仮面ライダーブートレグ   作:志村琴音

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第25話です。
何も思い付かなかった&急いで書いたので、今回は結構グダグダです。許してください!
何度も書いてある所ですが念のために言っておくと、『アクト』の世界と『ブートレグ』の世界は全くの別物ですので、把握をお願いします。
感想や読了報告等くださると筆者の励みになります故、何卒宜しくお願いいたします。

※今回の話には、実在する施設や発生した事件をモデルにしたものが登場しますが、実際のものとは一切関係がありません。ご了承ください。



【イメージOP】
THE RiCECOOKERS - NAMInoYUKUSAKI for SPEC【戌】

【イメージST】
得田真裕 - TBS系 金曜ドラマ「MIU404」オリジナル・サウンドトラック


25 - 虚人(F)

 一日前。岩田はタクシーを使って中野の方へと向かっていた。

 仕事終わりにタクシーを使うことが多いこの時間に捕まったのは本当にラッキーだった。代わりにその時の運転手がかなり饒舌な人間で、「人間ドッグか何かですか?」と声を掛けてきたのだが、適当に相槌を打ってスルーをする。

 

 何故運転手が人間ドッグを話題に出したのか。

 その理由は、目的地が警察病院であったからだ。通常の大学病院よりも閑静でいて停まっているタクシーの量も少ないためか、会計の時には饒舌な運転手はその空気に呑まれて噤んでしまっていた。

 

 受付に行って自身の身元を明かすと、病室の場所を教えてくれた。

 エレベーターを使って3階に上がり、とある病室の所まで行く。

 ドアの両端には警察官が待機をしていて、聞こえないような小さな声で、

 

「本当に街中の人がいっぱいいる所で突然やられたのか?」

「らしいぞ。しかもかなり静かにやったから目撃者もゼロ。こりゃ、多分プロの犯行だろうな」

「嘘だろ……。まるで殺し屋みたいだな」

 

 などと雑談をしている。

 

 そんな彼等に断りを入れてドアを3回ノックすると、中から「はい」と声が聞こえる。

 ガラガラと引き戸を開けて、子供がはしゃぐ声が聞こえる病室の中に入った。

 

 簡素な個室の中心部分にあるベッドでは、一人の女性が頭に包帯やら何やらを巻き着けた状態で寝転んでいる。

 どうやらにかなり疲弊しているようでそのまま動かない状態の女性に、岩田は声を掛けた。

 

「久しぶりだな──」

 

 

 

────────────

 

 

 

「あれ?」

 

 納谷は和室の中に一人でいた。

 いつもならラシャがいる筈なのだが、今日は何故かいない。

 代わりに彼が座っている椅子には『暫し外出する』との書き置きが寂しく置かれ、今にも外から入って来る風によって何処かに運ばれそうになっている。

 

 非常に困った。彼はやることが無いのだ。

 外に出ることにもまるで興味は無く、団員達と話すことは億劫な気持ちになって仕方が無い。

 

 こんなにも暇な時間は拷問に近く、納谷は特に定めず遠くの方を見て静かに呟いた。

 

「早く()()()()()()なぁ」

 

 声は誰の耳にも届くこと無く、壁に吸収をされて消えて行った。

 

 

 

────────────

 

 

 

「滝口だ。宜しく頼む」

 

 突如として現れた颯太の協力者に、由姫は少しばかり恐怖のような感情を抱いた。

 何かの手違いを起こしてしまえば殺されてしまうのではないかと思えてしまう雰囲気を漂わせていて、全身が強張ってしまう。

 

「あ、入って良いですよ」

「え、あ、え、うん……。どうぞ」

 

 由姫の気持ちなどつゆ知らず、颯太は万太郎を車内に招き入れた。

 後ろのドアを閉め、Newユーザーズストライカーにある壁に設置された長椅子に座ると、手に持っていた鞄の中を弄り始めた。

 

 そんな最中、由姫はなるべく聞こえないように颯太に耳打ちをする。

 

「壱宮君、この人大丈夫なの?」

「大丈夫大丈夫。意外と良い人だから」

 

 笑顔で言う颯太。

 この男の笑顔を由姫はある程度信用出来るようになっていた。

 

「それに、もし何かあったら俺が守るから」

「……どうせ口だけでしょ」

「どうだろ。……そうなのかもなぁ……」

 

 笑顔は決して崩さない。

 しかし確実に影が差していたために、由姫は若干の不安を覚えた。

 

 どうしてこの人のことが心配になったんだろう。

 確かに美味しい料理は作ってくれるし、戦闘では頼りになるし、正義感は強いし、自分の愚痴をある程度ニコニコしながら聞いてくれるし……。

 もしも何か最悪なことがあって、いなくなったら嫌だなぁ……。

 

 あれ、何でこんなことを考えているんだろう、と頭の中で妙に思ってしまっていると、颯太が話を始めた。

 

「調べてくれました?」

「勿論だ。これがその資料だ」

 

 鞄から出した大きな茶封筒を万太郎から受け取る颯太。

 それを見て由姫は我に返り、颯太に質問をした。

 

「何を調べてもらったの?」

「実はさ、こないだ死んだ南のスマホを柿沢さんに解析してもらったらさ、こんなのが出て来たんだよ」

 

 颯太はスマートフォンを操作して表示された物を見せる。

 どうやら彼が送っていたメールの一部らしく、たらたらと文章が書かれている最後にはこんな一文があった。

 

 

 

 

 

 全ては、ゲルダム及びラシャ様のために。

 

 

 

 

 

「ゲルダム? ラシャ様?」

 

 聞き慣れない言葉の羅列に、由姫は首を傾げるばかりである。

 けれども同時に、どうして万太郎が呼び出されたのかもすぐに察した。

 

「意味解んないでしょ。だから調べてもらったんだよ」

「ああ。さて、始めるか」

 

 颯太が封筒の中から大量の資料を取り出し、由姫にも見せる。

 丁寧に一つ一つのことが文字となってまとめられており、それを要約するかのように万太郎は語り始めた。

 

「まず初めに、ゲルダムと言うのはとある宗教団体の名称だ。ドライバーやガジェットを配っているのは、この団体が中心になっていると我々は考えている」

 

 続けて万太郎は組織の概要を語り始めた。

 

「発端は1960年代後半、日本各地で起こった学生運動だ。当時、様々な大学で抗争が勃発していただろ?」

 

 確かにその通りだ。

 他国が起こした戦争や大学の授業料の値上げ等、様々な理由が奇跡的のも重なり合って全共闘運動は起こったのだ。

 しかしそれがどうやって宗教団体と繋がるのかが二人には分からない。

 

「それが、どうしたんです?」

 

 由姫の質問に答えるかのように、万太郎は説明を続ける。

 

「別にこの運動自体に問題があったわけじゃない。問題は、この運動によって大学が休校してしまい、まともに授業が受けられなかった生徒達のストレスが溜まっていくことだ。フラストレーションを起こした彼等は徐々に集まっていき、運動を止めるための団体が出来て、徐々にシステムが宗教団体のようになっていた。それが今のゲルダム団だ」

 

 元々は別の組織だったにも関わらず、そこに徐々に信仰心が現れ、最終的に宗教の(てい)を成して普及していくのは良くあることだ。

 タチの悪いのは、宗教になってから入会者が次々と増えていくことだろう。それだけ人間は宗教と言う物への興味が尽きないのだ。

 

 更に万太郎は補足をする。

 

「トップとなったのはラシャと言う男だ。ラシャは元々学生運動に参加していたが、右足に障碍を負っていたために仲間から疎外されて離脱。野宮(のみや)(たすく)の二人でゲルダムを結集させた」

「? ちょっと待てよ。野宮……?」

 

 颯太が首を傾げると、由姫が何かを思い出したようだ。

 

「え、野宮ホールディングスと何か関係があるんですか?」

「ああ。関係も何も、野宮ホールディングスの社長で、ショッカーの首領だった、野宮小五郎の父親だ」

 

 ショッカー。

 それは嘗て埼玉県の上米町で暗躍をしていた組織だ。

 野宮コーポレーションと言う皮を被り、町民にドライバーとガジェットを渡して、新作の兵器の実験を行なっていたのだ。

 

 岩田経由でその一部始終を聞いてはいたが、まさかこんな所で絡んでくるとは思ってもいなかった。

 

「これが結成当初のゲルダムの写真。そして、この男が野宮祐だ」

 

 万太郎が颯太と由姫に見せたのは、1枚の色褪せた写真だ。

 様々な若者が整列をしているそれは、殆どの人間が身に纏っているチェック柄のポロシャツやスキニーパンツ、変わった形の眼鏡が半世紀前の独特な匂いを漂わせていている。

 

 一見ただの集合写真であるのだが、万太郎が指差す人物を見て二人は驚愕した。

 

「「⁉︎」」

 

 何故なら、その男は──。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嘘でしょ……⁉︎」

「納谷……⁉︎」

 

 現在公安第五課が追っている、納谷と言う男と瓜二つだったのだから。

 

 

 

────────────

 

 

 

 時を同じくして、椎名家では碧が調理を続けていた。

 美味しそうな匂いに、浩介の腹は小さな音を鳴らす。

 

「そう言えば、今日息子さんはどうしたんですか?」

「え? ああ。今日はね、保育園に預けてきたの。こう言う大人だけの場にいてもらっても仕方が無いからね」

「そうですか」

 

 若干の違和感を覚えたがすぐに頭の中から消した。

 

「夫が亡くなってからさ、こうやって人を家に上げることって無かったから、今日渋谷君の職場の人が来てくださるの、凄く嬉しいんだ」

 

 魅力的な笑顔で語る碧。

 その笑顔に釣られて浩介も微笑んだ。

 

 しかし浩介は見逃さなかった。

 リビングの中にある襖が作った隙間の中が、この世の物とは思えないくらいに散らかっていることを。

 子供用の服や玩具が床に無造作に放置をされ、本やら何やらが棚から溢れ落ちてしまっている。

 更には奥の棚の上に置かれた写真立てが倒れていて、中の写真に写っている青年の顔は横に傾いてしまっている。

 喜びの中に何かを隠している。それをこの部屋で表現していると示す、一種の隠喩のような光景であった。

 

 ただでさえ母親と言う名も無き職業は忙しい。しかも今の彼女にパートナーはいない。だが、こんなにも食卓を飾れる人間が、そのような光景を放置することは果たしてあり得るのだろうか。

 

 ここで浩介は何かを確信したのだが、それを決して言わない。

 

「あ、()()()()()はもうちょっとで来ますので」

「はーい」

 

 碧の包丁がターンと音を立てて、まな板の上を叩いた。

 その際、食材を見る碧の目は笑っていなかった。

 

 

 

────────────

 

 

 

 納谷の写真を見て驚いている二人に、万太郎は話を続ける。

 

「やっぱりそうだったか。まさかと思って我々も調べてみたら、本当にそのまさかだったとはな」

「因みにこの野宮祐って、今どうなっているんですか?」と由姫が訊く。

「記録では、1973年の2月10日に橋から飛び降りて自殺したらしいが」

 

 死んでいる。

 さすれば奴は彷徨う亡霊か?

 しかし自殺に見せかけて実は生きていた、なんてケースはミステリーでは常套になっているじゃないか。

 だとしてらどうして年を取らない?

 

 試しに由姫は今度は颯太に質問を投げかけた。

 

「壱宮君。もしさ、君がライドボットを使って全く違う姿になったりすることって出来るの?」

「うーん……。例えば、ヘルメットを出したり、全く違う服を着たりとかは出来ると思うけど、姿形を変えることは……無理だね」

「ああ。そもそも、ユーザーズシステムはその人間の肉体をそのまま実体化させる。今70代の人間がシステムを使ったとしても、20代の頃の身体を再現するのは肉体が老いる限り不可能だ」

 

 ──じゃあ一体どう言うことなんだ……?

 

 全く答えが見出せない二人。

 流れを変えるために、颯太は別に話題を持ち出した。

 

「ところでさ、そのゲルダム団は何をしたいわけ?」

「それは我々にも不明だ。ただ、狙っている物が2つあることは判っている」

「? 何ですか?」

 

「一つ目は新型のガジェットだ。こちら側の情報では、何故か君が回収している物を狙っている」

「じゃあ何で、大切な物を他人に配ってるの?」と颯太。

「不明だ。だが、単なる兵器と言うわけではなく、何か他の重要な役割があるのではないかと我々は考えている」

 

 万太郎の言う通り、あれは本当にただの新兵器なのだろうか。

 確かに旧式のガジェットよりも性能は格段に上がっている。しかし、だからと言って、神経を過剰なまでに研ぎ澄ませてしまうと言う弱点を持っている代物を、わざわざ売ったりするのだろうか。

 需要は勿論あるだろうが、きっと欠陥品として戻されることが殆どだろう。ならばどうして?

 

「そしてもう一つは──」

「あ、ちょっと待って滝口さん」

「?」

「もうそろそろ行かなきゃいけないから」

 

 万太郎の発言を遮った颯太の次に、由姫は自身の左手首に着けたスマートウォッチで今の時間を確認してみる。

「あ、本当だ」とエンジンを起動させると「話は走りながらでお願いします」と一言頼む。

 一先ず万太郎が首を縦に振ったため、由姫はアクセルを踏んでキジムナー号を発進させた。

 

 

 

────────────

 

 

 

「公安502。未だ連絡ありません。待機をお願いします」

『了解』

 

 さて、碧が住むマンションの前に停車されているセダンに、何故か洋平が乗っていた。

 無線機を使って何処かに連絡を入れた洋平は、運転席で両腕を後頭部に持っていき、じっとマンションを眺める。

 

「それにしても、今日僕来る意味あるのかなぁ……?」

 

 呟くが誰も返事をしてくれない。

 なので洋平は椅子を倒して寝始めようとするのだが、どうしても何かが気になって眠れず、元の角度に戻して再びマンションを見始めた。

 

 

 

────────────

 

 

 

「そう言えば、今日壱宮さんも来るらしいですよ」

「壱宮……? ……誰だっけ、それ」

 

 後もう少しで調理が終わりそうになったその時、突然浩介が碧に訊いてきた。

 どうやらその名前に聞き覚えは無いようで、包丁を動かす手を止めて暫く考える。

 

「え? ほらあれですよ。いつも取材とかでメールしてくる、大学生の」

「……ああ。そうか。思い出した思い出した!」

 

 心当たりがあったようで、はいはいと何度か頷く碧。

 しかしまるで自分を納得させるかのような言い方をし「もうそろそろ出来上がりますよ」と逆に声をかける。

 

 すると浩介はスマートフォンを取り出して何処かに電話をかけた。

 

「あ、もしもし、柿沢さん? もうそろそろ出来上がるみたいですよ。速く来てください! ──はい。じゃあまた後で」

 

 洋平との電話らしい。

 それが終わった途端にいきなり外が少し騒がしくなった気がしたのだが、碧が気に留める様子は無い。

 そうして包丁が踊る音がとっくのとうに消えていたキッチンでは、コンロからガスは離され、後は調理をする際に出来る残骸が残されるだけになった。

 

 碧が最後の皿を置く。

 お待たせ、と笑顔を見せるのだが、釣られて浩介が笑うことは無かった。

 

 

 

────────────

 

 

 

 キジムナー号は休日で混み合う道の中を走っていた。

 本来であればこの時間は渋滞にはまって動けないことが主だが、決してそのようなことにはならなかった。

 何故なら、今のキジムナー号は上部にパトライトを着けてけたたましい音を鳴らし、道を開けろと言外で圧をかけているからである。

 おかげで車は端に寄ってくれ、即席の専用通路が次々に仕上がっていくのだ。

 

 出せる最高の速度で独走する車の中、シートベルトをした状態で長椅子に座る万太郎に颯太が話しかける。

 

「それで? もう一つのやつって何?」

「二つ目は、()()()()()()()()()()()使()だ」

「? 何ですかそれ」と由姫が訊く。

 

 万太郎が詳細を教えてくれた。

 

「実は、ラシャには1人、娘がいるんだ。ただその子はまだ赤ん坊だった頃、母親と共に教団を抜け出した。母親は捕えられて拷問にかけられた(のち)に死亡したが、拷問の最中(さなか)、教団が何かしらの目的のために必要なデータが入ったSDカードを、羽のような形をした黒い痣がある赤ん坊の背中に埋め込んだことを告白した」

「つまり、それをゲルダム団はずっと狙っているってこと?」

「ああ。もし生きているのであればその子は20代前半。母親の逃げた距離を考えると、恐らく首都圏の何処かにいる」

 

 これで敵が何を狙っているのかは分かった。

 要はガジェットを全て守り抜き、その姫とやらを見つけば良いだけの話だ。

 

 車両が大久保のすぐ近くまで来た所で、颯太は次の話題へと流れを切り替えさせる。

 

「後さ、南が受け取っていた捜査資料の中身って調べてもらえた?」

「ああ」

 

 万太郎は別の書類を見ながら話し始めた。

 

「これらに記載をされていた4件の事故の被害者全員には共通点があった。同じ警備会社で働いていたんだ。HINOSHITAと言う会社の社長宅でもう一人、埼玉県で変死体として発見された椎名(しいな)春樹(はるき)と言う男も含めた計5人でボディーガードとして雇われていたらしい」

「5人? 転送させた捜査資料は4つですよね? その椎名って言う人の資料はどうしたんですか?」

 

 まさか自分が欲しかった商品の販売元で、そんな事件が起きているとは知らず驚いた由姫は、計算が合わないじゃないかと質問した。

 

「これはあくまで俺の推測だが、上米町署内の電光掲示板に『椎名春樹の死体が発見された』と言う情報が出たらどうだ? 捜査資料なんて渡さず、ただ単に死んだと言う情報だけ渡せば良いだろう?」

 

 言われてみればそうだ。

 わざわざ死んだことが公にされている人間の情報を、誰かがわざわざ仕入れようだなんて思うわけが無い。

 筋はある程度通ったと思われる推理だ。

 

「それで、結局その四人、と言うか五人はただの事故だったの? それとも殺されたの?」

「椎名春樹の事件に関しては現在捜査中で何とも言い難い。ただ、他の四名に関しては最初はそれぞれがただの事故だと思われていたが……」

「が?」

「いたんだよ。犯人と思われる女が一人。つい先日明らかになったそうだ」

 

 ここでまさかの急転直下なのか、と二人は半ば呆れた様子だ。もしもこれがミステリー作品であるのならば、確実に炎上をしなければならない物である。

 そんなことお構い無しに無表情の万太郎は話を続ける。

 

「その女は事故に見せかけて四人を殺害した後、すぐに行方を暗ませている。しかも調べてみると、その女はゲルダム団の中で何でも屋、簡単に言えば暗殺者のような役割を担っている人物らしい。……もしかしたら、いきなりガジェットを狙いにそっちに来るかもしれないな」

 

 最後の部分はまるで冗談のように吐き捨てた。

 しかし颯太と由姫は何やら神妙な面持ちをしていて、どうやら彼の言葉を冗談とは思っていないらしい。

 そして颯太が一つ質問を投げかけた。

 

「あの、判っているんだったら正直に言ってもらった方が良いんだけどさ」

「?」

「その人ってもしかしてさ──」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「椎名碧って人になりすましたりしてないよね?」

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