エメラード「俺?俺はヒーローさ。」
天井にくっついている怪物はそう言うと「よっと」と言いながら降りてくる。
さくら「………ヒーロー?」
エメラード「そっ、と言うことで………俺の名はエメラード、よろしっく!!」
エメラードは片手を上げながら挨拶をする。
あまりの能天気っぷりにその場にいた全員が唖然とする。するとエメラードは何かを思い出したのか人差し指を上に上げる。
エメラード「おぉ、それとここに全員集合するからそこら辺よろしく。」
レミリア「ちょっと待ちなさい。何か勝手に話を進めてるけど主の私を置いて話を進めないで頂戴?」
主である自分が話に入っていなかったのが気に食わなかったらしくレミリアは食ってかかる。
エメラード「へ?あんたあんまりここの主人っぽい感じして無いじゃん紅魔の吸血鬼さん?」
レミリア「それはどう言うことか説明して貰おうかしら?」
エメラードとレミリアが言いあっていると図書館の扉が開き三人の男が入ってくる。
龍「お邪魔します。」
王牙「何か普通に入って来ちゃったけど大丈夫なのか?」
スキアー「クカカ、地底で女子便に入ってた奴に言われたく無いな。」
王牙「何でそれ知ってるの!?」
さくら「あれ?あの人は………龍さん?」
龍「………?さくら?何で?」
ここでまさかの再開、実はこの二人、前にも会った経歴があるのだ。
しかしさくらはスキアーの姿を見ると警戒をする。
さくら「………!?あなたは!!」
スキアー「あ?何だよ?」
さくらの反応に対してスキアーの反応はとても薄かった。
さくら「何ですかその態度!?あなたは私を攫った一人なんですよ!?」
龍「!?お前そんな事してたのか!?」
スキアー「………すまん、後ろは振り返らないタイプなもんでな。過ぎた獲物の事は忘れた。」
プチッ
龍「………あれ、この音聞いたことがあるな………。」
龍がさくらの横で額から汗を流しながら苦笑いをする。
さくら「そーですか、過ぎた奴の事は覚えてないんですかそーですか。」
スキアー「何だコイツ、いきなりキレやがった?大体印象が薄いのが原因だろそんなの。」
さくら「もういいですよね?この人キルしていいですよね?」
龍「お、落ち着けさくら、ここで血祭り上げても意味無いから………止まって!ストップさくら!!」
スキアーに向かって行こうとしているさくらを後ろから止める龍。
王牙「な、何だか仲良いなこの人達………。」
エメラード「ふーむ、いいな若いのは!」
レミリア「あんたも私から見たら十分若いわよ?」
エメラード「ん?自分がおばさん宣言か?」
レミリア「良しここに来い、今ミンチにしたる。」
エメラード「馬鹿野郎、ヒーローは最後までカッコ良く生きるんだよ。」
レミリア「コイツ消さないと私の気が収まらない。」
王牙「おぉーい!?あっちこっちで喧嘩すんじゃねーよ!!」
暴走する四人を止める王牙と龍、彼らは何をしたいのやら………。
バベル「………何とも酷い者だな。」
一同「「「「「「「「………!?」」」」」」」」
その場にいた全員が本棚の上を見る。するといつからいたのか、バベルが腕を組みながら立っていた。
王牙「コイツ、嫌な雰囲気だな。」
龍「ですね。」
さくら「………。」
三人が警戒をするとバベルは話し始める。
バベル「そう警戒するな、我は貴様らに手を貸してやろうとしているんだぞ?」
バベルがそう言うとスキアーが口を挟んで来る。
スキアー「ん?手を貸す?あんたそんな良い奴だったか?」
バベル「それは貴様もあまり変わらんだろ。」
バベルがそう言うとスキアーは「確かにな」と言いながら笑い、下がる。
龍「………手を貸す………ですか?」
龍が警戒しながら言うとバベルは失笑する。
バベル「今回の目的、少々荒い物でな。」
龍・王牙・さくら「「「………。」」」
▽△▽△▽△▽△○△▽△▽△▽△▽
時刻は7時過ぎ、バベルは紅魔館のテラスから夜景を眺めていると後ろから誰かが来る。
バベル「………どうした紅魔の従者、我に何か用か?」
そこには現紅魔館のメイド長 咲夜がいた。
咲夜「何、簡単な事よ。あなたを監視してるだけ。」
咲夜がそう言うとバベルはフッと鼻で笑う。
バベル「貴様の用な者に我の監視か、残念だがそれは力不足だな。」
咲夜「良いのよ、戦おうなんて思ってないから。ね?『自称ヒーロー』さん?」
バベルの言葉を聞いた後咲夜は若干大きめな声でそう言う。すると屋根の上から人影が降りてくる。
エメラード「そーだね、『二次創作の最強』と戦う気は無いな。」
バベル「二人して監視か?」
エメラードが何か言おうとした瞬間に咲夜が「それは無い。」と言うとエメラードは項垂れた。
バベル「まぁいい、それよりも気になるのは………。」
そう言いながらバベルはこの三人以外の人が集まっている部屋をチラリと見る。そこでは………。
王牙「1、2、3………おぉ給料日来た!!」
スキアー「おいちょっと待て!何か俺の給料少ないぞ!?大体何でそこの二人の給料が多いんだ!?」
さくら・レミリア「「気のせいでは?」」
スキアー「嘘つくなこの野郎!!」
夜行「あぁ?何で俺が事故んなきゃなんねぇんだよ?」
アゲハ「酷い………夜行にこんな事させるなんて………。」
龍「いやこれゲームだからな?何本気になってんの?」
何故か『人生ゲーム』をする異世界の方々、そもそも何故ここに人生ゲームがあるのか自体不明である。
咲夜・エメラード「「………。」」
最早敵味方の関係無しに遊んでいる彼らに唖然とする。
バベルですらも苦い顔である。
想陰「まっ、それが『彼ら』と言う事だろうね。」
テラスの一同「「「………!?」」」
いつから来たのか、想陰がテラスの手すりに座っていた。
想陰「どーも、彼らを招いた張本人だ。にしても………。」
そう言いながら想陰はバベルよ見る。その目には計り知れない恐ろしい『何か』を感じた。
想陰「派手にやってくれたねぇ、これ賠償じゃ済まないよ?」
想陰は笑っているもその目は笑ってはいなかった。
バベル「下級の『神』に何が出来る?」
バベルがそう言うと想陰は笑みを浮かべる。
想陰「そうだなぁ、少なくとも………『お互い警戒してること』ぐらいに気づく事は出来るね。」
想陰の言っていることに気付いた時には出遅れていることが分かった。想陰の後ろには黒薔薇の使徒が立っていた、そしてテラスにいる彼らの上空には空間を捻じ曲げて出来た穴からいつ落ちて来てもおかしくない無数の白色の電車がぶら下がっていた。
エメラード「………おーいおい、こりゃあ随分と双方デカイ技だな。」
咲夜「なっ………!?」
この二人がこれ程の技を出しているのも凄いことだがそれより凄いことはそれを中で人生ゲームをしている彼らに気付かれていない事だ。
その時咲夜はバベルの顔が少し歪んでいるのに気付いた。
バベル「………貴様………この能力を何処で………?」
バベルは空にぶら下がっている白色の電車を見ながらそう言う。どうやらこの技には何かあるらしい。
想陰「これでしょ?君が求めていた能力、『裏世界を支配する程度の能力』。」
バベル「………それは『奴』自身の筈、何故お前が?」
バベルがそう聞くと想陰はやれやれといったポーズを取る。
想陰「残念だけどこれコピーなんだよね、俺が再現できるのにも限界があるもんで………とまぁそろそろ行かなきゃだから伝えたい事だけを言うよ。」
想陰はそう言うと帽子を抑えながら話し始める。
想陰「二日後、ベルギアスはついに攻めて来る。ワープ場所は丁度妖怪の山の上だ。それじゃあ頑張りたまえ諸君!」
そう言うと想陰は光となって消えてしまった。
しばらく中から響いてくる楽しげな声だけが辺りを満たしていたがやがてバベルは振り返りテラスから出る。
バベル「『戦争』を始める。全員集まれ。」