実は活動を暫く休止させていただいておりまして、久々の投稿でございます。
感想や読了報告等くださると筆者の励みになります故、何卒宜しくお願いいたします。
【イメージED】
King Gnu - 破裂
【イメージST】
牛尾憲輔 - Chainsaw Man Original Soundtrack Complete Edition - chainsaw edge fragments -
10月も後半に差し掛かって、徐々に肌寒くなってきた。外の葉は完全に紅色に染まり、趣深い。
だが店内にいる花蓮と武史は全く感じられない。
武史は職業柄気にしなければならないために変化に気がついているのだが、そんなことに興味の無い花蓮は人に教えられて初めて気づくのだ。
「食べないのか?」
「……人前ではご飯食べないって決めてるから」
俯いた状態を保つ花蓮に、それ以上武史は何も言わないようにする。
すると、
「ねぇおじさん」
「ん?」
「……私って、過保護かな……?」
俯く花蓮は昨日のことを気にしていた。
画面の中でしか会えない女性に
「そうだな……。寧ろ俺は、絵麻ちゃんとかを放ってしまっている
「……そりゃそうね」
成人をして2年程しか経っていない花蓮に、思春期真っ盛りの絵麻。
確かにこの二人を放置している武史は、中々の強者だ。
保護者としての責任を放棄しているわけではなく、のびのびとさせることが出来ているのは彼の手腕他ならない。
「……まぁ、優司君とか絵麻ちゃんくらいの年齢の子は難しいからな。そっとしておこうとしても、どうしても気になってしまう。……その人に合う形にすれば良いんじゃないか?」
「……成程ね……」
その時、勢い良く店の扉が開かれた。
振り向くと、優司と絵麻が息を切らした状態で立っている。どう考えても只事ではない。
「どうしたの……?」
「お姉ちゃん……ウチの学校に、ショッカーが現れた……!」
「!?」
────────────
翌日の夕方。店のテーブルの一つを優司、花蓮、絵麻、そして万太郎の四人で囲んでいる。
万太郎は持っている大きな茶封筒から何枚かの書類を机上に置いた。優司達が見てみると、それは名簿のようだ。名前や住所、何かの日付が書かれている。
「絵麻ちゃんに言われて調べてみた。この1ヶ月の間に自殺をした約22人は全員、木野塚マリアのメンバーシップに加入していた。それが、彼等がスーパーチャットを送らなくなってから、数日以内に自殺を行っている」
そういえばここ1ヶ月、サラリーマンが高層ビルの屋上から飛び降りたり、女子大学生が一人暮らしをしていたマンションでリストカットを行ったりと、不穏なニュースが頻繁に流れていた。やけに物騒だなと思っていたのだが、やはりショッカーが一枚噛んでいたのかと納得してしまう。
「じゃあ、木野塚マリアは、自分に貢がなくなった人達を次々と自殺に追い込んでいく、ってこと?」
花蓮の言葉に、優司が頷く。
だが、
「いや、それは男だけだ。女の場合は、全員が行方不明になっている。もし例えば、彼女等が木野塚マリアのために動かされているとしたら?」
万太郎がとあるルートで調べてみたところ、メンバーシップに入った女性だけ、配信を見る際のURLが通常のものと異なっていたらしい。
もしもそれが女性を洗脳するためのものであったとしたら──。
さすれば彼女はただの蜂じゃない。女王蜂だ。
雄蜂は女王蜂に精子を提供し、それが出来なくなれば死ぬ。一方の雌蜂は女王のために動く。それをただ人間の現代社会に置き換えただけに他ならない。
「そもそも、いつ脊髄にICチップを埋め込んだんだろう……」
今度は絵麻が呟いた。
「……彼女はこの前、ヘルニアの手術をしたばかりです。多分、その時に……」
優司の言う通り、ヘルニアの手術では脊髄に施術をする。
もしもその際に埋め込まれ、術後にショッカーからユーザーズドライバーを受け取り、ワスプユーザーとしての活動を始めたとすれば合点がいく。
ふと三人が優司を見る。
彼の顔からは血の気が引いて青ざめている。
そんな彼にどう声をかけて良いのか分からないまま、この場は解散となった。
「優司君」
その夜、優司が自室に戻ろうと2階の廊下を歩いていた時、花蓮が後ろから話しかけてきた。
「あのさ……。大丈夫?」
「何がですか」
「だって、倒さなきゃいけないのは君の推しなんだよ? 君にそんなことが耐えられるのかどうか不安だし、それに──」
「こないだから何なんですか」
低く沈んでいくような優司の声が聞こえてきた。
彼が振り向かずにそんな声を出してきたので、花蓮は驚いてしまう。
「僕のやること全部に干渉しようとしてきて、そりゃあ、ショッカーとの戦いでは介入しなきゃいけないでしょうけど、だからって、僕の趣味のところまで土足で足を踏み込んできて……。僕は子供じゃないんですよっ……」
精一杯の抵抗を示した優司は自室の中に入り、ドアを勢い良く閉めた。
彼の様子に軽いショックを受けてしまう花蓮。
そうか。やはり不要であったか。一体これから彼にどうやって接すれば良いのだろうか……。
考えを巡らせる花蓮はその場で立ち尽くしてしまう。
いくら優秀な彼女でも解くのに容易ではない問題に頭を悩ませながら、自身も部屋の中へと戻って行った。
────────────
「つまり彼は、ちょっとした反抗期というわけかい?」
「そういうことです」
夜の社長室にいるのは椅子に座る野宮と、壁にもたれかかっているワスプユーザーだけではない。
姿は一切見えない。けれども野宮の前には確実に
「それは、私にとって好都合なの?」
「……どうでしょう。私には何とも」
「しかし、油断してはいけない。引き続き頼む」
余裕そうなワスプユーザーに釘を刺す野宮。どうやら彼なりに優司を警戒しているようだ。
そして少しして、透明なものと蜂の女が黒い粒子となってその場からいなくなったところで、野宮は一つ深い溜息を吐いた。
────────────
万太郎が数日経って再びCafe Amigoを訪れた際に優司に言われたことは「小野塚マリアの住んでいる場所、分かりますよね? 教えてください」であった。
マリアのメンバーシップ会員についてあれだけ調べられている万太郎であれば、彼女の住所くらい分かっているだろうと考えたのである。
「それを知ってどうするつもりだ」
「貴方は知らなくて良い」
「なら教えることは出来ない。一応私は大人だからな」
「関係ありません。その気になったら……力尽くにでも情報を出させます……!」
いつもひ弱で頼りなさそうな優司が今、自分を真っ直ぐと見つめてそんなことを言っている。
きっと自分が抵抗したとしてもきっと粘るに違いない。ここは、大人としての常識だとかを無視する必要があった。
「……分かった。この住所だ」
渡された住所を元にしてユーザーズストライカーを走らせた優司が辿り着いたのは、都心部にある一軒の高層マンションであった。白い外壁が横にずっと続くその様はまるで豪邸のようであり、女王蜂が住む巣というのに最も適していると感じてしまう。
大きな茶色い自動ドアの前には、タクシーやらを前に停めるための通路があったので、その端にユーザーズストライカーを優司は停めて、トランクの中からユーザーズドライバーを取って左手に持つ。
すると後ろに気配を感じたため、振り返るとそこには花蓮と絵麻が立っていた。
「どうして、二人とも……」
「一体どんな戦いをしているのか、直接見てみたくなったの」と絵麻。
「けどこれは危険だから、君を巻き込みたくはない」
「だから私がいるんでしょ。心配しないで」
何故か花蓮が自信満々に言う。
それに優司が本当に嫌そうな顔をする。
「良い加減にしてくれませんか……僕は貴女の所有物じゃない。貴女に諸々を心配されるような年頃でもない──」
不平不満を言いながら自動ドアの間を潜り抜けたその時、三人の前には異様な光景が広がっていた。
中のエントランスホールでは、受付嬢やその他の住人らしき者達がそこら中に倒れている。全員が身体を微塵にも動かさないことから、生きてはいるのだろうが生気を全く感じない。
そしてその後ろではワスプユーザーと
「こんにちは。仮面ライダーと、その取り巻きのお嬢さん達」
仮面で隠れていて判別は出来ないが、きっと笑っていることであろう。
「どうしてこんなことを……。そもそも、何でファンを襲おうだなんて思ったんです……」
ドライバーを腰に巻きながらの問いかけに、ワスプユーザーは一つ間を置いてから語り始めた。
「私はね、今まで『つまらない』だとか『オワコン』だとかって言われて、もうそろそろ事務所からも『卒業』って名目で解雇されるかなって思ってた。……そんな時、このドライバーを貰った。その時にこう言われたの。『これを使えば貴女のやりたいことを現実にするための力と強欲さを手に入れられる』ってね。本当にそうだったわよ。どんどんファンとお金が集まってきて、すごく良かったわ……!」
「そんなことのために……?」
「
思わず絵麻が呟いてしまうと、ワスプユーザーは怒りを示す。
そしてサーベルを取り出してジャージを羽にし、ブーンと音を鳴らしながらはためかせた。
「これ以上私の邪魔をするなら、絶対許さないからっ……!」
羽を使って浮かび上がった身体を前進させるワスプユーザーのサーベルの先は、真っ直ぐと優司の方に向けられている。
不味い……!
今の優司の身体はライドボットで出来ているわけではない。生身だ。鋭利な刃物で刺されれば、当然一溜まりもない。
もうすぐのところまで刃先が迫った。
もう何も手が無いと考えた優司は、諦めた顔立ちで衝撃に備えるために目を瞑った──。
けれども、彼が鋭く強い痛みを感じることは無かった。何秒目を瞑り続けてもである。
一体どういうことなのかと目をゆっくり開けた優司が見たものは、花蓮がワスプユーザーのサーベルを両手で受け止めている様子だった。白羽どりのような形で刃を止めていることから、辛うじて彼女の身体に刃は入っていない。
「お姉ちゃんっ!」
「花蓮さん……。どうして……」
「私はねぇ……優司君のことが好きなの。大切なの……。絶対に何があっても失いたくない……。だから、どれだけ君に嫌われようと、君に変な顔をされようと、君を守ってみせる……! それが、
するとじっと前を見据えていた花蓮が左の方へと吹き飛ばされた。
邪魔者がいなくなったとワスプユーザーが再び攻撃を仕掛けるが、
『只今より、意識を転送します』
自身も花蓮のいる方へと転がり、そのまま意識を失う。
そして外から中に入って来た黒い粒子の大群がワスプユーザーに纏わりついて撹乱。それを終えると彼女の前で優司の身体を形成した。
「何よ。あの女、貴方のことに色々言ってきて、うんざりしてたんじゃないの? そのまま殺してあげたのに……」
「勘違いしないでください。花蓮さんだから良いんです。……何も知らないやつが、介入しようとするな……!」
花蓮にとっては嬉しい言葉であろうが、残念ながら彼女は気を失ってしまっている。
意識のある絵麻の方はと言うと、最後の方で語尾が何処となく荒くなったことに少しばかり驚いていた。例え怒りを
優司の右手の中にホッパーガジェットがやって来た。
それをドライバーのスロットに装填する。
『
人差し指、中指、薬指、小指、親指の順に左手でレバーをゆっくりと握る。
この間は決して、彼が臆病だから生まれるわけではない。
彼は強いのだ。目の前のターゲットを逃すまいと思っているからこそ、生まれるのだ。
「変身!」
『変身シークエンスを開始します』
レバーを押すと、優司の身体は一瞬だけ黒い人型の塊となり、曽於っから焦茶色の戦士──仮面ライダーブートレグ ホッパーフォームに変身をした。
ワスプユーザーが羽を使って飛びながら、サーベルで斬りつけようと前進をして来る。
それに対しブートレグは、バク転をする要領でワスプユーザーの腹部を右足で蹴り、後ろに避け流す。
「ッ……!」
脚力に自身のある右足から出されるキックは強烈で、ワスプユーザーは腹部を押さえながら着地をした。
「成程ね……。今の一撃だけで解ったけど、こんな距離で戦闘していちゃ勝ち目は無さそうね……。だったら……!」
するとワスプユーザーは羽を羽ばたかせてマンションの外へと飛び出して行った。どうやらここよりも広いフィールドで争う方向性のようである。
「絵麻。僕と花蓮さんのことお願い」
「え、う、うん」
後のことを絵麻に任せて、ブートレグは同じくマンションの外へと出て行った。
エントランスホールには絵麻に気絶をした花蓮、抜け殻となった優司の身体が残される。
どうしようもなくなった絵麻が「お姉ちゃん」と花蓮の身体を軽く揺すったその時、パラパラと何かが
「……?」
何かの見間違いか。それとも優司の身体を作っていたものが偶然落ちただけか。
そう納得をした絵麻は、再び二人を守る作業に戻った。
さて、真昼の道路を走るユーザーズストライカーは、ブートレグによって三輪の状態にされていた。
スピードを上げて山の方へ駆けながら追うのは、言わずもがな逃走をしているワスプユーザーである。
しかしただ跳躍力があるだけの形態では、縦横無尽に飛び回る彼女に太刀打ち出来ないし、そもそもただ走っているだけではバイクで行けない場所に行かれた際に対処のしようがない。
そう考えたブートレグはホッパーガジェットをドライバーから排出。遠くから白い糸を伝って現れたスパイダーガジェットを変形させ、ドライバーに装填する。
『
ギターが目立つ激しいロックが流れる中で、レバーを下げた。
『変身シークエンスを開始します』
再び身体が黒くなると、大きな角やマントを身に着けた全く別の形態になった。
『SPIDER』
スパイダーフォームに変身をしたブートレグは、背中から4本の腕を出すとそこから白い糸を大量に吐き出し、上へと斜面のように続く網目状の道を作成。そしてその上をユーザーズストライカーで駆け抜けた。
道は彼が糸を放出する限り半永久的に続いていく。宙空に浮かぶ道を走ることで、ワスプユーザーの後ろを直接追いかけることが出来るようになったのだ。
「しつこい……っ!」
ここまですると思ってはいなかったワスプユーザーは、ブートレグの
ブートレグは白い道の上を蛇行することによって回避。追跡を続ける。
だがワスプユーザーが一瞬の隙をついてサーベルで右肩を斬りつけたことによって、追跡は終了をしてしまう。振り落とされてバイク諸共地面に落下したブートレグ。
「言っておくけど、空というフィールドでは私には勝てないわよ」
余裕綽々な様子のワスプユーザーに、
「うん。そうですね」
とブートレグは頷く。
「……けど、僕は貴女に対抗出来る力を持っている」
突然ドライバーからスパイダーガジェットを外したその時、何処からか特徴的な鳴き声を発して、『03』『BAT』と黒い文字が書かれたバットガジェットが飛んで来た。
その頭部と両翼を仕舞って、ドライバーに装填をした。
『
ホーンセクションの音が鳴り響く中、ブートレグはレバーを下げた。
ドライバーの中心に蝙蝠を簡略した絵が表示される。
『変身シークエンスを開始します』
三度目の変身だ。黒く変色をした身体のシルエットが変形をする。そして色が付いたところで彼の新しい姿が顕になった。
全体は紺色をベースとしている。頭部には蝙蝠の両耳に似た、黄色の面のあるパーツが着けられていて、口元には特殊なクラッシャーが装着されている。そして身体はというと、紺色のローブで覆い隠されているため、赤黒い両手と両足にドライバーだけが顕になっている状態だ。
『BAT』
バットフォームに変身を遂げたブートレグ。
その姿に多少の驚きを見せたワスプユーザーであったが、彼女は言わば空の女王だ。優に倒せると思い、サーベルを突き刺そうと迫って来る。
するとブートレグは見に纏うローブを展開。まるで大きな両翼のようになっていて、赤黒い全身が丸見えとなった。
その姿で羽を羽ばたかせて離陸。敵の方へと猛スピードで進むと、攻撃が当たる寸前で避けて逆に左の拳をお見舞いし、ワスプユーザーの背後に来る。振り向いた彼女の剣を左の回し蹴りでサーベルを払い落とし、両足をバタバタと動かして連続蹴りを喰らわせるのだ。
「ッ……!」
そこから何とか逃れて両手で首を絞める。そんなことをしたとしても無駄なのは知っているのだが、せめて撤退だけでもさせられれば──。
ブートレグは彼女の両手を掴むと、物凄い勢いで回転を始めた。様々な方向に回っていることから、その勢いとGによって徐々に両手が離れ、彼の下を疲れ果てたワスプユーザーが辛うじて浮いているだけの状態になる。
──今だ……! これで決める……!
ドライバーのレバーを右手で一気に下げた。
『BAT FINISH』
頭部のパーツが黄色く発光を始めると、すぐに黄色い波が出て来た。これだけでも相手を木っ端微塵に出来るであろうものだが、ブートレグは追い討ちをかけるように両翼を靡かせ、威力を膨大にさせたものを全てワスプユーザーに浴びせた。
「キャァァァァァッ!」
信じられない速度でワスプユーザーは落下。森の一部から土が噴き出して微かに音がした。
確かめようとはしない。何せ羽や頭部、下の方に銀色の針を持った狐色のガジェットがやって来たのだから。
両手で受け止めたブートレグは身体を粒子に変えてその場を去ろうとした。
その時、
「?」
自分が元々いた道路上に何かがいるのが見えた。
黒塗りの高級車が停まっていて、その近くでスーツを着た男が双眼鏡で此方をじっと観察している。
そしてブートレグの視界が黒く染まって完全に見えなくなる寸前、男が双眼鏡を外したために彼の顔が見えた。
その顔は──。
────────────
「ごめんなさい。貴女を思うあまり私、暴走してしまって……」
「いえ……。僕も言い方が悪かった。すみません……」
Cafe Amigoの中で優司と花蓮が向かい合っていた。武史は花蓮に部屋にいるよう言われているため、今店内には優司と花蓮しかいない。
彼等の様子を見るに、どうやら
すると突然、店のドアが開いた。そこから絵麻が万太郎を引っ張りながら入って、店のドアを閉めた。
「え? どういうこと絵麻ちゃん」
「ちょっと、確認したいことがあって」
連れられて来た万太郎はテーブル席の一つに座らされ、彼の前に絵麻が座る。
「どうして俺を呼び寄せたんだ?」
「ちょっと、訊きたいことがあって」
絵麻がじっと万太郎のことを睨む。普段ツンケンとしている彼女ではあるが、常連にそんなことをするのは初めてであったため、万太郎は勿論、優司と花蓮も驚愕してしまう。
「ずっと気になってたの。優司と行った向こうの山、ヒロミのマンション。これまでショッカーが現れた場所の殆どに、貴方はいたわよね?」
「ショッカー? 何だそれ?」
「
確かに、ただのジャーナリストに企業が顧客リストを簡単に見せるわけがない。立派な個人情報だ。法的に強制でもしないと、出来るわけがない。
「僕も一つ、気になることがあります」
二人の様子を見ていた優司が入ってきた。
「僕が木野塚マリアさんを倒した時、その様子を滝口さん、監視していましたよね? しかもカメラも持たずに」
そう。あの時黒塗りの高級車に乗ってブートレグの戦いを眺めていたのは、万太郎であった。
もし彼がジャーナリストならば、カメラを持ってシャッターチャンスを狙うべきだ。でなければ仕事にならない。
徐々に万太郎の表情が曇っていく。
彼が全てを隠すのにも、もう限界がきたようだ。
「滝口さん。何隠しているか分からないけど、そろそろ色々話したら?」
花蓮の言葉で万太郎は溜息を一つ吐いて俯く。
そして上げられて見えた彼の顔は、これまでの三枚目の常連客のものではなくなっていた。
────────────
そこから少しだけ前の話である。
木野塚マリアはもうすでに陽が暮れた頃、部屋の中のベッドの目が覚めた。
ガジェットは奪われてしまった。今までのように人を操ることは出来ない。まだこの世に10個しかないものだ。気軽に別のものを出せだなんて言えない。
これから一体どうしようか考えてカーテンを開けたその時、外が急激に光り始めた。
見上げると、そこには異様なものが浮かんでいた。
白い巨大な球体には虹色の靄がかかっていて、全身から黒い腕のようなものが伸びている。ただ正面だけは腕も生えておらず、透明な面から内部が見えるようになっているのだ。
中にいるのはドライバーを腹部に装着した裸の人間だ。けれどもまだその顔が良く見えない。
けれども
「ど、どうして貴女が、ここに……。まさか、ガジェットを紛失したからですか!?」
「そうじゃない。ただの私情」
ようやく女の声がする球体の中が見えた。
中にいて眠るように立っているその者は──。
「嘘でしょ……。貴女が……」
その時、球体から黒い無数の腕が伸びた。
1回だけ何かの機会に遊びに行ったことがあるんですよ。超高級マンション。
ホテルの受付みたいなのはあるわ、やたら1階の廊下は長いわ、そのくせ部屋はやけに狭いわ……。かなり貴重な経験だったので盛り込んでみました。
【参考】
椎間板ヘルニアの手術について|岩井整形外科病院
(https://www.iwai.com/iwai-seikei/shujutsu/herunia.php)
三輪バイクってどんな乗り物?車種別にメリットとデメリットを解説!|Bike Life Lab|バイク王
(https://www.8190.jp/bikelifelab/notes/trivia/tricycle/)
蝙蝠男|仮面ライダー図鑑|東映
(https://www.kamen-rider-official.com/zukan/phantoms/741)
バット|仮面ライダー図鑑|東映
(https://www.kamen-rider-official.com/zukan/phantoms/1396)
今作、前作の『仮面ライダーアクト』と何かしら関連性がある描写とかしだすのはアリですかね?(やるかどうかは分かりません)
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無理の無い範囲だったらアリ!
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それは流石にちょっと……。