開発者少女は最善な未来の夢を見る   作:タニコウ

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Q「ララって、読者達のこと認識してたりする?」
A「読者だとは気付いてないけど、誰かに見られているのは気付いている。尚、基本的にはゲマトリアだと思っている模様」



閑話 水族館に鳥いるのって、結構場違いだよね

 

「ホシノちゃんララちゃん!見て!あそこにクマノミがいるよ!」

「ユメ先輩、落ち着いて下さい」

「そう言いつつも、ニモから目を離さないホシノちゃんでしたとさ」

「うるさいララ!」

 

 おいっすー!天裏ララでーす。え?テンションおかしいって?そりゃあ、テンション高い二人を見てれば勝手に上がるってもんよ。それにしても、キヴォトスでもクマノミっているんだね。何なら他にも地球の魚もちゃんといるし、かと思ったら向こうで見たことない魚がうじゃうじゃいるから不思議なもんだね。いつか、海もだけど、山とか川とか色んな場所の生態系調査とかしてみたいね。

 

 あ、話が逸れたね。それで、今私達がいるところなんだけど、ここはアビドスの隣の隣の隣くらいの自治区にある水族館です!くっそ、遠かったよ。車で6時間くらい掛かるからどこでもドアで来たお陰で体感3秒もかかってないけどね。

 まぁ、水族館ならアビドスにも一軒だけあるんだけど、そこの規模が小さいことよ。何と、敷地はここよりも広い癖して魚の数がここの1/5だってさ。流石アビドス。面積だけはデカイ癖して色々規模が小さい。まぁ、今はそのバカデカイ敷地も居住可能区域以外ぜーんぶ失ってるんですけどね。因みに、このことは私しか知らないよ。アビドスが好きな二人には教えられない。

 それで、私は向こうの目的を知ってるからちょこちょこと、カイザーの調査が終わってて都市開発が進んでいる(使える)土地は利子返済の時に多くお金積んで取り戻してるけど、流石にまだ二人には言えない。

 

 あ、また話逸れてた。せっかく水族館にいるんだし、政治の話なんかより楽しい話をしないとだよね!実は、今回の遠征には私達3人以外にも参加者がいるんです! 

 

『キュッ、キュキュー!』

「おぉ、キューちゃんも喜んでるねー」

 

 まぁ、人間じゃなくて空を泳ぐクジラなんですけどね。やっぱり、クジラなだけあって海の生き物が集まる水族館はテンションが上がるみたい。ホシノちゃんの髪の毛に含まれてる神秘から産まれたのに海が好きって、どういうメカニズムしてるんだろ?もしかして、ホシノちゃんの嗜好の影響かな?いや、キューちゃんはユメ先輩は当たり前として、私にも懐いてくれるけど、ホシノちゃんは変わらず私には冷たいから違うかな。

 

 そう言えば、海に行かないの?と、思ってる人もいると思うけど、今は11月も三週目なのです!え?知ってる?あー、キューちゃん産まれたの10月31日(ハロウィン)だもんね。そりゃ、分かるか。失礼失礼。

 

「見て見て!クラゲよクラゲ!」

「綺麗……!」

「そうだね」

 

 クラゲが容れられた水槽の前に立ってキラキラした顔で私に手招きをするユメ先輩と、さっきまでツンと気取ってたホシノちゃんは、底からのライトを反射させて光るクラゲの魅力にすっかり取り憑かれたのか水槽にべったりしてユメ先輩よりも興奮している。

 いやー、二人を見ているだけで私は満足なんだけど、呼ばれたのに行かないのは私のポリシー(二人を最優先)に反する!と言うわけで、一枚写真をパシャリ。よし、二人の方に行こっと。

 

 それにしても、可愛いね。ん?何がって?クラゲだよクラゲ。決して、ユメ先輩とホシノちゃんを可愛いとは思ってないよ。だって、二人が可愛いのは当たり前のことですし、今更、確認する必要もない事実なのですよ。

 

 そんなことを考えつつ、二人の隣に立ってぶらぶらと水族館を見て回った。数万匹のイワシによるトルネードだったり、ラッコの貝割りを見たりした。

 凄いね、ここのガラス。思いっきりラッコにガンガン石で殴られてもビクともしてなかったよ。対衝撃性バツグンだね。そして、チンアナゴを見つけてしまった私はついつい身体が動いてしまう。

 

 さかな~

 

「ち~んあなごォ~」

「ララちゃん?その…何してるの?」

「頭おかしくなった?」

 

 ………………。いやね、うん…。せっかく水族館来たんだし、やりたかったの。そりゃ分からないよね……。ごめんね。でもね、ホシノちゃんや、頭おかしいは言い過ぎだと私は思うな……。ぐすんっ。

 

 何てことをやってとうとうやって参りました!私的にどうしてコイツらが水族館にいるのかさっぱり分からない!…………ペンギン達です!

 

「かわいい……もふもふ……」

「キャー!あの子見た!?今、コテンって!可愛い!」

「いやー、確かに可愛いっすね」

 

 特に二人。何かここってペンギンとふれあえる珍しいタイプの水族館だったらしくて、今ホシノちゃんは産まれたてもふもふの赤ちゃんのペンギンを飼育員さんに特別に触らせて貰ってて顔が蕩けてる。そんで、ユメ先輩は私の隣で色んなペンギンに囲まれてる。まぁ、囲まれてるのは私のせいなんですけどねー。

 どうしてか、私ってあり得ないくらい鳥類に好かれるんだよ。鳩なんて何回も私の頭に止まってきてゴロゴロするし、雀は私の肩でちゅんちゅん鳴いたりすんだよね。癒されるから良いんだけど、必ず立ち去る時におしっこ引っ掻けるのは止めて欲しいの。お陰で温泉玉を持ち歩かないといけなくなってしまった。

 

 だから、私って動物の中でも鳥は飽きるほど触ってきた訳なのだ。別に嫌いと言うわけではないんだけど、わざわざ水族館にまで来て見たいかと言われると、ん?ってなってしまう。ペンギンはそう簡単に触れないだろ?と言われても、ちょーっと南半球のオーストラリア辺りに行って指笛ぴーってすれば勝手に来るし……。

 

 まぁ、今回は二人のはしゃぎっぷりを見れるから来て良かったけどね。いやー、ペンギンと戯れる美少女二人。眼福眼福。

 

 最後にユメ先輩の為にぴーって指笛を吹いて、数少ない私達以外の所にいたペンギンを集める。そしたら、当然私の所にペンギンが全部集まる訳で、そうなると他の人の周りには一匹たりとていなくなるわけだ。要するに、

 

「あの、お客様――」

 

 スウッ…スッ…スウッ……スンマセンシタ…

 

「あはは……あれは流石にやりすぎかな?」

「…………ペンギン、触りたかった…」

「ホントスンマセンシタ」

 

 見事、私のせいでペンギンエリアから追い出された私は、ユメ先輩の困ったようなやれやれ顔とホシノちゃんのしょんぼりとしたジト目によって肩身の狭い思いで先を歩く。

 ヤバいヤバい。罪悪感がヤバい!ユメ先輩はともかく、ホシノちゃんの気を逸らせそうな何かはないのか!…………あ、あれは!

 

「きゅ、キューちゃん!あれを見て!」

『キュ?……キュ!キュキュー!!』

 

 私が見つけたのはキューちゃんの同族。つまり、

 

「わ、おっきいクジラ……!」

「おー、ホシノちゃん今日一の笑顔だ」

「本当に大きいわね」

 

 そうクジラだ。しかも驚くことに、所謂ハクジラと呼ばれるイルカみたいな比較的小型なイルカやシャチとは違う。ヒゲクジラと呼ばれる方のよく知られてる巨大なガチのクジラだよ。よくもまぁ、あんな巨体を容れられる水槽と水を用意したものだ。地球では作る機会がなかった(興味なくて作ってなかっただけとも言う)からさ、その技術力に素直に称賛したいよね。

 

 大きなクジラを見て機嫌を何とか取り戻してくれたホシノちゃんを連れて、とある場所へ赴く。そこは野外。扇状に広がる席に座り、時間を待つ。まぁ、ここまで言えば分かると思うけど、イルカショーだね。

 

「あ、そう言えば二人に言うの忘れてましたね」

「え?」

「何なの?」

「合羽、持ってきました?」

「「あ……」」

 

 因みに、私達が座ってるのは一番前です。さて、どうなるかお分かりですかね?勿論、私も持っておりません。でも、大丈夫!

 

「こんなこともあろうかと全員分のパーカーを用意してるんで後で渡しますね!」

 

 そう、透けたら困るから羽織る物を持ってきたのだ!いやー、私ってば賢いね!

 

「ララ」

「どうしたの?ホシノちゃん」

「今11月だよね?」

「まぁ……そうだね……」

「そろそろ夜だよね?」

「うん」

「寒いよね?」

「まあ……アビドスは氷点下までは下がるよね、砂漠だし」

 

 

「パーカーだけだと風邪、引くよね?何で着替えじゃないの?そもそも合羽持ってくれば良かったんじゃないの?」

 

 

 ………………。

 

 いやいや、ホシノちゃん困っちゃうなー。私だってたまたま持ってきただけだし――

 

「本当に?」

「本当本当」

「何で目を逸らすの?」

 

 …………。

 

「もしかして、こうなるって分かってたの?」

「……黙秘します」

「ユメ先輩」

「ララちゃん。本当なの?」

 

 ……。

 

 これ最初からホシノちゃんにバレてぇら。あ、イルカがジャンプした。

 

 

 

 

 

「あの、ホシノちゃん?」

「嫌い」

「カフッ……」

 

 で、でも――

 

それ(パーカー)羽織ってると別に寒くないでしょ!?」

「確かにそうね?何でなの?」

 

 ふっふっふ、説明しよう!私達が羽織ってるこのパーカー。何とこれには体温調節機能に、防弾防刃防塵防汚防水性能が完全搭載。更には、フードを被ることで光学迷彩と遮熱による熱感知すらも通さない完全ステルス性能まで搭載。要するに、完璧な戦闘装束なのです!因みに、アビドスの制服にも同じ物を施してます!今日は皆私服だったからなかったけどね。

 と言うのを簡単に二人に説明すると――

 

「あら?防水性能?」

「アッ…」

「ララちゃん?」

 

 スウッ…。ホ,ホシノサンタスケテ。

 

「ララ」

「ホシノちゃん……!」

「ほんっとうに、嫌い」

「グフッ…」

 

 

 

 く、な、何とか立ち直れた。墓穴を掘るってのはこう言うことか。ま、まぁ、ここはお土産コーナーですし?二人に何か気前よく買うことで機嫌を取りまっしょい。ん?

 

「ホシノちゃん、それ欲しいの?」

 

 ホシノちゃんが眺めてるのは、シャチ、イルカ、クジラの三等が入った手乗りのぬいぐるみ。それと、横にある大きなクジラのぬいぐるみにも目が行ってるね。

 

「いや、別に」

「そう」

 

 ツンとした態度で別の所に行くホシノちゃん。

 

 まぁ、ホシノちゃんのクールぶってるところなんて今まで何回も見てきてるんで、私には欲しいのがバレバレなんですけどね。だから買っちゃおっと。ついでにユメ先輩には大きいサメのぬいぐるみでも買っておこっと。

 あ、ユメ先輩がキーホルダー持ってきた。

 

「見て!これ皆で一緒の買いましょ!」

「良いですね。買いましょうか」

 

 私はユメ先輩から三つのクジラのキーホルダーを受け取ってレジに向かう。にしても、クジラ推してるね、ここ。まぁ、本物がいる珍しい水族館ならそりゃあ推すか。

 

「35680円になります」

「……カードで」

 

 少し財布に痛手だけど、所詮は数万円だからね。それで二人の笑顔が見れるなら問題なし。はい、二人にプレゼントです。

 

「え、こんなに高いの貰えないわ!」

「いえいえ、プレゼントですから」

「でも!せめて半分だけでも!」

 

 いやいや困りますよユメ先輩。だってこれは、

 

「さっき服濡らしちゃったお返しですから」

「で、でも――」

「もしかして、ララ――」

 

 ホシノちゃんが何かに気付いたのか、私をキッと睨んで何か言おうとしたと同時に、私達は外に出て、

 

「ほい、温泉玉」

 

 私は黄色い玉を地面に叩きつける。モワッとした温かい湯気が私達を包み、水で濡れた服を一瞬で乾かして、更に温泉に入った後みたいなポカポカとした温かさとさっぱりとした気分になる。

 

「よし、これで帰れるね」

 

 私は、制服のポケットからどこでもドアを出して設置。扉を開くとアビドスの生徒会室。ポカンと口を開けてるユメ先輩を横目に、何かに気付いた様子のホシノちゃんの口に人差し指を添えて小声で耳元に囁く。

 

「ここは、私を立ててくれると嬉しいな」

「やっぱり――」

 

 私はホシノちゃんの後ろに回り込んで二人の背中を押して口を開く。

 

「じゃ、帰りましょっか!」

 

 私達はアビドスの砂漠へと姿を消した。

 

 

 イルカショーで濡らしたことは土下座する覚悟で必死に謝った。許して貰えて良かったよ。土下座はさせて貰えなかったけど……。





次回は月曜日かな?もしかしたら土日の間に出せるかもしれないけど、期待しないで下さい。水族館終わったけど次回も閑話じゃけぇ。

アンケートは今回もなしです。


水族館にクジラって最低でも30000トンの水槽が必要らしいです。日本最大の水槽で7500トンらしいです。桁が違いますね。

因みに、ララちゃんはセミナーのとある方程ではないけど、記憶能力エグいです。大体、二年前の朝ごはんの内容を日付を言われてパッと思い出せる程度はあります。
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