影斗「………ハァ………ハァ………もう疲れましたよ。」
智里「………ハァ………ハァ………それはご苦労だな!」
藍「二人とも息切れ………してますよ………。」
影斗・智里「お前もな(貴女もです。)。」
追って来ていた敵を殲滅し三人共座り込む。辺りは奴らの残骸が煙を上げていた。
影斗「しかし………何でこんなことになってしまったのだろう………。」
智里「お前もあの白男に連行されたのか?」
影斗「えぇ………お陰でこの始末。早く自分の世界へ帰りたいです。」
智里「それは同意だ。しかしあの白男の言う事だ。恐らくこいつらを倒さない限り俺らは帰れない。」
影斗「そんなぁ………。」
智里の発言に項垂れる影斗、そこに藍が「あの〜」と口を挟んで来る。
藍「お二人さんはここの者じゃ無いんですか?」
智里「んーー、そうと言えばそうだが………。」
影斗「そうでもある、ですかねぇ?」
藍「はい?どう言う意味ですか?」
藍が首を傾げながら聞く。正直な所確かに二人は今そう言った立場なのだ。この地と同じ所で生きていたが今は同じ地だが違う世界と言う説明に悩む曖昧な世界に立っているのだ。
影斗「まぁ正直な所は何も分かってません。これから分かって来る的な?」
智里「どっちにしろあの白男見つけりゃ全てが分かるだろ。」
藍「白男………?」
智里「あぁ、俺らをここへ連れてきた張本人だ。」
影斗も「そうです」と頷く。藍は頭の上に今だにはてなマークが出ていたがいきなり真剣な表情になると耳をピクピクと動かし始める。
影斗「………?どうしました?」
智里「………?」
藍「………これは………二人共!こっちへ!」
藍は立ち上がると林の方に向かう。影斗と智里は訳が分からないまま藍に着いて行く。林に着くと藍は「体制を低く!」と言う。言われた通りに体制を低くする。
影斗「藍さん、何か来るんですか?」
藍「ミニドローンです。」
智里「ミニドローン?何だそいつは………?」
智里が顔をしかめながら聞くと上空を巨大な金属の塊が飛んで行く。
藍「あれはマザーと呼ばれる物でそこから沢山のミニドローンを出して来ます。」
影斗「マザーにミニドローン、親子みた………あいつ!?」
マザーが通った後そのミニドローンがたくさん降りて来るがその姿に影斗は見覚えがあった。その形は………
影斗「聖輦船の時の三葉虫!!」
智里「は?三葉虫?つーかお前知り合い?」
影斗「むしろ逆ですよ。」
智里「だよねぇ………俺もああ言うの友達なのはやだわ。」
影斗「それは誰でもそうでしょう。」
藍「え?聖輦船?影斗さん聖輦船にいたんですか?」
藍が驚き顔で言う。
影斗「えぇ、まさか空飛ぶ船とは凄いですね。あいつらがいなければ空の旅でも楽しみたかったです。まぁどの道無理でしたけど。」
影斗は聖輦船での自分の存在を思い出しながら「ハァ………」とため息を付く。
藍「聖輦船はどう言う状況でしたか!?」
影斗「え………どう言うと言えばあのミニドローンが大量にいて襲ってましたよ。」
藍「やっぱりそうでしたか………。」
藍は悔しげな顔で言う。実はと言えば聖輦船は敵の置いている拠点を破壊する為に紫が一生懸命聖と話し合いをして許可が出た物だ。それが襲撃されたとなればいい話では無い。そもそもどこから情報が漏れていたんだ?そう思っていると智里がジャンプし飛んで来ていたミニドローンをかかと落としで破壊する。
智里「………ばれたっぽいぞ。」
智里の言った通りミニドローン達が一斉に襲いかかって来る。智里は体術を使って破壊していき藍は弾幕を撃ち続ける。影斗は霊力の限界が来たせいで動けないでいた。
智里「………!?どうした影斗!?」
影斗「すいません………霊力が………。」
智里「マジか………藍!影斗を守りながらで行くぞ!」
藍「分かってます!」
飛んで来るミニドローンを破壊しながら二人は影斗を守る。しかしミニドローンは数が減る気配が無い。
藍「やはりマザーがいるからどんどん出て来ますね。いつかはいなくなるかもしれませんがその時は私達の体力も無くなってるでしょうね。」
智里「ならズラかるが一番だ!」
智里はそう言うと影斗を担ぎ走り出す。その姿を遠くから見る物が一人………。
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想陰「あらら………影斗はやっぱり霊力がか………。だがそれも一興。」
遠くから様子を見ていた想陰はそう言うと手から黒い霧の様な物を出しそれを飛ばす。
想陰「さぁ影斗くん。君はこれを上手く使いこなせるかな?」
想陰はそう言い被っている帽子を手で抑えると何処かへと消えてしまった。
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智里「クソッ!何なんだこの数は!」
藍「本当にマズイですよ!どうするんですか!」
影斗「………クッ。」
影斗は悔やんでいた。自分は足手まといになってしまっている。こうしている間にも二人に迷惑をかけていると言うのに………俺は………。そう思っていると視界が白くなる。智里さんに担がれている筈だったのに気付けば上も下も分からない真っ白な世界に立っていた。
影斗(………これは!?)
?(我、御身の願い、引き受けよう………。)
影斗(………!?誰だ!?)
振り返るとそこには白い世界から浮き出た存在の様にして『それ』はいた。
形は刀が地面に刺さっている体制でその刀は異様に黒かった。そしてその刀の柄からは根っこの様な物が上へと伸びている。それが根っこでは無く肉の様な物だと気付く。それよりも異様だったのはそれの上にそれと同じ物で作られ目から火を出している骸骨がその根っこらしき物の上にくっついていると言う、何度も言うがまさに異形の形だった。
?(御身は力を欲している。間違いではなかろう。)
影斗(なんでそんなことを………!?)
?(我は全て知っている。御身が悔やんでいることも。)
影斗(………だったらなんだって言うんだ?)
?(叶えてやろう。御身の願い、彼らを守れる力を得る事を。)
影斗(………!)
力………確かに今欲しい物だ。力さえあれば智里さんや藍さんを守れるだろう。しかし、奴の様なのは必ず何かをしようとしてくる筈だ。しかし智里さん達が………。
………無理は承知の上………か?
影斗(………頼む。力を貸してくれ。今だけでいい!)
?(………今だけ?御身は間違いを冒している。)
影斗(………間違い?)
?(御身はやがて最悪の敵と戦うことになるであろう。それは奴らの様な『機械』と称される物では無い。やがては『化け物』と言われる物だ。今の御身の力では化け物の前でむざむざと死ぬのみ。我は力を貸すのでは無い。与えるのだ。)
影斗(………それが、俺がどうなろうとでもか?)
?(そうだ。)
影斗(………分かった。)
?(よろしい、月宮 影斗!御身は新たな力を得る!だがその『代償』も巨大だ。心して使うが良い………。)
影斗(代償………?)
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智里「………!?お、おい影斗!?」
藍「影斗!?どうして!?」
智里「クソッ!何がどうなってる!」
影斗が意識の中で契約の様な物を交わした後影斗の体が黒い煙で覆われ始める。これを異常に感じた智里だが周りは無数のミニドローン、それも数が増えている。マザーの数も気付けば1体から3体になっている。影斗を心配している暇などは無いそれに状況は彼らを待ってはくれない。そんな中黒い煙で覆われていた影斗の体に変化が起き始める。背中はモゾモゾしていたかと思うとパキッ!と言う音と同時に羽の様な物が生えてくる。その羽は細い枝の様な物に何色かの宝石の様な物が付いている。目は紅い色に変わり額からは鬼の角が生える。
藍「この羽、吸血鬼の妹のと同じ!?それに鬼の角に紅い瞳………どれも見覚えがある………。」
智里「おいおいマジでどうしちまったんだ影斗!!」
智里はミニドローンを片手と足を使い破壊して行く。
今影斗がなっているこの姿が彼の今求める力でもあった。全てを破壊できる力、全て見透かす目、そして怪力。それは最強とも言えよう、しかし共に最凶とも言える力である。確かに味方を守れるだろうが一歩間違えれば人殺しになってしまう。
影斗「………アアァアァァアアァ………。」
智里「うえ!?お、降ろすぞ!」
藍「え!?降ろすんですか!?」
弾幕を張り藍が困り顔で言う。
智里「面白そうだけど巻き込まれる気は無い!」
藍「それこそ降ろしちゃいけませんよね!?」
智里「俺に犠牲になれと!?」
藍「そうです!頑張って下さい!」
智里「そんな!?俺は………俺は無実だぁ!」
藍「何故無実!?」
二人がギャーギャー言っていると影斗の背中に生えている羽が広がり影斗は智里の肩から離れ急上昇する。
智里「あっ!影斗!」
藍「と………飛んだ!?」
影斗は急上昇してからマザーに向かって急降下する。マザーに付いている砲から一斉射撃が始まる。しかし影斗はかすることも無く一気にマザーとの距離を縮めた後マザーにかかと落としを食らわせる。するとマザーは弾かれパチンコ玉の様な勢いで地面に激突すると爆発を起こし残骸が炎上する。
智里「あいつ動けなかったんじゃ………?」
疑いの目を向ける智里に藍が困り顔で言う。
藍「あれは影斗さんですか?どうしてもそうには見えないんですが………。」
智里「どういう意味だ?」
二人は襲ってくるミニドローンを破壊しながら会話をする。
藍「羽を見てから思ったんですがあれは紅魔館にいる吸血鬼と一致します。それに角も、生えている場所が違いますが大体は検討が付きます。」
藍の思考では今の影斗には三人の力が加わっていると考察していた。羽はフランドール、角は萃香、目は最初宇宙人達の所にいるウサギの鈴仙かと思っていたが見ないでよけている所を見ると恐らく妖怪の山にいるブン屋と仲がいい確か………椛と言ったか?多分その力だろう。つまり影斗は今幻想郷にいる物達の力を自由に使えるのだろうと考察していた。
智里「検討?」
智里はミニドローンを出した刀で一気に破壊して聞く。影斗の戦闘参加でかなり楽になっていた。
藍「えぇ、しかしもしそれが本当ならば………彼の体が持たない………。」
智里「………?いや何か俺だけ置いてかれてる感が半端ないんだが………。」
一人理解が出来ない智里は不安げな顔をする。しかし智里は影斗を見ると「ヤバッ!?」と言い藍を無理やり引っ張り近くに寄せ刀を構える。
影斗は刀を上に上げ刀の上に黒く雷を纏った球体を作ると地面に叩きつける。すると研究所が大爆発を起こしたかの様に爆発する。智里は刀で爆発の威力を抑えるもかなりの力で今にも吹き飛ばされそうになるも藍をしっかりと抱え堪える。爆発が止むと智里が守っていた場所以外は地面がえぐり取られていて巨大なクレーターになっていた。とてもじゃないが生身で受けてたら死んでただろう。
藍「………あ、ありがとう………ございます………。」
智里「気にするな。それよりも………ってうぉぉい!?影斗!?」
クレーターの真ん中では影斗がうつ伏せになって倒れていた。姿は元に戻ってるものの生きてるのか?と思うほど動きが無かった。そして倒れている影斗の横には人影が一つ。その影は煙が消えて行くとやがて姿を現す。
智里「………!てめぇは!!白男!!」
そこには想陰がにやけながら立っていた。