俺の隣人が悪の首領達ってどういう事なんだよ   作:塩焼きそば啜郎

33 / 35
冬の牡蠣で腹を下して投稿です


牡蠣に挑戦するハワード・コネクション総帥

「ここが牡蠣小屋……」

「冬は焼き肉も良いですけど、やっぱ牡蠣も外せませんよねぇ」

 

毎年冬に期間限定で開催されているこの牡蠣小屋。コツコツ貯めたお金で牡蠣を贅沢に食うのが毎年の楽しみだが、今年はギースさんの奢りだ。流石は大企業の総帥。

 

「あ、これ着ないと飛んだ汁に当たりますよ」

「これか」

 

店員に案内され、席に置かれていた上着をギースさんに渡す。この人無茶苦茶寒いのにいつもの半袖道着だったからな。多分ベガさんと同じタイプだわ。待っていると焼く準備が整ったので、早速牡蠣を投入する。

 

「この後はどうすればいいのだ?」

「大体四十秒くらいしたらひっくり返して、殻が開いたら食べごろですよ」

「焼き肉と同じような物か」

「まぁそう考えて貰って良いです」

 

にしても金髪の巨体外国人が牡蠣を焼く光景かぁ……中々無い組み合わせだな。そんな事言ったら鰐が肉を焼く光景を見ているけれどもね。

 

「にしても、落ち着きますね」

「だな。普段はベガに振り回されているからな……奴がいない所というだけでも……

「龍成にギースではないかぁ!」 

「「!?」」

 

この雰囲気をブチ壊すような大声ッ!まさか……

 

「ベガ、何故ここにィ!?」

「馬鹿者!冬と言ったらラーメンか牡蠣だろう!つまり二分の一を引いた訳だな!!」

「チックショオ俺達の平和な時間が……」

「フハハハ、それにしても大きい牡蠣だな!もうひっくり返して

 

その時、牡蠣から飛び出た汁が一閃。

 

アッッチィイイィィイィィ!?!?!?」

「そりゃ顔を近付けたらこうなりますよ!!」

「馬鹿は貴様だったな」

 

ベガさんは顔を押さえながら自分の席に戻って行った。なんだったんだあの総帥……。

 

「まるで嵐みたいだぁ……」

「言いたい事はなんとなく分かったぞ、龍成よ……そうだ、ひっくり返すのだったな」

 

ギースさんが慣れない手で牡蠣をひっくり返す。なんか可愛い。

 

「さて、ここからは二分待つか」

「ですね」

 

 

「という訳で待ったぞ」

「随分綺麗にカットしましたね」

「そういう物だ。さて、どうやって開けるのか……」

「このナイフで……フンッ!こうやるんですよ」

「なる程、こうか!」

 

今更だがギースさんは格闘家でもある。つまり、俺よりも何倍も力があるという事だ。そんな人が加減を知らずに牡蠣にナイフをねじ込んだら……。

 

「ふぐおおぉぉおおッッッ!?」

「ギースさぁん!汁が顔面にィ!」

「くそう、熱いぞ龍成!!」

「大丈夫ですか!?」

 

熱さに顔をしかめるギースさんにティッシュを手渡しながら、ふと思った。

 

(こんなやり取りも、もう何回目だろうか……)

 

今年ももう終わりに近い。後数ヶ月でここに来て一年だ。随分派手だったな。

 

「……どうした、龍成よ。ボーッとして」

「あぁ、いえ。それより、早く食べましょうよ」

 

窓から見えた空は、相変わらずの晴天だった。




遅くなって申し訳無いです。
そして次回、最終話。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。