ガンダムSEEDーカズイ奮闘物語ー 作:SS好きのヨーソロー
久しぶりのカズイです!
それではどうぞ!!
ザァザァと流れるシャワー。かいた汗は水でどんどん流されていく。シャンプーにボディーソープで全身をくまなく洗えば、またシャワーで流す。
泡が全て消えた頃にはさっぱりとしてリフレッシュした気分になった。
脱衣所に出てバスタオルで全身を拭いて水気を切ると、ちょうどドアがノックされた。
「はーい!」
だれだと思い声をかける。
『あっ、カズイ!ちょっと・・・今大丈夫かな?』
声の差出人はキラ・ヤマトであった。
「あぁ、大丈夫だぞー!」
別にキラは男なわけだし、別に裸を見られても困るわけではない。そのために普通に入って良いという許可を出した。
『お邪魔しまーす』
そう言いながらドアを開けるキラ。足音はやけに多かった。
「〜〜〜っ!!か、カズイくん!まだ風呂から出てなかったのか!?」
その理由は今、俺と目があって顔を赤くしている少女カガリ・ユラ・アスハのものだったからである。
「おっと・・・すまんカガリちゃん、君もいたのか」
まさかカガリちゃんがいるとは思ってもいなかった。完全な予想外である。こちらもこちらでつい恥ずかしい気分になってしまった。
「あっ・・・カズイ、ごめんね。僕が気がついていれば・・・」
申し訳なさそうに苦笑いして謝るキラ。確かにキラからは何も聞いていないが、それはキラが悪いというわけではない。
「いいやキラ、俺も悪い。カガリちゃんが同伴する可能性を考慮していなかったからな」
「わ、わかったから早く服を着ろー!!」
うがぁぁぁぁ!と顔を赤くするカガリちゃん。どうやら上半身だけの裸も見慣れなかったようだ。それは申し訳ないことをした。
さっとカゴに置いてあったシャツを着た。
ジーンズに紺のシャツ。側から見れば完全な私服に見えるだろう。
「・・・キ、キラ・・・カズイくんは意外と鍛えているのだな」
「うん、僕もトレーニングしているところは見たことあるけど、まさかあんなにストイックにやっていってるとは思わなかったな。何度も助けられたけど、予想外のことすぎたかな、あの身体」
「・・・そうだな。驚いたぞ私も」
2人は物珍しいものを見る目をしてこちらをのぞいていた。
目をむけると逸らされた。おいやめろその反応。
「仕方がないだろう。これくらいの力でもないと誰も守れないんだ」
「・・・思ったんだが、カズイくんはなぜそこまで守る守ると言うんだ?あ、もちろん悪いことではないと思う!私もその考えは素晴らしいと思うし尊敬するんだが」
疑問に思ったのか、カガリちゃんが質問してきた。
「・・・理由か。別段強い理由はないんだ、だけどなんというのかな。
誰かが苦しむのをみたくないんだ。例えばアークエンジェルだな。元々は巻き込まれただけだったけど、それでも今は仲間だ。
どんな理由があろうとむざむざ死なれるのはいい気がしない。
あぁ、そう考えるとレジスタンスのアフメドくんだな、彼にも死んでほしくない。
彼は元々挑発的発言をしただろ?別にそれを咎めるつもりはなくて、ただ今の世の中を見て欲しいんだ。みんな必死に、命懸けで戦ってる・・・それが戦争だってこと。
それで戦争が嫌だ!怖い!と思うのは素晴らしいことだと思う。勇猛と蛮勇は違うからな。
アフメドくんには彼なりの生き方があると思うんだ。
っと・・・彼は大丈夫かい?」
「ああ、大丈夫!もう動けるよ」
「そっかぁぁぁ、本当に良かった!ごめん2人とも!彼にあってきていいかい?」
そう答えると、勢いよく頷いてくれた2人に感謝して外に出た。
「アフメドくーんっ!!無事だったんだなー!本当に良かったー!!」
「うわっ!カズイじゃねえか!びっくりしたな」
「カガリちゃんから聞いたよ!本当に良かった!
あの時はごめんよ、もっと早く動いていれば君を無闇に傷つけずに済んだのにさ」
そう謝るが、彼は微笑んでいた。
「気にするなよ、戦争ってこう言うことなんだろ?カズイが言っていたことがなんだかよくわかった気がする。俺、勘違いしてたよ」
「別に俺たちが正解なわけでもないさ。お互いに信念はあるだろうけど、それでも若者は死ぬべきじゃない、そう思う。だって俺たちくたばったらそれまでだしな」
「あはは・・・そうかもしれないな。俺は・・・レジスタンスが怖いよ。もう戦うのが、怖い。死ぬのが怖い」
「・・・そっか、よく言ったアフメドくん!それは弱さじゃない。一つの勇気だ!
なあに、俺は不可能を可能にする軍人も驚かせることのできる男だからな!頑張ってみるよ!」
にっ、と笑い握手をする。
「・・・カズイ、お前にならカガリを・・・みんなを、任せられるよ」
少年の呟きは、静かに消えていった。
「さて、すまない2人とも。待たせたね」
「いやいい、行こうカズイくん」
「うん、いこうカズイ」
というわけで、俺とキラそしてカガリちゃんは砂漠の虎アンドリュー・バルトフェルドの本艦レセップスが鎮座しているバナティーヤの街に降りた。
「・・・ではヤマト少・・・年。気をつけるように。バスカーク少年も頼むぞ」
言い間違いをしそうになったのか少し恥ずかしむバジルール中尉に笑った。
「ええ、ナタル姉さん。任せてください」
「・・・あ、あぁ」
少し照れくさそうに笑う。ほんと何このお姉さん、クソ可愛いんですけど絶対死なせてたまるか。
「・・・仲良いんだな?」
カガリちゃんが反応した。
「ああ、ほんとうに姉のように頼らせてもらってるよ。ありがたい限りさ。じゃあ早速買い物に行こう」
今回、俺は戦闘を止めたいということでぶっ飛んだ作戦・・・アンドリュー・バルトフェルドに会うという作戦を思いついたが、まずはレジスタンスや街の復興のための物資調達からだった。
ちょうどキラと俺2人がいるために、荷物を多く買うことができるのも良い誤算だった。
「うわ、たくさんあるねこれ・・・・・・」
「仕方がないだろうな、俺たちが動けばその分レジスタンスも余裕が生まれるし、悪いことばかりじゃないだろうさ」
「ふふ、そうだね・・・」
他愛無い会話を続けながら、カガリちゃんは紙を見て苦笑いした。
「・・・フレイだったか?あいつの欲しいもの、多分見つからないぞ」
そう、いわゆる化粧品類である。
「あぁ、気にしなくていいよ。フレイも普段使ってるやつを述べただけだろうし。
カガリちゃん、一応見せてくれるか?」
そう言いメモをみる。
「・・・母さんが使ってたやつと同じタイプか、なら似た成分のやつを探そう。
買い物に付き合わされていたし、ここは俺が買ってくるよ」
そういうと、そのまま市場に戻る。
程度はいくらか低いが、似たようなものを見つけることができた。母さんとの買い物によく連れて来られてたのが功をなしたってところだろう。
それらを購入し、追加する。
「これである程度は買えたな、そろそろ昼飯にしよう。
美味しい飲食店があるんだ」
カガリちゃんに連れられて、店を訪れる。
そこはケバブの店だった。
「ここのドネルケバブがすごく美味いんだ!」
にっ、と笑いかけるカガリちゃん。確かにいい匂いがする。
「あぁ、わかった。少し待っててくれ」
そういい、通信機器でナタルさんに連絡を取った。
「こちらカズイ。ナタル姉さん、いま大丈夫?」
『あぁ、カズイくん。どうかしたか?』
「買い物が終わったから荷物を渡すよ。〜通りの方に車を出して欲しいんだけど・・・」
『了解。すぐに向かおう』
そう、原作ではこのままブルーコスモスの襲撃に遭うがその時買った荷物がどうなるかが覚えてなかったのだ。だからこそ先に届けておく必要がある。
「そんなの後でいいんじゃないか?」
「あぁ、そう言われるかもだけど少し気になることがあったんだ。それに飲食物も買ってるし長く外に出すってのも嫌だろ?」
「あぁ、それもそうか・・・・・・」
というわけで車へと向かった。
「はい、これ。俺たちは少し飯を食って帰るよ」
「あぁ、わかった。気をつけてな。・・・なんだかわからないが、やけに嫌な予感がする」
「俺もそう思ってた。・・・ここ、本拠地だろ?
レジスタンス・・・とはいかないかもしれないけど、もしかしたら武装組織の1人や2人はいてもおかしくないし。
ごめんナタルさん、念のために拳銃貰っていい?」
「わかった。・・・使い方はまあ、わかるか」
「まあね。あの時は必死にだったからね」
死んだ連合兵士から取った銃。使い方は訓練室で鍛えていた。
その拳銃を見えないように隠し、帽子を被る。
その目は、とあるところへ向けられていた。
「・・・おい、さっきからなんだかガキがこっちを見てないか?」
「は?気のせいだろ。たまたまだっての」
「だといいが・・・・・・」
「なんなら仕留めるか?」
「馬鹿、よせ・・・ナチュラルならどうする。無闇な発砲は弾の無駄遣いだし奴らに存在がバレる!」
「はいはい、わかってるよ。
・・・青き清浄なる世界のために」
ちょうどテーブルに戻ると、大柄な男性が来ていたというところだろうか?
「おぉ!そこの君!君もドネルケバブにはヨーグルトソースだよな!?」
「・・・あー、ヨーグルトソースは確かに美味いぞ。うん、というかカガリちゃん、何があった?」
「それがこいつが急に来てヨーグルトソースを熱弁し始めたんだよ!こっちはチリソース派なのに!ていうかお前もヨーグルトソース派なのか!?」
「どーどー落ち着け、俺は食ったことがあるから言っているだけだよ。
・・・せっかくだし二つ頼めばいいだろ二つ。・・・キラのその残骸は何だ?」
「僕が知りたいよ・・・」
目の前にはチリソースとヨーグルトソースが混ざった残骸が置かれていた。
「チッ!やっぱりあいつ!」
「まあいいさ、撃ち殺せばいいだろ」
男達が銃を構える。
「今だッ!!伏せろ!!
なっ!?カズイ・バスカークッ!?」
「気にするなバルトフェルドさん!!二人のことを頼みます!!」
バッ、と素早く横にスライド移動をすると、腰にはめた拳銃を取り出す。
「悪いが・・・ナチュラルコーディネーター関係なく・・・・・・ッ!!」
素早く上空に向けると2発迎撃。
1発は頭部直撃、2発目は銃に当たって暴発。次にザフト兵士の構えていた銃によって狙撃されていた。
それを確認し隣のテーブルに隠れる。
バルトフェルドさんも迎撃しつつ状況確認している。
キラが驚きの顔をしていた。その状況に対する驚きとそして死角にいた男についてだろう。
「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?!?」
銃をぶん投げるキラ。綺麗に銃に当たり敵が目を見開いていた。
「ッ・・・伏せろッ!!キラッ!!」
バッ、と素早く動き始めると照準を的確に合わせる。
「貴様・・・コーディネーターッ!!」
「ナチュラルだよ、俺は」
「!?じゃあ、何で・・・」
「青き清浄なる世界も何も関係あるか、俺は友達を守れれば何でもいいッ!!」
覚悟を決め引き金を引く。
飛び散る血、どさりと落ちた死体。
静かに、俺はその場に座り込んでいた。
「おいお前、銃の使い方なってないだろ。投げる奴なんてどこにいる・・・・・・。
それよりも、カズイくん・・・大丈夫か?」
「あぁ、いやすまん。お恥ずかしながら慣れてはいないんだよ」
苦笑いしながら頬を掻く。
MSで人を殺しているというのに、生き残るためなら、友達を助けるためなら簡単に引き金を引けてしまうのに。
まだ心は追いついていない、まだ心は子供の・・・。
「はっはっは、慣れるものでもないだろう?」
「隊長ッ!!大丈夫でしたか!?」
気さくに気にかけてくれるバルトフェルドさん。
それを心配するかのようにダコスタくんも来た。
「・・・・・・砂漠の、虎」
そうして俺たちは、砂漠の虎の豪邸へと連れて行かれる。
「さ、ついたぞ」
「いや・・・僕たちは・・・」
遠慮するキラ、まあ気持ちはわからなくもない。
「・・・遠慮することもない、お茶を台無しにした結果彼女は頭からチリソースとヨーグルトソースを浴びてるからな」
試すように笑うバルトフェルドさん。
「あー、キラ。諦めろ、この人頭のキレが凄いんだよ」
「いや、何で君がそんなことを知っているんだよ!?」
思わず突っ込むカガリちゃん。
「理由は中で話す。ここで話すわけにも行かないだろ?」
俺がそう言うと、キラも納得したのか頷いてついてくる。
中に入ると、アイシャさんが出迎えてくれた。
「あら、カズイくん。またあったわね」
「あはは、ちょっとぶりですアイシャさん。ブルーコスモスに巻き込まれちゃって・・・」
「あら、それは大変。それにあなた、チリソースとヨーグルトソースを浴びちゃったのね・・・いいわ、こっちにいらっしゃい」
「あ、おいちょっ・・・離せよ!」
「大丈夫だカガリちゃん。こっちから手を出さん限りは死なないぞ。
アイシャさん、お願いします」
「ええ、任せられたわ」
そう言うと、カガリちゃんはアイシャさんに連れて行かれて、俺たちは別室に入った。
「・・・カズイ、なんでやけに詳しいの?」
「あぁ・・・前に言ったかどうかだけど俺地球に落ちた時にバルトフェルドさんのとこに落ちたんだ。その時に世話になったんだ」
そう言うと、横のバルトフェルドさんも笑っていた
「いやあの時は面白かったぞ。顔を合わせた時の表情は特にな」
「無理もないですよ、こっちからしたら勢力圏のど真ん中なんですから」
やれやれと苦笑いする。本当に焦ったものだ。
「僕、コーヒーには煩いんだ。カズイくんは知っているね?」
「ええ、なかなかに濃い味ですもんね。俺好みでもあります」
「ふふ、そうか。
・・・まあかけてくれたまえよ」
そういい、差し出された席に向かう俺とキラ。
途中、とあるものに目がとまった。
エヴィデンス01
それは、ジョージ・グレンが持ち帰ったとされる、外宇宙生物の化石である。
「・・・エヴィデンス01、名前は聞いたことがあるだろう?
そいつ、なんでクジラって言われてるんだろうね。羽なんてあるのにさ」
「・・・それは、外宇宙生物という証拠なのでは」
キラの回答に間違いはない。まさしくエヴィデンス(証拠)なのだから。
「・・・でもねえ。これ、クジラには見えないけどね」
「ならなんだったらいいんです」
「・・・と言われても難しいな。カズイくんは何か思うかい?」
俺に話を振られた。
ここまで、原作としての遠足気分が拭えなかったところはあるが、そろそろ真面目に答えるとしよう。
コーヒーの苦味に舌鼓を打つと、まず落ち着かせた。
「エヴィデンス01、それは模範回答としては宇宙クジラ。
まさしくキラが言った通りのことだと思います。
でもそれは、あくまでも一般人としての意見です」
「ほぉ、一般人。ならば専門家はなんと答えると?」
「さぁ、それはどうなのでしょうか。
結局、これの正体はわからないのだと思うんです。
わからない・・・わかってはいけないもの。
それこそ、これの登場により地球の宗教は立場を落としたとも聞く。
人間は無知を恐れるという。だからこそ便宜として宇宙クジラ、エヴィデンス01として可能性を作り出した。
それが、意欲を掻き立てた。掻き立ててしまった。
・・・与太話だと言われそうですが、俺は情報に踊らされているんじゃないか・・・そんなふうに思う時がありますよ。
少なくとも、厄介だとは思いますがね」
コーヒーをもう一度飲み、バルトフェルドさんを見据える。
「・・・ふふふ、なかなかに面白い男だよ。予想通りだ。
コーヒーはどうかね?」
ニコリと微笑むバルトフェルドさん。キラは顔を顰めていた。
「ふ・・・君にはまだわからんか」
「キラはコーヒーはあまり飲まないんです。ジュースの方が好きですから」
「ちょっ・・・カズイ!」
「ははは!そりゃそうか。まだ大人の味はわからんよな。
の割には、カズイくんはわかるようだが・・・」
「はは、こちらもカッコつけて飲んだのが始まりですよ。慣れればむしろ好物になる。そんなものでしょ」
「ふむ、それもそうだ。
しかし、確かにカズイくんの言った通りだ。こいつは厄介だよ。これのせいで可能性が生まれた。
人間はどこまでもいけるのではないかという可能性にね。
それこそ、カズイくんの情報に踊らされているという意見は的を得てるかもしれんな」
「厄介・・・」
「この戦争の根っこさ。ナチュラルとコーディネーターのね」
意味深に微笑むバルトフェルドさん。同時にカガリちゃんの着替えも終わったようだ。
そこにきたカガリちゃんは緑のドレスに身を包んだ、女王様のような見た目で、つい見惚れてしまう。
それはキラも同じだった。
「女・・・の子・・・」
「て、てんめぇ!!!」
「い、いや!そうだったよな!って!」
「同じじゃないか!!」
「ったく、それは良くないぞキラ」
軽く横腹を殴っておいた。
「ごふぅ!?」
「はっはっはっはっは!そりゃないぞキラくん」
「もともと美形だろうが。でも確かに、よく似合うよなぁ。さすがアイシャさん」
「しかし、似合うねえ。まるでそれが表のような」
挑発するような目で見るバルトフェルドさん。
「・・・やれやれ、バレているか。カズイくんがいう通りだ」
「・・・・・・ほぉ?つまり?」
「・・・お前の察する通りさ。わかるだろう?」
「わかるとも。・・・オーブの御子女様。認めるとは思わなかったがね」
「・・・此度は、甚大な対応を感謝したい。貴方が非人道的でないからこそ、被害が少なく済んだ」
「ッ!?・・・・・・お嬢さん。どういう風の吹き回しだ?」
流石の対応に、意表をつかれたのかバルトフェルドさんも驚きの声をあげていた。
「・・・私はカズイ・バスカークくんの元で色々なものを見た。考えを知った。
社会を知るために、己にできることはないかと思い、飛び出した。
その結果がこれだった。
力だけがあるというのは、時に悪だということも知った。
レジスタンスが止まらないからこそ、街が焼かれ、あなた方との戦いに発展した。
・・・カズイくんから、貴方のことを聞かされた。
人道的だと。筋が通っていると。
戦争の後のことも考える人だというふうに聞いたこともある。
今更、どの面をと言われるかもしれないが。言わせてほしい。
レジスタンスは、貴方達に従う。
だからこそ、どうか・・・どうか皆を・・・」
言葉の詰まるカガリちゃん、それを止めたのはバルトフェルドさんだった。
「・・・もう良い。よく勇気を出したな
・・・ったく、やれやれ・・・ここに来るのも君が狙ったことだな?」
「・・・悪かったよ、バルトフェルドさん。
甘いと、理想だと言われても俺は戦う道が少なくなるならそれに賭けたかった。
わざわざレジスタンスが崩壊するのを黙って見るのが嫌だった。
なんだって、若者が苦しむのが、嫌だったんだ」
「なるほど。・・・ここに、さっきの話を録音したビデオテープがある」
そういうと、ビデオテープを取り出したバルトフェルドさん。
次の瞬間、そのビデオテープを叩き潰していた。
「これで、君がオーブの御子女の情報は無くなった。
カズイくん、なかなかに考えたな。だがこんなケースだってあり得た。
これは戦争だぞ。僕が甘くても、時と場合によっては牙を向く可能性がある。
・・・忘れるなよ」
これは俺に対する警告だった。確かに、迂闊で危険だった。信頼ありきの行いであったと言い切れる。
「・・・まぁ、君の面白さに免じて見逃してやるさ。
それで・・・レジスタンスの件は了承した。後にこちらから伺うさ。
で、話は終わり・・・でいいんだが、君たち。
戦争の終わりについて聞いても良いかい?」
「「・・・戦争の終わり?」」
「カズイくんが述べていたのだろう?戦争の後のことを考えている人だと。
その僕が聞く。この戦争の終わりについて、どう思うのかと・・・ね」
「戦争の終わり・・・・・・」
「得点も制限時間もないんだ。ならば何を持って終わらせればいい。全滅かい?片方を潰して?」
その言葉に詰まる二人。
「・・・カズイくん、君はどう考える?」
「・・・俺は、俺は・・・理想論だと言われても。
ナチュラルとコーディネーターが共存し合える世界がほしい。
キラは、コーディネーターなんです。
俺はナチュラル。
立場が違えど、俺とキラは友達です。
だから、俺とキラが争う意味はない。
ならば、ナチュラルとコーディネーターが争う理由だってない。
イザークくんや、ディアッカくんの前でも言った通り。
コーディネーターは、俺たちナチュラルが可能性を求めて生み出したものなんだ。
ならば、それが悪なわけない。
悪と断じていいはずがない。
だから、俺は手に届く範囲の人たちを守るために。
敵対してきた兵士を倒して。
ブルーコスモスのやつらを始末して。
そうして今、俺はここにいる。
きっとこれから俺は立ち向かってくるザフト兵を倒す。たくさんに手にかけることになると思います。
・・・きっと俺は、どっちの陣営にも名乗れない。
軍人として悪の人間だと思う。それでも、その罪を背負っても。
前を進みたい・・・です。
まあ、パイロット達を始末している以上、エゴでしかないんですがね」
「エゴだろうな。傲慢とも言える。
がしかし、君はその道を進みたいのだな。
・・・君と戦う事実が哀しく思うさ」
「俺もですよ。本当は俺たちで手を合わせて。
協力したいもんなんですがね。現実は甘くいかないわけで。これからも経験を積んで成長しますよ」
「・・・ふ。いつか分かり合える時が来れば良いな」
「・・・ええ。僕も望みます。そんな未来を」
「・・・帰りたまえ。話せて楽しかったよ。
君たちにとってはどうかわからんがね」
手を振り、帰れと促すバルトフェルドさん。
それに従い、帰宅をする。
熱い砂漠の上、俺たちは風を浴びていた。
「・・・私は、まだ答えを見つけれないな」
「僕もさ。・・・わからないよ、僕だって」
「・・・あの時は、偉そうに言ってみせたけど、俺だって完璧に考えてるんじゃないんだ。俺には俺にとっての、悩みもある。
結局そんなもんなんだろう?
・・・できたら、みんな平和なのが一番なんだけどな」
外の景色を見て、つぶやく。
転生した身として、俺にできることを。
抗ってきて、それが果たして正しいことなのか。
わからない、わからないのに進むしかない。
カズイ・バスカークとしての人生というものに関わってしまったが故の、悩みだと思うのであった。