今日はいい天気。
加えて本日は、喫茶店『衛宮さんち』もお休みのご様子。
本日は、そんな衛宮家の皆様がどう休日を過ごしているのか見てみるとしましょう。
パターン①
衛宮
「マヤちゃんメグちゃんおまたせ〜!」
「遅いぞアスカ〜!それにシキも!
こういうのって男の子が先にくるもんじゃないの?」
「申し訳ないです…思ったより用意に手間取って…」
「本当だよ!
シキってばいちいち『髪は乱れていないでしょうか』とか『忘れ物はないでしょうか』とか細かいこと気にするんだからさ!
お陰でボクもこの通りじゃんか!」
「なっ…そもそもひどい寝癖だったのはあなたでしょう!
加えて自分の財布の場所や服まで粗雑なものですからこっちまで不安になったというのに…!」
「そんなのシキの事情でしょ!
細かいこと気にしすぎなんだよ!」
「あなたが適当すぎるんです!!」
そんな話し合いからわーわー、ぎゃーぎゃーと喧嘩が始まってしまいました。
「あ、あの!も、もうすぐ映画始まっちゃ、う、よ…」
「……………そうですね、すみませんメグさん。マヤさんも待たせてしまって…」
「ふーん…じゃあ、この後映画館で飲み物奢ってよ、私とメグにさ!
そしたら水に流してあげる!」
「飲み物だけにって?」
「アスカ。
…分かりました。それじゃあ、行きましょうか!」
「やったー!じゃあ映画館へゴーゴー!」
「ご、ゴー!」
「シキゴチになりま〜す!」
「あなたは自分で払うんですよ!!」
パターン②
衛宮
「こんにちは〜また来ました〜」
「あらタマキくん、いらっしゃいませ♪」
「お、千夜ちゃんいつもと制服違うね。
それも可愛いねぇ〜」
「お褒めに預かり光栄だわ♪
現在甘兎はレトロモダン月間で〜す!」
「いや〜千夜ちゃんの可愛らしさが引き立ってますなぁ。
あんこもそう思わない?」
その言葉に応えたのか、それともいつものクセか。
タマキの顔に飛びつき、張り付き、頭に上り頭をペシペシ叩くのでした。
「あんこったらすっかりタマキくんの頭の上が気に入ったのね」
「そりゃどうも。さてと、本日は何を…っとと!?」
先程の飛びつきが原因か、はたまた頭の上の程よく重いうさぎが原因か。
立ちくらみを起こして、フラリと後ろに…
…ぴょん、と跳ねた黒いうさぎは、空から飛んできた黒い鳥に攫われていったのてました。
「ああ、あんこがまたカラスに…ま、待って〜!」
「………えぇ〜」
ひとまず席に座り、千夜ちゃんのおばあさんとぐだぐだお話しました。
パターン③
セントルシア・チサトのアニムスフィア兄妹の場合
「おいしい…」
「クリーム溢れるぞ…って口の周り汚れすぎだろ!!
まったく…ホラ拭きなさい」
「んんん」
「アンタたち相変わらずねぇ…」
シャロちゃんのバイト先のクレープ屋。
それを見つけた(チサト曰くシャロちゃんセンサーで嗅ぎつけた)セントとチサトは、仲良く?クレープをいただいています。
「にしてもこのクレープおいしい。
シャロちゃん、お菓子作りの才能も、ある?」
「やり方だけ覚えればどうにでもなるわよこんなの。
…まあ、チサトにはオススメしないけど」
「同感だ」
「?」
「あれ…シャロちゃんだ!こんなところでもバイトしてるなんて多趣味だね~」
「こっココア!?それにチノちゃんも」
「ココアちゃんにチノちゃん。おっはー。」
「チサトちゃん!それにセントくんも!おっはー!」
チサトの気さくな挨拶に、同じく気さくな挨拶を返すココア。
表面上のテンションこそ天と地ほどの差があるが、根っこには通じるものがあるようで。
「趣味の多さならチノちゃんだって負けてないよ!」
「チェス ボトルシップ パズルなどを嗜みます」
「老後も安心の趣味ね…」
「チェスならお兄ちゃんも得意。
へなちょこなお母さんは勿論、お父さんやお姉ちゃんにだって負けたこと無い」
「なんでお前が自慢げに話してんだ…」
「んーっおいしい!
はい、シャロちゃんにも一口あげる!」
「私仕事中よ?」
「まぁまぁそう言わずに!一口だけでも、ね?」
「ひとくち…」
と、ココアが自分のクレープをシャロに向けて差し出し…
…空から落ちてきたあんこの下敷きになった。
「また空からあんこが!!
…ってあれ、シャロちゃん私よりショック受けてる!?」
「ん、シャロちゃん、そんなにクレープ食べたかった?」
「………仕事終わりの時間になったら一つ奢る」
その後、あんこを回収しに来た千夜ちゃんと色々ありつつも、シャロちゃんはセントくんの奢ったクレープにありつけたのでした。
良かったね!
パターン④
衛宮
「ふむ、次のメニューにはイカスミと…それとフィッシュアンドチップスの鱈とモルトビネガー…」
現在、新メニュー開発のための買い出し中…
スーパーで一通りのものを買い揃えれば、後は帰宅し調理タイムだ。
…む。あんなところに知り合いが。
しかし、随分といつもと雰囲気が…
「やあリゼ。こんなところで奇遇だな」
「なっ!?」
「おや…本当に雰囲気が大分様変わりしているな。
その髪型といい服装といい…」
「こっこれはカットモデルを頼まれて…!
服は…っていうか私って分かるのか!?」
「これでも喫茶店のマスターなのでね。
常連客の顔は覚えておくと好感を持たれるというわけだ」
「なるほど…」
「まあ、それはそれとしてギャップに驚いたというのもあるのかもしれんな。
言い方を変えるなら『ギャップ萌え』というやつか?」
「萌えって…そういうお前こそ随分とラフじゃないか。
伊達メガネまでして…」
「実家の近所の人からの貰い物でね。
今日はどうせ店も休みだし、格好も気にすることもないかと。
どうせこの後はまた店に籠もりきりだ」
「…随分食材を買い込んだな」
「新メニューの開発でも、と思ってね。
定番のものが揃っていて安定している、といえば聞こえは良いが。
目新しいものがないと新規客を取り込めないだろう?」
「なる、ほど…」
「しかし、今日はうちの者もだいたい出払ってしまっていてね。
作ったものも自分の主観でしか味わえないのはなんとも困るのだが…」
「……………」
…ソワソワしているな。うん。
「……………よければ味見役で協力してもらえるか?」
「!!!
そ、そうだな。そこまで言うなら任されてやろう…」
『そこまでは言って無い』といったらどやされるのだろうな。
大人しく協力してもらうとしよう。
パターン⑤
衛宮ジークの場合
「………ハァ、はぁ、ふぅ、フゥ…」
「…ハァ、フゥ、むぅ、ン、む…」
衛宮ジーク。
ただいま…眼の前に広がる真っ赤な麻婆と対峙中。
本日は休日。
何をしようか手持ち無沙汰だったところに、白夜からの連絡。
『先日の話を覚えているだろうか』
『勝負の後とはいかないが、友とは食を交わすもの。
お前が望まぬのであればそれも構わん』
『そうか。ならばこの場所まで来てもらいたい』
…と、やって来た店は。
街から少し離れたところにある中華料理店。
一般的なものからお優しい味、並のものでは眼の前に立つことすら叶わぬであろう激×5辛のものまで幅広く揃った、街の名物。
そんな店の比較的辛めの仕様を、俺と白夜は食していた。
『友とは同じ壁へと挑み、それを競い合うものだと聞く。
ならば、俺とお前も同じものへと挑むべきだろう。
もっとも、選ぶ権利はお前にある。
自ら無理難題に飛び込む必要もない』
とは言え、俺も激辛のものは気になっていた。
しかしいきなり次元を超えたものに挑むのは抵抗があったので、マシな方にした…はずなのだが。
「はぁ、ハァ…カハ」
「フゥ、ふ、ぅ…ゴホ」
この通り。二人揃って満身創痍なのであった。
どうにか食し終え、二人フラフラと歩く。
未だに口が辛さで痛く、熱く。腹の中も煮えたぎったように熱い。
「恐ろしい店だった…」
「同感だ。自分が
…なん…だと…?
「言っていなかったか。
俺はあの店の経営者兼、街の教会の神父の管理する家で世話になっている。
働いているのは家賃代わりといったところだ。
紫織と幹也も同じだ」
意外な事実を知ることが出来た。
…ちなみにこの後、腹を壊しトイレに篭ることになったのは別の話だ。
パターン⑥
衛宮
本日はお休み。
珍しく我が家には誰もいません。
静かな家で一人くつろぐ…とも思ったのですが。
せっかくの陽気なので街をふらふら歩いてみることに。
古本屋で本を探したり、街のノラうさぎ達と戯れてみたり。
体育館で時間つぶしのフリースローをしたり。
セント達の学校やジークたちの中学を見に行ってみたり。
そんな感じで1日が過ぎました。
あれー。なんでしょうか。
何だか僕だけ話が薄味な気がシマスヨー?
「僕、これでも主人公のはずなんだけどなぁ…」
でもそんな事でくじけません。
泣いたりなんかしないよー。
……よー。…………よぅぅぅぅぅおうおうおうぅぅ………(涙)
頑張れリンネくん