「胸が大きい方が良いのか、小さい方が良いのか。私達は真面目に議論をする必要があります」
旧アメリカ合衆国領、キャリフォルニア州ロサンゼルス。
ハリウッドサインが見える某ホテルに設置された大浴場にて、浴槽に立つ幼い体躯の少女が力強く告げる。その目の前には肩まで湯に浸かった二人の少女、ツィマット社の才女は眼鏡を外した童顔でコテンと首を傾げ、ジオニック社の才女は頭の上でまとめた髪でポカンと口を開ける。ミアはブルーレイディスクを購入すると消える謎の光に照らされた秘部をじっくりと眺めた後、自分の前に座るように手招きをした。それを受けたカナリアは何も言わず、ミアの前にチョコンと座る。ミアは湯に浸かる黄色に近い金髪をまとめ、タオルを巻いて固定した。
丁度、大浴場に訪れていたアルマとペッシェは、遠目でカナリアの事を興味深く眺めている。
「私はね、胸は大きい方が良いんだと思うんだよね。胸は大きいってだけで火力がある」
「あ、その話を続けるんだ」
「控えめな胸も良いと思いますよ、撫で心地が良いです」
「ミアも話に乗るんだ……」
「揉めないけどね」と零すカナリアに「頬が柔らかいじゃないですか」とミアが彼女の頬を両手で包み込んだ。
うんざりするように溜息を零したメイは、二人の胸と自分の胸を見比べる。幼児体型のカナリア、低身長で意外とあるミア。二人と比べて身長が高く、長い手足を持った自分には、小さい訳ではない程度の胸が備わっている。ミアが大きいのは知っていた。しかし、こうやって、まじまじとミアの胸を見ると湯船に浮く程度に大きい。ぷかぷかと浮いた双子島、水が滴る肌に艶と張りがある。揉んでみたいな、揉んだことあるけど。同性でも揉みたくなる胸だった。
ちなみに先端は無駄に濃い湯気で読者には見えない仕様となっている、有料コンテンツです。
「メイはどう思う?」
「えっ? あ、うん……えっと、ん~?」
ミアの胸に向けていた目をカナリアに向ける。
カナリアの肉体は、まだ成長期前って感じで魅力的というよりも犯罪的だった。実際問題、手を出せば犯罪なのだけど。なので洗い場で必要以上に泡だらけになって銀色の短髪を洗っている細マッチョな女性を眺めた。メイは彼女の名前を知らないが、ヘレナ・ヘーゲルの胸は今、この大浴場に居る者の中では控えめだ。あまり魅力的には感じない。頭の中で胸を盛ってみるけども、やはり魅力的ではなかった。横で赤色の髪を洗っている女性、彼女の方が魅力的で健康的だ。胸を盛っても、減らしても似合う気がする。改めてミアの胸元を見る。若干、距離を離してから見てみると、ミアは胸を小さくするよりも大きくした方が似合いそうだ。そういう身体をしている。では、カナリアはどうか? 彼女には控えめな胸が似合っている。
まあ世の中にはロリ巨乳というジャンルもあるのだけど。海原河背、南無南無。
「……素体、かなあ?」
人それぞれに似合う胸があるし、どんな胸も似合う人もいる。
肉体の魅力と言うのは総合値であり、バランスだ。ロリにはロリの魅力があり、セクシーにはセクシーの魅力がある。この辺りは宗教であり、ロリかセクシーどっちだゴルァという話でもあった。世にはエロとは即ち肉感的だと語る猛者もいる。それにカナリアは胸がない方がクソガキ感があって良い。風呂から上がった後、ミアにカナリアをツインテールにするように提案してみよう。うん、メスガキ感が増し増しだ。
ちなみにプログラミングで手が疲れた時なんかにミアの胸を揉むと癒される。
癒し系おっぱいである。服の上からよりも直に揉んだ方が効能がある、知らんけど。
女性ホルモンは分泌されているはずだ、ミアのだけど。
「たぶん胸は誰に付いているのかってのが大事なんじゃない?」
カナリアにミアと同じ胸が付いていても魅力的に思えないけど、あの赤髪の女性なら似合うんだろうなって思ったりする。でも癒し効果を求めるならば、ミアに付いているのが一番だ。
「ミアの胸が一番……」
「だよね!」
メイがポツリと零した一言に、カナリアが食い気味に同意した。
「やっぱりミアの胸が至高であり究極なんだよ、ずっと揉んでいられるね!」
「えー?」
「操縦桿もミアの胸が付いてたら手が疲れないのに……」
「えぇ~……」
カナリアは湯船に浮いた乳袋を枕代わりに身を委ねる。
若干、引き気味のミア。しかしカナリアを拒絶せず、お腹に両手を回す。
湯の中ですりすりと撫でる。これに対してもカナリアは気にした様子すら見せていなかった。
波立った水面に都合良く先端が見えないカナリアの控えめな胸を見る。
レンタル版では、水面の透明度が高くなったりはしない。
「カナリアのも可愛いと思うけどね」
「ですよねぇっ!」
なんとなしに零した一言に今度はミアが食いついた。
「子供の時から胸の事ばかり言われていたから小さな胸に憧れていたんです。見る分には良いかも知れませんが、こんなの持っていても好きでもない異性の視線を集めるばかりで邪魔なんですよ。カナリアさんの胸が小さくて、可愛くて羨ましかったんです」
「え~、それって持ってる側だから言える事だよね?」
「持ってない側なんですよ! カナリアさんの小さな胸が好きな人だって居ます、私がそうです」
「……ミアが満足してるならなによりだよ」
そう言いながらミアがカナリアの胸を包むように撫で始める。
釈然としない様子でされるがままのカナリア。大きな胸が似合うミアに小さな胸が似合うカナリア、似合う胸がある方々は羨ましい限り。気まずそうに湯に浸かる赤髪の女性のように、どんな胸でも似合う肉体の持ち主もいる。銀髪の女性のように、どんな胸が似合うのかもわかりにくい人もいる。でも、あの人、ないなりにはあるんだよね。
この大浴場に72という数字に「くっ」と悔しそうに零す女性は居なかった。
強いていうならば、カナリアが当て嵌まるのだが、彼女は彼女でまあ成長の見込みがある。
そんな折、栗色の長髪をした女性が大浴場に足を踏み入れる。
「あっ、小さい」とカナリアが零す。
「……控えめ、ですね」
「えっ、あの人ってあんなに小さかった?」
小首を傾げるメイ。
アルレット・アルマージュ、彼女の胸は意外と小さかった。
全身から醸し出すセクシーな雰囲気と比べると胸が小さく見えてしまうのだ。だが彼女の胸は小振りな割に張りが良い為、身体のラインが見える服を着たりするとくっきりと形が残ったりする。初めて彼女のノーマルスーツ姿を見たペッシェは思わず「エッチだ」と零してしまった。気まずくなった。
スケベな胸とは、必ずしも大きさに比例しないらしい。
「良い胸は、それに相応しい身体が必要だって事だね」
ミアに両手で胸を包み込まれているカナリアは腕を組んで、うんうんと頷いた。
今は隠すべきを隠している為、無修正だ。ミア様様である。
勿論、見えてはいけない所はカメラから見切れている。
スカートの中を絶対に見せない職人と同じ誰かの手によるものであった。
「ところでロリとセクシーって別に対義語じゃないよね」
「そういう意味では、キュートの方があってます」
「でも、語感的にはロリとセクシーの方が良いかな? 略しやすいし」
わいわいがやがやと姦しいことになってきた三人組とは対照的にアルレットは気まずく胸を隠して、ひそひそと身を清める。
その一部始終を聞いていたアルマは頬を赤らめながら三人を見つめる。ロリとロリとロリである、胸は貧乳と普乳と巨乳と揃えたロリの三点セットだ。何処かの大きなお兄さんには人気が出そうな組み合わせであった。そんな事を考えているとペッシェが遅れて浴槽に浸かりに来た。画面の半分以上が謎の光で包まれた彼女の裸体を見たアルマはニュータイプ能力を発揮し、今はまだ質素な肉体に秘められた将来性を感じ取る。今、此処にいる者の中で誰よりもセクシーになるであろう可能性の塊を前にして、恐れ戦いた。アルマは自分の身体が魅力的な事に気付いている、他人の感情に聡いタイプのニュータイプ能力を持つ彼女は異性から向けられる自分への視線の意味に気付いていた。だから人一倍、性というものに敏感であり、寛容でもあった。そんな彼女が今、自分すらも凌ぐ将来性の塊に畏れを抱いた。そして、今でもそれなりにある胸は大器であった。着痩せするタイプ、だが大器だ。大器晩成である。歳を取る度に大きくなる輝かしい希望が詰め込まれていた。
わなわなと身を震わせるアルマ、ペッシェは同じ研究所仲間である彼女を気遣った。アルマは畏怖と好奇の入り混じった複雑な感情で、ペッシェの胸元に震える手を伸ばす。
そして双丘の可能性を鷲掴みにした。
ペッシェの滅多に出さない大きな声、即ち悲鳴が大浴場に鳴り響く事になる。
それから暫く、アルマは洗い場にて全裸で正座し続けることになった。
ペッシェが居なくなった後、湯冷めしたので、じっくりと湯に浸かり直す。
ちなみに彼女も胸が浮く側の人間である。
アルレットは浮かなかった。