俺の隣人が悪の首領達ってどういう事なんだよ 作:塩焼きそば啜郎
今日も今日とて仕事からくたびれて帰って来た。最近は私生活で色々ありすぎている(主に隣人のせい)ので、疲労が余計溜まっているように感じる。やっとこさ五階に上がる階段に差し掛かった所で、ある物を見つけた。
「……王冠?」
落ちていたのは、金色に輝く王冠。装飾などは一切無いシンプルなタイプだ。十中八九誰かの落とし物だろうが何故マンションに王冠が落ちているのかは分からない。取りあえず拾って階段を上ると、ちょうど奥の方の扉が閉まる所だった。あそこは……503号室だったな。早速チャイムを押す。まぁどうせ奇天烈な住人が住んでいるのだろうが……
「……」
「……」
扉の先にいた住人の特徴を簡単に述べておこう。鰐のような鱗、血走った左目、手足には鋭い爪。腹は王冠と同じように金色に輝いており、口にはこれまた鋭い牙が生え揃っている。……なんだこの化け物ォ!?(結論)
ベガさんの時と違ってガチの人外じゃねえかよどうなってんだコレ!?
「……!」
「あっ、えと、あなたの王冠でしょうか……?」
向こうは俺が持っている王冠に気付いたらしく、言葉が通じるかは分からないが取り敢えず差し出す。これで泥棒とでも勘違いされたら俺終わりだぞ。
「♪」
(通じた……)
どうやらこちらの言葉は通じるらしい。王冠を手に取るとご機嫌に頭に乗せた。なんだか鳴き声も上げている。そのままそそくさと帰ろうとした俺の腕を、彼(?)の手がガッチリと掴む。その勢いのまま、俺は部屋の中に連れて行かれた。……この状況で冷静になれるってもう末期なんじゃないかな(入居二週間目)
◇ ◇ ◇ ◇
部屋の床一面に防音シートが貼られていた。以外と対策してるんだな……。と、関心したのも束の間、奥に行くに連れてだんだんと寒くなって来た。見ると、とある部屋の扉の隙間からうっすらと冷気が漏れ出ている。彼も寒さで震えるどころか動きが鈍くなっていた。あっ、変温動物ゥ……
「いやサムズアップしても駄目ですって!早く戻りましょう」
必死に威厳を保とうとしているのか笑顔でサムズアップするが、ここまで来たら威厳もへったくれも無い。体を引きずりながら暖かい部屋まで戻る。
「そういえば、なんで俺を部屋に?」
そう言うと、彼はフォークを二つと巨大な豚の丸焼きを持ってきた。そいつを食えってか(絶望)
「頂いてもいいんですか……?」
案の定OKの返事が。腹がはち切れる事を覚悟して、俺は席に付いた。逃げる?とんでもない。逃げたら俺が晩飯になるだろう(偏見)
◇ ◇ ◇ ◇
「やっべ、もう無理……」
「ウガ……」
約三十分後、俺達二人は床に寝そべっていた。大きな皿には、骨がゴロゴロと転がっている。胃もたれを起こす腹を抑えながら、彼に聞いた。
「そういえば、お名前は?」
彼は一枚の紙を取り出し、爪で引き裂いて名前を書き始めた。そして出された紙には、「King.K.Rool」の文字が。ん?う〜ん……キングまでは分かる。その後がなぁ……
「えと、キング、キングク……」
「……」
「あっ分かった!キングケールール!」
彼からは白けた視線が飛んできた。なんで?
平日は大体五時から十時の間に投稿します