俺の隣人が悪の首領達ってどういう事なんだよ 作:塩焼きそば啜郎
今年は異常気象を嫌という程実感した年だった。なんせ九月末まで夏のように暑く、十月に入ってやっと涼しくなったかと思えば、もう冬の寒さが到来している。
「あー、さっむ」
買い物を終え、扉を開けた。外よりはましだが、依然として寒い。冷蔵庫に食品を詰め、リビングのソファーに座り込んだ。
ベガさんは相変わらず出合った時の格好だ。ギースさんも。寒さに異常な耐性を持っているとしか考えられないだろう。ドッピオさんはちゃんと上着着込んでたしな。
「ん、誰だ?」
考えていると、チャイムが鳴った。
「ベガさん。珍しいですね」
「珍しいだろう!」
「自覚あるのかよ。で、どうしたんですか?」
「いやな、ドッピオとF-MEGAで対決したのだが……」
「フルボッコにされたと」
「!?」
「で、俺に教えて貰いに来たって所ですかね?」
「貴様ァ何故それを!?」
「大方ドッピオさんから俺に教えてもらえとでも言われたんでしょう?」
「クッ……全て読まれている!?」
「ま、暇してたんでいいですよ。ここじゃなんだし、中に入りましょ」
「おおッ、それでこそ私の隣人よ!」
都合良いなぁ、この人。そのおかげで退屈は滅多にしないけどね。
「どれどれ、お手並み拝見と行きますか」
「フン、貴様ごときに負ける筈が無いわ!」
「負けましたね」
「負けたな……」
レースを終え、再びモード選択画面へと戻った頃には、ベガさんの顔はやつれにやつれきっていた。すっげぇ、滅茶苦茶ガリガリになってる。
「まず、ドリフトが出来ないと話にもなりません。基礎テクニックから学ばないとドッピオさんには勿論俺にも勝てませんよ?」
「ヌゥゥゥ、それだけは許せん!」
「なんでだよ」
「仮にもシャドルー総帥のこの私が一般人にレースゲームで負けた事が知られてみろ!私のイメージが崩れるわ!」
「もう大分崩れきってるんだよなぁ……」
正直今からイメージを修正しようとしても手遅れだと思う。俺は基礎テクニックを一通りベガさんに教えこみ、彼もメキメキと上達していった。
「フフフ……これならドッピオにも勝てる!礼を言うぞ龍成よ!」
「あっ、ちょっとま……行っちゃったか」
颯爽とワープで消えていくベガさん。なんだろう、ドッピオさんにボロ負けして泣きついて来る姿が用意に想像出来る……。
「ま、まぁ?
そうだな。教えた俺が信じなくてどうするんだ。きっと勝ち星を上げて来てくれるさ。
「何故勝てないんだぁぁぁぁ!?」
「そりゃあ基礎しか教えてねぇからなッ!!」
まぁこうなるよね。
次回から最終章、冬編に突入です