ガンダムSEEDーカズイ奮闘物語ー   作:SS好きのヨーソロー

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PHASE 19 現実、目に映るもの

 

 

 

「・・・カズイ・バスカーク少尉、今回にて地球連合軍の資格を剥奪、およびに銃殺刑に処す」

 

マリュー・ラミアス艦長に言われたのはこの言葉だった。

 

わかっていても、やはり息は止まってしまうもの。背筋が凍ってしまうような感覚になった。

銃殺刑、それは言葉のように磔にされ、銃で処刑する方法である。

ガンダムではお馴染みの処刑だ。

有名どころで言えば、やはり閃光のハサウェイでのマフティの結末だろう。

 

怖い、と言う感覚が頭を蝕み始める。

身体が死を拒んでいるようだ。

無理はない、死ぬのがなんともない、むしろ好きなやつなんていうのはいないのが普通。

死にたくないと考えるのが当たり前だからだ。

 

何を今更。人の命をこの手で奪い始めた頃から薄々覚悟はしていただろう、死ぬことを。

それが今、きてしまっただけなんだ。

「・・・・・・ラミアス艦長」

「なんでしょう?」

「・・・申し訳ございません、最期に遺言だけ残させてもらえないでしょうか」

「・・・・・・わかりました。手短に」

「・・・ありがとうございます。

ヘリオポリス組のみんなへ。これから色々なやつに狙われて大変かもしれないけど、最後まで生き残ってくれ。

 

クルーの皆さんへ。今まで世話になりました、俺の機体のOSを役に立ててください。もしもこの船が危なくなれば逃げてください」

 

「・・・わかり、ました」

そう短く述べられる。

 

するとドアが開いた。

「待ってくれ!!ラミアス艦長!」

そこに現れたのは、カガリ・ユラ・アスハだった。

 

 

 

「貴女はレジスタンスの・・・」

「待ってくれ!カズイくんがいなければアフメドは死んでいた!もっと被害が出ていた!!

頼む!彼は戦いを止めてくれたんだ!」

「結果論です。関係ありません、条約違反は条約違反です」

ラミアス艦長もまっすぐ睨み返す。

「ッ・・・・・・カズイ・バスカークはうちが預かる!!」

「預かるですって?」

「私は・・・私はカガリ・ユラ・アスハ!!

オーブの獅子、ウズミ・ナラ・アスハの娘だッ!!!!」

少女は、果敢にもそう叫ぶのであった。

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・カガリさん。本当にオーブの獅子の娘なのね」

「あぁ・・・そうだ」

「なぜそんな人がレジスタンスなど・・・!!」

「おいおい、こりゃ国際問題だぜ・・・ったくよ」

3人が頭を抱えている。

例のカガリは涙目だ。

 

「・・・大丈夫よカガリさん。銃殺刑、嘘だから」

ニコッ、と微笑むマリュー・ラミアスに俺は腰が抜けてしまったのだ。

 

「・・・・・・艦長。一応の注意といえど流石にやりすぎたんじゃないのか?坊主腰抜けたぞ」

「う・・・そ、そうよねぇ。やりすぎたわよねぇ・・・」

 

「・・・・・・はぁ。乗ってしまった我々も同罪です。バスカーク少尉、立てるか?少しついてきてくれ」

そう声をかけられ、手を差し出されたのでその手を取りついていく。

 

「ナタルとカズイくん、仲良いわよねぇ」

「だよなぁ。なんか姉弟って感じがするぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここだ。入ってくれ」

そこは士官用の部屋であった。

「・・・えっと、バジルール中尉」

言葉を続けようとすると、唇に手が当てられる。

「今は気にするな。・・・気軽に呼んでくれ、カズイくん」

「・・・り、了解。ナタルさん」

気恥ずかしそうに微笑むナタルさんに、自分も恥ずかしくなったとかなんとか。

 

「・・・ん、淹れたぞ」

「お、ありがとうございます。・・・わ、ココアだ」

一口飲むと口に甘いココアの風味が広がる。

暖かな時間が巡る気がした。

「さっきはすまないな。忠告と言えどやりすぎた。あとで艦長にも言っておこう」

「い、いえ・・・・・・俺も、もう少しで手を染めるところだった。

止めてくれて、ありがとうございます」

「良いんだ。艦長もああ言っていたが、内心では感謝してるはずだぞ」

「・・・そうなんですか?」

「レジスタンスは良いものとは思えないからな。艦長も若人が死ぬ今の環境を心地良くは思わんさ」

そう優しく微笑みながらココアを飲むバジルール中尉、もといナタルさん。

 

「確かに、艦長はお姉さんって感じがしますよね。キラと一緒にいると余計に」

「ん、そうだろ?キラくんのこともカズイくんのことも気にかけていた。巻き込んでしまったから。それなのに私は堅苦しいから迷惑をかけてしまう」

憂いを帯びたナタルさんについ笑った。

 

「はっ、何を言ってんです。前にも申したではないですか。軍には真面目な人もいると。艦長が甘く優しい人なのだからこそ、そばで締めてあげる人が必要なんです。

 

アークエンジェルはラミアス艦長だけだったら堕ちていた。でもその逆もある。

お互いを支え合う。名艦長と名副艦長の誕生ですよ。

トール・ケーニヒ二等兵がいるでしょう?

やり方は最悪だったが、ハルバートン提督に怒っていた、あなたのことに対して。それはあなたが仲間だと思ったからです。

 

・・・確かに、俺はヘリオポリスの開発を許すつもりはありませんよ。被害者ですから。

 

けど、今この場でナタルさんたちに会えたことは後悔しません。

俺にとって、頼れる姉貴みたいなもんですから」

「ふふっ・・・・・・そうか。何かあれば"お姉さん"に頼るんだぞ」

「・・・じゃ、疲れたから頭を撫でて欲しいかな・・・って」

 

今はただ、この時間を味わっても良いだろう。

 

 

束の間の休息を経て、俺は今再びブリッジに戻った。

「・・・先ほどはごめんなさいカズイくん」

「・・・いえ、戦争について知識があるゆえに厳しく指導してくれたと認識します。

それに、"姉さん"に甘やかしてもらいましたから」

ニコリと微笑む自分と、顔が赤くなるバジルール中尉。

「・・・あらあら、あとでお話聞きたいわねナタル」

「っ・・・や、ヤマト少尉との話も聞きましょう」

「んなぁっ!?そ、そうきたのね・・・」

お互い仲良さげだ。

「仲良さげね2人。まあ良いや、ってわけでとりあえず・・・レジスタンスについてなんだけど・・・」

「・・・・・・レジスタンス行為については、サイーブ・アシュマンさんに声をかけました。

直近で面倒な動きはしないだろうと。あとは自分の扱いについてですが」

「そこにも追加だ。先ほど話があがってな。仲間を殺しかけた事実がある以上、無闇に邪険にする理由がない。むしろ助けられているわけなので謝罪したいと申し出があった。もしも可能なら受けるか?」

「わかりました。・・・けど俺にはフラガ少佐に対する謝罪も欲しいです。フラガ少佐だっていの一番に行って、言い方は良くなかったかもだけど止めようとしました」

「・・・おまえさんは本当にいい子だな。ったく、わかったわかった。元々護衛がいるしな、後で一緒に行こう。

 

それで、条約違反のお嬢ちゃんだが理由を聞いたよ。獅子も随分とまぁ自由なことを・・・」

「・・・そこなんですけど、あとでオーブに連絡は取れますか?可能ならばウズミ・ナラ・アスハ首長とお話がしたいです」

「・・・まあそうなるわよね。秘匿回線でやります」

と言うわけで、すぐに準備が進められた。

 

 

 

 

 

 

『こちらはウズミ・ナラ・アスハだ。連合の船が何用か?』

「こちら、大西洋連邦所属アークエンジェル級強襲機動特装艦1番艦 アークエンジェルです。

あなた方が開発した船、そしてMSのGAT-X105ストライクを搭載しています。ちなみに知っての通り4機捕られました。あいつらくっそ強くて死にそうです」

『それはなんとも。苦労するな、君はパイロットかね?』

「自分はカズイ・バスカーク少尉であります。民間人だったんですけど、ヘリオポリスで戦闘に巻き込まれて。余ってたTS-MA2mod.00メビウス・ゼロ二号機を使ってました」

『蒼いメビウスゼロ・・・実在したのか、それも民間人・・・』

「まあ命がけでしたしね。

あ、それでなんですが、今おたくの娘さんが戦艦に乗ってまして、今横にいます」

「・・・お、お父様」

『バカ娘!何をしておるのだ!?』

怒っている。と言うかめちゃくちゃ慌てている。

 

「いやいやいや、レジスタンスに支援しといて何言ってるんです。それでレジスタンス血気盛んになったんですからね」

そう言うと慌てふためいていた。

「・・・お父様、安心してください。彼は無闇に人にバラす人でもない」

『・・・しかし、うぅむ』

「・・・あなたのやってることはオーブの理念に違反している。確かにこんな可愛い娘さんだ、心配するのは理解できますが」

『うむ!君もそう思うかね!娘は・・・』

チョットイマソレドコロデハナイデショウ

『むっ!?理解してくれる人がいたのだぞ』

アナタイマジブンノタチバリカイシテマスカ!?

『うっ・・・すまない。

んん、取り乱したな。話の腰を折ってすまない』

なんか秘書的な人と言い合いしてたぞこのハゲ。大丈夫か?

まあいいか。

「心配するのはわかります。ですが、砂漠の虎というのはとても温厚な方です。少なくとも礼儀を持って接すれば無礼を返してはこない。

そこは理解しておいて欲しい。もしも戦闘がなくなれば、生活品の支援などを頼みたい。

それこそ、オーブの理念の使い所でしょう?」

『・・一兵士に説かれるとは思わなんだ。

わかった。そちらに任せよう』

そう言い、通話が終わる。

 

「・・・カガリちゃんのお父様、親バカだったんだな」

「だから知られたくなかったんだ・・・!!」

顔がゆでたこのようになったカガリちゃんも、それまた可愛かったとかなんとか。

 

 

 

 

 

「・・・カズイ・バスカーク!君には多大なる迷惑をかけた!

ムウ・ラ・フラガ少佐、あなたに対してもだ。俺たちのせいで、未来ある若人が死ぬところだった!」

率先して謝るのはサイーブ・アシュマンさんだ。

「・・・わかりました。こちらも敵対に似たことをして申し訳ない」

「いやぁ、こっちも不躾なこと言って悪かったよ。けどこれで理解したろ?」

「あぁ、間違いない」

周囲も共に頭を下げてくれる。

 

「・・・しかし、これからどうすれば」

「・・・・・・どうとでもなる。俺たちと若人がいればな」

「あ、それなんですけど・・・・・・多分物資とか買いに行きますよね?俺ついでに砂漠の虎に挨拶しに行こうと思うんですけど」

「砂漠の虎にぃ!?」

「はい。あ、手土産になんかコーヒーの豆とかは持っていきますよ」

「っはははは!!!やっぱりカズイは頭がぶっ飛んでんな!!」

「しかし少年!それはいくらなんでも危険では・・・」

 

「あー、俺宇宙から不時着した時に落ちたの、レセップスだったんですよ。だからどんな人かは知ってます。・・・死ぬ時は死ぬ時でしょ。もちろん何かあれば情報をしゃべる前に舌を噛みちぎるし、消せる奴らだったら始末する。

そこら辺は考えてますよ」

「パッと舌を噛みちぎるのが頭に浮かぶのが怖いけどな・・・・・・」

けどまあ、必要なのだ。

キラは一度会う必要がある。カガリも、話に付き合う必要がある。

俺も、もう一度。将来の3隻同盟として必要か見定めたいのだ。

 

だからこそこのチャンスは逃すわけにはいかない。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・本当に貴方はとんでもないことを思いつくわねえ」

「行動力があると言えばあるが・・・・・・あまり認めたくないぞ、私的には」

「わかりますよバジルール中尉。だからこちらも無闇にストライクやアークエンジェルのことは言いません。

・・・最悪、拷問になっても仕方がない。

ただ、軍人批判をすると拷問に耐える必要もないかもしれませんがね」

「うん?・・・なぜだ?」

「そもそも、ナチュラルからしたらコーディネーターの。コーディネーターからしたらナチュラルの捕虜なんていらないからですよ。

地球連合もザフトも捕虜なんているかよ!って言いながら降伏した奴ら撃ち殺しそうなんですけど分かりません?」

「・・・連合としたら頷きたくないけどわかるわね」

「・・・ええ、そうですね」

「まあ、博打みたいなもんです。うまくいきゃそれ相応の結果になってくれるはずですから。

どうせだったらうまく行く方を期待した方がいいんでね」

「わかりました、・・・・・・特別に許可します。けどお願い、必ず帰ってくること。命を大切にしなさい。いいわね?」

「もちろんです。・・・了解いたしました!」

そう述べ敬礼をする。これでなんとかゴリ押しだが買い物ついでに砂漠の虎アンドリュー・バルトフェルドに会いに行くということが可能になった。

この邂逅はSEEDにおいても極めて必要な大切なシーン、キラにとっては必要不可欠なイベントなのだ。きっと良い経験になるだろう。

 

 

そして俺自身も興味を惹かれている。

もう一度あの男に会えると思うと・・・カズイ・バスカークとしても、そして転生者である俺自身としてもワクワクは止められない。

 

そしてそのまま、外出の準備に取り掛かるのであった・・・・・・。

 

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