開発者少女は最善な未来の夢を見る   作:タニコウ

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今でも覚えている。あれは、4月5日14時頃のこと。歩道橋をポケモンGOをしながら歩いていた僕は、階段を下りている時に気付いた。気付くことができた。それはたった、一本の空き缶。僕は、慌てて足を大きく踏み出した。そう、階段で。傾く身体、身を守る為に利き手を手摺りへと伸ばす。何とか手摺りを掴んで、崩れた体勢を立て直す。それと同時に僕は先ほどまで手摺りを掴んでいた右手を呆然と眺める。『そう言えば、僕は右手でスマホを持っていたな』と。階段の下からバキッて言う小さな、だけど僕からしたらとても大きな音が聞こえたんだ。
慌てて、階段を掛け下りて無惨にも変わり果てた僕の相棒を見る。血に塗れた(バッキバキに割れた)(画面)呼び掛けても(電源を入れても)開かない(点かない)(液晶)。急いで相棒を抱き起こして(拾い上げて)病院(ド○モ)へと向かう。でも、僕の家の近くにある病院(ドコ○)は完全予約制だったんだ。目の前が真っ暗になる気分だった。
『残念ですが、この子は、もう……』
告げられた残酷な言葉。頭が真っ白になった。

ってことがあって、機種変したら、ブルアカの引き継ぎが上手く出来てなくて、クソザコサブ垢しかデータを戻すことが出来なくて萎え散らかした結果、2ヶ月もサボってたタニコウさんです。でも、大体9000文字も書いたから許してほしいな。因みに、渋のお陰でユメ先輩の名字が梔子だったのと、列車に乗ったシュポガキと戦うのは知ってるんですけど、他のアビドス3章はさっぱりです。ですので、ここまで揃っちゃったら原作遵守は諦めて好き勝手やります。それでもいいよと言う方のみ本編に進んで下さい。嫌だよと言う方は、ブラウザバックしてどうぞ。


さよなら、完全体ホシノと完全体ではないけど絆ランク80のアズサにシロコ、また機会があれば会おう。
心残りはありまくりですが、もう二度と会えないミクと食蜂さんに比べればまだマシですよ。……グスン
先生レベル37になっちゃった……。ストーリーの非エロ倒せないよ……。グスン…


#29 天裏ララと休息、そして決起

 

 

 

「ふゎ~ぁ、つっかれだ~~~っ!!」

「えっと……まだ朝なんだけど、ララちゃん?」

「どうせララのことだし、また徹夜したんでしょ」

 

 さっすが、ユメ先輩にホシノ。私のこと分かってらっしゃる。どうも、三週間ぶり5月上旬からこんにちは。天裏ララです。え?2ヶ月くらい空いてるって?それはー……あれだよ、そう。時間の歪みってやつ。そっちでは2ヶ月経ってても、こっちでは三週間しか経っていないのだ!だから、文句は受け付けないよ!

 それにしても、この三週間の間ずうっと、研究室に籠ってたんですがね。よーやく!無事に例のノノミちゃんパッパからの依頼の準備が終わったんだよ!

 いやー、大変だったね!ドローンやら大砲やらは一回作っちゃえば後はアカシアが工場でバンバン作ってくれるんだけど、今回私が作った最終兵器とも言える『神秘砲』がこれまたすんごい時間掛かったの!大体、製作期間2ヶ月くらいはこれに費やしたんじゃないかな?他にも、走らせる予定のリニアを作ったり、敷設予定の線路やらケーブルやらその他諸々も作ったりとそりゃあ、大忙しだったんですよー。だからね、

 

「1日くらいは大目に見て欲しいかなーって思うんだ?それに、今日で全部終わったからさ!お願い!ホシノの説教は嫌なの!!」

 

 主に、私の心がホシノの正論でもたないの……。

 

「……はぁ。言ったからね?」

 

 ホシノはため息を1つ吐いてから念押しするように言ってくる。いやはや、少し丸くなって素直になったホシノはそれだけできゃわわですな。

 

「勿論です!ボス!!」

「……ボス(生徒会長)はララでしょ」

「ナイスツッコミ!うぇ~~い!!」

 

 私は、華麗なツッコミを披露してくれたホシノにハイタッチをしようと手のひらを見せる。

 

「うざい、ララ」

「なっ……」

 

 パシ、と叩き落とされた手が重力に従って虚しく揺れるのを見つめながら、私は膝をついて、

 

「ほ、ほ、ホシノが反抗期だぁっ……!」

「…………」

「そんな冷めた目で見ないでよぉっ!」

 

 と、わざとらしく嘆いてみるけど、返ってくるのはいつも通りの『何してんだぁ?おめぇ』とでも言うような絶対零度の視線。余りにも、悲しすぎてカナシミドミノになっちゃうね。

 

「ウワーン、ホシノがいじめるよー」

「あらら、それは可哀想ですね~☆」

 

 私は、ホシノの鋭い視線から逃れるようにノノミちゃんに抱き着く。そして、私の絶壁とは違う双丘に顔を埋める。うむ、いい匂い。いや、自分で言っといてなんだけど、キッショいなぁ。

 それにしても、ノノミさんや。その語尾に付いてそうなかわいらしいお星さまは、煽りかな?明るく振舞ってるだけなんだろうけど、文字に起こすと煽ってるようにしか見えんのよ。まぁ、私がバカやってるから当然か。――っぁ

 

「ララ先輩は頑張り屋さんですからねぇ~♪」

「うぇっへ、もっと褒めて~」

「まぁ!今日のララ先輩は甘えん坊さんなんですねぇ☆」

 

 うぇへへへ、ノノミちゃんに頭を撫でられてもうた。極楽浄土ぉ~。

 

「ララを甘やかしすぎ、ノノミちゃん」

「まぁまぁ、ホシノちゃん。ララちゃんが珍しく甘えてるんだから、いいことじゃないかな!」

「うへへ、ノノミちゃ~ん」

 

 うへっ、ホシノがノノミちゃんに何か言ってるけど気にせんとこ。「ノノミちゃ~ん、耳掻きして欲しいめう~」あ、声漏れた。まっず……。

 

「キショい。私に近づかないで」

「あはは……ごめんね、ララちゃん。今のは私でも流石にちょっと庇えないかなーって」

「…………ハイッ」

「そうですね~。では、後でご褒美としてやってあげますから、取り敢えずミーティングしませんか?色々と打ち合わせといた方がいいでしょうし」

「リョーカイ」

 

 テキノセンスイカンヲハッケン!シタダー

 

 こほん、ちょっと余りにもショックすぎて日本兵がインストールされちゃったね。失礼失礼。んじゃ、ノノミちゃんにも言われたことだし、ミーティングをしちゃおっかな。とはいっても、やることなんて殆ど無くて、とうとう2日前に迫った大仕事前の決起集会みたいな感じかな?

 

 ではでは、気を取り直して。私は、生徒会室に設置されてるホワイトボードの前に立って、四次元ポケットから伊達メガネと指示棒を取り出して装備。ついでに、机に座って算数で分数のお勉強をしているアズサちゃんの注意を引くために教科書をボッシュート。

 決して、これは私が教師スタイルを取って悦に浸りたいからとかではないよ。アズサちゃんってば、地頭は悪くないしアリウスって言う地獄みたいな環境で死に物狂いに訓練していたからか、凄く集中力が高いんだよね。それこそ、さっきまで大騒ぎしていた私たちに気付かないくらい。

 

「はい、みんなちゅうもーく!」

 

 こんこんっと指示棒でホワイトボードを叩いてみんなの注意を集める。ここに集まっている子は、ホシノ、ユメ先輩、ノノミちゃん、アズサに私と5人いる。ユーレイちゃん達はまだメンタル的に回復してないし、長い間幽閉されてたから体力もなくてお休みさせることにした。

 

 4人の視線が私に集まったのを確認してから私は話し始める。

 

「まず、今回の依頼内容の説明をするね。今回の依頼主はノノミちゃんのお父さんが経営するセイント・ネフティス。内容はネフティスがアビドスに鉄道網を張り巡らせるから、それの護衛をすること。予定工期は一週間で、その間は私たちも付きっきりで護衛をすることになってる。食事とか弾薬費は向こうが持ってくれるよ。宿泊場所は私が用意しているから、当日をお楽しみにー。取り敢えず、ここまでで何か質問とかある?」

 

 丁度、区切りもいいから一度質問を求めてみると、ホシノとアズサが手を上げた。まぁ、手を挙げるとしたらホシノかアズサだとは思ってたね。ノノミちゃんは今言ったことは全部知ってるし、ユメ先輩はユメ先輩だし。

 

「ほい、ホシノ」

「幾つかあるけど、いい?」

「もち、なんでも言って」

「じゃあ、まずは……期間が一週間って言ってたけど、本当にそれで間に合う?」

 

 おー、流石はホシノ。常識的な質問だ。では、説明しよう!

 

「へい、アカシア。資料ちょーだい」

『了解しました。資料の投影を開始します』

 

 私の呼び掛けに応じてアカシアは資料をホワイトボードに……昔、私が書いたふたりはプリキ○アの純愛百合もののどうじ、ん――

 

「わー!わー!!ちょ、ちょっとなにやってくれてんの!?」

『ふっ……間違えてしまいました。冗談です。アイスブレイクというやつです』

「冗談じゃすまないよ!?アズサとユメ先輩がいるんだよ!?教育に悪いよ!」

『それは失礼しました、ですが問題ありませんよ。この程度(純愛もの)の表紙であれば、それ(18禁)だと分かる人の方が少ないです』

 

 そうかもしれないけどさー、確かに表紙は肌色成分少なめだから、ユメ先輩もアズサも分からなさそうに首を傾げて「何を慌ててるんだろう?」なんて言ってるもんね。かわいい。でもほら、ホシノとノノミちゃんを見てみてよ。ノノミちゃんはあらあらうふふと、お淑やかに笑ってるんだけど、ホシノなんてあんなに顔を真っ赤にして怒ってる。……意外とむっつりなのかな?あ、ユメ先輩に何なのか聞かれてる。……南無。

 ん?私はこんなもの公開されて恥ずかしくないのかって?いや別に。だって、例えエロ漫画であろうが、タイムマシンであろうが、アカシアと同じように私の手で作り上げたんだよ?アカシアを私が自慢のパートナーだって自信を持って言えるのは、そういったアカシアが出来上がる前に沢山モノを作って積み重ねてきた自信があるから言えることなんだよね。

 そうだなー、分かりやすく言うなら、エロ漫画もタイムマシンも全て等しく私の子どもなんだよ。子どもを生み出したことに誇りを持てない親なんていないでしょ?……あー、いや、今の時代そうとは言えないねー。私もそうだったし。だったら、うーん?じゃあ、こんなのはどうかな。自分の子どもに何かしら負の感情を持ってるようなやつが親だったら、その子どもも不良だったり無感情な子になっちゃったりするでしょ。逆に親の愛情を沢山受け取って育った子どもは比較的感情豊かな子になる。たまに私みたいな例外があるけど、大体そんな感じでしょ。だから、私は自分が生み出したモノ達を黒歴史だなんて思ったことはないね。

 

 おっと、話逸れたね。ほれほれ、アカシアさんや今度こそちゃんとした資料を映してクレメンス。

 

『承知しました』

 

 ぶおんっと音を立てて、会議机の真ん中に置かれた投影機からホログラムの資料が――ねぇ、何でホワイトボードに写さないのかな?まぁ、皆が見えやすいようにしたんだろうけどさー、一言欲しいじゃんね。皆がホログラムの方に意識が向いちゃって、私だけ除け者みたいになっちゃったじゃん。

 

「これってなんなの?」

「あー、これはですね、今アビドスに敷設済みの路線図と、これから敷設する路線図を組み合わせたものです。もう一枚の方は、私が作った線路敷設用の列車の仕様書になります」

 

 私は、慌てて指示棒をポケットに仕舞って教科書をアズサに返しながら席に座った。ユメ先輩の言葉に返しながら、私は右手の人差し指を立てる。メガネ掛けながらこれするだけで結構様になるのコスパ良くていいよね。

 そのまま、コスパのいいポーズを取りながら、たまーに軽く指を振ってみたりしながら話を続ける。あ、何か悪魔の偽眼が教えてくれたけど、ここから情報の洪水になるから注意しろだって。気をつけてねー。

 

「まず、路線図の方みて貰うと分かるけど、今回ネフティスが工事する場所はアビドス全域になるよ」

「全域?この空白の部分は工事しないの?」

 

 私の言葉に反応したのはホシノ。ホシノは、細い指でアビドス砂漠の一角を指した。確かに、そこはトリニティとここ(高校)が一直線で繋げられるから、出来れば敷設したかったんだけど……。

 

「そこは、カイザーの所有地だから無理だね」

 

 そう、そこは無能皇帝が持ってる場所だったんだよね。だから、無断で土地を使うのはまずい。それに、多分クソ皇帝は見てみぬ不利をするんだろうけど、工事が終わった時に漁夫ってくるのは確実だから避けといた。

 

「嘘っ……!」

「それって本当なんですか……!?」

 

 そして、この情報は今初めてノノミちゃんとユメ先輩に伝えたわけで、当然返ってくるのは驚きの声。まぁ、ホシノとアズサは知ってたから別だけど。

 

「まあまあ皆、落ち着いてよ」

「落ち着いてられないですよ。何で、ララ先輩はそんなに落ち着いてられるんですか?」

 

 流石のノノミちゃんもこの事実にはお淑やかでいられないみたいで、結構わたわた慌ててる。うーん、やっぱり言わない方が良かったかな?でも、私の予想では多分アホ皇帝とかち合うことになるんだよね。

 

「だって、これでも充分事態は好転してるからね。アカシア、一年前のアビドスの土地所有者の分布図映して」

 

 次にアカシアが投影した資料には、アビドスの真ん中――アビドス高校とその周囲だけが青で、それ以外は真っ赤に染められたアビドスの地図。

 

「この、青いところが私達アビドスの所有地。それで何となく想像は付いてるだろうけど、この赤いところが過去の生徒会が借金の形としてカイザーに持ってかれてった場所だね。それが今では――」

 

 私は右手で指をぱちんと1つ鳴らす。すると、またホログラムの資料が次に進んで、今度はアビドスの市街地や旧市街地みたいな遺跡も含めて割合で言えば4割近くの土地を青に塗り替えた地図が出てきた、そして、その地図の残り――アビドス砂漠の辺りには赤だけでなく、黄色も存在していて、アビドス砂漠の割合としては赤が6で黄色が4と言った具合に分かれていた。

 

「これが今のアビドスの土地分布図。青と赤は変わらずに私達とカイザー。そして、この黄色いのが――」

「私のお父さんが所有している場所。ですか?」

 

 私は、ノノミちゃんの言葉に頷いて肯定しながら話を続ける。

 

「そうだよ。それと、丁度いいしここでさっきは話して無かった今回の依頼の報酬の話をしようか。今回の報酬はお金じゃなくて物質でもなくて、アビドスが元々所有していた土地を買い戻して私達に無償で返却すること。返却完了後は毎月売り上げの5%を私達に渡すこと」

 

 これは、前にちょろっと君たち(読者)に説明した時には出てなかったお話だね。前話した時は、お金を貰ってそれがクソ皇帝共に奪われてうんぬんかんぬん。みたいなことを言ったけど、あれは技術関連の報酬で、しかも大分相場よりも低かったんだよね。

 だから、それを出汁にして今回の報酬と合わせておねだり(取り引き)してみたらまさかのOK。ネフティスとノノミちゃんの名前に掛けて全力で取り組んでくれるらしい。

 

「つまり――」

 

 もう一度私はぱちんと指を鳴らす。

 

「これは、今回の依頼が成功して、ネフティスが最低でもこれくらいの収支が見込めるだろうと思われるのを表したグラフと、それに伴って回収出来るだろうと思われるアビドスの土地分布図」

 

 映された図は、半年後にはアビドスの7割を埋め尽くした青、一年後には8割、二年後には全てを取り戻したアビドスの地図。それと、かなりの黒字に染まった右肩上がりの収支表だった。

 

「待って」

「ん?どったの、ホシノ」

 

 ホシノには大体説明したはずなんだけど……。

 

「これって、本当に黒字になるの?」

 

 あー、そう言えばここら辺は話してなかったね。リニアの性能とかにも関わるところだし、お話しちゃおう。

 

「まず、これがリニアの性能ね。既に出来上がってテストも終わってるから確定してる情報だよ。性能を分かりやすく伝えると――」

 

 まず、最高時速がこれまたびっくり約800km。まぁ、周囲の影響を考えてこの速さで運行できるのは砂漠のど真ん中だけだけどね。運用費用は動力源が大気中の神秘やら私から抜き取った神秘だからほぼゼロ。メンテナンスくらいかな。アビドスでそこら辺の税金とかは報酬の売上5%以外掛けてないけど、外部に払うお金とかはあるね。でも、それくらい。

 連続稼働可能時間は大体36時間かな。基本的にアカシアのコピーが24時間365日監視・運用してるからそこも大丈夫だし。『テクスト』や『複製(ミメシス)』をふんだんに盛りまくったし、車幅もハイランダー鉄道学園が運営する在来線と揃えたから普通の線路でもリニアとして運行できる。既に、ノノミちゃんのお父さんがハイランダーから線路使用の許可を取ってきたから今すぐ運用もできる。

 止まる予定の駅はアビドスでは市街地の一駅だけを予定していて、他は全部アビドスを挟んだ色々な学区へ伸ばすんだよ。で、今のこれが――

 

「――さっきのホシノの質問の答えになるね。この鉄道を敷設した本当の目的はアビドスを中心とした大規模な鉄道網をキヴォトスに作り上げること。全部の路線をアビドスから伸ばせばどうなると思う?ゲヘナにもトリニティにも百鬼夜行にもD.U.にもレッドウィンターでも、アビドスからなら電車一本で近いところなら1時間、遠くても2,3時間で到着する。それを、運用コストが低いのを利用して低価格で提供できる。しかも、今のアビドスは地価があり得ないくらいに低い。つまり?」

「色んな学区を跨いで活動する人がここに住み着く?それに、土地が余ってるから運送業の倉庫としても使える……」

「そ、他にもアビドス在住者限定の定期券とかで安く切符を売ったりしたら、どうなるんだろうね?」

 

 ふっふっふ、私がこれに専念する程度にはメリットがあったんだよね。本来であれば、宇宙戦艦の建設とかしたかったんだけど、これさえ出来ればアビドスの経済がまるっと復活する兆しが見えてるんだよ。やらないわけがないよねっていう。

 

「これで黒字うんぬんについては終わり。そんで、話飛んでたから戻すけど、一週間で終わるのかについてね」

 

 これの答えは簡単、私が作った線路敷設用の列車を使うんだよね。君たちがイメージしやすいのは、あれだね。フィニアスとファー○の1話で出てきたジェットコースターのレールを自動設置できるマシーンをコースターの先端に設置するやつなんだけど……分かるかな?あれをリニア用に改造したものを用意してるんだ。これをホシノ達にも分かりやすく説明して、納得してもらった。

 

「ホシノ、他に聞きたいことって何かある?」

「カイザーはどうするつもり?借金を理由にして関与してくるのが目に見えてるんだけど……」

「ん?利子を渡した上に借金もちょっとずつとは言え、返済しているんだよ?借金を滞納してる訳じゃないからね。向こうは強制的な差し押さえをすることは出来ない。精々が催促するくらいかな」

 

 まぁ、その催促もこの事業が成功すれば返せる。って、言い訳すればいいんだし。それ以前に――

 

「もう、借金を全額返済しようと思えば出来るから、向こうが強硬してきたら即返済すればいい。アカシア、傭兵ラプラス名義の通帳明細出して」

 

 次に出てきたのは私の通帳の明細。そこに書かれた数字は97億4800万クレジット――まぁ、大体100億もの資産があるわけで、今アビドスの借金が12億8000万。余裕でお釣りが返ってくるレベルだね。

 アズサ以外の面々は驚き過ぎて声も出ない様子だけど、突っ込みが入る前にさっさと説明を続ける。

 

「これは、私が傭兵で稼いだ資金をちょっとしたズル(悪魔の偽眼)でFXやら株にぶちこんで稼いだお金だよ。んで、皆はこう思うだろうね。お金があるなら返済すればいいのにって。でも、それだけじゃ足りないんだよね。このお金で返済して残りの80億ちょいだと、カイザーと全面戦争になったら耐えられない。と言うか、カイザーを潰せない」

 

 奴らの狙いはこの砂漠に眠ってる古代兵器。それがこのアビドスに有る限り、クソ共はアビドスを狙い続けると思うんだよね。だったらさ、

 

「カイザーコーポレーションを買収するか、倒産させようと思うんだ。その為の仕込みがまだ終わってないから、今借金を返して、あいつらを焦らせたくない。今はまだ、あいつらには踊ってて貰わないと困るんだ。だから、まだ皆には苦しい思いをさせちゃう。ごめん」

 

 一応、株主達の切り崩しをやってるんだけど、流石にバレたら一発アウトだから慎重に進めないといけないんだよね。一回ヤバかったのが、買収後にポストを渡す約束をしようとしたんだけど、クソ皇帝に魂売ってんのかってレベルで無駄に忠誠心高い奴がいて、私のことバラされかけたってことがあったんだ。

 その時は、めちゃくちゃ頑張って説得して止めたけど、あれは本当に焦った。相手がロボット(電子機器)で助かったよ。アカシア大活躍!今では彼も昔のことは水に流して、私のお友達として仲良くしてくれてるけどね。いやー、やっぱり人類は話し合えば分かり合えるんだねー(すっとぼけ)。

 

「そうじゃないでしょ、何でララが謝るの」

「そうですよ~、ララ先輩は凄い頑張って――いえ、頑張りすぎなくらいなんですから、それくらい私達も頑張って耐えますから☆」 

「ララちゃんは悪くないよ?まぁ、色々言いたいことはあるんだけどね」

「難しいことは分からないけど、ララが凄いことは私にも分かる。取り敢えず金を集めればいいんだな?任せておけ、私が集めてくる」

 

 ヤバい、泣きそう。と言うか、泣く。そんなことより、アズサさんや、銃を持って何処へ行こうと言うんだい?え?銀行?ダメです、行かせません。

 と、私がヘッドロックをしてアズサを止めようとしたそんな時だった。

 

『マスター、緊急事態です』

「およ?どうしたの、アカシア?」

 

 突然、生徒会室に響いたアカシアの声で私達の動きが止まる。自棄に急いだ風なアカシアの声に皆の緊張感が高まるのを悪魔の偽眼が捉える。

 

『アビドス砂漠の奥地にて、砂嵐が発生しました』

「…………続けて」

 

 続きがあるんでしょ?

 

『はい、現在その砂嵐はここアビドス高校へと真っ直ぐ向かっています』

「……成る程ね」

「?ララちゃん、砂嵐くらいでどうして緊急事態なんて言うの?」

「すみません、ユメ先輩。理由は後で説明します。報告を続けて、アカシア」 

 

 アビドスにとって砂嵐は日常茶飯事。雨が降る代わりに砂嵐が起こる。それが、アビドスでの常識。だからこそ、アカシアが報告したと言うことは――

 

『了解しました。砂嵐は、現在急速に拡大を続けています。問題は、砂嵐が進んでもその場に()()()()()()()()()()()()

「砂嵐内部の確認は?」

 

 私の問いにアカシアが答える。

 

『申し訳ありません、砂嵐の影響で内部の観測は不可能でした』

「じゃあ、自然発生ってこと?」

『いいえ、砂嵐発生時に彼の存在――ビナーがいたのは確認しています』

 

 ホログラムに機械のヘビを映しながらアカシアは報告を終えた。成る程ね……

 

「上出来、よくやったねアカシア」

『ありがとうございます。それで、マスター。今でしたらリスケ出来ますが、どうしますか?』

 

 どうする?まず、この砂嵐は何時まで続くのか?規模の上限はどこまでなのか?色々と考える箇所はある。ここで迎え撃つ場合、どのくらいまで被害が出るのか?ここじゃない場所で迎え撃つ場合、何処で戦うのか。

 ん?待てよ?確か、カイザーにはデカグラマトン大隊とか言うのがあったよな?しかも、この進行ルートだと、高校の後ろにブラックマーケットが……っ!

 

「アカシア、黒服にメール!カイザーにビナーがブラックマーケットに進行しているってのを今すぐ伝えさせて!」

 

 視えた!アビドスが抱える全ての問題を解決する糸口が!

 

「皆聞いて、今アカシアが報告してる通り、このホログラムに映ってる機械のヘビがアビドスの市街地とここに一直線で向かって来てる」

 

 私は、ポケットからチェスの駒である黒いキングを取り出してビナーのホログラムの手前に置く。

 

「そこに、カイザーが抱えるPMCの一番大きな部隊をこの怪物とぶつけさせる」

 

 そして、白のポーンと列車の玩具を取り出して、黒のキングをビナーの反対側に置く。

 

「私達は、万が一のため、責任者と双子ちゃんの保護者役となる一人を残して全員でこの二つを依頼のついでで相手する。そして、これが全部上手く行った場合、アビドスの砂漠化であるこのヘビを止めれて、依頼完遂として安定した収益を得れる。そして――」

 

 私は白いポーンを手に取って、黒のキングを弾いて転ばせる。

 

「――カイザーPMCの部隊が丸々消えれば、世間はともかくカイザー内部での上層部への信頼はガタ落ちとなる。つまり、私が介入する余地が生まれる。と言うことは、だ」

 

 転がった黒のキングはポーンへ、私が持つ白のポーンはクイーンへと変わる。

 

「革命。この一手で、私達の勝ちへと大きく近づく。皆にお願いがあるんだ。私と一緒に戦って欲しい」

 

 私は頷く皆の顔を見てから、力強く手に持ったクイーンを机へと叩き付けてこう言った。

 

 

王手(チェック)

 

 

 これまで、私達(アビドス)は数十年と散々煮え湯を飲まされたのだ。そろそろ、反旗をひっくり返して血と欲に塗れた皇帝と、私達に砂を被せてきた邪龍の首を纏めて取りに行くとしよう。

 

 ここから、私達の反撃が始まる。




こんだけカッコ付けてもアンケート次第では外に出れないララちゃんでした。タタカエナイトハイッテナイヨ

今回のアンケートは前回と同じです。まぁ、本来は今回にやる分だったんですけどね。なので、改めて。

アンケートどん!前回も言った通り、この章にヒントはあるので探してみてね。

ではまた、次回。ばいなら

依頼の時に学校に残るのはどっち?

  • ララ
  • ホシノ
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