東方混純録♦︎次元を超えた希望   作:秘幻

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もう一人の俺

何故だ?何故………

 

 

 

凌「食らえぇぇぇ!!」

 

 

 

「うっ………グッ!!」

 

 

 

私が押されているのだ?

凌の攻撃を食らい、暗黒の使いは地面に衝突する。

 

 

 

「小癪な!!」

 

 

 

暗黒の使いは無数の車を荒波の如く、凌に向けて飛ばす。それを凌は斬撃一つで全てを斬り裂く。

 

 

 

凌「オラァァァ!!」

 

 

 

凌は容赦無く刀を振り下ろす。振り下ろされた刀は暗黒の使いのフードと、顔に巻いている包帯を斬る。

暗黒の使いはバックステップで凌から距離を取る。そしてゆっくりと顔を上げながら言う。

 

 

 

「貴様も………道が違ったらこうなっていたのにな………。何処で違ったのか………。」

 

 

 

凌「………あぁ、そうだな。だから俺が終わりにするんだよ………なぁ、」

 

 

 

暗黒の使いが顔を上げ、フードを取るのと、凌が次の言葉を言うのが重なる。

 

 

 

凌「『もう一人の俺』さんよ。」

 

 

 

フードを取った暗黒の使いの顔は何と………凌そっくりだった。

唯一違うのは片目が赤く光り、その周りが一部真っ黒になっていることである。

 

 

 

「………今のお前はお前では無い。だから消す。」

 

 

 

そう言うと凌の視線が鋭い物となる。

 

 

 

凌「んな訳ねぇだろ、今の俺は俺だ。例え、何処かのお偉いさんが違うと言おうが、世界が否定しようがな!!」

 

 

 

そう言うとガウスカノンの放つ。

すると、暗黒の使い………もとい、闇の凌もガウスカノンを放ち、凌のガウスカノンを相殺する。

 

 

 

闇凌「そうか………なら、俺も俺だ。誰が何と言おうとな!!」

 

 

 

闇の凌がそう宣言をする。その宣言の口調には、何処か嬉しそうな所があった。

 

 

 

▽△▽△▽△○△▽△▽△▽

 

 

 

血しぶきが舞う、その血しぶきが舞った方に全員の視線が向く。

 

 

 

アゲハ「………!」

 

 

 

椛「そんな………!」

 

 

 

その視線の先には………。

 

 

 

華扇「………え?」

 

 

 

華扇はゆっくりとしたを向く。

華扇の視界に入ったのは、自分の体から出ている何か、それが『鉄の針』であることに気づくのに時間がかかった。

 

 

 

華扇「ガハッ!?」

 

 

 

その直後、華扇は血を吐く。

零侍は夜行がやったのかと、夜行を睨むが、夜行もいきなりの事に驚いている様子にこれは夜行がやったことでは無いと気づく。

華扇の体はゆっくりと浮いて行く。すると、地面から土煙を上げて一つの人影が姿を現す。その姿に全員が騒然とする。

 

 

 

夜行「………テメェは!!」

 

 

 

夜行がその人物を睨む。いや、その『兵器』と言った方が良いだろう。

地面から姿を現したのは、破壊された筈のアグニスだった。

 

 

 

『ヴヴン!!』

 

 

 

アグニスはそう唸ると、針に刺さったままぶら下がっている華扇を吹き飛ばす。

 

 

 

零侍「華扇!!」

 

 

 

とっさに零侍は華扇の体を受け止めに行き、華扇を抱きしめる。

華扇の体には大きな穴が空いていて、とてもでは無いが助かる様な傷では無いことを物語っている。

 

 

 

零侍「そんな!?華扇、おいしっかりしろ!華扇!!」

 

 

 

零侍は必死に華扇の名前を呼び続けるが、華扇は目を開かない。

そんな?まさか死んだ何て言わないよな?からかってるんだよな?

そんな事が頭の中をぐるぐると回るがそれらは一気に否定された。分かっている。これは………。

 

 

 

零侍「そんな………華扇………。」

 

 

 

すると、自分の体が衝撃により吹き飛ぶ。

なんとか上手く着地をし、前を見る。アグニスはまるで零侍に見せびらかすかの様に、倒れている華扇の頭を足で踏みつける。

その瞬間に、理性は失せた。

 

 

 

零侍「その足をどけろぉぉぉ!!」

 

 

 

零侍は一気にアグニスに近づき、刀を振り下ろす。

零侍の刀と、アグニスの強化された手の針がぶつかり合い、大きな金属音を奏でる。

あらゆる角度から刀を振るがアグニスの学習能力により、それらは既にアグニスにとっては想定内の行動となっていた。

 

 

 

『ヴン!』

 

 

 

アグニスはあらゆる角度からの攻撃を避けると、零侍に向けて、打突攻撃をする。

打突攻撃は零侍の体に刺さる。

 

 

 

零侍「ガハッ!?」

 

 

 

そのまま、アグニスは腕を振り上げ、零侍を上に上げると打撃で地面に叩きつける。

地面に叩きつけられた瞬間に、零侍を中心に地面にクレーターが出来る。

意識が無くなるのが分かる。ダメだ………まだ、終わるわけには………

 

 

 

▽△▽△▽△○△▽△▽△▽

 

 

 

 

凌「まだ動くのか!!」

 

 

 

凌は飛んで来た建物を真っ二つにしながらそう言う。

闇の凌も今はかなりのダメージを受けている筈なのに、まだ能力をここまで使える力があるらしい。

 

 

 

闇凌「どうした!お前の信念を見せてみろ!!」

 

 

 

 

凌「言われなくてもそうするさ!!」

 

 

 

そう言うと零侍は両手を前に出す。

 

 

 

凌「これで終わりにする!双炎[X-バーナー・BH]!!」

 

 

 

すると、凌の手から光が出たかと思うと、暗黒の使いに向かって一直線に伸びていく。

それを闇の凌は大剣で完全に防ぎ切る。

 

 

 

闇凌「ふん!もう良い!お前の心に傷をつけてやる!」

 

 

 

 

そう言うと闇の凌は、中に飛んだ電柱を戦っている創夜に向ける。すると電柱は飛んできたビームによって粉々になる。

 

 

 

闇凌「なっ!?」

 

 

 

凌にはそれがガウスカノンであることが分かった。

 

 

 

創夜「………待たせたな、さぁ。始めようか!」

 

 

 

創夜は敵を倒し終わり、凌に参戦する。

 

 

 

闇凌「………小癪な!!」

 

 

 

闇の凌は両手を上げる。すると地面の方から無数の建物が飛んでくる。

創夜と凌は飛ぶと、それを避けながら闇の凌に向かって行く。

 

 

 

闇凌(バカな!!負けるのか!?こんな所で………!)

 

 

 

創夜・凌「「これでチェックメイトだあぁぁぁ!!」」

 

 

 

創夜と凌の刀が同時に振り下ろされ、闇の凌の体が二つに割れる。

 

 

 

闇凌(………まぁ、いいか。)

 

 

 

自分はずっと探していたんだ。

 

何処かに必ず、穏やかな未来があると信じてたんだ。

 

けど、自分には来なかった。

 

自分に来たのは、妻の死………そして息子の死だった。

 

憎かった。

 

強大すぎる力の前では、神に等しく、最強と言えた自分の力も無力に等しかった。

 

奴はただ力が強大なんじゃ無い。

 

だから負けた。だから家族は死んだ。

 

だからあいつが憎かった。

 

同じ俺なのに、俺とは違ってお前は幸せだった。

 

けど、それはもう良くなった。

 

だって………

 

 

 

 

 

『お前が幸せそうな顔をしてるのを見て、安心したからな………。』

 

 

 

 

 

 

 

闇の凌は消えていく意識の中で、もう一人の幸せな自分を見てそう思った。

そして、これからも、もう一人の俺がずっと幸せでいることを………精一杯祈った。

自分が嫌っていた神様に………。





恐らく次で最終話です。
誤字、脱字は連絡を( ´ ▽ ` )ノ
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