ようこそヤンデレ達の教室へ 作:ヤンデレの素晴らしさをまとめろ
◇肝心のクラスは…
「えぇ、行きましょうか」
有栖は杖を持っていない左手の方で俺の手をしっかりと握りながら、そっと立ち上がる。
「にしても、3年間連絡含む外部への接触が禁止とは…良くやるよね、有栖のお父様は」
「ふふ…まぁ父にも何かそうする理由があるのでしょう。それより、クラスを確認しに行きましょう。雄二君と私が一緒のクラスなのか、とても気になりますので」
「そうだな……俺も有栖と一緒のクラスだったら凄く嬉しいよ」
そう返すと、有栖が右手に持っていた杖で俺の足を突いてくる(地味に痛い)
「もう!」
照れ隠しの様に俺の足を杖で突く有栖の頬は赤く染まっていた。にしても俺は、原作1年生編は既に読んでいる訳だけど、原作知識で龍園とかぶっ倒して無双とかした方が良いんだろうか。
けど好き勝手に原作ブレイクして、訳分からんストーリーになったらそれはそれで怖いし、一応は大人しくしておいた方が賢明なのかな?……まぁ能力にヤンデレヒロインや主人公補正とかがあるって時点で、全く同じ原作通りの展開に行くとは思えんがね。
桜の木が綺麗に立ち並ぶ道を歩き進み、その先にある正面玄関を潜り抜け、校舎の中に入った俺達は、案内に従ってクラス分けが張り出されている場所に向かう。
「あら、かなり混んでますね」
有栖のそんな声に釣られて、俺も有栖の視線の先に目を向けてみると、クラス分けが張り出されている場所に凄い人集りが出来ていた。
「あれは少し有栖にはキツイね……俺が見てくるから、有栖はここで待ってて」
「ありがとうございます。雄二君♪ 」
有栖の笑顔を見た俺は顔が熱くなる感覚を覚え、それを隠す様に有栖に背を向け、その人集りの中に入っていく。
「あの笑顔は反則だよなぁ……うーんと、俺のクラスは〜」
ひとまず一番右のDクラスから探してみよう…有栖が幼馴染なんだし、恐らくAクラスだろう!なんて思考にはならない。こういうよう実の転生系の二次創作って大体DかCから始まるんだよ。
よって、そこら辺が可能性高いのだが俺の名前は…やはりDクラスにあった。有栖は原作通りAクラスだ。
有栖と離れたのは凄い残念だが、まぁDクラスでも第二の推しキャラである堀北鈴音と主人公である綾小路君に会える訳だし、まぁ全然オッケーではある。
「有栖がAクラスで、俺がDクラスだったよ」
人集りの中から抜け出し、有栖の元へ戻る。早速結果を伝えた所、有栖は顔を顰める。
「それは残念です…雄二君と一緒のクラスだったら良かったのですが」
「まぁ全然放課後とか会いに行くからさ…ほらいつもの様に笑顔になってよ。可愛い子には笑顔が一番似合うって良く言うしさ」
「か、可愛い!ですか……まぁ、もう既に決まった事ですし、しょうがないですもんね。では、とりあえず私達のクラスも分かった事ですし、入学式が行われる体育館へ行きましょうか」
転生して本当に良かった(感動) 神様…本当にありがとう!髪なんて言ってごめんね!いやはや、目の前にいる有栖を見たらどんなに怒りを感じてても、一瞬で吹き飛びそうだわ。
まぁでも意外と禁書の世界に転生して某電撃娘のビリビリさんと……って!危ない危ない、せっかくよう実の世界に来てるっていうのに、別の作品出すのは良くないよな。
有栖と並ぶ様に廊下を歩く。少しだけ周り道しませんかという有栖の要望の元、俺達は今現在特別棟とやらにいる。
「雄二君…気付きました?」
ふと、有栖がそんな事を聞いてくる。普通なら主語も何もないその問いに答えなど浮かぶ筈がない。
ただ今の俺なら別だ。先程から常人では絶対に気付かれない程度にさり気なく天井の方へ視線を送っていた有栖を見逃す俺ではない。
「監視カメラ…だろ?」
そう言うと有栖は小さく微笑み、俺の方を見上げてくる(身長的にね)
「流石です。やはりこの学校は普通ではありませんね、勿論校内に監視カメラを設置する分には問題はありませんが、注目するべきはその多さです」
「確かにあの数は普通じゃないよね…全く、有栖のお父様は一体何を考えてるのやら」
まぁ答えは既に原作を読んでいるので知っているのだが、今の所はこんな感じの返答で良いだろう。
「ふふ…いずれは雄二君のお義父様になるのだから、考えている事もしっかりと分からないとダメですね」
有栖の冗談とも本気とも取れるその発言に(恐らく本気で言っていると思われるが)俺は黙り込んでしまい、少しだけ気まずい空気が流れるも、その空気をぶち壊す存在が目の前の廊下の先から歩いてくる。
あれは…堀北学やんけ。生徒会長様が何でこんなところに?隣にはしっかりと生徒会書記である橘茜を連れている。
「ん…?お前達、こんな所で何をしている」
その眼鏡の奥にある眼からは、答えない事など許さないと言った意思をひしひしと感じる。
「私は1年生の坂柳有栖と申します。そしてこちらは……「佐藤雄二です」それで貴方は…」
「堀北学。この学校の生徒会長を務めてる者だ。そしてこっちが「橘茜です。生徒会書記をしています」それで、先程俺がした質問への答えがまだ返されてないが」
うーん、実際に間近で見てみると堀北学の威圧感凄いなぁ。にしても、こうして見ると堀北鈴音と結構似てるとこあるな…やっぱいくら仲が絶望的に悪くても結局は兄妹って訳か。
「ただ校内探索をしていただけですよ」
有栖が笑顔でそう答えるも、学の表情は依然真顔のまま変わらない。
「ほう、では何故お前達は今特別棟にいる?校内探索なら先にあっちの本校舎をする方が先ではないか?」
「ただ単にこちらの校舎の方が気になったから…これでは理由としては不十分でしょうか?」
その有栖の言葉に、学は口を開く訳でも無く、黙ったまま有栖を鋭い眼光で見つめる。
「……まぁ良いだろう。坂柳と佐藤だったか、もうすぐ入学式が始まるぞ。早く体育館へ向かえ」
その言葉に俺と有栖は頷くと、そのまま2人揃って学の横を通り過ぎる。後ろから視線を感じるが、無視してそのまま廊下を突き進む(あ、しっかりと有栖の歩くスピードに合わせながらね)
にしても堀北学……あそこ見逃してくれんのね。あの眼、明らかに俺達の事疑ってたけど、まぁ暴力という手段に頼らなくて良かったと言わざるを得ないねうん。