ハッピーハロウィン!
皆さんは、例年であればキヴォトス並みに混沌と化す渋谷に行ったことはありますか?僕はありません。めっちゃ怖いです。ニュースで見て、外野からお祭り騒ぎを笑って見てるだけで十分お腹いっぱいです。
それと一つ謝罪を。実は本文を書く時間が足りなくて描写出来なかった所が大量にあるんですね?何なら、説明すらしてないまでありますし。ですので、意味不明なところとかあるかもしれません。ごめんなさい。
それと、マスコット枠を殆ど出せなかったです。なので、明日もう一本ハロウィンの話を投稿します。
重ね重ねお詫び申し上げます。
――カタカタカタ
夕闇に包まれたアビドス砂漠。そこに響く骨がぶつかり合うような音が響く。
「んー、マエストロが言ってたのって、あれだね」
「知らない、どうでもいい、早く帰りたい……」
「ホシノちゃん、似合ってるわよ?」
「そんなこと言われても嬉しくないですよ……」
そんな不気味さ溢れる砂漠に踏み行った三人の少女達の賑やかな声が聞こえてくる。すると、先程までカタカタと鳴らしていた骨の音が――
――ケタケタケタケタ
何処か嗜虐めいた嗤い声へと変貌した。それと同時に、少女達は嗤い声の主と対面を果たす。それは、骨だった。ただ、頭は骸骨ではなくカボチャ。右手には黒いドロリとしたナニかを持ち、左手はその骨の身体を覆うように纏われた襤褸きれに隠されていた。
「うっわ……」
「ら、ララちゃん?あ、あのおっきい骸骨がララちゃんが言ってた……」
「はい、そうですよ。にしても、ランタンを持たないカボチャ頭の彷徨う亡霊……か。さしずめ『ジャック・オー・ランタン』からランタンを抜いた『ジャック・オー』ってところかな?」
ピンクの髪の少女――ホシノが目の前の怪物にドン引きし、水色の髪の少女――ユメがおっかなびっくりとした様子。そして、金髪の我らが主人公ことララは何処ぞのギルティなギアで聞いたことがあるような名前を怪物へと付けた。まぁ、彼女に比べたら愛嬌の欠片もないのだが。
「さーてと、折角魔法を使えるんだから、バシバシ使ってこう!」
「ヤダ、私は銃で良い」
「フッフッフ、残念だね、ホシノちゃん。マエストロとゴルコンダに頼んで銃火器での攻撃は99%レジストするようにして貰ったからね!ただ、その代わりに
「…………帰る」
「ホシノちゃん、私も一緒に頑張るから!ね?」
「ダーメ。ほら、ホシノちゃんの相棒が悲しそうにしてるよ?」
ユメの言葉で顔を上げ、ララの言葉でホシノは視線を右側へ――自身の右肩に当たる部分へと向ける。そこには、うるうると涙を滲ませホシノを見つめる手乗りサイズのクジラ。
この小型生物はホシノの肩だけではなく、ユメ、ララの肩にもいる。ユメの肩には鼻提灯を膨らませ、うつらうつら船を漕ぎつつも目はパッチリと開いている獏が肩の上で丸まり、ララの肩には少しだけふよふよと浮いている目玉みたいな小型の球がいた。
クジラに見詰められたホシノは、うっ……。と、声を漏らしてクジラから目を逸らし、ララとユメからの視線に気付いたのか、はたまた自身が着ている衣服に対する羞恥が再び襲い掛かってきたのか、ボフンと音を立てそうな程一瞬で顔全体が赤くなる。そして、その顔を隠す為に俯き、動く度にヒラヒラと揺れるスカートの裾を握り、蚊の鳴くようなか細い声で言葉を発した。
「それでも…恥ずかしい…から、イヤ……」
シーン……と、静まり返る一同。一拍を置いてから、ララはホシノへと飛び付いた。
「何この激カワ生物!!私と一緒にk――」
「は、離れろ!」
「むぎゅっ……ごめんごめん」
だが当然ホシノには抵抗され、顔が潰され不細工丸出しに変貌させられた。
などと、のんびりと緩い空気が流れていたのが数分前。では、今はと言うと、
「ちょ、あっぶな!リソース間に合わないんだけど!!フレアランス!」
ララは、ジャック・オーの右手から伸びてきた影の槍に向けて炎の魔法を叫ぶ。それと同時に彼女の背後に浮かぶ本棚から赤色の本が一冊だけ浮かび上がり、ララの右手の辺りへと飛んでいき、光と化して消えた。その光がララの左手に集まり炎の槍となって射出される。
炎と影、二つの槍は空中で衝突して、パァンッ!!と大きな音と共に熱を放出して消えた。ララは、右手にルービックキューブによく似た立方体を浮かべ、色を揃えるためのルートを頭に思い浮かべる。
すると、独りでにカチャカチャと音を立てて、立方体の色を変えていく。その間にも勿論、ジャック・オーの攻撃は止まない。ララは、身を捻って躱したり、ストックされている本を使って魔法によって相殺しているが、それでも若干不利だった。だが、ララが地に伏せることはなかった。
現に今も回避出来ずに影の槍が四方を埋め付くしララの小柄な身体を滅多刺しにせんと襲い掛かる。だが、左の槍は空中にポンッと可愛らしい音を立てて現れた水玉模様の傘に受け止められ、右側の槍はララの背後から飛び出てきた神速の赤いナニかが切り裂き、そして跡形もなく燃え尽きた。
「ありがとう!ホシノちゃん、ユメ先輩!」
「いいのよ、ララちゃん。それより、あの子、何とか出来そう?」
「礼はいらないから、早く終わらせてよ」
ユメは自身の身の丈程の杖を手に持ち、ララの後ろから現れ、左に並ぶ。それと同時にジャック・オーの影と斬り結んでいたホシノが後ろに大きく飛び退ってララの右側に着地する。その手には轟々と燃える炎の剣が握られていた。
二人からジャック・オーの対策法を聞かれたララは一つ頷いて、
「大丈夫です。ただ、後20秒だけ時間を稼いでくれませんか?」
「「分かった」わ」
ララの言葉に頷いた二人はそれぞれが行動に移る。ユメは杖を振るって自身の頭上に無数の水鉄砲を出現させ、ビームを放つ。放たれたビームは真っ直ぐにジャック・オーへと向かう。
――カタカタカタ
ジャック・オーはカタカタと骨を鳴らして右手に持った影を操り盾へと変えて受け止め、反撃として影を鞭のようにしならせて襲わせる。
「ホシノちゃん!」
「任せて下さい」
ユメの声にホシノは淡々と返して、剣の柄に着いているボタンを押す。すると、炎は収まり、ただの先端に太陽の飾りが付いた棒となる。
ホシノは、太陽の飾りを手に取り、胸元に戻すと同時に頭に付けた三日月の髪飾りを手にし、先端に取り付ける。すると、棒は光と共に弓なりに形を変えて青い光が両端を結びつけ、弓となる。
そのまま、矢をつがえることもなく弦を引っ張る。すると、弓から青白い光が集まり青い冷気を漏らす矢へと変貌する。そして、ホシノが弦から手を離し矢を放つ。放たれた矢は、勢いよく飛んでいき、やがて空中でパリンと音を立てて割れる。割れた氷の矢はそれぞれが生きているかのようにジャック・オーの影から逃れるように避けながら本体へと飛んでいく矢とこちらへ向かってくる鞭へとぶつかり相殺する矢で別れた。
幾筋ものビームと大量の氷の矢を受け止めた影の盾は軋み罅が入る。そして、攻撃が止むと同時に盾が粉々に砕け散り、ジャック・オーは大きく体勢を崩す。明確なチャンスだ。攻撃の硬直によって動けないホシノとユメは見事時間を稼ぎ、バトンを繋ぐ為に声を張り上げる。
「ララ!」
「ララちゃん!」
そして、カチャリと音が鳴る。
音の発生源はララが持つ立方体。そして、ルービックキューブに似たそれは、六面あるうちの四面の色を一度で揃えていた。
六面あるうちの色が揃った――青、緑、白、黒の面だけが発光し、立方体が消滅。その後に残ったもの青と緑、白そして黒の三つの色が混じった一冊の本。ララは、現れた本を一瞥して左手で掴み取る。すると、再びルービックキューブが現れるが、それには目もくれずに魔法を唱える。
「死して尚、迷い彷徨う哀れな魂よ。現世での罪を悔いるのならば、我らが主の御身元へと送り届けん」
ララの祝詞に合わせるように本はバラバラと音を立ててページが勢いよく捲れていく。そして、ピタッととある1ページで止まった。そして、ララは微笑みを称えて口を開いた。
「
本は一際強い光を放ち、光の奔流と化したそれはホシノとユメ、そして、ジャック・オーをも呑み込み、やがて収束する。眩い光に目を閉じていた三人が目を開けると、目の前にいたジャック・オーは塵すら残さずに消えていた。
ふーっ。と、一斉に息を溢した三人は、何となくジャック・オーが立っていた場所まで歩いていき、黙祷を捧げると共にアビドス高校へと帰っていった。
大変申し訳ない。では、また明日。
実は、設定資料はこれの数倍ある。と言うのは、内緒の話。