オーグメントと青春   作:鳥鍋

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登場人物(特にアリウス)の口調の再現難しい


オーグメントとアリウス分校
仲間入り


 

兵士達に教えられ、招かれたのは修道女とも白い花ともつかないステンドグラスが飾られた部屋。その主だろう人物が中心にいる。白いドレスに血のように赤い肌、羽毛に囲われた顔の上部には沢山の目玉。異形ではあるがオーグメントと呼ぶには違う姿。

 

「貴方が報告にあったというショッカーなる物の構成員ですか」

「ジャガーオーグ。そっちこそアリウス分校とやらのボスか何か?」

「えぇ。私はベアトリーチェ、このアリウス自治区の支配者たる『大人』です」

「…兵士達が妙に子供っぽいけど皆こんな感じ?」

「……生徒達の事を知らないようですね」

「教育機関とか訓練場にしてはウチ以上に強そうだよ、何なんだここ?」

「私からも聞きたい事があります。貴方の装備だと言うバイクやベルトにはキヴォトスで見られない技術が使われている。その組織が独自に造り出した物でしょうか」

 

お互いに知らない事があるようだ。状況を把握出来そうだが、注意した方がいい。あれは自分が任務で殺したタイプの人間にそっくりだ。

 

「全部言ったら用済みでこう、だろ」

 

親指で首筋を横になぞる。主に後ろから強い殺気を感じる以上ブラックジョークが本当になりそうで困る。すぐにやられない自信はあるが、情報交換どころじゃなくなってしまう。

 

「……どうやらあなたもキヴォトスの外、いえ未知の場所から来たと見えます。必要な情報を話すのでこれ等について教えなさい。相応の待遇は約束しますよ」

「なら…仕事とかある?ジャガーだから隠密と闇討ちは得意だよボク?」

 

相手は扇子を口元に当てて少し考える素振りを見せる。未知の人物の扱いに悩んでいる様に見えるが、しばらくして扇子を離して答えた。

 

「良いでしょう。せいぜい私の計画に役に立つ事。そしてここでは私をマダムと呼びなさい」

「よろしく、マダムオーグ?」

「何ですか、オーグとは」

「…まとめて説明する。先にここの常識とか教えてくれるならね」

 

どうにもスベったらしい。冗談の通じる相手は同僚、上司に続きここでも恵まれなかったみたいだ。

 

───

 

「キヴォトス、学園都市、連邦生徒会、ヘイロー、トリニティにゲヘナね…」

 

他国や組織どころかまるで違う世界である。ネットや書籍などでよくある異世界という奴か。それらの主人公は幸福と勝利が約束されるんだから実にSHOCKERらしいと思う。

 

「必要な情報は話しました。貴方も教えなさい」

「組織の事から話すよ。持ってきた物全部そこから来てるから」

 

地球や日本などの国家の事はややこしいので伏せておく。組織名はSustainable Happiness Organization with Computational Knowledge Embedded Remodeling

これを縮めてSHOCKERと呼んでいる。とある資産家が設立し人工知能の出した結論の元、深く絶望している人達を助けて幸福に導く組織で、自分みたいな上級構成員は手術で人外合成型オーグメントになってそれぞれの幸福を目指す場所。

 

「計算的知能の組み込み改造による幸福を維持する組織、と言った所ですか。装備や技術からしてただの慈善組織ではありませんね」

「絶望した人達の幸福だからヴィールスで沢山殺すとか全人類奴隷にするとかで、裏切り者にもめちゃくちゃ厳しいトコだよ」

「……ではオーグメントとは?」

「動物の力を人間に合成する技術。力は人間を遥かに上回る。ボクはジャガー、最新式の改造でこれも取り付けられたよ」

 

そう言って右腕のガントレットからブレードを真上に伸ばす。同時に殺気と足音が近付いて来るからふざけすぎた。向こうはそんなに怖がってないけど。とは言え黒いキャップとマスクの彼女には謝る。

 

「ごめんごめん、これ置くよ」

 

留め具を外したガントレットを床に置くがアサルトライフルを構えたまま相手は動かない。下手に動けないから助け船を貰う為に目配せする。

 

「サオリ、銃を下ろしなさい」

「ですがマダム」

「彼女が正しいよ、ベア…マダムさん。下手すれば素手でも皆殺しに出来るし」

 

余計視線が強くなる。火に油を注ぐ失言だった。ヘイローを持つ相手の能力は未知数。ここでいきなり殺し合うのも得策じゃないから落としどころが欲しい。

 

「SHOCKERの技術を理解すれば計画の助けになるでしょう。それまで処分するべきではありません。私が手ずから教育したアリウス達を殺せるのなら、是非とも役立てて欲しいものです」

 

しばらくして納得したのか銃を降ろした。従順で強い構成員が揃っているなら組織の力そのものはSHOCKER以上だろう。それでも装備について聞いてくるなら技術力、と言うより未知の技術に興味があるようだ。

 

「一旦これぐらいにしよう。役に立つ所を見せてから後は追い追いでどう?」

「良いでしょう。実戦を元にデータやメカニズムを解析できればいいのだから」

 

利用するだけ後はポイする気なのは見え見えだけど、ひとまずアリウスでの足掛かりは手に入れた。厳しい上司と同僚がいた組織と空気感はどっこいどっこいだけど、休みと自由時間ぐらいは欲しい。

 

「じゃ、よろしくマダムオーグ。休める部屋教えて?」

「私はオーグメントではありません。サオリ、案内しなさい」

「……着いてこい」

 

ちょっと緊張したからゆっくりしたい。気の抜けた足取りで今すぐ休みたいのを表現しながらサオリと呼ばれた少女に着いていった。

 

───

 

「ここだ。マダムに呼ばれるまで待て」

「ありがと、もう寝る、おやすみ…」

 

アリウス分校の学生寮の空き部屋に案内された。ベッドとクローゼットしか無いけど今は充分だ。扉を閉めて鍵を掛け、ベルトのプラーナ排出機構(正式名称は…タイフーンでいいや)のスイッチを押して自分の中の野生と力を吐き出すが元から空だった。路地裏で目覚める前からこうだったらしい。マスクを外して殺意から解放され、ファーでモコモコのジャケットを脱ぎ捨て全部クローゼットにぶちこむ。ガントレットは置いてきたけど明日いっぺんに返して貰うつもりだ。

ここで眠れば元の世界に帰って彼と殺し合うのか、次は勝てるのかと悪い冗談を思い付き、速攻忘れた。それより自爆したウザい同僚や、彼が道連れにした仮面ライダーがここに来ないで良かったと考えて横になるのだった。




ベアトリーチェ節はこれで合ってる?

ジャガーオーグならサクラコの覚悟礼装を先に発掘(発見)する展開はあり?

  • あり
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