オーグメントと青春   作:鳥鍋

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処女作でありますがお付き合い下さると幸いです


序章

 

 

「止まれないんだよっ!ボクはっ!何をしてでも!」

 

崖際で二つの異形が争い、いや殺し合いをしていた。片方は赤い仮面の戦士が徒手空拳で、もう片方の仮面は猛獣の如く荒々しい毛並みとミスマッチにも見える両腕の刃を的確に急所に向けて振るう。

 

「ふんっ!」

 

頸を狙った右腕の手首を万力よろしく掴まれた。ならばと左腕で心臓を一突きすれば身体を横にずらし、直接刃を掴んでへし折られた。

 

「くそっ、プラーナが、がっ!」

 

胸を蹴り飛ばされ数メートルか転がり、咄嗟に落ちていたサブマシンガンを何秒か撃ち込んでも相手は物ともしない。このままでは元の持ち主だろう倒れ伏す黒いバッタ人間と同じ末路を辿ると自覚するが、どう足掻けばいいのだろうか。

 

「決めてくれ、()()()()()()。この一発で終わらせよう」

 

簡単だ。文字通り命を賭けて勝つしかない。ベットである生命力を刃に流すごとに気が遠くなるのを我慢して構える。それに応じた向こうも高く飛び上がり、流星の様に脚を向けて飛び込んで来る。勝負はどちらがより速く、より鋭く切り裂けるか。

虹色の刃と流星がぶつかり合い、鉄同士を叩くより激しい音と共に互いが弾かれる。右手の痺れを無視して着地を狙って切る!と思考した瞬間にゴウ!と風の音が聞こえた。まさかと構え直すも流星が反転するよう此方に落ちた時には遅いと悟った。

 

「ただ…取り戻したかっただけなのに…」

 

 

──────────

 

 

「……きろ。起きろ。ここで何をしている」

 

ぶっきらぼうだか大人とも言い切れない声が聞こえる。ここはどこだ、何時なんだ、何より自分は生きているのか。体力とプラーナが無いので辛そうに目を開ける。マスクのままだが視界はあまり狭くないのでそのまま見れば、薄暗い天気、目の前と背中にあるのはコンクリートの壁、路地裏だろうか。

 

「……気が付いたか」

 

声を掛けるのはガスマスクを被り白いコートで、組織でたまに見るアサルトライフルを持っている二人組の兵士、だろうか。しかし彼らは基本的に喋らない。コートに腕章を着けているのも気になる、別の構成員の配下か。

 

「ここは?」

「アリウス自治区だ。貴様は何者だ?」

「SHOCKER新設部隊DESTRON。上級構成員のジャガーオーグ」

「しょっかー?ですとろん?何だそれは」

「…ドコの組織なんだ君達?」

「……貴様こそ何処の学区の回し者だ?トリニティじゃないだろうな」

「…話が見えないけど?不法侵入でボクを逮捕する?もしかしてパスポートが必要だった?」

「答えろ!」

 

正直に答えても銃を突き付けられる。埒があかないので周りを見渡す。路地裏だけに色々落ちていて、膨らんだゴミ袋、見覚えあるサブマシンガン、壊れているバイク、機械の破片が貼り付いたベルト、折れた刃物…。

 

「とりあえず武装解除するから許して?」

 

サブマシンガンや刃物を押し付ける様に兵士に渡す。相手は困惑するように通信機らしき物を取り出した。

 

「そこで待て。マダムに判断を仰ぐ」

 

何とかその場をしのいだが、上の立場の者がいるようだ。話の間は手持ち無沙汰なのでバイクを押して行こうともう片方の兵士に声を掛ける。銃を突き付けながらだが許可された。身体はボロボロだが軽々バイクを立たせる力は残っているのは幸いだ。肩にベルトの残骸を掛けて兵士の元に押した時には話が終わったようだ。

 

「着いてこい。マダムの元まで案内する」

「えっと…ありがと」

 

思った以上すんなり話が通った事に内心戸惑うが、二人に前後を挟まれながら部分部分が凹んだバイクを押して行くのだった。

ジャガーオーグならサクラコの覚悟礼装を先に発掘(発見)する展開はあり?

  • あり
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