トライガンゲイル・オンライン   作:ばうむくうへん

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bullet 1 荒野と風と男と

生物の進化の過程で人間という個体が生み出されて幾星霜。

 

地球よりはるか彼方の名も無き星。地表の7割が砂漠という過酷な環境の中でも人間は社会を形成し、生活を続けていた。

 

だがしかし、過酷な環境下における生存競争は果たして人間の性なのか、その日もいつものように鳴り響く・・・・・・。

 

 

「今日こそ、仕留めてやるぜぇっ!!」

「オラオラ、逃げ回ってんじゃねぇ!!」

 

辺り一面の荒野をバイクで駆けあがる破落戸一派。その手に握られる重火器の種類の豊富さはまるで戦争でもしているかと思うほどの重装備であった。その彼らの目標は一派集団より数百mほど離れたところをその身一つで駆け回る一人の男であった。

 

「お前ら撃て撃てぇ!撃ち殺せぇッ!!」

 

破落戸一派の首領である男の合図で二十を超える数の男たちはたった一人の男に手に持った銃の雨を浴びせる。

 

「うひゃあああっ!!?お助けェェ!!」

 

乾いた土に小気味よく音を鳴らす銃弾の雨をまるで鬼ごっこから逃げる子供の様に両手を掲げ、叫び声をあげるその姿は逃げ惑うというよりは嘲笑ったかのようである。

 

「こ・・のやろぉぉぉ!!追え追え~!!」

 

その姿に激高した一派は速度をあげなおも男に迫る。接地性の悪い場所であるため、速度の割には男との距離は中々縮まらない。追われる男も奇声を上げながら逃げつつも徐々にバイクでは侵入が困難なエリアまで逃げ延びつつあった。

 

「ちくしょう!!お前達、迂回して回り込め!挟み撃ちにするぞ!」

「了解です、ボス!」

 

首領の合図で集団から10台ほどのバイクが左右に散る。逃げる男が向かうは荒野の中にポツンと立っている小山。そこまで逃げようという算段だと踏んだのか。

 

「へへへ・・姿は常に見えてるぜぇ!!撃て撃てぇ!!」

 

小山の前には姿を隠せるような場所は一切ない。大地はひび割れ草木も生えぬこの場所において男の姿は常に一派より確認できている。挟撃に入る間にも男に銃弾を浴びせ続けていた。

 

「きゃあああっ!!もう、どおして僕を狙うのさぁっ!!賞金はもう失効してるでしょ!?」

「うるせえ!!これはメンツの問題なんだよ!これだけの人数動かしてテメェ一人やれねぇようじゃ、俺の名が泣くんだよォ!!」

 

銃弾を浴びせる者、逃げる者。お互いよくもこの状況で会話が成り立つものだが次第に男の包囲を集団が囲い始めていく。

 

「ははは!このまま囲まれてハチの巣になるかぁ!?それとも今撃たれちまうかぁっ!!?」

「・・8・・7・・6・・」

「あぁっ!?なにを数えてやがるっ!!?」

「・・3・・2・・・1・・ゼロッ!」

 

そう言うと、男は立ち止まる。遂に男の周囲は完全に包囲され、一斉に銃口が向けられる。

 

「ははは!ご丁寧に追いつかれる時間を数えてたわけか!?偉い偉い!ぎゃははは!」

「そうでしょそうでしょ!?だからさ~、ここは穏便に平和的に解決といきましょうよぉ~。」

「そういう訳にもいかねぇな。」

 

破落戸の男の目が一層鋭くなる。先程までの寸劇から一変して周囲の空気が張りつめる。辺りに吹く風はここまで煩く聞こえただろうか。バイクのエンジン音はここまで静かだっただろうか。

 

「ようやくだ。ようやくお前との因縁もおさらばだぜぇ・・!」

「・・あの、スミマセン・・どちら様でしたっけ?」

「・・・ッ!!撃てェェ!!」

 

その合図と共に集団が一斉に引き金を引く。そして荒野には再び激しい銃声の音が鳴り響・・・かなかなった。

 

「・・アレ?」

 

首領の男が素っ頓狂な声をあげる。そして男はからからと笑いながら話す。

 

「なはは、無理無理。さっきみーんな、銃弾撃ちつくしちゃったもんね♪」

「んなっ・・!!な、なんて野郎だ・・!」

 

二十を超える集団からバイクで追われ荒野を逃げ惑い、それぞれ異なる重火器からの斉射を躱しつつ包囲されるまでの瞬間まで残弾数を把握する。神業としか形容できなかった。首領の男も含め、取り巻きの男たちも口を開けたまま立ち尽くしている。

 

 

「気をつけてね~!!」

 

男は大手を振りながら破落戸一派の集団が走り去っていくのを見届けた。あの後、男たちは再装填しようという気力もなく、我先にとその場から逃げ去って行った。首領の男は「次こそ覚えてろ!」とサテライトの三文ドラマの悪役のようなセリフを吐くと部下の後を追っていった。

 

荒野にただ一人残された男は小さな溜息をつくとようやく落ち着けると安堵して腰をかける。先程までは耳をつんざくばかりの喧噪であった場が今は心地よく吹く風の音色が耳に入り込む。

 

「・・・・。今日もいい天気だよ・・レム・・。」

 

「・・・・!」

 

その気配に男は反応する。誰かが自分を呼ぶ声が。近い。それもすぐそこに。腰を上げた男は周囲を見渡すが何もない。だがその反応はとても近い。お互いの吐息が聞こえるほどに。

 

「どこだ・・?俺を呼ぶのは・・誰だ・・!?」

 

と、男の足元が急に崩れゆく。脆くなっていた岩盤が男の自重によって崩れたのか、いやそうではない。まるで自分を呼ぶ誰かがその扉を開いたかのような。男は見えぬ暗闇へと引きずり込まれていった。

 

 

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実験的に投稿しました。
トライガン要素7割GGO3割といったところです。
ガンアクション多め予定です。
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