開発者少女は最善な未来の夢を見る   作:タニコウ

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思いつきで動く悪癖がこの作品を書くための筆を取らせました。反省はしてない。

ウマ娘の方はあと二日くらい待って?ごめんね。


開発者少女は呑み込まれる
#1 プロローグ


 

 

「やっとだ……やっと完成したよ!」

 

 薄暗い部屋の中に一人の女の声が響き渡る。彼女の前には一つの機械が安置されていた。

 彼女の懐にあるタブレット端末から声が響く。

 

『マスター。試作型タイムマシンの試運転を開始しますか?』

「やるやる。でもその前にシャワー浴びてくるよ」

『湯に浸からなくて宜しいのですか?』

「あー、じゃあ入ろうかな?準備してくれる?アカシア」

『かしこまりました。マスター』

 

 タブレットから聞こえる声にマスターと呼ばれた女は機械音声――アカシアに頼み事をして部屋から消えた。

 数十分後、部屋に戻ってきた女はぼんやりと薄く光るモニターを操作しながら呟く。どうやら、彼女にはタイムマシンの存在は忘れているみたいだ。

 

「にしても、遂にタイムマシンまで出来ちゃったか。後は、もしもボックスくらいなんだよなぁ……願いを言うだけで世界そのものに干渉する。人の思考も操作する、正に何でも叶う夢の装置。それさえ出来ればドラえもんの製作に入れる…んだけどなぁ……」

 

 そう言った女の目に写るモニターには、何枚にも及ぶタイムマシンの設計図。それを女はデータを全部消去して新しいフォルダを立ち上げる。

 そのフォルダにはもしもボックスの設計図に関するファイルが一つ。そして、もしもボックスが製作出来ない理由をつらつらと述べたファイルが無数にあった。

 

「やっぱり、科学だけでもしもボックスを作るのは不可能。どうなってんのさぁ…本当に魔法か何かが関与してんじゃないのかな?」

 

 そこまで言った女は、ハッと気付いたようにパソコンを操作する。

 

「何だっけ?確か、『神秘』だったよね?神代に満ちた何らかの超常的なエネルギー。科学で満ちた今の時代には存在しないもの。fateで聞いたことあるやつ。でも、実際にあるのかなぁ……?だぁっ!行き詰まった!」

 

 女はダランと椅子にもたれ掛かり、クルクルと回す。そして、とある一点を見付けた瞬間にバッと立ち上がる。

 

「見付けた!この時代にないなら探しに行けばいいんだ!アカシア、今すぐ行くよ!準備出来てる?」

『マスターの命令により、既に出発準備は完了しております。後は、マスターが向かう時代を宣言するのみです』

 

 アカシアの言葉に女は目を輝かせて、タブレットのみを懐に入れてタイムマシンの座席に座る。

 

「よし!目指すは『神秘』が溢れる()()!いざ、出発!」

 

 女の声にタイムマシンはブゥゥウウンと起動音を立てると少しだけ浮き、目の前の空間にヒビが割れて虹色に輝く空間と空間に浮かぶ幾つもの時計が見える。

 少しだけ浮いたタイムマシンはゆっくりと空間の裂け目に侵入し、女も中に入ろうとした瞬間のことだった。

 

「はぁ!?」

『エラー発生……エラー発生』

 

 目の前に迫った虹色の空間の裂け目にノイズのようなモノが迸り、裂け目が漆黒に塗り替えられていく。

 

「ちょっ、と、止まっ……」

 

 そして、進み続けるタイムマシンはそのまま空間の裂け目へ消え、女は漆黒の切れ目へと呑み込まれていった。

 部屋に残ったのは、パソコンからエラー発生と呟き続けるアカシアの子機の声だけが響いていた。

 

 

 

 

 ――――――

 

 

 

 

 ――ここは……?

 

 女が呑み込まれた漆黒の空間にて女はふよふよと浮きながら辺りを見渡す。

 

 ――頭が痛い。ズキズキと鈍い感覚が広がっていく。

 

 女は痛む頭を抑えようと手を動かそうとする。だが、手は動くことはなかった。

 

 ――動かない?それに、視界も歪んできた。呼吸も難しい。どうなってるの?

 

『警告……未確認のエネルギー反応がマスターの肉体に侵食。即座にこの空間からの離脱を推奨。手段の検索を開始』

 

 ――アカシアの声が聞こえる。エネルギー反応って何なんだろう?分からない。

 

 女は、空間に揺蕩いながらぼんやりと思考をする。

 

『……! マ…ターの……に…化を…認。至急、マ……ーの…護……行。私……マタの信………失を確認』

 

 ――何を言ってるんだろう?身体が熱くなってきた。骨から何まで溶かされていくような感覚。痛い。熱い。寒い。怖い。怖い怖い怖い怖い。

 

 突如、女を襲った地獄のような痛みを既に表情一つ変えることが出来ない身体で必死に耐える。

 

 そんな痛みに耐えること暫く。

 

 ――もう、どれだけ経ったのか分からない。気を失った回数なんて分からないし、自分の身体が自分の物じゃないように感じたのだって何回も思った、

 

 やがて、女の身体の感覚は徐々に取り戻し始める。

 

『空間に何らかの干渉を確認。まもなく、空間に亀裂が生じる可能性を確認。対処法の計算を開始……』

 

 ――目が、見える。まぁ、真っ暗だけど。アカシアの声も聞こえる。それに、脳も何かスッキリするし身体も軽い。

 

 手を軽く握ったり開いたりを繰り返していると、パキンと音が聞こえてきた。女がそちらの方を向く。

 

 ――何あれ?砂?と言うか、空にある輪っかは何?ここが神代の世界?それか、地球じゃないとか?

 

 ひび割れた世界の裂け目からは辺り一面に広がる砂の大地と砂に埋もれた町。そして、透き通る青い空と空に浮かぶナゾの輪。

 

 ――何だろうか?あれは?気になる。見てみたい。調べたい。今すぐ調べたい。この空間も目の前に写る砂に包まれた世界も、全てを解き明かしたい。

 

 女は無意識の内に、手や足を動かして裂け目へと手を伸ばす。そして、手が届くと同時に、

 

 ――ま、眩しっ。

 

 白い光に呑み込まれた。

 

 

 

 

 ――――――

 

 

 

 

「うっ……暑っ…身体おもっ……」

 

 さっきまでいた黒い空間から放り出された私は、砂の大地……砂漠でうつ伏せで倒れている。何て言うんだろう?宇宙の無重力から地球に戻ってきた感覚って言う感じかな?身体が重力に引っ張られる感じ。

 私は、重くて怠い腕を何とか動かして、懐に手を入れてタブレットを取り出して起動する。ん?起動?あ、あれー?

 

「起動、しない……電池切れ……?」

 

 どうしてこうなった……。もしかして壊れた?流石にそれは嫌なんだけど。まぁ、壊れたかどうかなんて動けないから分かんないんですけどねー。

 と言うか、本当にどうしようかなーコレー。私は当分動けそうにないしアカシアは動かないし、アカシアの他に持ってきた物は全部タイムマシンの中の四次元ポケットにあるからもう手元にないのに、こんな砂漠に放り出されてどうしろって話だよねー。

 あ、あれー?視界が滲んできたぞー。

 

「あ、マズ……意識が…飛ぶ…」

 

 わたしのめのまえがまっしろになった。

 

 

 

 

 ――――――

 

 

 

 

「む、この反応は?」

「アビドスからの様ですね」

「じゃあ黒服の狙ってる小鳥遊ホシノか?」

「いえ、これはどうも違いそうですね」

「じゃあ、私達が貰っても構わないな?我らと同じ外の世界から来て神秘を手に入れた存在を調べてみたい」

「いえ、ここは共同でいきませんか?どうも彼女は黒服が狙っている小鳥遊ホシノと同等かそれ以上の神秘を持っている様ですからね」

「そういうこった!」

 

 異形の集団が集まる集会にて、唐突に世界に起きた異変についての話し合いが行われている。本来の人数より少し少ない人数で進んだ大人達の茶会はいつものそれより数段和やかにかつ有意義なものとなった。

 

 

 

 

 ――――――

 

 

 

 

「どうしたの?ホシノちゃん」

 

 拳銃を格納させた盾を背負った少女が聞く。聞かれた少女――ホシノはいつもより入念に整備しているショットガンを肩に掛けながらグレネードやマガジンの確認をしながら答える。

 

「ユメ先輩。いえ、特にこれといってはないです」

「そうなんだ!じゃあ、そろそろ行こっか!」

「分かりました」

 

 ホシノは盾を持った少女――ユメの隣に立って歩き出す。彼女の脳内にはこの巡回で何かが起こると直感している。

 ホシノは、ショットガンに触れて感触を確かめ足を進める。日は高く昇り、二人の行く道を明るく照らしていた。

 

 

 

 一人の女がこの世界に紛れ込んだことで、本来の世界が辿る道筋は大きく変わる。それは、良い影響を与えるのか悪い影響を与えるのかは分からない。

 ただ――

 

 ――彼女の記号が加わることで最善か最悪か、この二つのみとなった。

 

 

 

 




主人公ちゃんの簡単なプロフィール

名前:????
性別:女
年齢:現在28歳
職業:研究者
好きなもの:ゲーム、アニメ、ものづくり、子ども、甘いもの
得意なこと:特になし
嫌いなもの:命令だけして後は何もしない権力者、趣味に口出ししてくる奴ら、タバコ、酒
苦手なこと:賭け事やくじ引きなどの運を使うもの全般、車の運転、やりたくない教科の勉強



次回は一週間後、ではまた。

いきなりですが、アンケートをどん。期間は8/28昼頃まで。投票お願いします。

主人公ちゃんを拾うのは?

  • アビドス
  • ゲマトリア
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