東方混純録♦︎次元を超えた希望   作:秘幻

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灰色の壁と紅の出会い

想陰「………いててて………。」

 

 

 

光が現れそれが消えると同時に想陰が姿を現す。すると女性の声がかかる。

 

 

 

???「どうしたの?」

 

 

 

彼らがいるのは真っ白な世界。影斗の意識の中と似ている。

 

 

 

想陰「いやね、もう一人拉致ってこようと思ったらさ………。」

 

 

 

???「また人に憎まれる様なことを………。」

 

 

 

想陰「いや最後まで聞けって。そしたらそいつが予想以上に抵抗したもんだからさ。」

 

 

 

???「変わらないわよ。」

 

 

 

想陰「え、ガーン。まぁ、連れてきたはいいけど。」

 

 

 

???「いいけど………?」

 

 

 

想陰「上空に出しちゃった。」

 

 

 

???「………何やってるのよ………。」

 

 

 

天女の様な女性はため息をつき正座をする。想陰は「あははは………」などと後頭部をかいている。

 

 

 

想陰「けどね、今回の奴はかなり強いよ。」

 

 

 

???「貴方以上に?」

 

 

 

想陰「うんにゃ、そんなんで比べても意味無いでしょ。俺の能力が何だか知ってるくせに。」

 

 

 

想陰はやれやれと言ったポーズをする。すると女性はムッとした顔で言う。

 

 

 

???「『ありとあらゆる存在を確認する程度の能力』でしょ。」

 

 

 

想陰「そっ、俺にばれないものと言ったら神人の神威とかだろうね。まさか『向こうの神』があんなもんを渡してたとはねぇ………。」

 

 

 

想陰の顔には笑みが浮かぶがそれには恐ろしさも混じっていた。つまり半分怒っているとでも言えよう。

 

 

 

想陰「強大な力を手に入れたものが行く末何てたかが知れてるのにねぇ〜。」

 

 

 

想陰が笑いながら言う。するとそれに女性が反論する。

 

 

 

???「幾ら何でも無謀に強大な力を与えるはずが無い。きっと向こうにも何か考えがあるのよ。」

 

 

 

想陰「そうか?そうには見えないけどな〜。」

 

 

 

???「………あんまり悪口言ってると本人が来るわよ?」

 

 

 

女性がそう言うと想陰は「それは困る!」と言って首を振る。

 

 

 

想陰「こうは言ってるけど彼は先輩だし、まぁここら辺にしておくよ。」

 

 

 

想陰はそう言うと宙で手を動かすと未来などで出てきそうなモニターが現れる。

 

 

 

???「そう言えば、ここに来た英雄は全員記憶が一部無くなってるわね?」

 

 

 

想陰「あぁ、何せ繋がることの無い世界を繋ぐんだ。それなりの支障は出るさ。」

 

 

 

???「迷惑物ね。」

 

 

 

想陰「大丈夫、元の世界に戻れば全て元通りになるさ。」

 

 

 

想陰はそう言いモニターに目を移す。

 

 

 

想陰「さて、見るとしよう。新たな英雄、瀬戸尾 凌をね。」

 

 

 

▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△○△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

 

 

何だろう………何か落ちて行く感覚だ………風が体中に当たっている。体は何にも支えられていない。そっと目を開くと………やはりと言うかなんと言うか………うん、落ちてる………。

 

 

 

凌「うわあぁぁあぁぁあああぁぁあ!!?」

 

 

 

俺はパラシュート無しのスカイダイビング中だった。ちょっと待てよ何がどうなってこうなった!?そうだ、思い出せ!思い出せば何か………出ねぇ!!体はどんどんと地上に向かっている。このままじゃ死ぬだろ!どうすれば………そうだ!

俺はすぐに隙間を出しそこに落ちる。そこから隙間を地面のすぐ近くに繋ぎそこに着地する。とは言ったものの結構反動が来た。

 

 

 

凌「いって………助かっ………………えーと?どう言った状況?」

 

 

 

落ちた後落ち着けるかと思ったら地上は全然そんな状況ではなかった。俺の横には女性がいて、俺を含みその周りをロボット達が囲んでいた。そしてその女性には見覚えがあった。

 

 

 

凌「あれ?早苗?」

 

 

 

早苗「隙間から人!?………って、え?何で私の名を知ってるんですか?」

 

 

 

しまった、ここは俺が来た幻想郷じゃ無いのか。え?何で知ってるかって?うーん………分からん。

 

 

 

早苗「と言うか誰ですか?何で紫さんの隙間から?」

 

 

 

凌「え?あ、あぁ、これは俺が出したやつ。」

 

 

 

早苗「本当ですか!?」

 

 

 

凌「お………おう。」

 

 

 

早苗の奴、分からんが恐らくヤバイ状況なのにこっちを向き目をキラキラさせている。とにかく状況を知るが一番。

 

 

 

凌「えーと………もう一度聞くけどどういう状況?」

 

 

 

早苗「状況?はっ!思い出しました!」

 

 

 

そう言うと再び辺りに警戒する。俺らの周りを囲んでいるロボットの特徴は人型で顔は防犯カメラみたいになっている。手は右手が刀になっている。接近型の敵らしい。

 

 

 

早苗「気を付けて下さい。奴らはソーダー………」

 

 

 

凌「………?あり?早苗?」

 

 

 

お互い背中を合わせて警戒していたが早苗の声が聞こえなくなったのに気付き振り返るとそこには早苗はいなく、早苗が立っていた場所には地面にモグラが潜ったかの様な穴があった。

 

 

 

凌「早苗?………って………お前ら、早苗を離せ!」

 

 

 

気付けば目の前に人質として取られていた。早苗を離す様に言うとロボットが話し始める。

 

 

 

『殺サレタクナケレバオ前モ此方ノ人質ニナレ』

 

 

 

凌「………外道が………!」

 

 

 

人質とはやってくれるじゃねぇか。俺は隙間から時雨を取り出し早苗を助けようとした。

しかし事態は一変した。早苗を人質にしていたロボットの頭がいきなり吹き飛び体はバランスを失い崩れ落ちる。意識を失っている早苗を掴み此方に誰かが来たと思った瞬間に早苗を渡される。そして反対側からはロボット達が何者か分からない男によって数体吹き飛ばされていた。その男も此方に合流する。

こうして真ん中には早苗を除くと三人の男が集結した。

 

 

 

神人「………どうやら俺意外にも巻き込まれた奴ってのはいるんだな。」

 

 

 

想鵐「だね、………正直言って迷惑だなあの男。」

 

 

 

最初に喋った方が早苗を取り戻した男でもう一人は後ろからロボット達を吹き飛ばした奴だ。

 

 

 

凌「………お前らは一体………?」

 

 

 

そう言うと後ろの方の男が自己紹介をする。

 

 

 

想鵐「僕は想鵐。今はこれだけでいいよね?」

 

 

 

神人「俺は神人だ。お前は?」

 

 

 

凌「俺は凌、お前らは何なんだ?」

 

 

 

すると二人は声を揃えて「被害者!」と言った。

 

 

 

凌「………打ち合わせでもしてた?」

 

 

 

神人「いや、していない。むしろお前らとは初対面だ。」

 

 

 

想鵐「神人………だっけ?と同じ。つまり僕らは赤の他人。繋がっていると言えば………。」

 

 

 

凌「………あの男に連れて来られた………か?」

 

 

 

想鵐・神人「当たり。」・「そうだ。」

 

 

 

彼らと話していると記憶が戻ってきた。そうだ、そうだった。ならやることは一つ。

 

 

 

凌「俺の背中をよろしく。」

 

 

 

神人「まかせろ。」

 

 

 

想鵐「分かってるよ、後ろには早苗もいるしね。」

 

 

 

俺は早苗を真ん中に寝かせながら言う。辺りは戦国時代の戦かと言いたくなるほどのロボット達がいる。これはやり甲斐がありそうだな。

 

 

 

想鵐「それじゃ、成功条件は早苗の安全確保と僕ら全員の生還で反論無いね?」

 

 

 

神人「ちょっと待て、早苗ってその女か?」

 

 

 

想鵐「そうだよ。」

 

 

 

神人「分かった。」

 

 

 

凌「じゃあ行くか。」

 

 

 

そう言うと三人共武器を構え向かってくる敵達と対峙する。

 

 

 

三人「「「うおおおおおお!!」」」

 

 

 

▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△○△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

 

 

 

智里「てめぇ………何の用だ!」

 

 

 

智里が想陰に武器を向ける。すると想陰は笑いながら手を少し上げ「まぁまぁ」と言う。

 

 

 

想陰「いやさ影斗君に力を与えたんだけどサー、その感想を聞こうと思って………ね?」

 

 

 

想陰はそう言い影斗に近付こうとするが次の瞬間には首元に刀が構えられる。

 

 

 

智里「お前か、影斗を変にしやがったのは?」

 

 

 

智里が想陰を睨む、その目線には殺意すらあった。訳が分からずボーッとしていた藍も今起きている事の危険性を感じ影斗を包む様に抱き上げると二人から距離を取る。

 

 

 

想陰「怖いなぁ、別に影斗を殺したわけじゃ無いんだよ?」

 

 

 

智里「だから何だっつーんだ?おめぇが影斗に何かした事に変わりねぇだろ!」

 

 

 

俺はかなりキレていた。確かに影斗はついさっきあったに過ぎない、けどこいつがやったことは許されるようなレベルじゃ無い事は俺にでも分かる。

 

 

 

藍「智里?そいつは一体………?」

 

 

 

智里「藍、影斗を絶対に離すなよ?」

 

 

 

藍は智里の口調にビクリとし眠っている影斗をギュッとする。

 

 

 

想陰「女の子の扱いがなって無いなぁ。」

 

 

 

智里「何だ?そう言うお前は女の扱いが慣れてるとでも?」

 

 

 

想陰「あぁ、………少し引き気味な女性だけどね。」

 

 

 

智里は想陰の首に刀の刃が密着する程にくっつける。

 

 

 

智里「お前を見てるとイライラして来る。」

 

 

 

想陰「そうだなぁ、此方もそろそろ時間が無いし………。」

 

 

 

智里「………!?何処に………!藍後ろだ!」

 

 

 

藍「後ろ………!!」

 

 

 

想陰「単刀直入に言わせてもらおう。」

 

 

 

さっきまで智里の近くにいたはずの想陰は藍の後ろにいる。智里はいち早く反応し想陰に向かい飛んで行き斬りかかるが想陰は避ける素振りも見せずにただにやけると腕を伸ばし智里に見せびらかす様にして指を鳴らす。その瞬間に智里は大量の衝撃に体を襲われる。自分に何が起きているのか分からなかった。

 

 

 

藍「智里!!」

 

 

 

智里は想陰が指を鳴らした瞬間に体のあちこちが貫かれ、そのまま仰向けに倒れる。

 

 

 

藍「智里!しっかりしろ智里!」

 

 

 

智里に近付こうとする藍を想陰が手で行くなと指示する。

 

 

 

想陰「大丈夫、彼の異常すぎる回復力なら………。」

 

 

 

想陰は智里を見たまま微笑む。しばらくすると何も無かったかの様に起き上がる。

 

 

 

智里「おい、いくら桁外れな回復力だとしても痛いのに変わりは無いんだぞ!」

 

 

 

想陰「大丈夫だ。軽くやったから。」

 

 

 

智里「嘘つけぇ!」

 

 

 

智里は立ち上がり怒鳴る。想陰はまたしても「まぁまぁ」と言うと本題に入る。

 

 

 

想陰「実はだねぇ、単刀直入に言うと今幻想郷を襲っている奴らの軍事情報の中に『生物兵器』って言うのを見つけちゃったんだよねー。」

 

 

 

智里「生物兵器………?」

 

 

 

智里が反復すると「その通り」と言い再び説明を始める。

 

 

 

想陰「正直言って生物兵器ってのは困るんだよねぇ、兵器だし、元からいる生態系を破壊しかね無いしさ。そこでだ、今この幻想郷には君らを含め5人の異世界人がいるんだな。皆同じ目的の為に動いている。その人達と合流し見事その生物兵器を倒してくれたら君らを元の世界に戻してあげよう。」

 

 

 

智里「!それは本当か?」

 

 

 

想陰「勿論。けど、生物兵器は厄介だよ。恐らくーー」

 

 

 

想陰はそう言い振り向き歩いて行く。

 

 

 

想陰「一人は『犠牲』になるね。」

 

 

 

智里「………!おい待てそれって!」

 

 

 

智里が言いかけるがそこには既に想陰の姿は無かった。

 

 

 

智里「………。」

 

 

 

藍「智里………。」

 

 

 

藍にとってはただ見守る事しか出来なかった。これはもう自分の知っている領域の話では無くなっていることに気付いていたからだ。智里を見ていると懐で何かが動く。

 

 

 

影斗「………ん………。何だ?視界が暗くーーーー藍さん!?離してもらっていいですか?」

 

 

 

藍「ん、済みません、つい。」

 

 

 

藍はそう言うと影斗を離す。影斗は「ぶはっ!!」とか言ってる辺り藍はかなり強く抱いてたらしいな。しかし良かった。

 

 

 

智里「影斗、大丈夫か?」

 

 

 

影斗「えぇ、大丈夫です。」

 

 

 

智里「そうか、なら良かった。悪いがすぐに動くぞ。ここは視界が開けすぎてる、いつまたあいつらが来るか分からないしな。」

 

 

 

影斗「ですね、移動をしておいた方が………ん?あれは?」

 

 

 

智里「………?どうした影斗?」

 

 

 

影斗「智里さん、あれ………。」

 

 

 

智里「………!あれは!」

 

 

 

二人共空を見ると向こうの方で黒い球体が現れていた。

 

 

 

智里「確かめに行くぞ。」

 

 

 

影斗「分かってます。………藍さんはどうします?」

 

 

 

藍「私も付いて行きます。貴方達が何者なのかをしっかりと知る為に。」

 

 

 

影斗「分かりました。」

 

 

 

こうして三人は黒い球体の元に向かう。そして序曲は終わる、今こそ全てが揃う。ここからはもう誰にも何が起きるかが分からない。しかし彼らは進むだろう。

 

 

 

 

 

 

 

自分達の愛しい世界の為にーーー

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