俺の隣人が悪の首領達ってどういう事なんだよ   作:塩焼きそば啜郎

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熱いお風呂に浸かって投稿です


続々・秋の旅館へ行く総帥

俺が寝ている間に色々あったらしいが、まぁ置いておこう。部屋にお菓子と卓球台が散乱している今更、追求するのは無駄だ。……とは言っても、無駄な事に時間を費やしてしまうのが人間という生き物な訳で。

 

「なんでこうなった?」

「……やり過ぎたな」

「同感だ」

「片付け出来ない大学生の寮じゃないんですよ?」

 

どうすんのこれ?例えるならおもちゃが散らかったのび太の部屋くらい汚くなっていた。この状態で旅館の人とかが来たらそれこそ終わりだ。

 

「とりあえず、急いで片付けますよ!」

「分かった、分かったからそんなに引っ張るな龍成ッ」

「あんたが退かないとスペースが確保出来ないんだよッ」

 

ベガさんをどかせ、掃除を開始する。ブツブツと文句を言いながら片付けるベガさんを横目に、俺とシグマさんはせっせと片付けを進めた。卓球台をたたみ、お菓子の袋と食べかすをビニール袋に入れる。小さな食べかすはシグマさんが吸引してくれたので助かった。

 

「ふぅ……もうそろそろ終わ

「お客様、お食事の準備が……」

「「「……」」」

 

ピシャッ

 

閉められた。多分、まだ入ってはいけないと悟ったのだろう。それまで文句を言っていたベガさんも無言で片付け始めた。……後で謝っておくか。

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

ようやく部屋中の片付けが終わったので、俺達は浴衣に着替えて食堂に行く事にした。帽子を脱いだベガさんをシグマさんが鼻で笑った時はまた問題が起こるのかとヒヤヒヤしたが、さっきの一件で流石に場をわきまえたらしい。偉いぞ総帥。

 

「広っ」

 

食堂に着いた俺が一番に感じたのはそれだった。一面に広がる机には、豪華な料理が所狭しと並べられている。既に来ている人が楽しそうに食事をしていた。

 

「フン、シャドルー本部に比べればどうという事は無いわ!」

「なんですかその見栄は」

「これがベガだ」

 

呆れながらも、案内された席に着く。

 

「んじゃ、いただきます!」

「いただきますッ」

「いただこう」

 

それぞれが目の前の料理にかぶりつく。その時既に、これまでの疲れが吹っ飛んでいるように感じた。

 

「美味い!やっぱいつも食べるのとは違いますねぇ!」

「フム、中々いけるではないか!」

 

夕食はなんと焼き肉だった。タレのかかった柔らかい肉をおかずに、ご飯を口に掻き込む。時折水分補給をしながら、料理はあっという間に無くなっていった。

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

「ふぅ~……」

「食べたな。さて、後は風呂だけだ」

「私は留守番しておこう」

「じゃあ俺とベガさんだけですね」

「よし、少し休憩したら……いやまて、これを見てみろ」

「?」

 

見てみると、壁には一枚のチラシが貼ってあった。どうやら露天風呂があるらしい。しかも午後十一時まで使える。現在は午後七時。

 

「時間ギリギリに行って広い所を堪能するというのはどうだ!?」

「賛成ッ」

 

この時の俺は中々に悪い顔をしていたという。

 

 

「そろそろだな」

「ですね。みんな寝静まってると良いんですけど」

 

俺とベガさんは音を立てないように部屋を出る。そして、周りに人がいない事を確認するとワープで更衣室まで直行した。

 

「……よし、いない」

「これでいたら晴れて不審者でしたけどね」

「私は元より犯罪者よ。気にする事は無い」

「俺が気にするんだよなぁ……」

 

そんな会話をしながら、服を脱いで浴場へと出る。思った通り、客は誰もいなかった。ひんやりとした空気が肌を刺し、夜空に浮かぶ月の光が温泉から上る湯気をより幻想的なものに変える。

 

「フハハハ!このベガの目論み通りよ!」

「……」

 

そんな空気をブチ壊すのがこの人の特技らしい。てか大声出すなよ。

 

「さっさと洗って入りますよ?」

「そうだったな」

 

取り付けられているシャワーで軽く体を流し、旅で溜まった汚れを落としていく。しばらく洗い、本命の露天風呂に向かった。

 

「いや〜最高ですね。大きな月を見ながらの風呂は」

「全くだ……熱い湯が疲れを持っていってくれるわ!」

「しかし、よく思いつきましたね」

「私を誰だと思っているのだ」

「……悪どい隣人?」

「シャドルーの総帥ベガ様と呼べいッ」

「じゃあ本部で五連夜勤する総帥で」

「フン、生意気な奴よ!」

「その生意気な奴にご飯奢って貰ってるのだ〜れだ」

「……」

 

俺の中で総帥いじりがブーム化した瞬間だった。そして、その一部始終を係員が聞いていたのが扉が閉まる音で分かった。……明日謝っとくか。

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