喫茶『衛宮さんち』   作:山崎五郎

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第二羽です。


独断先行してしまってすまない…

和洋折衷という言葉がある。

 

和風なものと洋風なものを共に取り入れ、一つのものとして成立させることを言うのだとか。

それ程までに、『和』と『洋』とは対極なもの、というイメージが俺達人間の元にはあるらしい。

 

それで、どうして俺がそんな話をしているのか。

それは…

 

 

 

 

 

 

まず、俺が今まで過ごしてきたまともな場所は基本的に『和』のイメージだった。

調理場やテレビ、トイレなどの物は流石に現代的なものが揃っていたが、寝るのは布団、床には畳。

収納には襖を。

 

机は一昔前の…

畳の上に置く、小さな戸棚が二つ三つついたもの。

 

 

こっそり手伝いをしていた喫茶店も、そんな和風建築を利用したものになっていた。

 

それ程までに、俺の周りは『和』で溢れかえっていた。

 

 

 

 

 

しかして今。

俺が歩いているのはまさに『洋』が全面に押し出された景色の街。

 

地面には石畳。

建物は木組み。

 

いや建物といえば余程大きなものでなければ基本的に木造何だが、そうじゃなく。

 

 

 

 

というか他の人もこれを言っていそうな気がするのでやめておこう。

ネタ被りもいいとこだ。

 

早く中学校に行かなくては。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひたひたとさんぽする。

 

 

 

ゆらゆらのあたまはからっぽで、

 

 

 

きちきちしたもくてきなんてうわのそら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

くすくすとわらって、ごーごー。

 

 

 

 

 

くすくすとわらって、ごーごー。

 

 

 

 

 

 

 

 

ふわふわとぶのはきちんとおとなになってから。

 

 

 

 

ごうごう。

ごうごう。

ごうごう。

 

 

 

 

 

ふわふわぴょんぴょん、はねまわる。

 

 

 

 

ふわふわふわりと、くもみたい。

 

 

 

 

つられてたのしくなってきて。ふわふわふわりと、はねまわる。

 

 

 

 

ふわふわふわりととびまわり、

 

 

 

ぴょんぴょんたくさんはねるので。

 

 

 

 

グゥ~〜〜〜〜

 

 

 

 

 

「……………」

 

 

 

くうくうおなかがなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…そう言えば。そろそろ昼時か…」

 

しかし困った。

中学生の身分の財布の残金などたかが知れてる。

 

まして近くの店など殆どが個人経営。

そんなお店の物など、到底自分の資金力だけでどうにかなるものではないだろう、とほほ。

 

 

 

「こうなったらさっさと用事を済ませてしまわなくては。

ええと、中学校はたしか………………

 

 

……………どこだろう、ここは…」

 

 

可愛いうさぎにつられてかけたり飛んだりしてるうちに、迷ってしまったらしい。

こんなちょっとした迷宮みたいなものが平然と街にあるのだから、やはりわからないものだ。

 

地図を確認してみるが、てんでどこに自分がいるのか分からない。

携帯は置いてきてしまった。

 

本格的にどうしようもないのでは………

 

 

 

 

 

 

「…ねえ、さっきからどうしたの?

突然うさぎと跳ねたりしたと思ったら動かなくなって…」

 

「ま、マヤちゃん…!」

 

 

 

「ん?」

 

ふらりと女の子が二人、現れた。

 

青い短めの髪の子と、赤い長めの髪をおさげにしている子が…おさげの子はなにかに怯えているみたい…?

 

……………あ。

 

 

 

「………怖がらせたなら、すまない…」

 

「え。え、あ、ええと…!」

 

「変なことしてた自覚はあるんだ…」

「マヤちゃん!」

 

 

「うさぎが平然と街にいるなんて今までにない光景でつい………

変なことしてしまってすまない…」

 

 

 

「………ええと、そんな謝り倒さなくても良いって!

この街の外から来たなら珍しいと思っても仕方ないし、ああいうのも…その…」

 

「気を使わせてしまってすまない…」

 

 

「「「……………」」」

 

沈黙が場を包んでしまった。

…すまない。

 

 

 

「あ、あの!ど、どこか行きたいところとか、あるんですか!?」

 

「…え、あ、その…中学校に」

 

「え、中学校?

この辺に中学校なんて一つしか無いけど…何の用事?」

 

「いや、編入手続きだが…」

 

「……………んんん?

ねえお兄さん、今いくつ?というか、春から何年生?」

 

「? 今年で14になる。

学年は中学二年だが…」

 

「「まさかの同い年!?」」

 

「! ということは、二人は同級生か!

よろしく頼む!」

 

「お、おおー…よろしく」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…はい、ここが中学ね。

にしてもいつもより随分歩いたような…」

 

「よほど変なところに迷い込んだようだ…

迷惑をかけてすまない…」

 

「…ねえ、ちょっと思ってたんだけど…『すまない』多くない?」

 

「そう、だろうか…以前からたまに言われていたが…迷惑だったらすまない…」

 

「って、言ってるそばからまた!

そんなんじゃ変なあだ名付けられるぞ!」

 

「小学校では『すまないくん』と呼ばれていた」

 

「あれ?寧ろ気に入ってる感じ?」

 

「愛称が増えるのは信頼の証だから喜んで良い…と、父が言っていた。

…それはそれとしてありがとう。手続きに行ってくる」

 

「…あ、ちょっと待って」

 

「何だ?」

 

「その…思ったんだけど…

 

学生一人で手続きって出来るのかなぁ…」

 

「「「…………………………」」」

 

 

 

 

 

 

「………すまない…そこら辺が完全に頭から抜けていた…」

 

「…ええと、どうする?一旦家に帰「ジーク!!見つけたぞ!!」うわ!?」

 

 

 

「…!シロウ!」

 

「まったく…お前一人で行っても手続きが出来るわけが無いだろう!高校生ですら保護者の同伴が居るというのに…!」

 

「すまない…シロウは忙しそうだったから、自分のことは済ませてしまおうと…」

 

「ならせめて俺にも一言二言ことわりを入れてくれ。

お陰で荷解きを放りだしてきたんだぞ…」

 

「すまない………」

 

「…はあ、まあいい。

お前の抜けているところは今に始まったことでもないしな。

 

さっさと手続きをして帰るぞ」

 

「ああ。

 

…あ、二人共、ありがとう。

また、学校で会ったらよろしく頼む」

 

「うん!またね!」

 

「折角だから、名前聞いてもいい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ジーク。衛宮(エミヤ)ジークだ」

 

 

 




日記

今日、同級生だという同じ学校の生徒に会った。
これから仲良くなれたら嬉しい。

始業式が楽しみだ。






ジーク

CV:花江○樹

銀髪に赤い目をした、どこか抜けている少年。
身長165cm。

『すまない』が口癖で、愛称の元にもなっている。
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