俺の隣人が悪の首領達ってどういう事なんだよ 作:塩焼きそば啜郎
鰐の化け物(失礼)ことキングクルールさんと出会った翌日。多少の疲れを残しながらも俺は出勤しようとフロントまで降りた。職場までは自転車なので、外にある自転車置場に向かう必要がある。しかもぐるっと回り込む必要があるのが地味にもどかしい。何時ものように小走りで玄関を出た時、俺は曲がって来た青年とぶつかってしまった。相手は鞄の中をブチまけたようで、急いで拾う。
「す、すいません!」
「いえいえ、大丈夫ですよ。お仕事ですか?」
「あ、はい。少し急いで出たもので……」
「頑張って下さいね、お仕事。では……」
そう言ってぶつかってしまった青年は去って行った。しばらく歩いて後ろを振り返るが、もう彼の姿は無い。それにしても優しい人だったな。頭髪はピンク色だったから、多分外国の人だろう。服は胸とヘソを出していて奇抜だったが。ここの住人の共通点だな。
「やっべ、遅れる!」
腕時計を見て、急いで走り出した。
◇ ◇ ◇ ◇
「はぁ〜っ、疲れた」
午後六時。夕日に染まる道を、俺は自転車に乗って帰宅していた。とはいっても少し寄り道をするのだが。脇にあるコンビニでジュースでも買って帰ろうと、駐車場に自転車を止めた。
「さてと、何を買うか……」
「あ、またお会いしましたね」
後ろを振り向くと、そこには出勤前に会った青年がいた。
「ん?あ!今朝はすいません……」
「いいですよ。それよりお買い物ですか」
「はい。あなたも?」
「今日の晩御飯をと。恥ずかしながら、自炊は苦手なもので……」
「難しいですよね。良ければ一緒に帰りますか?」
「ぜひ」
よし、やっとまともな人と知り合えたぞ。今まで知り合ったのはシャドルー総帥とハワード・コネクション総帥と鰐の王様だけだからな。……思ってみればかなりえげつない人選だな。自分の交友関係に困惑しつつも、会計を済ませコンビニを出る。自転車を押しながら道に出た。
「そうだ、自己紹介がまだでしたね。僕、ドッピオっていいます」
「俺は黒木龍成です」
ドッピオさんかぁ……やっぱり外国の人なんだな。日本語が流暢なあたり、長い事日本に住んでるのだろう。彼と談笑しながら道を歩いていると、突然彼が後ろによろけた。誰かに押されたのだ。
「おい、お前……なんだぁその格好は!誰に断ったんだコラァ!!」
「兄貴の前でそんな格好するたぁ度胸あるじゃねぇか……」
絡んできたのは、二人組の不良。俺はすぐさま不良共を追い払おうとした。
ガシッ!
だが、その前にドッピオさんの腕が不良の首を掴んだ。見てみると、さっきまで細身だった彼の腕はどんどん膨らんでいっている。え?この人とんでもなく強い?
「誰に断る必要があるのだ?え?まさか、貴様らのような便所のタンカス共に頭を下げろという事ではあるまいなッ!!」
「なっ、なんだこいつ!?……うっ、うがぁ……」
ドッピオさんの力は更に強くなる。ヤバいって!目の色変わってるし鳴っちゃいけない音なってるよ!
「二度と俺の前に現れるなッ!!」
ドッピオさんは不良を投げ飛ばした。それを見た仲間は逃げ出し、投げられた奴もすごすごと逃げていく。彼の方を見ると、さっきまでの雰囲気は消えて無くなっていた。
「すいません……怒るとああなっちゃいまして……タチの悪い事に、怒ってる時の記憶も無いんです」
「あぁ……よくありますよね、えぇ……」
気まずい……めっちゃ気まずい。そのままマンションまで付いてしまい、無言で階段を登る。彼は504号室だったので、俺の部屋の前で別れた。扉を開け、鍵を閉める。
「……あれ?」
おかしい。鍵を閉めようと後ろを振り向いたのに、
最近ギャグ要素少ない…少なくない?