俺の隣人が悪の首領達ってどういう事なんだよ 作:塩焼きそば啜郎
夜の十一時。屋上には俺、ベガさん、ギースさん、ドッピオさん、シグマさんが集まっていた。
「よし、集まったな」
「夜の十一時に集合とか訳分からないですよ……明日が休みだからいいですけど、僕試験近いんですからね?」
「それは勉強を優先した方が良いんじゃないか……?」
この招集があったのは二日前。ベガさんがメールで『花火をするから二日後の夜十一時に集合!』と送って来た。人の事情を全く気にしてない所がまた彼らしい。
「シグマ!この花火の量ならどれ位で終わるか計算するのだ」
「私を計算機のように使うな。掴まれて負けた癖に……なる程、これなら約一時間で終わる」
「一時間かぁ……ま、行けるか」
「早速始めるぞッ!」
「……ギースさん」
「なんだ」
「シャドルー総帥ってあんなに子供みたいな性格なんですか?」
「まだ奴に希望を持とうとしているなら、諦めろ」
あっそうかぁ無理かぁ……まぁ、あれでシャドルーが経営出来てるならよしとしておこう。はしゃぎながら花火を取り出すベガさんに釣られ、他も続々と取り出す。俺が用意した(させられた)バケツを確認して、花火に火を付けた。
「これが花火……面白いものだ」
「綺麗ですね」
「初めてだな。こういうのは」
「アメリカ人にイタリア人にレプリロイドとかこれもう訳わかんねぇ花火大会だな」
それはそれで反応が見れて楽しいのだが。火を付けた花火は音を立てながら火花を散らす。最近のは煙も少ないので便利だ。色鮮やかな光が屋上に広がる。
「うおっ、更に強くなりましたよ!」
「そういう花火なんですよ、ドッピオさん」
「龍成、この輪のような物はなんだ?」
後ろからシグマさんの声が。輪のような……もしや!
「まさか……うげェーッ、ねずみ花火!早く地面に投げて下さい!火ィ付いてるし!」
「?」
シグマさんが手から離す前に花火は火花を撒き散らしながら回転する。そして大きな音を出して彼の手ではじけた。
「うっ!なんですかこの臭い!?」
「だから離してって言ったのに……ゲホッ」
「おい龍成、なんだこれは!?」
ベガさんとギースさんが近寄ってくる。
「これはねずみ花火って言って、勢いよく回転する花火なんです。んで、終わったらこの臭い。ろくなもんじゃあ無いですよ」
「なる程、ではこいつは止めておこう」
と言って、全てのねずみ花火に火を付け始めるベガさん。は?
「!?ちょっ、何してんすか!?」
「何って、一度に付けてもう使えなくしてやるのだ!」
「最初から使わなきゃいいだろうゲエッホ!やば、この臭いヤバすぎウルオェェ!!」
「ベガ貴様ァ!ゲホッよくもこんな参事を引き起こしてウグッ……」
「冗談じゃ無いですよウガッ……」
「シグマさん!シグマさんビーム!このバカ総帥にビーム!!」
ガシィ!
「因果応報だな」
「貴様何をする離ッ痛い痛いからやめろ!やめろこのレプリロイド風情がぶるあぁああぁぁぁぁぁあ!!(大破)」
あーもう滅茶苦茶だよこの花火大会!その後、ギースさんが烈風拳を連発しまくって臭いを飛ばして事なきを得た。だが、今でも臭いが鼻にこびりついて気持ち悪い。
「ハァ、ハァ……」
「貴様、なんという事を……」
地面に倒れ、所々焼け焦げたベガさんに皆が殺到する。悪意が無い分まだいいものの、バカすぎないかこの総帥。よくシャドルー存続してるな。
「す、済まない……詫びとして、シャドルー特性の打ち上げ花火を披露しよう!」
「また失敗するんじゃ……」
「打ち上げならこちらにも被害は少ないだろう。ここは一つ名誉挽回としてやらせてみるか?」
シグマさんの提案で皆が端に移動、ベガさんが真ん中で点火してワープで戻って来る。
「良く見ておけ!」
花火が打ち上げられる。音を立てながら空に上がり、一面に広がったのは大きな花火。
「……じゃなくてシャドルーのロゴじゃねぇか!」
「どうだシャドルーとくせグオッホォ!?」
ベガさんの顔面に四方から拳が飛んだのは、その時だった。
「やっぱり滅茶苦茶だよ!」
久々の連日投稿です