俺の隣人が悪の首領達ってどういう事なんだよ 作:塩焼きそば啜郎
GWを使って住人とキャンプに行くパッショーネのボス
今年もやって来たGW初日。俺はマンション前でドッピオさんを待っていた。今日から山に出発、明日の朝に下山するらしい。一泊二日のちょっとした旅行だ。
「あ、龍成さん!」
「おはようございます、ドッピオさん」
後ろから荷物を背負ったドッピオさんが来た。相変わらず奇妙な服という点は変わらないけど。
「どうかしましたか?」
「あぁいえ、何も。そんじゃあ行きますか」
「ですね」
俺達は駐輪場に行き、それぞれの自転車を取る。俺は職場が近いし、ドッピオさんはまだ学生なので二人とも車の免許は持っていない。まぁ車なんか使ったら自分で山に登る苦労を忘れるからな。これがちょうど良いだろう。
「それにしても大荷物ですね」
「泊まりますからね。少し多めがちょうど良いんです」
山までは自転車で四十分ほどかかる。そこから登山するので、多分昼過ぎには山頂近くに着くだろうというのがドッピオさんの予想だった。しかしそういう予想に限って外れやすいもので、観光客が沢山来ているので歩道、車道共に混雑していた。
「うわぁ……かなり人がいますね。しかも大荷物の」
「う〜ん、少し遠くなりますがここよりは空いている道があります。そっちに行きますか?」
「そうしましょう。ぶつかって揉め事とかは御免ですので」
ドッピオさんの提案で、少し回り道をする事になった。果たしていつ着くのか……ほんの少しだけ不安を抱えて、俺は進んで行った。
◇ ◇ ◇ ◇
「ふぅ、やっと麓ですね」
「結構かかりましたね……もう昼過ぎですよ」
なんと回り道をしすぎたせいで、山頂近くに着く予定だった昼過ぎに麓に着いた。今は近くの店で昼食を取っている。
「はい、カツ丼一丁〜」
「どうも」
俺はごぼ天うどん、ドッピオさんはカツ丼だ。俺達は急いで食べ終わると、若干苦しくなった腹を擦りながら登山を開始した。
「いやあ久しぶりですね。学生の頃の登山以来ですよ」
「そうなんですか?僕はイタリアに居た頃から登山経験なんて無くて……始めてです」
「イタリアかぁ……行ってみたいなぁ」
「飛行機で十二時間かかりますよ」
「止めとこ」
そんな会話をしながら、山を登って行く。幸いな事に山自体はそれほど大きくなく、このまま行けば二時には着くそう。今回は当たるだろう。
「おお〜……」
「落ちたら終わりますよこれ」
現在歩いている所は右が二メートルの壁、左が崖になっている所だ。道幅も地味に狭いので慎重に行かなければならない。こういうのが登山の怖い所だな。
「お……龍成さん、あれじゃないですか?」
「やっと着いた……」
そんなこんなで予定通り二時過ぎに、無事山頂近くに着く事が出来た。開けていて、景色も良い。うってつけの場所だろう。
「着きましたね。休憩したら早速テントでも建てますか」
地面に荷物を降ろし、中から折りたたみ式のテントを取り出す。こっからがまた重労働なんだよなぁ……まっ!意外といけるでしょ。
この後滅茶苦茶地獄を見た。
意外と長くなったので続きます。