俺の隣人が悪の首領達ってどういう事なんだよ 作:塩焼きそば啜郎
俺の隣人がシャドルー総帥ってどういう事なんだよ
カーテンを開けて見ると、今日は青空が広がっている。少しだけ肌寒いが、窓から差し込む日光が暖かくて気持ちがいい。
「ふぁ~ぁ……」
とある春先の朝、俺は新居のベッドで目を覚ました。ここには先週引っ越して来たばかりだが、俺はもうすっかり新しいベッドの虜になっていた。実家では敷き布団だったからか、今でも寝る時に何とも言えない高揚感に包まれる。充分に日光を堪能して、ベッドから出た。ううっ、フローリングは冷たい……スリッパでも買おうかな。
「朝飯~っと」
寝ぼけながら昨日のカレーの残りを温める。そして同じく温めたご飯に豪快にぶちまけた。やっぱ朝方に食うカレーは美味い。俺は速攻でカレーを完食した。
それから歯磨きやら顔洗いやら何やらを済ませ、俺は玄関を出た。今日は少し遠くまで買い物に行く。今は10時だから、多分昼頃には帰ってこれるだろう。階段を使って降り、マンションの駐車場に向かう。少し前に自動車免許を取ったので移動が大分楽になった。さて、行くか。
◇ ◇ ◇ ◇
「色々買ったな~」
買い物から帰って来た俺は、住んでる5階までを階段で上がっている。勿論エレベーターもあるが、俺は階段派だ。昼は何を食べようかと考えながら上っていると、上から誰かが降りて来る音が聞こえた。外食にでも行くのかな?なんて事を思いながら軽い気持ちでいると、ちょうど降りて来た人と対面した。
「!?」
「どうした?私の顔に何か付いているのか」
なんだこの化け物ォ!?(失礼)いや、人なんだろうが……ケツアゴ、ムッキムキな肉体、白目、所々にアーマーが付いた真っ赤な軍服と軍帽、おまけに黒いマントと来た。誰がどうみても警戒するよ!俺は悪くねぇ!
「貴様……(初対面で貴様呼びなのか……)今何かとてつもなく失礼な事を考えたのではあるまいな」
「いえいえそんな事滅相もございませんッ」
あっこれあかん奴や。俺死ぬわ。恐怖に震えていると、そのヤバい人はゆっくりと階段を降りて来た。俺は動く事すら出来ず、近付いてくるそれをただ見つめる事しか出来ない。
「貴様、新しく入居した者か」
「へ……?は、はいっそうです!」
「そうか……」
何!?まさかここのルールを叩き込んでやる的なアレなのか!?やだよ!?せっかく貯金切り崩してここに引っ越したのにまた引っ越すとかやだよ!?(懇願)
すると、ヤバい人は俺の肩をガシッと掴んで来た。いかつい顔でニヤリと笑う。
「そうか、新人か!それなら良い。私はベガ!502号室に住む者だ。今夜は私の部屋で歓迎会をしてやろう!午後8時!私の元を訪ねるが良い!」
「!?あ、あーっと……はいっ分かりました是非とも訪ねさせて頂きますッ」
「ハッハッハッ!物分かりの良い奴だ!」
「絶対来いよ」って圧が凄かったのでそう言うとヤバい人ことベガは階段を降りて行った。恐る恐るその後ろ姿を見つめる俺だったが、一つだけ疑問が生まれる。
「あの~」
「何だ?」
「どちらへ?」
ベガはまたしてもニヤリと笑うと、一拍置いて言った。
「買い物だ」
その格好で行くのかよ。