないわよ!!』

 

『考える脳もないくせに歯向かうんじゃないわよ!!』

 

アキホ、マキ、トモミは犬のようにギャンギャン喚きちらしながらゾイドたちにアンジュたちを攻撃するよう命令を下すが、ゾイドたちはその命令を受け付けないどころか自分たちを下に見ているウザったい存在に苛立ちを募らせミスルギの兵器たちへの攻撃を中断し、上空をブンブンと飛び回っているアキホたち(ハエ)を先に落とすことを優先し咆哮を上げると同時に攻撃を始めた。

 

最初は攻撃を仕掛けてきたゾイドたちに罵倒を出せる程度の余裕はあったのだが徐々に増えるゾイドたちにそれに合わせてより密度が高まる弾幕を前に反撃は愚か回避する余裕もなくなり悲鳴を上げるようになっていた。そして陸海空のあらゆる面からの容赦ない弾幕を前に追い詰められたアキホたちは徐々に被弾していき、そしてとうとう致命的なダメージを受けトモミのタウセルトが墜落していく。

 

『きゃあああああああっ!?』

 

『『トモミ!?』』

 

デカルトドラゴンのビームによって右腕と右翼を消し飛ばされてしまいバランスを崩して落下していくタウセルトのコックピットの中で悲鳴をあげるトモミとそれを助けようと動こうとしたアキホとマキだがゾイドたちの攻撃が激しく落下していくタウセルトに近づけないでいた。そして落下していくタウセルトは襲い来るプテラスやレドラー、スナイプテラたち飛行ゾイドたちの攻撃をラツィエールやビームライフルで牽制しながら少しでも安全な地上に降りようと必死に機体を動かすトモミであるが、彼女の抵抗も虚しくその命は今この瞬間失われようとしていた。

 

『えっ────────』

 

トモミがそれに気づいたのは偶然であるが、気づくのが遅すぎた。海面が激しく揺らいだかと思えばタウセルトの真下の海から勢いよく飛び出た大型水中用ゾイドのモササウルス型ゾイド【ノーチラスモサ】がその巨大な顎を開きタウセルトを丸ごと咥え、そのまま勢いよく噛み砕きタウセルトの頭部だけが虚しくポチャンっと音を立てて落ちた。

 

『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!?い゛だい゛っい゛だい゛っい゛だぃ゛ぃ゛ぃ゛っ!!だずげでエ゛ン゛ブリ゛ヲ゛ざま゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ゛!!』

 

ノーチラスモサの強靭な顎によって機体ごと身体をズタズタに切り裂かれ内蔵や大量の血、目玉などを押しつぶされていくコックピットの中にぶちまけながらトモミは縋るようにエンブリヲに助けを求めるが、その声はエンブリヲに届くことなくそのまま海中の中へと戻っていくノーチラスモサの食事になってしまいその命を散らした。トモミがノーチラスモサに捕食されその絶叫を聞いてしまったアキホとマキは恐怖で顔を青ざめさせ体をガクガクと震わせコックピットの中で失禁してしまっていた。

 

ラグナメイルという優れた機体を貰っていようと彼女たちは今回が初めての実践であり、本当の死の恐怖を前にエンブリヲの愛などという程度の知れたものだけで戦い続けることができる訳もなく、2人はもうエンブリヲの思いに答えるとかノーマであるアンジュを殺すとかそんなことはどうでもいいと思えるくらい少しでもこの場から遠い場所に逃げて助かりたいという生存本能が優先されてしまい戦場から逃げようと機体が悲鳴をあげているのもお構い無しにスラスターを噴かして凄まじいスピードで逃げ始める。しかし・・・

 

『う、嘘・・・!?なんで追いつけるのよ!?』

 

『く、来るな、来るな来るな来るなぁぁぁぁっ!!』

 

残念なことにアキホとマキのザウディトゥとベレニケは既に先程のゾイドたちの猛攻によって燃料や弾薬などを消費している上に機体もかなり損傷していることで動きが鈍くなってしまい追ってくるデカルトドラゴンやソニックバードたち飛行ゾイドたちを振り切ることができず追い詰められていた。アキホの方はまだギリギリ何とかなっていたがマキのベレニケの方がかなり損傷していたこともあってか追いつかれてしまっていた。

 

『ひっ!?た、助けてエンブリヲ様──────』

 

そしてエンブリヲに助けを求めたマキであったが、その声が届くよりも先にギル・ベイダーによってベレニケごと捕食されたマキはコックピットごと押し潰される感触をその身で味わいながら痛みと恐怖による絶叫をあげるが、ギル・ベイダーの口内で爆散したベレニケの爆発音によって掻き消えてしまった。

 

『あぁ・・・っ!!ア゛ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!?』

 

目の前でトモミとマキの死ぬ姿を見てしまったアキホは発狂しながらザウディトゥラツィエールとビームライフルをがむしゃらにぶん回しながらスラスターが焼き切れるほど勢いよく噴かしながら少しでも敵のいない場所へと逃げようと足掻く。しかし悲しいかな、そんな足掻きを嘲笑うかのように限界が来たスラスターは爆発し飛行能力を失ったザウディトゥは勢いよく落下し地面を数回バウンドして転がりながら着地した。

 

それによりザウディトゥは武装を全て落とし、両翼も半ばから折れ、機体全体の装甲もデコボコになっていたりと悲惨な姿になってしまっていた。パイロットであるアキホもまた破損したコックピット内部の砕けたモニターなどの破片がパイロットスーツを破き身体に突き刺さり、頭から血を垂れ流しているがアキホは恐怖で震える体を何とか動かしてザウディトゥを歩かせる。

 

『に、逃げなきゃ・・・!!少しでも、少しでもあの化け物たちから離れた場所に逃げなきゃ・・・!!』

 

最早エンブリヲに選ばれた高貴な存在であるとか、ノーマであるアンジュたちを殺さなくてはなどという使命も忘れ、ただ己の身の可愛さを優先し生きたいという生物としての本能に従ってみっともない姿を晒しながらも少しずつザウディトゥを動かして逃避行を図るが、そんな彼女の前に絶望を与えるかのようにデスレックスやムゲンレックス、ブラストカルノ、ジェノザウラー、ジェノブレイカー、ギルラプター、ファングタイガー、ハンターウルフ、ドライパンサー、セイバータイガーなど様々な肉食獣をモチーフにしたゾイドたちが次々た姿を現し、アキホの逃げ道を全て潰すように取り囲みそれを見てしまったアキホは絶望のあまり立ち尽くしてしまう。

 

『そ、そんな・・・!?』

 

迫る死を前に絶望のそこに落とされたアキホは顔を青染め ヨロヨロとザウディトゥを後ずさりさせるが、既に遅くデスレックスが吠えたのを合図に我先にとザウディトゥに襲いかかり、最初に襲いかかったザウディトゥの右腕に噛みつき引きちぎろうと顎に力を込めて勢いよく引くとコードや部品などをバラけながら右腕が引きちぎられバランスを崩したザウディトゥの左足をギルラプターが鉤爪で切り落とし、右足をジェノザウラーが噛みつき乱暴にそのままザウディトゥをぶん回してから投げ捨てるとブラストカルノが残っていた左腕をその大きな顎でキャッチしそのまま地面に投げつける。その衝撃によって左腕もち切れザウディトゥは達磨状態になって地面に転がる。

 

『ぅぁっ・・・。も、もうやめて・・・』

 

巨大な肉食獣たちに襲われ、まともに動かない機体の壊れかけのコックピットの中でアキホは力無い声でそう懇願するもゾイドたちは獣の本能に従い狩りで捕らえた獲物を美味しくいただくようにその顎を開いてザウディトゥに迫り、それを見てしまったアキホは泣き喚き助命を懇願し始めた。

 

『い、イヤァァァァ!?死にたくないっ!!死にたくないぃぃぃぃっ!!お、お金!!お金あげるから命だけは許して!!お、お金だけで足りないなら私の体も好きにしていいから!!経験はないけど精一杯ご奉仕しますから!!』

 

命乞いするアキホは自分の出せるものを必死に提示して見逃してもらうよう懇願するも機械生命体であるゾイドにアキホが提示するものなど全くの無意味であるし何よりも今のアキホはデスレックスたちにとって狩り仕留めた獲物でしかなく、格下の懇願を聞くわけがなかったりするのだがそれに気づかないアキホはとうとう命を奪おうとしていたアンジュにまで命乞いを始めた。

 

『アンジュリーゼ様ぁぁぁぁ!!助けて、助けてくださいっ!!もうノーマだなんて言わないしなんなら奴隷になって絶対服従しますからっ!!どんな命令にも従う忠実な犬になりますっ!!だから命だけは──────』

 

アキホはみっともなく生にしがみつこうと必死に自分を売り込むがその懇願が今更アンジュに届く訳もなくムゲンレックスがコックピットごとアキホを捕食したことにより絶命。アキホはムゲンレックスの口の中で機体ごと身体を押し潰されズタズタに切り裂かれ、ザウディトゥの爆発によって肉片となった身体を焼き尽くされその亡骸は塵と成り果てた。

 

 

 

────────エンブリヲの新生ダイヤモンドローズ騎士団はアンジュたちを相手に何かできた訳でもなくゾイドたちの餌として食い散らかされてその命を無惨に潰えた。何の役にも立たなかった彼女たちはまさにマナの力で胡座をかき他者を見下す典型的なミスルギ国民と同じ口だけの無能でしかなく、彼女たちの存在は憎しみを向けていたアンジュにすら忘れられ誰にも気に止められないままだった・・・

 

 




あとがき
フジでのファウンデーション王国の戦闘は今回で一旦終了するかもしれません。当初の予定だとシュラの裏切りの前に復帰したキラがラクスと一緒にマイティフリーダムガンダムに登場して暴れてからシュラがグリフィンたちを処刑して裏切る展開を考えてたんですがキラの登場シーンが上手くまとまらなかったのでこうなりました。ベイルとジーンの戦いに一旦の決着は着きましたがジーンが本当にここで終わってしまったのかは今後の話に期待して貰えると嬉しいです。次回こそフレイヤ攻略とダモクレス突入編に入ろうと思います。原作とは違いスザクがいないことで攻略方法は大きく変わってしまうと思うので読んでもらって違和感がないように頑張りますのでどうかよろしくお願いします。

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