喫茶『衛宮さんち』   作:山崎五郎

17 / 71
第十七羽です。

今回は話の都合上メインどころがリンネくんたちからジークくんになっている上、話も半分ぐらいオリジナルです。
ごめんなさい


『球技』のカテゴライズって割りと雑だったりします

「もうすぐうちの学校で球技大会があるんだ。

だから練習で遅くなったり仕事できなかったりするんだけど…」

 

「まあ、リンネの運動神経の良さを考えれば頼られるのは理解できるからな。

存分に楽しむと良い」

 

「店は私やシロウに任せておけば良い」

 

…リンネたちの高校では球技大会があるのか。

中学には無いな…あ。

 

「そうだシロウ。

家では授業で選択のバトミントンとテニスの試合があるんだ」

 

「ほう?ジーク達は何に出るんだ?」

 

「俺とシキはテニスだ。アスカはバトミントンだな」

 

「なら、実質5名ほどの欠員を覚悟しなくてはならないわけか。

まあ、精々うまくやるさ」

 

 

そんなわけで翌日。

俺、アスカ、シキの三名は各々特訓のため河川敷にやって来た。

 

途中リゼ…さんとチノと出会い、せっかくなので共に特訓することに。

 

「仕事変わってくれたタカヒロさんの為にも早めに上達しないとな」

 

タカヒロ…チノの父親だったな。

あの人はバータイムでも働いていると聞いたのだが…

 

「普段は弱いですがティッピーが頭に乗ってたら倍の力が出せるんです。

嘘じゃないです」

 

「ティッピーは強化アイテムなの?

ボクも乗せてみてもいいかな?」

 

「やめなさい。

それに多分効果があるのはチノさんだけですよ」

 

そういう問題なのか二人とも?

と、河川敷につい…!?

 

「 おお ココア ちや !

 

しんて゛ しまうとは なにこ゛とた゛ ! 」

 

「ふざけてる場合じゃないでしょ!!

二人ともしっかり!」

 

…倒れているココアと千夜、そしてそれを介抱するリンネと戯れているタマキがいた。

…ど う し て こ う な っ た ?

 

 

 

 

 

 

 

「「「バレーボールの練習?」」」

 

「ボールのコントロールが上手く行かなくて…皆に手伝ってもらってたんだけど…」

 

 

 

『もう無理…当日は休もうかしら…』

 

『何事も努力あるのみ、だよ!

今度はトスで返してね!』

 

『頑張れ〜千夜ちゃん。

目指せスーパーエース〜!』

 

『トス…トス…?

 

トスって何!?』

 

『ぐふっ!?』

 

『『ココアちゃーーーーーん!?』』

 

『も、もう限界…バタッ』

 

 

 

「それで、唐突に凄まじいパワーで放たれた千夜…さんのボールが顔面に命中したと?」

 

「そんなことってあるんですか?」

 

「僕だって信じられないよ…眼の前であんなことがなければの話だけど」

 

「千夜ちゃん、和菓子作りと追い詰められた時だけ力を発揮するから…」

 

 

 

 

 

とまあ、そんなことがあって。

俺たちも練習を始めた。

 

 

 

「ほっ…あ、すまないシキ!」

 

「大丈夫!」

 

思わぬ方向に打ってしまった球を見事こちらへ打ち戻してくれた。

流石だな、シキ。

 

「シキはミスのフォローが上手だからね!

ボクが保証するよ!」

 

「誰のせいで上達させられたと思ってるんです???」

 

ああ、シキの顔が歪んだ笑顔に…眉毛がピクピクしているぞ。

というかアスカ、お前は練習しなくて良いのか?

 

「そんなこと言ったってしょーがないじゃーん。

同じバトミントン練習者はリゼさんとチノちゃんしか居ないし、それ以外の人も練習相手居るしさ!」

 

確かに。

この場の全体人数が奇数な以上、どうあがいても一人余りが出てしまう。

 

リゼ…さんかチノに交代してもらえるのを待つしか無い、か…

 

 

 

 

「千夜ー。

おばあさんが帰りが遅いって心配してたわよ」

 

「あら、シャロちゃん」

 

…噂をすればなんとやら、なのか。

奇数を偶数にしてくれる人が現れた。

 

「やったー練習相手だ♪」

 

 

 

 

 

 

…と思ったら、何故かその後バレーボール対決が始まり。

アスカは結局チノと練習に励んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして。

体育の授業にて…わざわざ5、6時間両方を使ってクラス内トーナメントを行う本格っぷりだ。

 

その中で、練習の甲斐合ってか着々と勝利を重ねていた。

 

 

 

 

 

 

そして、まさかまさかの決勝まで進んだ。

クラスメイトが詰めかけてくる。

 

すまない、俺は聖徳太子じゃないんだ…

 

 

 

 

と、突然隣のコートからおお!と歓声が上がる。

…聞き耳を立ててみると、『アオザキ兄弟の兄弟対決』と聞こえた。

 

…どうやら、勝ったほうが次の俺の相手らしい。

 

 

 

…と、一人の男がこちらにやってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ一つの汚れもない、美しい銀の御髪。

それに引けを取ることのない、白く澄み切った肌。

 

――――――それを一言見て、自然と言葉が溢れた。

 

 

 

 

『美しい』と。

 

 

 

「褒められて悪い気分ではないが…俺はこの後お前と戦わねばならない。

それが世辞か本心かは分からん。が、いずれにせよ容赦はできん。悪く思え」

 

「…いや、すまない。

俺こそ取り乱してしまった。よろしく頼む」

 

「うむ」

 

 

 

こうして。

俺とその人の対決は始まった。

 

…そう言えば…クラスメイトなのにあの人の存在を知らなかったな…アオザキ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どりゃーーー!!」

 

「良いぞーアスカーー!!」

 

「頑張れ〜」

 

衛宮明日歌、現在バトミントン男子部門にて快進中!

唯一の不安点だったジークとシキもテニスに行ってるし、僕に敵はないも同然だ!

 

そしていよいよこっちは決勝だぜ!

 

どんな相手でもかかってらっしゃい!!

 

 

 

 

「………」

 

ん。

紫っぽい髪の子がボクを見てる。

手にはバトミントンのラケット…もしかしなくても。

 

「君が決勝の相手だね!!よっしゃー負けないぞ〜!!」

 

「……………よろしく、お願いします」

 

何やら大人しめな男の子ですね。

でも手加減できぬぞ〜!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう…まさか私のほうが吹っ飛んでしまうとは」

 

リゼさん直伝パトリオットサーブ、想像以上でした。

もっと特訓が必要だったでしょうか。

 

もう試合はありませんが、せめて他の人の応援を…

 

 

 

…テニスコートが騒がしいです。

そういえば、ジークさんたちはテニスでしたね。

 

せっかくなので様子を…

 

 

 

『ゲーム衛宮! 6-6(シックスゲームオール)

 

「「「おお!!」」」

 

「また落ち着いたぞ!」

 

「つーかこれいつまで続くんだよ…!?」

 

「二人ともテニス部顔負けの実力だよな…」

 

…なにやら盛り上がっています。

あ、シキさんが居ました

 

「シキさん!」

 

「あ、チノさん…どうしてここに?バトミントンは…」

 

「その…色々ありまして。

今どうなってるんですか?すごく盛り上がってますけど」

 

「今はジークと…あっちの人の対戦中です。

名前は確か…ありました、ええと…蒼崎(あおざき)…白?はく?」

 

「蒼崎白夜(びゃくや)だ」

 

「「!!」」

 

「よろしく頼む。

 

…そして見事だ。

まさかこれほどまでに長引くとは思いもしなかった。

 

どうやら…本気で当たらなければ行けないらしい」

 

「…ッ」

 

 

 

 

 

それからはまさに一方的。

 

それまでそれ相応に対応だと思っていた俺と彼の実力は、どうやらいやというほど開いていたようで。

 

0(ラブ)-40(フォーティー)

 

「………くそ…」

 

 

 

 

「まじかよ…」

 

「衛宮だって凄かったけど…流石にこれは無理だろ」

 

「むしろ本気出されてよく粘れてる方だよな…」

 

 

 

「…ジーク…」

 

「………」

 

 

 

「正直な話。

俺も本気を出してここまで粘られるとは思いもしていなかった。

 

結果だけを鑑みれば勝っているのは俺の方だが、それでも得点一つ一つまでの過程にはお前は圧倒的な障害になっていた。

 

 

 

……………故に、次は容赦を完全に捨てさせてもらうぞ」

 

「…ッ!!」

 

あれで、まだ加減していたというのか、この男は…!

いい加減こちらは体力も限界に近いというのに、向こうは余裕の色だ。

 

…まずい…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ジークさん頑張って…!」

 

「………チノ」

 

「あ…で、でも、怪我はしないように!程々にです!」

 

 

 

「…良いか?」

 

「…ああ」

 

 

 

 

 

 

 

――――――行くぞ。

 

――――――――――来いッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぬゥおりャああああアアアアァァァ!!!!」

 

「おんどりゃアアアアぁぁあァあアぁ!!!!」

 

「良いぞ〜アスカ!頑張れ!!」

 

「アスカくーんがんばれ〜!」

 

「浅上も負けるな〜!!」

 

…バトミントンも白熱しておりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああっ!!」

 

「クッ!?」

 

30(サーティ)-40(フォーティ)!』

 

 

 

「凄い…ジークが追いついてきました!」

 

「ジークさん…!」

 

 

 

 

「…見事だ。先程の応援が効いたか?」

 

「そのようだ。

俺はどうやら負けられないらしい」

 

「そうか。

だが…それは俺も同じだ…!」

 

 

 

鋭いフラットサーブ。

素早い球をどうにか捉え、返した。

 

バランスを崩したが、それで容赦をしてくれるような相手ではない。

 

攻防は続く。

まあ、『攻』と『防』の割合がどちらに偏っているのかと言われれば、正直言いたくはない。

 

考えれば心が折れてしまいそうだ。

 

 

 

「くっ…!」

 

運悪くチャンスボールを上げてしまった。

 

緩やかに上がったそれを、相手は見逃さない。

自らも跳躍し、落下の勢いも上乗せし…

 

 

 

「――――――はっ!!」

 

 

こちらに迫る。

一体どれほどの球速、どれほどの重さが乗っているのか。

 

だが…その球を後ろに通してやるわけにはいかない。

 

 

 

 

「フッ!!」

 

ぐ…!やはり予想通り、いや予想以上の重さのスマッシュだ!

だが………

 

 

 

 

 

 

「うおおオオオ…………!!!」

 

 

「何ッ!?」

 

 

 

 

 

「おおおおおオオオオオオぁあアアアアアあああ――――――――――!!!」

 

 

 

 

 

 

 

ガシャアンッ!!!

 

 

 

 

 

 

返し、た―――――――。

 

 

 

 

『ゲーム蒼崎 7-6

 

よって優勝、蒼崎白夜!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!!」

 

知らない天井…ではないか。

とにかく俺は目を覚ますと、ベッドに仰向けに寝ていた。

 

この独特な香りは…

 

「保健室…か?」

 

「ジークさん!」

 

…チノがカーテンを開いてやって来た。

 

「チノ…俺が起きるのを待っていてくれたのか?

心配をかけてすまない…」

 

「まったくだよ!せっかくボクが勝ったのにお祝いムードがどっか行っちゃったじゃんか!」

 

「アスカ…そんな言い草は無いでしょう…

ジークも大健闘だったんですよ」

 

「私もチノとシキから聞いただけなんだけどさ〜

大活躍だったみたいじゃん!」

 

「チノちゃんが『カッコよかった』って話してたよ〜」

 

「め、メグさん…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よーし!んじゃあ、僕のバドミントン優勝とジークの準優勝を兼ねて皆で『ぶいにゃのだー!』やろっ!」

 

「…俺は負けたんだぞ?」

 

「私もすぐに負けましたし…」

 

「いーからいーから!ほら皆いくよ〜!

 

せーの!」

 

 

 

 

 

「「「「「「ぶいにゃのだー!!!!!!」」」」」」

 

 

 

 

「それはお前達の間で流行っているのか?」

 

「ん?

お前は…」

 

「ええと…蒼崎、さん」

 

「蒼崎白夜だ。白夜でかまわん。

 

俺が用があるのはそこの男だけだ。俺についてきてくれれば事は済む」

 

「「「事は済む!?」」」

 

(まさか手間取らせた報復!?)

 

「素直に従ってくれるならばありがたい。

できるだけ手間は取らせたくない」

 

「ちょ、ちょっと待ちなよ!

真剣勝負のあとでそういうのはよくないよ!」

 

「じ、ジークくんに手を出さないで〜!」

 

「?」

 

「何かさ〜キミジーク相手にしてるときちょっと手抜いてたみたいじゃん?

それなのに自分のこと棚に上げて報復しようなんて虫がいいんじゃないの?」

 

「…?お前たちは何の話をしているんだ?」

 

「は?いえ貴方がジークに妙なことをするのではないかと…」

 

「…???

 

なぜそういう話になっている?」

 

 

 

 

「お前の言い方が悪いと前から言っているだろう!!」

 

「瑠璃子!?」

 

「「「「「!?」」」」」

 

突然飛び出してきた褐色肌の少年が白夜を蹴り飛ばした!?

 

 

 

 

 

「フゥ、全く…失礼致しました。

兄は言葉足らずなうえ言い回しが妙な嫌いがありまして…」

 

「兄?」

 

 

「皆様とお話するのはこれが…個人的には初めてですか。

 

蒼崎紫織(あおざきしおり)です。

白夜とは双子の弟に当たります」

 

「えっと…さっきのって結局何が言いたかったの?」

 

「………恐らく、ジークさんと共に食事でもどうかと誘うつもりだったのでしょう」

 

「食事…?」

 

「ええ。『全力の勝負の後は労をねぎらい合い共に食事をする』…『友達とはそういうモノ』だと兄は思っているのでしょう

 

まあ言葉足らずのせいでああいう誤解を招いてしまうのですが」

 

「ええ…」

 

 

 

 

 

 

「…白夜。で、いいのか?」

 

「ああ。構わない」

 

「共に食事とはいかないが…うちは喫茶店だ。

良ければ足を運んで欲しい。

 

そこで話をしたい。それではだめか?」

 

「お前がそれを望むのならそれで構わん。

友とは時にお互いに譲り合うことも寛容であるべしだと教わっている」

 

本当に言い回しが独特だなぁ。

とジーク達は思った。

 

「それと、今日はもう疲れがある。

正直明日にも応えそうなので共に食事は無理そうだ…すまない」

 

「そうか。ならば仕方あるまい」

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなわけで、一悶着ありつつも無事終了したのだった。

 

ちなみに、リンネたちの球技大会は見事リンネたちのクラスが勝利を収めたとのことだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ただいま帰りました」

 

「遅くなった」

 

 

「お帰りなさい二人とも。

幹也(みきや)くんは帰ってきてるわよ」

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま」

 

「お帰りなさい二人とも。遅かったですね」

 

「白夜が一悶着起こしたので。

それで、今日は何を作っているんです?」

 

「今日はカレーです。

二人の手伝いは?」

 

「神父が今日は休みでいいと。

幹也こそ疲れているのでは?」

 

「いいえ。お気になさらず。

 

どうせ負けてしまったので…」

 

「それを言うなら私もだろう。

そういうことなら手伝う」

 

「ふむ。ならば俺が参加しないというわけにはいかないな。

味の調節や味見役で良ければ参加しよう」

 

 

と、三人は大鍋でのカレーの調理に勤しむのでした。

 




蒼崎(あおざき)白夜(びゃくや)

CV:遊佐○二

銀髪に白い肌、赤と水色のオッドアイの少年。
ジーク達と同い年おなじクラス。

身長171cm。


蒼崎(あおざき)紫織(しおり)

CV:島○信長

白夜の双子の弟。
褐色肌にやや紫がかった黒髪に、黒と橙色のオッドアイ。
ジーク達と同い年でおなじ(ry

身長170cm。


浅上(あさがみ)幹也(みきや)

CV:古○慎

紫っぽい髪に赤い瞳の少年。
一見感情に乏しいが、割りと活発。

身長168cm。


因みに三人はとある事情から街の少し外れにある教会の管理している家で暮らしています。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。