俺の隣人が悪の首領達ってどういう事なんだよ   作:塩焼きそば啜郎

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サイコを無理矢理対空に使いながら投稿です


シャドルー総帥による歓迎会

ベガと階段で遭遇した夜。俺は彼が住むという502号室の前に立っていた。ちなみに俺は501号室である。まんざらでも無い。

まぁ行かなければ即死なのは確実なので、こうして扉の前で葛藤しているのだが。

 

(滅茶苦茶行きたく無い……)

 

だがここで立ち止まっていたら最早ただの不審者なので、意を決して玄関のチャイムを鳴らした。すると中から足音が聞こえ、扉が勢いよく開かれる。

 

「おお、よく来たな!早速上がるがよい」

「お、お邪魔しま~す……」

 

相変わらずの格好のベガに案内されて、中に入るとそこは見た目に反して綺麗に整頓された部屋が。俺が部屋を見渡していると、彼は「飯を作るから待ってろ」と言い残しキッチンに消えて行った。そこからは機嫌のいい鼻歌が聞こえてくる。想像してたらちょっと笑った。

 

「……?」

 

ふと奥の壁を見てみると、そこには壁一面にデカデカと貼られたポスターが。真っ黒な背景に羽の生えた骸骨が描かれている。無駄に影の描写が上手くて怖い。ポスターに怯えつつも待っていると、キッチンからベガが出て来た。

 

「フフフ……今日は入居の祝いとしてこのベガ特製オムライスを味わわせてやろう!!」

(すっげぇハートフルッ!!)

 

凄い!!この厳つい筋肉男から可愛らしいオムライスが出て来る事に感動すら覚えた。にしてもケチャップで「おめでとう」って書いてある所も凝っている。二人で小さいテーブルに腰を下ろし、早速食べる事にした。

 

「いただきます!……美味い!卵フワッフワ!これどうやったら作れるんですか!?」

「フハハハハ!美味いだろう!趣味で続けていたらいつの間にかこうなった!!」

「趣味なのか……」

 

趣味でここまで出来るってこの人相当料理上手いぞ。ギャップえげついな。

 

「ところで、他に料理とかは出来るんですか?」

「いいや、オムライス一点張りよ!」

「何で?」

 

だからここまで美味いのか(納得)それはそうと、さっきから俺は後ろのポスターがベガの体で見え隠れしていてとても気になる。ちょっと怖いが聞いてみる事にした。

 

「あの、後ろのポスターは……?」

「あれか。あれは私の組織のシンボルだ!」

「組織?」

「フッフッフッ、改めて自己紹介をしよう。私はベガ!犯罪組織シャドルーの総帥とは私の事よ!」

「犯罪組織ィーッ!?」

「そうとも!麻薬の密売、人身売買、用心の暗殺、etc……」

「ガチの犯罪組織じゃねぇか!」

「ちなみにアメリカ空軍の上層部ともコネを持っているッ!」

「何で誇らしげに言うんだよ!!」

 

俺そんなヤバい人のオムライス食べてたの!?ヤバい人ってこんな美味いオムライス作れるモンなの!?俺があたふたしていると、ベガはいつの間にか冷蔵庫からビールを取り出していた。マジでいつの間に?

 

「そんなに興奮していたら料理が楽しめないだろう。飲んで落ち着くがいい」

「これで眠らせる気なんじゃ……」

「フハハハハ!面白い冗談を言う奴よ!そんな事はしないから、安心して飲め!」

 

俺は意を決してビールを飲んだ。……プハーッ、やっぱ美味ぇ!(敗北)

 

「爽やかな喉越しィ……」

「そうだろう。やはりビールは夕食の友よ!」

 

ベガもゴクゴクと飲んでいる。豪快だなぁ。……なんか、この人が悪の首領って言われても嘘みたいだな。今まで人とあまり接してこなかったせいか、この時間が余計楽しくなって来た。よーし今日は盛大に歓迎されよう!

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

気が付いたらもう九時半を回っていた。あの後は一緒にゲームをしたり、シャドルーに付いて延々と聞かされたり……とにかく楽しい時間だった。

 

「もうこんな時間……そろそろ帰りますね。明日早いですし」

「良いだろう。またオムライスが食べたくなったら何時でも訪ねるがいい!」

「はは……その時はご馳走になります。今日はありがとうございました」

「……いや、ちょっと待て!」

 

ドアノブに手をかけた俺を、ベガさんが慌てて制止した。何だろうかと待っていると、手に何か黒い物を持って来た。

 

「見ろ!シャドルー特製Tシャツだ!今ならこのベガが直々にサインを……」

「いえ、結構です」

「何ィィィ!?」

 

それは流石に断った。

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