その頃神人と言えば………
神人「鈴仙 優曇華………何だって?」
鈴仙「鈴仙 優曇華院 イナバ!」
神人「長ぇよ、今のイナバしか聞こえなかった。」
鈴仙「じゃあ大体は分かったでしょ!?」
神人「えーと………鈴仙 優曇華 イナホだっけか?」
鈴仙「イナバ!覚えてないじゃない!それに優曇華院!」
神人「………まぁいい。よろしく鈴弦。」
鈴仙「鈴仙だーー!!」
あの後この少女、………鈴仙だったかな?とにかく、鈴仙と仲良くなり彼女が目指していた永遠亭とやらに同行することにした。何せ自分がいた世界とは違う。ましてやあんな金属の化け物と戦うなどと言うならもってのほか、ここの事を知る必要がある。
神人「所であいつは何だったんだ?見るからに生き物じゃ無いよな?」
俺がそう質問すると鈴仙は目を細めながら言う。
鈴仙「正直な所、私達にもよく分からないの。奴らがこの幻想郷に対して侵略行為を始めたのはそう前の話じゃないの。」
神人「と言うことはつい最近、って事か?」
鈴仙「そうよ。」
俺はそこで疑問が浮かんだ。最近と聞いたが彼女の前の話では「あちこちで協力して戦っている」と言っていた。そんな事が出来るのか?そもそも正体不明な敵といきなり戦うことになったと言うのに統制が取れている。普通は無理なのでは?
神人「いや、お前らは連携を取るのが早すぎないか?まるで知ってたかの様な速さだ。」
そう言うと鈴仙は首を横に振り言う。
鈴仙「これは全部隙間妖怪の指揮で行われているのよ。」
俺はその隙間妖怪と言う言葉に引っかかった。
神人「隙間妖怪?そいつは紫とか言う奴か?」
鈴仙「え、えぇ。知ってるの?」
神人「いや聞くな。」
鈴仙「そ………そう。」
そこにはつい即答してしまう自分がいた。流石にO☆HA☆NA☆SHI☆と言う訳には行かない。しかし………。
神人「紫か………。それよりいつになったら着くーーーー!?」
鈴仙に話しかけようとした瞬間に視界が竹林を背景に立っている鈴仙から一気に暗転、気がつくととんでもない体制になっていて上には夜空が見える。
鈴仙「ちょっ!?大丈夫?」
神人「………何だこれぇ!」
これはあれか。落とし穴って奴か。くだらんガキが作る対先生用とかのあれか。これにはまったせいで若干キレ気味の声で返事する。
神人「………あぁ、俺は大丈夫だ(これ仕掛けたガキ【ピー】してやる!)。」
鈴仙「………いや、何か恐ろしい事が聞こえた様な………。」
神人「気にするな。」
そう言って落とし穴から出る為に穴を登る。その時気が付いたが鈴仙の顔は俺の方では無く前を向いていて顔色が悪くなっていく。
神人「どうした?………よっと。ん?人?」
落とし穴から出て鈴仙の方を向くと数人の人がいた。服装からして村人とかだろう。しかし村人達の動きには不審な行動があった。近づいて来た瞬間、鈴仙は俺の手を掴んで走り出す。
神人「ちょっ!?どうした鈴仙!?」
鈴仙「いいから走って!ダミーマシーンよ!」
神人「ダミーマシーン?何だそいつ………え!?」
後ろを見ながらその話を聞いていた俺の視界にはとんでもない物が写った。走って追って来ていた村人達の頭が裂けたかと思うと中から鉄の棒の様な物が出て来てこちらに先っぽを向けるとその先端が火を吹く。その後に横に生えていた竹が吹き飛ぶ。
神人「あれか!?お前が言ってたグロテスク野郎は!?」
鈴仙「そうよ!走って!」
おいおいおい!!グロテスクを超えてるだろあれは!出るんだったら寄生虫とかの類だろ普通は!そう思いながら走る。奴らも走りながらのせいか標準が合わず俺らの近くで地面が爆ぜる。
神人「永遠亭って後どれぐらいだ!」
鈴仙「もう少しよ!後少しで………うそ………。」
鈴仙が足を止める。つられて俺も足を止め前を見ると前からもダミーマシーン達が近づいて来ている。この先は鈴仙の話通りなら俺らが向かっている永遠亭の筈、こっちの方向から敵が来ると言うことは永遠亭にも敵が来ている筈だ。
神人「クソッ!鈴仙、先に行け!」
鈴仙「!?神人はどうするのよ!」
神人「俺はこいつら倒してから行く!いいから早く!」
鈴仙は一瞬躊躇うが「分かったわ!」と言って走りでは無く飛んで行く。前から来ていたダミーマシーンが鈴仙を狙うがそいつらの首を刀で落とす。
神人「お前らの相手は俺だ!」
こうして俺はダミーマシーン達との戦闘に入った。まずは目の前のダミーマシーン達を破壊していく。奴ら一体一体の破壊力は強いがそれ以外は強くもなかった。遠距離戦専用と言った所か?なら話は簡単。奴らの攻撃を避けながら懐にまで入り込みそこから破壊すればいい。対処法が分かると難なく敵を全滅させることが出来た。
神人「………何だこれ?皮膚なんかじゃ無い。」
観察する為倒れているダミーマシーンの皮膚を触るが何か違った。皮膚と言うよりは少しスベスベしていて人よりも伸びる。ゴムか何かで作ってある様だな………。しかしこんなのを兵士に使ってくる奴らとは一体………?そう思っているといきなり辺りの竹が強風に煽られてガサガサと音を立てる。
神人「………何だってんだ一体?」
辺りをキョロキョロと見ていると上に何かが通り過ぎて行くのが分かった。竹の葉のせいでよくは見えないが何かがこの空の上を飛んで行く。数は三匹………いや三個?あぁもう!あいつらは何の単位で表すんだ!そう思っていると最後に飛んできた奴がにここに何か大きな物を落として行く。最初は残骸か何かかと思っていたがそれは地面に落ちた後、ウィーン、ガチャンと言う音を立てながらその姿を徐々に変えていきやがて一つの姿になる。人間の胴体に四つ足で顔と思われる所には六つもの赤い目の様なものが動いている。手の所はダミーマシーン達と同じ様なものが幾つも付いている。
しばらく赤い目はあちこちをぐるぐる見ていたがやがて全ての目が俺の姿を捉える。
神人「………冗談抜きかよおい!?」
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想鵐「ハァハァ………クソッ!」
僕は紅魔館の廊下で分散『文鳥』を走りながら撃っていた。咲夜が消えた後化け物達があちこちから姿を現し始めたのでそれを迎撃していた。とは言えかなりの数だ。どうやって侵入したんだと思ったがその理由も何となく「これかな?」と心当たりが一つ。まさかね。
『ターゲット捕捉』
想鵐「………ウオッ!?」
奴らは近距離からの攻撃だけじゃなく顔と思われる所から弾幕を撃てる様だ。至近距離から撃って来る。しかしレミリアや霊夢と違って一発ずつなのがありがたい所である。
想鵐「………ハァァ!!」
前後から波の様に襲いかかって来る化け物達をジャンプして空中で横回転をしながら弾く。すると見事な程までに化け物達は吹き飛び動かなくなる。
想鵐「………目が回る………。」
慣れないことはしない方がいいと言うのはこのことかと思いながらフラフラした足取りで走る(どちらかと言えば早歩き)。しばらく行くと階段の所に人影が見える。
小悪魔「あ………あぁ………。」
パチュリー「………くっ!」
あれはフランが前言っていたパチュリーって人か?隣の人は………?どちらにせよ僕には彼女達を助ける必要がある。そう思いパチュリーを庇う様に目の前に現れパチュリーが見ていたものを見る。
パチュリー「………!?誰?」
想鵐「僕は………何だこいつは?」
目の前にいたのは今まで見てきた奴らでは無かった。人型だが奴らと違いちゃんと二足歩行をしている。鉄で出来ていて体格も良く顔はガスマスクの様な顔で目や横のフィルターの様な所からは黄色の光が出ていた。体の中に光る球体が見える、恐らくあれの光だろう。
想鵐「早く逃げろ!」
パチュリー「!?」
想鵐「早く!」
パチュリー「………いいえ、私もやるわ。」
想鵐「こいつは今までの奴らとは明らかに違う!」
パチュリー「だからこそよ。」
想鵐「は?」
座り込んでいたパチュリーは立ち上がり本を開く。
パチュリー「ここでこいつを逃がせば後後厄介なことになる。ならここで仕留める。」
想鵐「………なるほど、なら文句は言わない。」
パチュリーは横で座り込んでいる小悪魔に「レミリアの所へ!」と指示する。僕も後々レミリアに会わなければな………。そう思っているとパチュリーが弾幕を撃ち始める。敵は素直にその攻撃を受けていた。「ドM?」と思ったが違った。奴の体には少しの焦げしか付かなかった。
パチュリー「コアマシーン………予想以上の硬さね。」
想鵐「コアマシーン………!!」
コアマシーンと称された敵は体制を低くしたと思うとラグビー選手の突撃の様にして突っ込んでくる。
想鵐「パチュリー!!」
パチュリー「………!!ちょっと!!」
パチュリーを横に突き飛ばす。その瞬間にコアマシーンの硬い体が僕の体に当たる。
想鵐「がはっ!?」
その勢いのまま僕は吹き飛び壁に直撃する。壁が壊れる音以外に体の中でボキボキッ!って音が聞こえていた。クソッ、まだ動いてくれよ僕の体………!
ゆっくりとだが起き上がる僕の視界には奴が丁度歩いてくる所だった。パチュリーには悪いけど少し離れさせて貰うよ。
想鵐「召喚『砂暗』!!」
僕はそう言い砂暗を出しその上に乗りコアマシーンに体当たりする。ガンッ!と言う音を出し砂暗と共に反対側の壁に激突しそのまま外へと出て急上昇する。その時外の景色を見て愕然とした。紅魔館の周りではあちこちから火の手や爆発が起き上空を飛んでいるせいだが豆粒程度にしか見えない人達が戦っていた。その光景と言うものはまさに『戦争』であった。
想鵐「何が起こって………!!こいつ!」
砂暗のくちばしの所には倒したと思っていたコアマシーンが顔を上げ這い上がろうとしていたが、それを辞め何を始めるのかと思った瞬間にコアマシーンは両手を合わせて祈りの様な手の形を作るとその手を上げ砂暗に思いっきり叩きつける。その瞬間に砂暗がバランスを崩し落下する。
想鵐「うわぁあああ!?ガハッ!!」
紅魔館の庭に落ちる。起き上がろうとした瞬間、右肩が何かによって貫かれる。
想鵐「………!?」
見ると肩には小さいが穴が空いていた。肩を抑えて立ち上がると目の前にはコアマシーンの姿があった。手には武器と思われるものを持っている。コアマシーンは僕の方にまで歩いて来ると僕の首を掴み持ち上げる。
想鵐「グッ………ガッ………!」
『ターゲット捕捉、排除スル』
想鵐「………!」
これはマズイ、そう思った所に後ろから弾幕の雨が降り注ぐ。上を見るとパチュリーが浮いていた。
パチュリー「その男を離しなさい!」
パチュリーはそう言うと巨大な弾幕一つをコアマシーンの頭に飛ばす。流石に応えたのか僕の首を掴んでいた手の力が弱まる。
想鵐「ブハッ!……ハァ………ハァ……クッ、これでも食らえ!!」
そう言い召喚『砂暗』を使い爆煙で顔の周りが覆われている状態のコアマシーンを横から砂暗を使い激突させる。コアマシーンはそのまま吹き飛び地面を二三回跳ねると四回目で煙を上げながら地面にめり込む。
想鵐「………ブハッ!?」
コアマシーンを見ていた自分は一瞬自分の口から何が出て来たのか分からなかったがそれが血だと気付くと体のあちこちが痛み出す。
想鵐「………ハァ………ハァ………。」
無理して立ち上がるとパチュリーが降りて来て近寄る。
パチュリー「無理しない方がいいわ。その傷じゃ………!!」
想鵐「………嘘だろ?」
地面にめり込んで動かなかった筈のコアマシーンが何も無かったかの様に起き上がりこちらに向かって歩いて来る。その一歩一歩の足音が死神の足音の様に聞こえた。
想鵐「………離れてろよパチュリー。」
パチュリー「そう言えばなぜ私の名を!?」
想鵐「………訳は後だ。」
そう言ってパチュリーの前に立つ。しかし視界はまともでは無かった。
『ターゲット、想鵐………確認。『英雄』ハ排除スル』
想鵐「こいつ………!?」
コアマシーンはそう言うと持っている物をこちらに向ける。そしてそれは火を吹き俺の体を貫いた。
想鵐(クソッ………意識が………。)
落ちていく意識の中、コアマシーンの首が飛び散るシーンが目に映った。そしてそこには………
想鵐(………瀬良?)
そのまま僕の意識は飛んだ。