俺の隣人が悪の首領達ってどういう事なんだよ 作:塩焼きそば啜郎
ちょっと涼しくなった休日
「……」
今日は休日だ。スマホのアラームは遅い時間に設定してある。眠気と共に目を開けると、見慣れた天井……ではなくベガさんの顔が。
「フンッ」
「オゴォ!?」
ほぼ反射で顔面にアッパーを繰り出す。見事にクリーンヒットした。
「……んで、なんで人ん家のベッドの前で待機してんすかねぇこのケツアゴサイコ野郎ッ」
「なんか段々と遠慮が無くなって来たな、貴様」
「慣れってやつですよ。で、本当に何の用ですか?」
「……特に無しと言ったら?」
「ギースさんとシグマさん呼びますよ」
「止めろ。実は部屋のキッチンがまるごと消し飛んでな……復旧するまで使わせて欲しい」
「……ちなみになんで消し飛んだんですか?」
「届いた新兵器の開封をしてたら爆発して……」
まぁそうだよね。この人周りで起こるトラブルは大抵の場合普通じゃないのは予想出来る。しかしこのまま帰らせる訳にも行かないので、家事の手伝いを条件に使わせる事とした。
「感謝してやろう!!」
「その口調どうにかなんねぇかな……」
◇ ◇ ◇ ◇
「おい、昼飯が出来たぞ!」
「あ、どうも」
午前中はぐーたら過ごし、あっという間に昼過ぎになった。過ぎた時間を若干後悔するのも休日ならではだろう。キッチンから出て来たベガさんが持っているのはやはりオムライス。得意料理というかこれしか作れない。なんで?(疑問)
「いただきます……やっぱ美味ぇわ」
「このマンションで私を超えるオムライスを作れる者はいない!」
「それは過言じゃないのがなんか悔しい……」
でも美味いから良しとしよう。やがて昼食を食べ終わり、再び暇な時間がやって来た。何かする事があればいいのだが、そう簡単に見付からないのがしんどい。
「龍成よ、何かする事は無いのか?」
「特にはありませんね」
「貴様の事だ……そう言うと思ってこいつを用意したァ!」
「……人生ゲームですか?」
ワープして持ってきたのは、おもちゃ屋などでよく見かけるボードゲーム……のはずなのだが、何やらおかしい。
「これってもしかして……シャドルー製?」
「大当たりィ!良く分かったな」
「なになに……『兵器工場を建設するが爆破炎上』、『悪事が警察にバレて襲撃される』、『組織を裏切った罰としてサイコパワーを強制的に注入される』……マイナスばっかじゃねえかッ!!」
「それが良いのだろう。やるぞ!!」
「えーと、二は……『組織にターゲットにされる』!?」
「ではこの工作員に追いつかれたらルート変更だな!」
シャドルーへと入れさせられそうになったり、
「『犯行現場を目撃した!ルーレットで五以上が出れば逃走成功』!?……よっしゃ六ゥッ」
「チィッ……」
なんとか命拾いしたり、
「ふむふむ、『新たな麻薬ルートを確立』か……フハハハ!ついているな!!」
「あ、じゃあ警察カード使って妨害しまーす」
「何ィィィィ!?」
隣人の悪事を阻止したり、とにかくボリューム満点なゲームを楽しんだ。デジタルゲームも良いが、アナログなボードゲームも十分に楽しめる。妨害で悶絶するベガさんを見ながら、俺はそう思った。
「『組織崩壊で破産』だとォォォォ!?」
「悪い事は出来ませんね」